2015年12月7日(月)

『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』開発者インタビュー! AIで動くNPC“サイドキック”の役割とは?

文:電撃PlayStation

 アメリカ・サンフランシスコで開催された“PlayStation Experience(PSX) 2015”。本イベントにて、PS4で2016年3月18日発売予定の『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』の開発者インタビューを行った。その内容を掲載する。

『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』
『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』
『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』
▲Naughty Dog所属のリードゲームプレイデザイナーRobert Cogburn氏

NPCの“サイドキック”は非常に重要な要素

──まずは、今回の“マルチプレイモード”でもっとも重視していることから教えて下さい。

 今回のマルチプレイの特徴は“ハイ・アドベンチャー”です。ストーリモードでもアドベンチャーを重視していますが、その要素がマルチプレイでも体験できるようになっており、ショートストーリーが発生するようになっています。

 それから、チームワークですね。チームワークを使うことでも、いろいろなストーリーが展開していくマルチプレイになっています。この2つの要素を取り入れたことで、マルチプレイのシステムが特徴的なものになりました。

──本作では、本編に出てくる“秘宝(ミスティカル)”がマルチプレイでも使えるという要素があるとお聞きしました。ミスティカルはどのような役割を持っているのでしょうか?

 マルチプレイでは、過去の『アンチャーテッド』シリーズやコミック版などで使われていたものなど、さまざまな種類のミスティカルが登場します。ミスティカルはハイ・アドベンチャーにおける1つの役割を担っており、テンションの高いアクションやマルチプレイが楽しめるでしょう。

──ミスティカルに加えて、本作ではAIで動くNPC“サイドキック”の存在も特徴的ですね。サイドキックについての詳細を教えてください。

 サイドキックは非常に重要な要素です。サイドキックを入れた理由は、『アンチャーテッド』が属するアクション・アドベンチャーというジャンルでは、たいていサイドキックが登場するからです。映画でもそうなのですが、彼らは登場人物とは違って特殊なアビリティを持っており、メインキャラクターを助けてくれます。このシリーズはAIが非常に優れていますので、それをどうやって活用しようかと考えた結果、登場したのがサイドキックになります。

 本作のサイドキックがどのような役割を持っているかと言えば、たとえば“ハンタークラス”のスナイパーなら登場人物がいないところでも敵を狙ってくれますし、衛生兵のように手助けしてくれる人もいます。そうしたサイドキックを入れることで、アクション・アドベンチャーという面を表現できると考えました。

 ちなみに、先ほどマルチプレイでは“チームワーク”を使うと言いましたが、本作では各プレイヤーが自分のサイドキックを召喚することができます。1人は衛生兵。もう1人はスナイパーを召喚するといったように、さまざまな組み合わせがありますし、自分が不利な状況でもサイドキックがいることで、有利な状況に変えることができるかもしれません。

 たとえば、自分が2人の敵から狙われているときにハンタークラスのサイドキックを召喚すれば、彼がオトリになって敵を攻撃している間に、違う角度から敵を狙いに行くことも可能です。このように自分のサイドキックをうまく使うことで、戦闘中に有利なポジションにつくことができるでしょう。

──なるほど。サイドキックは、バトルの結果に大きく影響してくるということでしょうか?

 もちろん、そうです。サイドキックによって結果がどんどん変わっていくだけではなく、各プレイヤーがサイドキックを召喚することで、戦場がヒートアップするところが見られると思います。

──ちなみに、サイドキックは決められたクラスやキャラクターから選ぶ形になるのでしょうか。それとも、ストーリーに出てきた重要人物たちがサイドキックとして呼べるようになるのでしょうか?

 基本的には、ハンターやブルートといった各クラスのなかからサイドキックを選択します。完全に自分のオリジナルキャラを作るというよりは、用意された選択肢のなかから選んでいく形ですね。完全なオリジナルキャラクターを作れるわけではありませんが、外見を変えるといったカスタマイズは可能です。

 ストーリーに出てきた登場人物や、ほかの『アンチャーテッド』シリーズに登場したキャラクターがサイドキックになることはありませんが、外見のカスタマイズと合わせて、ちょっとしたキャラクタークリエイトが楽しめると思います。

多彩な武器と“サイドキック”を組み合わせていろいろ試してほしい

──お話をうかがっていると、ミスティカルとサイドキックによって、マルチプレイの幅がすごく広がった印象を受けました。現状で、開発者オススメの組み合わせなどはありますか?

 いろいろなものを使えるようにバランス重視で作っていますから、どれがベストというのはないです。私自身が好きな組み合わせで言えば、まず自分の仲間を復活させるアビリティを持ったミスティカルですね。それと、一番近くにいる敵に接近して近接攻撃で相手を倒せる“ハンタークラス”のサイドキックを召喚することでしょうか。この組み合わせにしつつ、自分はグレネードランチャーを装備してマルチプレイに挑むのが得意な戦法です。

 もちろん、本作では非常にたくさんのコンビネーションを用意していて、多彩な武器とサイドキックを使うことができます。射撃1つとっても、スナイパーを使うかショットガンを使うかでも全然違ってきますし、いろいろな組み合わせを試して欲しいですね。

──期待しています。話は変わりますが、今回のマルチプレイでは“グラップリングフック”を使ったカバーアクションも導入されていますね。このグラップリングフックは、使えるポイントが決まっているのでしょうか?

 はい。グラップリングフックは特定のポイントでしか使用できません。その代わり、使っている間にキャラクターをいろいろ動かすことができるので、おもしろい動きができると思います。

 たとえば、グラップリングを使いながら途中で止まったり、飛び下りて近接攻撃で敵を倒すことも可能ですね。なお、グラップリングフックを登場させた理由については、前作までのマルチプレイでは近接攻撃があまり使われていなかったので、そこをカバーしたかったのです。今回はグラップリングフックを使うことで、近接攻撃がしやすくなったのではないかと思います。

──それはいいですね。すでにβテストや試遊台で本作を体験した方も多いと思いますが、ユーザーの反応はいかがだったでしょうか?

 全体的に評価が高くてうれしいです。もちろん、サイドキックなどのバランスに言及する人もいました。そのためにβテストをしていますので、3月18日にリリースする時点で完全版が出せるように、テストでいただいた意見をもとにチューニングしていきたいと思います。

──発売まで3カ月ありますが、βテストの終了後にもう1度オープンβなどを行う予定はありますか?

 私のポジションとして今すぐ決断することはできませんが、今回のβテストは話題になりましたし、非常によい評価をいただいています。また、新たなオープンβテストを開ける機会があれば、と個人的には思っていますね。

──最後に、発売を楽しみにしている日本のユーザーに向けてひとことお願いします。

 『アンチャーテッド』シリーズといえば、ローラーコースターのようなテンションの高いアクションゲームをみなさんは想像すると思います。今回は、そうした要素がさらに大きくなっていますので、ぜひ楽しみに待っていてください!

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