2015年12月10日(木)

2015年の『白猫』を浅井Pが振り返る。拳の強化やお正月イベントの最新情報も!

文:イトヤン

 コロプラがサービス中のiOS/Android用アプリ『白猫プロジェクト』の今年1年はどんな年だったのか? プロデューサーの浅井Pに2015年の総括と、来年に向けた抱負をお聞きしてきました!

『白猫プロジェクト』

 『白猫プロジェクト』が今後目指していく方向性は? 浅井P自身の自己採点は?

 思い出話とあわせて最新情報もお聞きしたので、ぜひ最後までチェックしてみてください。近日実装予定の武闘家(拳)のアップデートに関する情報もありますよ!

『白猫プロジェクト』

1月:リアルイベントの開催が、『白猫』にとっての大きな転換点に

◆1月の主な出来事

1月1日お正月ガチャ(ガーネット、ミオ、カモメ、イリア、アマーリエ、ハルカ)
1月9日Oculus Rift対応アプリ『白猫VRプロジェクト』配信
1月9日ジャッジメント・オブ・ザ・ヴァンパイア ~魂を裁く不死者の王~
1月13日いたずら精霊と華麗なる試練
1月20日2500万DL記念:ねむねむひつじのドリームフェスタ!
1月20日ウォリアーのアップデート実装(攻撃範囲や威力、SP回復量がアップ)
1月23日第7章“メルリン島の白馬の王子様”が実装
1月28日フォースター☆プロジェクト8th(ディオニス、ミキ、リリエル、エシリア、レイヴン、キサラギ)
1月30日ねこまつりカフェがオープン
1月31日闘会議2015に“コロプラ闘会議プロジェクト”ブースを出展

――では、さっそくですが『白猫プロジェクト』の2015年を、年表を見ながら振り返ってみたいと思います。

浅井:こうやって一覧になると、アップデートの頻度がすごいですね。制作している本人たちは、次々とイベントを作っているので、あまり自覚がないのですが……。

――1月から順番に見ていこうと思うのですが、1月の出来事の印象は? 

浅井:1月はもはや、遠い昔という感覚ですね。『白猫』の運用が始まってから半年ぐらい経って、だいぶこなれてはきたものの、最近と比べるとまだ手探りな部分も多かったなと思います。

『白猫プロジェクト』
▲年始にはOculus Rift対応アプリ『白猫VRプロジェクト』が配信されて話題になりました。

 1月には“闘会議2015”と“ねこまつりカフェ”という2つのイベントがあったのですが、これらが『白猫プロジェクト』にとって、1つのターニングポイントになったと思っています。

『白猫プロジェクト』
▲『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』や『星の島のにゃんこ』とともにコラボカフェが開催されました。

 特に“ねこまつりカフェ”は、『白猫』だけでなく弊社としても、リアルイベントはほぼ初に近いものでしたから。それまでは、リアルにお客様とかかわることは少なかったのですが、すごく大勢の皆さんに来ていただいて、本当にうれしかったですね。

『白猫プロジェクト』
▲闘会議にも出展。ここで感じた協力バトルの楽しさは、ターニングポイントの1つになったようです。
『白猫プロジェクト』
▲2500万DL記念キャラでもあるウォリアーのネム。この時期にウォリアーの強化も行われました。
『白猫プロジェクト』
▲第7章“メルリン島の白馬の王子様”ではしゃべる花たちも活躍(?)しました。
『白猫プロジェクト』
▲何かと話題を呼んだウマルス。のちのホワイトデーイベントではイケメンとして登場しましたね。

2月:『黒ウィズ』とのコラボの反響の大きさにビックリ!

◆2月の主な出来事

2月6日白黒フェスティバル!(ミカエラ、リース、リヴェータ、フレイ、ピノ、ファム)
2月9日悠遠の凍て星
2月13日夢見る乙女のバレンタイン!
2月16日不思議の城のエシリア
2月22日猫の日クエスト
2月23日鬼アゲいろは歌
2月25日新職業クロスセイバー実装(ザック、フラン)
2月25日革命は洋梨の香り
2月25日フォースター☆プロジェクト9th(コリン、コヨミ、クロー、アンドリュー、カティア、インヘルミナ)

――続いて2月ですが、初めて新職業が追加されました。

浅井:そうですね、2月はまずなんといってもクロスセイバーですね。この時点では、まさか1年に2回も新職業を追加することになるとは、夢にも思っていませんでしたが(笑)。

 このクロスセイバーの時に、ただ職業を追加するだけじゃなくて、新しいアクションを実装するということを行ったんです。これがその後に、アクションの大きな調整を始めるきっかけになったかなと思います。

『白猫プロジェクト』 『白猫プロジェクト』
▲元祖クロスセイバーと言えばこの2人。ザックとフランです。カウンター攻撃ができるアクションが特徴的でした。

 それから2月には、弊社の『黒猫のウィズ』とコラボした“白黒フェスティバル!”もありました。白黒コラボは今だから言えるのですが、あんなに大きな反響がもらえるとは予想していませんでした。クイズとアクションRPGとで、ジャンルがまったく異なりますからね。

『白猫プロジェクト』
▲2014年12月5日にはウィズが登場していましたが、2月にはその他の『黒ウィズ』キャラが多数登場。ちなみに『黒ウィズ』には、『白猫』のカムイやミラたちが登場しました。

 社内でも“ホントに喜んでもらえるの?”という声がありましたし、僕自身も半信半疑なところがあったのですが、いざリリースしてみると、お客様の評判もすごくよくて。

 この白黒コラボあたりから、最近のラインナップガチャというか、1つのテーマに沿ってキャラクターや周辺のイベントを作り込んでいくという形が、生まれてきたと思います。この流れがやがて、“茶熊学園”につながっていくわけですね。

『白猫プロジェクト』
▲バレンタインイベントではメアが中心となる物語が展開しました。

3月:スキエンティアでのシリアスな物語が大きな反響を呼ぶことに

◆3月の主な出来事

3月2日あったかシチューをつくろう!
3月6日武器のオートスキル実装
3月9日チョコレート・パニック!?(ショコラ)
3月13日宇宙大好き計画!
3月13日ハッピーホワイトデー
3月13日倍書の重複・同時使用が実装
3月16日3000万DL記念:3000万回のラッキーチャンス!(ガレア、マール)
3月16日ランサーのアップデート実装(シールド追加、攻撃スピードがアップ)
3月16日メモリアルソードが実装
3月23日私立茶熊学園のあゆみ
3月23日総ては女王陛下のために
3月26日キャラタイプが実装
3月27日黒翼の宿命
3月27日フォースター☆プロジェクト10th(リアム、フィオーラ、ブランシュ、シュラ、ピレスタ、プリムラ、ガブリー)
3月30日第8章“宿命と記憶の眠る島”(学術都市スキエンティア)実装
3月30日主人公が覚醒
3月30日10回+1ガチャが実装
3月30日私立 茶熊学園の入学生が決定

――3月には、ランサーのアップデートが実装されました。

浅井:各職業に専用のアクションを入れつつ、職業ごとの差別化を図っていこうという方針が、この時点でもうできあがっていますね。

『白猫プロジェクト』
▲今や当たり前となった倍書の重複仕様や10+1回ガチャなどが実装されていったのもこの時期の話。

 第8章のスキエンティアが実装されたのも、3月です。スキエンティアはストーリー的に大きく動くところなので、シリアスに徹しようと。主人公の覚醒も含めて、スキエンティアにはかなり大きな反響をいただきました。

『白猫プロジェクト』
▲第8章“宿命と記憶の眠る島”では物語が大きく動きました。

 シナリオライターが力を入れてストーリーを組んでくれたので、非常に思い出深いですね。

 あと“ハッピーホワイトデー”は、けっこうふざけたイベントを行った記憶があります(笑)。茶熊学園の投票もちょうどこの時期ですよね。3月末に入学生が決定して、本格的にイベントを作り始めていった時期です。

『白猫プロジェクト』
▲カムイ役の岸尾だいすけさんのニコ生での発言から生まれた“茶熊学園”も着々と進んでいきました。

 個人的にはアンドリューが好きなので、彼のキャライベントも思い出深いですね。タウン用のデコレーションの気合いが入っていて、楽しかった覚えがあります。

『白猫プロジェクト』
▲浅井Pのお気に入りキャラの1人であるアンドリューは、2月のフォースターで初登場。3月にはキャライベントが行われました。
『白猫プロジェクト』 『白猫プロジェクト』
▲3000万DL記念キャラとして登場したガレアとマール。ちょっぴり泣ける2人のストーリーはファンの評価も高いです。

4月:やり過ぎたエイプリルフールとタイムアタックの盛り上がり

◆4月の主な出来事

4月1日白猫プロジェクト新章 最終話 旅立ち、そして帰宅
4月6日伝説を築く者たち
4月6日しろの日クエスト
4月8日神気解放が実装(ガーネット、ミカン、RZ-XV、アンナ、エリーナ、ミラ)
4月10日ナイトメア・コロシアム
4月14日マッハスピードレコーダーズ!(ヴィヴィ)
4月17日満開!食いしん坊珍道中!
4月20日春風と修羅
4月21日フォースター☆プロジェクト11th(キララ、ルーシー、ラーウェイ、フローリア、カスミ、イシュプール、タコパス)
4月24日The Shining Shadow 序章~闇に堕ちた太陽~
4月29日ニコ生放送緊急企画 ~ミラ様に懺悔しなさい!~
4月30日ギザドリームハッピーバースデー(しょこたん、ショコラ、ちび太、カクテル、シャンピニオン、リオーネ、ユピテル、スカシカシパンマン)

――4月はまず、エイプリルフールネタがありました。ヨシオを中心に大変なことになっていて、大笑いしました(笑)。

『白猫プロジェクト』
▲いろいろとやりすぎ感があったエイプリルフールイベント“白猫プロジェクト新章 最終話 旅立ち、そして帰宅”。

浅井:シリアスなスキエンティアの後に何をやっているんだっていう感じですよね(笑)。でも、ああいう運営の“あそび”が許される空気があるのが、『白猫』チームのいいところだと思います。

 ここは今でも大事にしているところですし、お笑い系のイベントは評判がいいことが多いです。

『白猫プロジェクト』
▲4月6日は“しろの日”! ごろ合わせでのイベントが多いことも、『白猫』の特徴かも?

 今では定期的に行われるようになりましたが、最初の神気解放が行われたのも4月ですね。

 あとは“マッハスピードレコーダーズ!”もありました。タイムアタックはゲーム的に評判がよくて、今でもやっていますね。

『白猫プロジェクト』
▲“マッハスピードレコーダーズ!”にあわせて登場したヴィヴィ。このあたりからタイムアタックの楽しさが増していった気がします。

 それからこの時期は、皆さんから「茶熊はまだですか?」と聞かれていた印象が強いのですが、でも入学生が決まったのが3月末ですから(笑)。

 僕自身がツイッターを始めたのがこのあたりだったので、ちょうどお客様との直接的なかかわりが増えていった時期でもありますね。

『白猫プロジェクト』
『白猫プロジェクト』
▲4月のフォースターでは人気キャラのカスミが初登場。また、異色の双剣キャラのタコパスが登場したのもこの月です。タコパスを演じる金田朋子さんのインパクトはすごかった!
『白猫プロジェクト』
▲もやしでもおなじみのミラ様を演じる下田屋有依さんがニコ生に出演!

5月:人気キャラのシズクが登場! さいかわ猫のメロディアも人気に

◆5月の主な出来事

5月1日GWを遊び尽くせ
5月13日爆炎の料理人-バーニング・シェフ-
5月15日ハロー!メロディアくん(メロディア)
5月18日3500万DL記念:水月鏡花~饗宴討鬼譚~(シズク、イサミ)
5月18日アーチャーのアップデート実装(チャージショット)
5月22日花言葉を伝えて
5月25日魔を祓う聖火
5月25日聖域を蝕む魔石
5月29日デビルスネーク、エンドラン!
5月28日フォースター☆プロジェクト12th(リンプイ、ベンケイ、キャロ、ユイ、ゼロキス、ポン、レンファ)

――5月には、シズクとイサミが登場しています。

浅井:5月は弓のチャージショットを実装することになっていたので、それに合わせて弓キャラのイサミを設計したんです。

 イサミは今でも十分強いと思っているのですが、いざフタを開けてみると“クロスセイバーのシズクが強い”と話題になってしまって(笑)。

『白猫プロジェクト』 『白猫プロジェクト』
▲3500万DL記念キャラのシズクとイサミ。この時期のシズク人気はものすごかったです。

 このあたりから、DL記念のキャラクターが登場するのが定番化してきましたね。2カ月に1回、早ければ1カ月で来たりするタイミングなので、お祭りをやるきっかけにちょうどいいかなと。

――1月のネムのころに比べて、シズクたちの登場はより大きな注目を集めていた気がします。新登場のキャラといえば、メロディアも5月ですね。

浅井:ユーザー様参加企画“さいかわ猫決定戦”で優勝した猫を、実際に擬人化してゲームのキャラクターにしちゃうとか、他では聞いたことがないですよね(笑)。

 このへんはわりと、思いつきからスタートした面ではあるんですけど、そういう勢いもまた『白猫』らしいのかもしれません。

 ちなみにメロディアはヒーロータイプとして優秀だったりするので、パーティ次第では今でも活躍できると思っています。

『白猫プロジェクト』
▲2月22日のニコニコ生放送で行なわれた“さいかわ猫決定戦”から生まれたメロディア。まさかのリアル猫の擬人化ということで、ちょっと驚きました!

――メロディアは専用武器のスキルを使った時のアクションのかわいさも話題になりましたね。

浅井:ベンケイみたいにいかつい武闘家でも「にゃん♪」という感じのかわいいポーズを取りますからね(笑)。

『白猫プロジェクト』 『白猫プロジェクト』
▲5月のフォースターではゼロキスやレンファなどが登場しました。

6月:島級のボリュームの茶熊学園が開催!

◆6月の主な出来事

6月3日私立茶熊学園 入学オリエンテーション
6月5日ハム買いに行くの!りんりんりん!
6月9日外伝私立茶熊学園(ソウマ、ミラ、クライヴ、ザック、ソフィ、カモメ、フラン、ヴィルフリート)
6月15日ポンちゃんといっしょ
6月26日フォースター☆プロジェクト13th(ディーネ、シャナオウ、サワワ、リスリー、ラヴィ、ツユハ、ダージ)
6月29日スーパーカムイファイヤー
6月29日キミに捧げるゼロ秒のキス
6月30日ファンブック発売記念クエスト

――そして6月は、もちろん……。

浅井:“茶熊学園”ですね。期間限定のイベントを島級でやるというのは、これが初の試みでしたし、オールスターが揃い踏みにもなりましたし。

『白猫プロジェクト』
▲6月と言えば、なんと言っても“茶熊学園”が盛り上がった時期です。クロスセイバーであるソウマが配布キャラになったことも話題を集めました。

 茶熊学園の企画を考えた当初は、こんなに盛り上がるとは夢にも思っていませんでした。いわゆる人気投票的な感じになるのかなと思ったら、それとは違う不思議な熱量を、リリースする前からすごく感じていて。打ち合わせ中にスタッフが描いたイラストをTwitterで公開したこともありました。

『白猫プロジェクト』
▲茶熊学園の時期に公式Twitterに掲載されていた画像がこちら。たくさんのキャラがいて楽しそう!

 ある種、お客様と僕らが一緒になって作っていったところが、非常に色濃く出ているイベントだと思います。

 茶熊学園は今後も、お客様とコミュニケーションできる場所として、末永く大事にしていきたいと思っています。2016年の茶熊学園も見えてきましたので、そちらもぜひ楽しんでもらえたらと。

――茶熊は反響が大きかった分、運営のほうも大変だったのでは? 

浅井:6月は、運営的には7月の1周年を見すえて動いているタイミングだったのですが、茶熊の反響があまりにも大きかったので、「茶熊のイベントをもっと増やさなきゃ」とか、「次回の茶熊はどうしよう」とか、そういうことも並行してやるようになっていましたね。

――そんな大変な時期に、“ファンブック発売記念クエスト”もやっていただいて。

浅井:1月の“ねこまつりカフェ”あたりから、ゲームだけではない『白猫』の盛り上がりを大事にしたいという思いが徐々に強くなっていました。

 ファンブックもそうでしたし、何かしらグッズが発売されたり、リアルイベントが開催されたりする時は、こうした記念クエストを行うようにしているんです。

『白猫プロジェクト』
『白猫プロジェクト』
▲ファンブックの発表を記念して、こんなイベントも開催していただきました。トムボイやクリストファーが頑張っていましたね。

 公式ホームページでのお知らせだけだと、なかなか気づかないというお客様もいらっしゃるので、こうした形でゲーム内でも告知することで、少しでも気づいてもらえばうれしいですね。

7月:ドラゴンライダーやサマーカスミなど、1周年記念の夏は思い出が盛りだくさん!

◆7月の主な出来事

7月2日ギルドカーニバル!
7月2日全員出席!茶熊学園
7月2日武器ガチャの星4出現確率が変更
7月3日リスリー・ホラー・ハウス
7月3日The Shining Shadow 2章~太陽に弓を引く蛇~
7月6日サマー!サマー!!サマー!!!(サマーソウル、レイヴン、カスミ、リアム、インヘルミナ、エドガルド、コヨミ、セリナ)
7月7日星に願いをプロジェクト
7月10日風神山の雲たぬき
7月13日リコ・グリコ・リコ・リコ・グリコー!
7月14日The first anniversary!(『白猫プロジェクト』1周年)
7月14日ランダムマッチングが実装
7月14日コラボカフェ“登校!茶熊学園”がオープン
7月17日引き継ぎニューゲームが実装
7月17日メインストーリーがフルボイス化
7月17日星3クロスセイバー登場&星3武器スキルが解放
7月17日新職業:ドラゴンライダー実装(エクセリア、ゲオルグ)
7月17日Divine Dragon’s Saga
7月24日GENPEI WARS
7月24日みんなでいこうよ!ねこまつりカフェ(大阪)
7月29日フォースター☆プロジェクト14th(メルクリオ、パルヴァネ、クルーシャ、エーベルハルト 、スー、リコ、ライライ)

――7月は1周年だけあって、アップデートやイベントが盛りだくさんですね。

浅井:新職業のドラゴンライダーが実装されたり、引き継ぎニューゲームが実装されたりと、1周年をきっかけにして、ゲーム自体も大きく変化しましたから。

『白猫プロジェクト』 『白猫プロジェクト』
▲新職業のドラゴンライダーとして登場したゲオルグとエクセリア。この時はレギュラーの職業ではなく、1周年記念の特別職業のようなスタンスでした。

――メインストーリーがフルボイス化して、それまでにプレイしていたユーザーも“引き継ぎニューゲーム”によって、ストーリーを耳で楽しめるようになりました。

浅井:コンシューマゲームだと、好きなRPGを何度も遊んだりするじゃないですか。自分自身にとっても、好きなRPGのストーリーをもう一回最初から味わうのは楽しい体験だったので。そういう機会を提供したいという意図が、“引き継ぎニューゲーム”にはあるんです。

――確かに引き継ぎプレイをしていると、「ああ、このダンジョンは初めて遊んだ時に苦戦したなあ」なんて思い出もよみがえることが多々ありました。

浅井:そういうところが狙いです。ストーリーの読み返し機能がついているとはいえ、実際に遊びながらストーリーを楽しむ体験は、またちょっと違いますからね。

――キャラクターのほうでは、ドラゴンライダーもいればサマーカスミもいて、強いキャラが増えた印象があります。

浅井:サマーカスミについては、今だから言えますが、あのバランス調整に対してちょっと……と思うところもあるんですよね。

『白猫プロジェクト』
▲サマーイベントで登場したカスミ。麦わら帽子もかわいいですね。

 操作可能なビームと呪いの拳を組み合わせると、思っていた以上に強くなってしまいますから……。ただ、皆さんに喜んでいただけたので、その点ではよかったと思います。

 とはいえ、同じ月にドラゴンライダーとサマーカスミの両方がいなくても、とは思いましたね(苦笑)。

『白猫プロジェクト』
▲夏だ! ということでサマーソウルがプレイアブルキャラに!! 水着キャラたちもかわいかったです。

――もともと人気の高いカスミが、水着でさらにセクシーになって、しかもすごく強いと。それはみんな、欲しくなりますよね。

浅井:もうちょっとアクセルを弱めてもよかったなと思うところは、正直ありますね。いったんリリースしたものは、不具合や明らかにおかしい動作を除いて触らないという方針なので、弱体化するとか、そういったことはありませんけれども。

 あとは“茶熊カフェ”も7月ですか。昼間のカフェだけでなく、夜の“微力ながらBAR! 黒猫もお邪魔しますにゃ”もすごく好評をいただきました。

 人気の声優さんがお忍びで遊びに来てくれたりもしたんです。僕も一度、こっそり行ったんですが、お客様に普通に発見されちゃいましたね(笑)。

『白猫プロジェクト』
▲ランダムマッチングが導入され、協力プレイが一段と盛り上がることに!
『白猫プロジェクト』
▲塩のルーンを持つクルーシャも7月のフォースターでプレイアブル化。のちには温泉イベントにも登場しました。

8月:“白猫フェス”に『七つの大罪』コラボ。そしてシャルロットが登場!

◆8月の主な出来事

8月4日4625万ダウンロードキャンペーン
8月7日失われた健康を求めて
8月8日1周年記念イベント“白猫フェス2015”開催
8月10日七つの大罪プロジェクト(メリオダス、ディアンヌ、バン、キング、ゴウセル、マーリン、ギルサンダー)
8月14日友達になりたい
8月17日王子たちの狂宴
8月18日動画番組“浅井Pのお世話にニャっております!”第1回配信
8月21日秋葉原でイベント“フォースター1stアニバーサリー★プロジェクト”開催
8月21日The Shining Shadow3章~光を失くした剣~
8月24日第9章“大歓迎! テーマパークの島”(ジモ島)が実装
8月26日ポッキー・ハッピー・バースデー!
8月26日投票で選ばれたシャロン、パン、イグニが神気解放
8月28日5000万DL記念:光焔の御子と黄金の覇者(シャルロット、オウガ)
8月28日剣士のアップデート実装(チャージスラッシュ、カウンタースラッシュ)
8月28日アーチャーのアップデート実装(チャージショットがパワーアップ)
8月31日レインボー・グラフィティ
8月31日『白猫プロジェクト 公式設定資料集&ファンブック』発売

――8月には“白猫フェス2015”が開催されました。

浅井:フェスに関してはいろいろあって、来場を制限させていただく形になってしまいましたが、本当にお客様の熱量が感じられるイベントになりましたね。

 僕自身も会場を回って、“こういうことをやってほしい”というお客様の声を、直接聞くことができました。本当にありがたく思っています。

『白猫プロジェクト』
▲ディファ有明で行われた1周年記念イベント“白猫フェス2015”ではトークショウやコスプレコンテストなど、さまざまな催しが行われました。

 声優の皆さんにも大勢出演していただいたのですが、本気で『白猫』を遊んでくださっている方が多くて。ファンの皆さんと演者さんと運営スタッフが、『白猫』というゲームを通してみんなが1つになっているという感覚がすごく伝わってくるイベントになっていたと思います。

●動画:白猫フェス2015 ダイジェストムービー

――8月は5000万DL記念キャラとして、シャルロットとオウガが登場しました。

浅井:シャルロットに関しては分散ダメージという能力で、単体相手では今でも無類の強さを誇っているんじゃないかと思います。

 この当時、剣と斧はどちらかと言えば不人気な職種だったんですよ。そういったこともあって、僕らとしてはお客様にぜひ思い入れを持ってほしいと作ったキャラでした。

『白猫プロジェクト』 『白猫プロジェクト』
▲5,000万DLキャラとして登場したシャルロットとオウガ。シャルロットの登場にあわせて、剣士の強化も行われました。

 シャルロットばかりに注目が集まってしまいがちですが、このタイミングでチャージスラッシュとカウンタースラッシュが実装されて、剣の使い勝手がかなり変わったんですね。だから僕らとしては、シャルロットというよりも、剣自体が強くなったというふうに考えています。

――8月には『七つの大罪』とのコラボもありました。既存のIPとの大規模なコラボは、これが初めてですよね。

浅井:そうですね。その前にふなっしーやしょこたんとのコラボもありましたが、IPとはまたちょっと違うかなと思うので。

『白猫プロジェクト』
『白猫プロジェクト』
▲アニメキャラが登場することで人気を集めた『七つの大罪』コラボ。梶裕貴さんが声を演じるメリオダスと『白猫』の主人公の競演もありました。

 『七つの大罪』に関しては、実は僕自身がコミックに本気でハマっていて。『黒猫のウィズ』で『進撃の巨人』とコラボした際、弊社のマーケティング担当に「個人的には、次は『七つの大罪』とコラボしたいんだけど」と言っていたぐらい、思い入れが強いんです。

 『白猫』に移ってからにはなりましたが、こうしてコラボが実現できて、すごくうれしかったですね。

 余談ですが、『週刊少年マガジン』で連載中の原作『七つの大罪』では、いよいよ7人目のメンバーが登場したじゃないですか。自分の好きな作品が熱い展開を迎えると、なんだかうずうずしちゃいますね!

 それから8月には、9章のジモ島が実装されました。ジモ島には、スクリーンショット撮影用のポイントというものを用意してあって。看板から顔だけ出して撮ってね、大砲に詰まっているところを撮ってね、みたいな感じで、いくつか用意してみました。

『白猫プロジェクト』
▲テーマパークをモチーフにしたジモ島では、楽しいギミックの他に記念写真が撮れる看板が登場。公式Twitterでも、このように楽しそうなスクリーンショットが披露されていました。

 好きなキャラクターが活躍している姿を撮影できるというのも、アクションゲームならではの遊びだと思うんです。そういう楽しみ方をしてもらえると、僕らとしてはうれしいですね。

『白猫プロジェクト』
▲秋葉原で行われた“フォースター1stアニバーサリー★プロジェクト”では過去のフォースターキャラが登場。占いを楽しむこともできました。
『白猫プロジェクト』
▲ちょっと宣伝。『白猫プロジェクト 公式設定資料集&ファンブック』は好評発売中です!

9月:ダグラス2イベントでシリアス方向への掘り下げも挑戦

◆9月の主な出来事

9月2日コラボカフェ“微力ながらBAR!黒猫もお邪魔しますにゃ”がオープン
9月4日オペレーション・スカイハイ
9月9日Twitterフォロワー46.25万人突破
9月11日神域に集う戦士たち
9月15日フォースター☆プロジェクトコンツェルト[15th](アルチュール、ダリル、オレリア、ヒナ、テレーゼ、リンベル、デコラとボコラ)
9月15日シンフォニーパワーが実装
9月18日Missing Symphony
9月25日戦獅子の試練~バトルプレリュード~
9月30日Brave The Lion 2(ヨシュア、オズマ、メア、セラ、カティア、ミレイユ、バイパー、テトラ)
9月30日Brave The Lion番外編~挑み続ける勇者たち~

――9月の“フォースター☆プロジェクトコンツェルト”では、シンフォニーパワーという新しい形のアクションスキルが登場しました。

浅井:これまでの単純な攻撃力アップといったような形とは、またちょっと違った方面の楽しみ方もやってみようかなと。あとはフォースター自体に、楽団という共通する要素を持たせてみたかったというところもあります。

『白猫プロジェクト』
▲音楽が力になるシンフォニーパワー。12月にはシンフォニーパワーを持つアマーリエのイベントが開催されました。

――シンフォニーパワーを発動させると音楽が変わるというのも、楽しいですね。

浅井:キャラクターの性格をゲームで掘り下げていくにあたって、音楽というのは外せないところがあって。そういう意味では、いい仕様だったのかなと思います。

――9月の最終日になりますが、大型イベント“Brave The Lion 2”(ダグラス2イベント)が登場しましたね。

浅井:島級のイベントとしては“茶熊学園”に続くものですが、ストーリー的にはむしろスキエンティアの方向性に近い、シリアスなものになっています。

『白猫プロジェクト』
▲配布キャラの中でも強いと評判だったダグラスがさらに強く! いわゆる“ダグラス2”イベントと呼ばれた“Brave The Lion 2”もシリアスな話で好評でした。

 正直なところ、お客様の声としては『白猫』には明るく楽しい話を求める方が多いようです。たとえば、11月に行った温泉イベントのようなノリですね。

 とはいえ、ギャグ一辺倒になってしまってもおもしろみがないとも思っています。そもそも、このイベントでフォーカスされているダグラスはシリアスな方向に振って作られたキャラなので、そこはブレずにいきました。

『白猫プロジェクト』
▲ダグラスイベントにはカティアやメアが登場。テトラがドラゴンライダーになったことも話題になりました。(画像は公式サイトをキャプチャしたもの)

 結果的にストーリーに対する反響が大きくて、うれしかったですね。ダグラス以外にもカティアとかメアとか、ちょっと尖った味があるキャラたちがしっかりとストーリーに絡んでいて、そういうところはすごくよかったなと思っています。

 島自体の難易度もちょっと歯ごたえのあるものになっていて、アクションゲーム好きの方にも楽しんでいただけたのではないかと思います。

『白猫プロジェクト』
▲『黒ウィズ』と共同で行われた“微力ながらBAR!黒猫もお邪魔しますにゃ”。

10月:『アニゲラ』コラボや魔道士のアップデートが実装!

◆10月の主な出来事

10月6日誓いのボナペティ(ファンブック人気投票1位のフランイベント)
10月7日獅子たちの咆哮
10月13日ヒナぴよ!
10月16日太陽と月のソイヤ(アマタ、ツキミ)
10月16日ギルドオファー&アクセサリ実装
10月16日魔道士のアップデート実装(精神統一、テレポーテーション)
10月19日アニゲラ!x白猫コラボイベント
10月20日6000万DL記念キャンペーン
10月22日公式Twitter1周年!プレゼントクエスト
10月23日The Shining Shadow 4章~蛇想う祈りの杖~
10月29日フォースター☆プロジェクトリベンジwithアニゲラ![16th](アナザー、マイ、アンナ、アルザーン、ミラ、アマーリエ、タージ)
10月29日ドラゴンライダーへの道(アジルス、セルジュ)
10月30日訓練所の合体システムが実装

――10月は魔道士のアップデートが実装されました。

浅井:このアップデートで魔道士が精神統一を使えるようになりました。リリース前の話になりますが、魔道士系キャラの設定として、潤沢なSPを使ってサポート&回復、強力なスキル! ……というイメージがあったのですが、ここ最近は回復できる他職業や、SPについても魔道士が劣るところも出始めていました。

 魔道士に新アクションを追加するにあたって、もう一度このコンセプトへ戻ろうかなと思い、精神統一にはSP回収とダメージアップを持たせました。

 職種ごとの特殊アクションは、これで5個目でしょうか。だいぶこなれた感じでリリースできるようになってきたと思います。後ほどお話しますが、12月に行う拳(武闘家)の強化で、初期の職業すべてに調整が入ることになりました。

――アマタとツキミもものすごく人気が出ましたね。

浅井:ツキミについては、ちょうど魔道士の強化タイミングとあわせる形での登場となったので、なおさら強さが強調された部分があったかもしれませんね。

 アマタは当初あまり評判がよくなかったのですが、キャラ性を含めて僕は好きなキャラクターで、しっかり強いキャラだと今でも思っているのですが……、どうでしょうか。

『白猫プロジェクト』 『白猫プロジェクト』
▲6000万DLのタイミングで行われたイベントで追加されたアマタとツキミ。ツキミのかわいさと強さにほれた人も多いのでは?

――10月は、文化放送で放送されているラジオ番組『杉田智和のアニゲラ!ディドゥーーン』とのコラボも印象的でした。

『白猫プロジェクト』
▲杉田智和さんがMCを務める『アニゲラ』とのコラボも行われました。

浅井:杉田さん自身も『白猫』をガッツリと遊んでくださっていて、こういう性能はどうかとか、尖ったところを重視するという形でお話しさせていただいて、通常のリリースではなかなかできないようなことを実現できました。

 タージなんて、普通のフォースターではなかなか入れにくいキャラなのですが、このへんのピーキーな性能はコラボならではですね。

『白猫プロジェクト』
▲ファンブックの人気投票で1位になったフランが活躍したイベント“誓いのボナペティ”。

11月:温泉イベントにクリスマス。冬に向けたイベントも続々登場!

◆11月の主な出来事

11月6日ニコ生出演記念 GENPEI WARS&友達になりたい
11月10日白猫温泉物語(セオリ、シャナオウ、ゼロキス、リーゼロッテ、キサラギ、フローリア、クルーシャ、キャロ、マール)
11月13日オーバー・ザ・ヒーロー!
11月13日コラボカフェ“大阪! 茶熊学園”がオープン
11月20日茶熊学園2016の投票開始
11月20日キャトラがアニメ『ミス・モノクローム』に出演
11月27日大江戸温泉物語とのコラボイベント“お台場白猫温泉物語”が開催
11月30日Holy Night Story~あるある王子とまんぞく姫~(アルカ、ナンシー、シャオフー、フラン、ルーシー、メルクリオ、ディオニス、レンファ、エシリア、シズク)

――11月はやはり“白猫温泉物語”のイベントのインパクトがありました。

浅井:しばらくシリアスが続いていたので、今回はコメディに振り切っていこうとやってみたのですが、お客様にもかなり喜んでもらえたみたいで。「温泉怪盗ってなんだよ?」みたいな(笑)。

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 『白猫』らしさというのは、わりとこっちの方向性なのかなと思っています。フォースター☆プロジェクトが全体的にこの温泉みたいなノリで、フォースターは『白猫』の文化として定着していますので。

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▲11月の目玉は温泉イベント。温泉怪盗ゴエモンはプレイした人から大ウケだったそうです!

――キャラクターが温泉につかった時のリアクションがいいですよね。

浅井:本当は『白猫』を一番最初にリリースする時点で、タウンに温泉を置きたかったんです。でも、たとえばタウンで温泉につかることで一時的にパラメータがアップする、みたいな仕様だと、今ひとつ『白猫』のゲーム性に合わなくて。

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▲大江戸温泉物語とのコラボイベント“お台場白猫温泉物語”も開催されています。

 その際に録りだめしておいた温泉用の特殊なボイスが、ようやくついにこういった形で実装できました(笑)。

 最初はただ温泉につかって回復するだけの仕様だったのですが、実装直前まで粘って制作してもらい、あのリアクションを組み込むことができました。

 その甲斐があってお客様には喜んでもらえたので、やってよかったですね。

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▲温泉イベントでは、ドラゴンライダーであるセオリが配布されたことも話題になりました。
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▲温泉イベントにはドラゴンライダーのマールも登場!

――11月末日にはクリスマスイベントも実装されました。

浅井:温泉イベントのように特殊なものもいいですが、こういう季節の定番ものもしっかりとおさえていきたいですね。

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▲11月末日にはクリスマスイベントが開催。フランやシズクたちも登場します!

2015年の総括:浅井Pの自己評価は60点とやや辛目!? その理由とは?

――ここからは2015年全体の総括的なお話をお聞きしたいと思います。まず、浅井さんが一番印象に残っているキャラは誰ですか?

浅井:フランでしょうね。フランはもともと、フラン=ラ=フランスという名前にする予定だったんです。

 クロスセイバーでどんなキャラを出そうかという会議があった時に、ミカンやリンゴといったフルーツ忍者シリーズの流れを受けて、洋梨のラ・フランスにしようということになりました。

 いざフタを開けてみたら、名前がラ・フランスではなくなっていたのですが(笑)。ただ、すごく思い入れを持って作ったキャラですし、登場した瞬間からお客様にかわいいと言ってもらえたので、うれしかったです。

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▲小岩井ことりさんが声を演じるフラン。茶熊学園では魔道士、クリスマスイベントではプリンセス衣装の武闘家として登場しました。

――実際に人気もすごかったですよね。

浅井:でも最初に登場した時は、ザックの人気のほうが高かったと思います。フランはSPキャラでザックはアタッカーキャラなので、どうしてもアタッカーのほうが注目を集めやすいっていうのがあったと思うんですけど。

 ちょっと寂しい思いをしていましたが、茶熊学園で見事に勝ち残ってくれました。茶熊学園版のフランはSP回復キャラとして出したところ、強さも含めて非常に人気が高くなりました。

 ファンブックの人気投票でも1位を獲得しましたし、かわいらしいキャラ性もあって皆さんに愛してもらえて、すごくよかったなと思っています。

――2015年になってから、『白猫プロジェクト』を取り巻く環境の変化はありましたか?

浅井:2014年に比べて2015年のほうが圧倒的に、お客様とコミュニケーションを取っていると思います。特に、公式Twitterなどでこちらが考えていることをお客様にちゃんとお伝えするということの重要性を、すごく痛感していますね。

 お客様が不満に思っているところを僕らもわかっていて、でもさまざまな事情ですぐには調整できない……といった時に、何も言わないのはよくないんですよね。

 「こういう事情があるので少しお待ちください」と説明することで、お客様のほうでも「じゃあもう少し待ってみようか」と言ってくださることが多いので。

 改善する時も、ただリリースするだけじゃなくて、“こういう意図があって、こう変えました”としっかり説明することで、意味がはっきり伝わると思うんです。そういった信頼関係の構築が、本当に大事だなと思っています。

 もちろん、全部が全部、お客様の声にお応えできているとは思っていませんが、そういったところを深めていくことができた1年だったのかなと思っています。

――浅井さんから見た2015年の『白猫プロジェクト』は、100点満点で言うとどれぐらいですか?

浅井:うーん、難しいですけど、及第点を与えてもいいかなとは思うので、60点ぐらいかな。

――意外に低い点数ですね。

浅井:ステージの遊びの部分で、もっとできることがあったんじゃないかと思います。この1年で新しく人気の出た遊びって、タイムアタックぐらいしかないんじゃないかなって。

 ギルドオファーとか新職業とか、ゲームをおもしろくする要素はいろいろと追加できましたが、コアとなる遊びの部分に関しては、もう1個ぐらい何かおもしろいものができたんじゃないかと。

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▲温泉イベントではフックを使った新アクションが登場。今後はこういったギミックが増えていくかも?

 欲を言えば、キャライベントみたいに一周すればそれでオッケーというイベントは、毎回何かしら工夫をしたいんです。工数も含めて、なかなか実現できないところはあるんですけど。そこをもう少し踏み込みたかったというのが、心残りですね。

今後の『白猫』その1:武闘家の強化で、至近距離での戦いがさらにヒートアップ

――さてここからは、今後の『白猫プロジェクト』についてお聞きしたいと思います。12月には武闘家(拳)が強化されるとのことですが?

浅井:最初に武闘家のコンセプトからご説明すると、拳は超インファイターとして考えています。とにかく敵に張り付いて攻撃しまくって、SPを回収してスキルを放って、つねに至近距離を保ち続けながら戦うというキャラクターに、もっと特化させたいと。

 そこで拳には新アクションを3つ用意しています。まずはチャージナックルですね。敵の動きを見ながらチャージして離すと、一気に近づいて攻撃できて、しかも拳ならではの速度感で攻撃を続けられると。つまり、間合いを計りながらすぐに近づけるアクションですね。

 次に、緊急回避中に攻撃ボタンを押すと、敵の至近距離にすぐ近づけるというアクションも用意しました。敵に近づいて攻撃して、敵の攻撃をスワイプで避けて、それで敵の攻撃が終わったらまたすぐに近づくことができるっていう。

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▲武闘家に新アクションが追加されるとのこと。これで初期からの6職業すべてに調整が入ったことになります。

――クロスセイバーの場合、スワイプでコロンと避けるとビックリマークが出て反撃ができますよね。それとは違うんですか? 

浅井:拳の場合はいつでも任意に発動できます。クロスセイバーのカウンターみたいにタイミングを計る必要がなくて、緊急回避した後に攻撃ボタンを押せば、すぐ接近できます。

 その代わりに無敵にはならないので、近づくタイミングを自分で見極める必要があります。

 拳はカウンターだとか、広範囲に攻撃するチャージアタックみたいなものは持っていないんですけど、その代わりに敵に素早く近づく手段が増えた形になっています。

 さらに3つめ目の新アクションとして、敵を一定の回数だけ攻撃すると、チャージモードに入ることができます。そこでチャージモード中にスキルを使えば、攻撃力がアップするという仕組みです。

――長押しのチャージアタックとはまた別に、攻撃の回数によってチャージモードに入るんですね。

浅井:その通りです。とにかく近づいて攻撃して、SPを回収して、スキルを打たなくてもオッケーなところはあえて打たないでおいて、チャージを溜めておいてから打つべきタイミングで打つと。これが新しい拳の戦い方になります。

今後の『白猫』その2:お正月キャラには、ホームランな彼女が登場!

――もうすぐお正月ですが、今年もお正月限定キャラが登場しますよね? そのメンバーはもう決まっているのですか? 

浅井:キャラの制作スケジュールに関しては、2、3カ月前には決まっていないと間に合わないので、茶熊学園の直前ぐらいまではもう決まっていますね。

『白猫プロジェクト』 『白猫プロジェクト』
▲2015年のお正月には晴れ着や巫女さん衣装が登場しました。来年はどんな衣装になるのか楽しみ!

 お正月に関して言うと、ホームランの彼女は登場します!

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▲2016年のお正月イベントにはホームランな彼女が登場! さて、今回は何を探すのでしょうか?

――それは楽しみです! ちなみに最近は島級の大規模なイベントが続いていて、そのぶんメインストーリーの実装される間隔が、以前よりも開いているように思うのですが、10章の実装はいつごろになるのでしょうか? 

浅井:そろそろやりたいとは思っているのですが、年末年始のこういう時期なので、もう少し時間がかかるかなと思っています。

 新しいお客様がたくさん遊び始める時期でもありますし、そういった方が気軽に楽しめるイベントのほうに注力している部分がありますね。

 ただ、もうちょっと先になると今度は茶熊学園2016が来てしまうので、メインストーリーの実装タイミングがなかなか悩ましいところです。今回の茶熊学園もかなり大規模になるので。

――あまり大きなイベントが続きすぎても、今度は遊びきれなくなっちゃいますよね。

浅井:お客様が気軽に遊べるものと、しっかりガッツリ遊べるものとは、バランスを取っていかなければと思っています。それもあって、メインストーリーの実装時期はどうしようかと検討しているところですが、裏ではしっかり準備しておりますので、ご期待ください。

今後の『白猫』その3:“茶熊学園”は続編ではなく、その時々のオールスターによる物語に

――メインストーリーももちろんですが、次の“茶熊学園”のほうも気になります。ソウマの再登場はあるのでしょうか?

浅井:最初にお話ししておくと、茶熊学園を続編の“2”という形で続けていくつもりはありません。あくまで“茶熊学園2016”という、新たな形で考えています。

 茶熊学園のイメージとしては、野球やサッカーのオールスターゲームに近いと思っています。その時その時でお客様が入学してほしいと考えるキャラクターたちが紡ぐ物語というのを、毎年ちゃんとやろうと。

 これが続きものになってしまうと、前回を知らないから入っていけないという人もいると思うので。

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▲来年に向けた“茶熊学園”の投票も始まっています。途中結果ではオウガやシャルロットが人気でしたが、最終的にはどうなるのでしょうか。

 ダグラスのように、古くから遊んでくださっているお客様に向けて“2”をやる企画もあるのですが、茶熊学園に関してはそうじゃないだろうと。もちろんソウマも茶熊学園に入学しているので、物語に登場するとは思いますが、そこにフォーカスが当たることはないでしょうね。

 ただ、ソウマを持っていない新規のお客様もいると思いますので、“茶熊学園2016”の開催時期付近で前回の“2015”も開催することを考えています。今回のクリスマスイベントと同じような感覚ですね。

2016年の『白猫』:トランプのように遊び方の幅を拡張していきたい!

――『白猫プロジェクト』の2016年に向けての抱負を聞かせてください。

浅井:2015年は1年を通して新しい遊びというか、こういうこともできたんだというのを追求したいなと思いながら進んできたので、来年もそこは継続していきたいと思っています。

 トランプって、基本のセットはカードがあるだけじゃないですか。でもそれを使った遊び方は、ポーカーがあったりブラックジャックがあったり、すごくたくさんの種類があって。

『白猫プロジェクト』
▲アクションゲームとしての楽しさだけでなく、より多彩な遊びに対応していくのかもしれません。

 それと同じように、『白猫プロジェクト』自体はトランプのカードセットであって、その中で遊べるものは茶熊学園があったり、いろんなルールの中で『白猫』を遊べたりできるという、そういうものを提供していきたいと思っています。

 2015年にそれを達成できたのかというと、先ほどお話ししたように60点だったりするので、2016年はそういうところもしっかりやっていこうと思っています。

 あと、ストーリーやキャラクターの掘り下げという部分は、今年1年でだいぶできたなと思っているのですが、そこもよりいっそう深めていきたいと思っています。

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▲キャラクターを掘り下げるイベントは2015年にも多数行われてきました。

 それにともなって、そろそろゲーム以外の展開もできたらいいなと思っています。今の段階で明言できるものはありませんが、リアルイベントや“茶熊学園”の校歌やイメージソングCDなどの展開も含めて、お客様に楽しんでいただけることを考えていきたいですね。

 もちろん、ゲームをしっかりと作っていくことが第一ですが、その一方でゲームじゃないところで『白猫』を楽しめるというところにも目を向けて、2016年もやっていきたいと思っています。

――では最後に、『白猫プロジェクト』のファンの皆さんに、メッセージをお願いします。

浅井:まずは今年1年、『白猫』を楽しんでいただいたことに感謝を申し上げたいと思います。1周年を過ぎてもまだまだ盛り上がっているのは、本当にスゴイことだと思っています。皆さんからの支持に心から感謝しています。

 皆さんからのご意見にはちゃんと目を通して、どうしてそんな気持ちになるんだろうということを考えていますので、ご意見ボックスやサポート窓口、Twitterなどで、ぜひどんどんご意見を言っていただければと思います。

 運営チームとしてはそういう声をいただきながら、期待に応えていくことが大切だと思っています。厳しいご意見が参考になることはもちろんですが、それだけでなく、「実はこんな楽しみ方をしています」といった、こちらが全然意図していなかったところを気付かされることもたくさんあるんです。

 その“気付き”が、新しいゲームを生み出しているというところも確実にあるので、『白猫プロジェクト』を遊び尽くしてもらって、それに対するフィードバックをどんどんと返してください。そこからまたおもしろいものを提供できると思っていますので、引き続きよろしくお願いします。

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▲インタビューの最後は浅井Pの“にゃん♪”ポーズでシメ!

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データ

▼『白猫プロジェクト 公式設定資料集&ファンブック』
■プロデュース:アスキー・メディアワークス
■発行:株式会社KADOKAWA
■仕様:B5判/カバー付き/256ページ(オールカラー)
■発売日:2015年8月31日
■定価:1,200円+税
 
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