『テイルズ オブ』シリーズの思い出がオーケストラで蘇った一夜。感動の20周年記念コンサートをレポート

文：たけのこ

　RPG『テイルズ オブ』シリーズ20周年を記念したオーケストラコンサート“20th Anniversary テイルズ オブ オーケストラ コンサート”が、東京国際フォーラム・ホールAで12月9日に開催されました。

　一般販売チケットが全席完売となった本イベントは、『テイルズ オブ』シリーズ初のオーケストラコンサート。20周年記念コンサートに相応しく、シリーズのマザーシップタイトルからそれぞれ1曲以上が、東京フィルハーモニー交響楽団により演奏されました。

　ゲーム内楽曲だけでなく、一部タイトルの主題歌などもフルオーケストラ用にアレンジされるなど、シリーズファンにいとってはたまらないセットリストとなりました。

▲限定アイテムなどの販売も行われました。

▲楽器を持った正装のクレス（指揮）、ミント（ヴァイオリン）、ルーク（パーカッション）、ジュード（トランペット）、ミラ（フルート）、スレイ（ヴィオラ）がお出迎え。

シリーズが歩んだ20年を楽曲で振り返るコンサートに

　本コンサートでは、演奏中各楽曲にあわせた映像がスクリーンに映し出された他、ライトによる演出が行われたのが特徴的。

　シリーズ第1作目『テイルズ オブ ファンタジア』から最新作『テイルズ オブ ゼスティリア』までのゲーム内アニメーションが曲ごとに映し出され、演奏を楽しみながらプレイの思い出を振り返ることができるという、目も耳もどっぷりと『テイルズ オブ』シリーズに浸れる2時間となりました。

　コンサートは、『テイルズ オブ ゼスティリア』より『スレイのテーマ～導師～』の演奏からスタート。続いて『テイルズ オブ ファンタジア』テーマソングと、メドレー2種類が演奏されました。

　『テイルズ オブ ファンタジア』の『フィールドメドレー』は、当時ゲーム内で聴いた楽曲たちが見事にオーケストラ曲として生まれ変わっており、懐かしさだけでなく新鮮な気持ちも味わうことができました。

　フィールドメドレー終了後にゲストで登場したのは、作曲家の桜庭統さん。『テイルズ オブ』シリーズほぼすべての作品に携わってきた桜庭さんは、自身の楽曲が今回オーケストラコンサートで演奏されることについて、非常に感激しているようでした。

　桜庭さんが作曲した2曲ののち、『テイルズ オブ シンフォニア』から『Starry Heavens』が演奏されました。この2つが大好きな筆者は、映し出されたロイドやコレット、そしてライトによる星空を連想させるような演出に感涙してしまいました……。

　休憩を挟み、コンサートも後半に。次はどの曲だろう？　と期待に胸を膨らませていると、まさかのゲストが登場。『テイルズ オブ ヴェスペリア』のテーマソング『鐘をならして』を手がけたBONNIE PINKさんがサプライズ登場となりました！

　『テイルズ オブ』シリーズと同じく、自身の活動が今年で20周年を迎えるBONNIE PINKさん。『鐘をならして』を熱唱したBONNIE PINKさんは、本楽曲について尋ねられると、作曲当時ゲームの世界観を出すために一生懸命研究したからこそ、思い入れの深い楽曲だと語りました。

　続いて『テイルズ オブ ハーツ』より『リチアの子守唄』、『テイルズ オブ グレイセス』より『王都～威風堂々～』が演奏されると、ゲストの椎名豪さんが登場。

　桜庭さんと同じく『テイルズ オブ』シリーズの楽曲を手がけてきた椎名さんは、本コンサートのすばらしいオーケストラ演奏について尋ねられると、「早くトークを切り上げて残りを皆さんに聞かせてあげたい」と話し、会場からは笑いが巻き起こりました。

　また、本コンサートでも演奏された『テイルズ オブ ゼスティリア』の『試練神殿メドレー』については、「ゲーム内でもプレイヤーにとっては大変な試練だったと思いますが、演奏家の皆さんにとっても試練かもしれません（笑）」と語りました。

　そんな椎名さんの手がけた『蛍火』は、須藤まゆみさんによる生歌唱で披露。演奏前には、『テイルズ オブ レジェンディア』から印象的な“あのシーン”のアニメーションが流されるという粋な演出もあり、すすり泣いている人も見られました。

　そして、『テイルズ オブ ゼスティリア』より『試練神殿メドレー』、『Journe’s End』が演奏されると、本コンサートは終了に。

　というわけがなく、もちろんアンコール演奏に突入。アンコール第1曲目は、『テイルズ オブ』シリーズファンなら必ずマイベストソングに挙げるであろう、『テイルズ オブ ジ アビス』のテーマソング『カルマ』のアレンジ曲『mirrors』、『meaning of birth』。

　前奏が流れた瞬間会場からはざわめきが。筆者も曲を聴き、映し出される映像を見ているうちに、『ジ アビス』の思い出が蘇り胸がいっぱいになりました。続いて『テイルズ オブ ゼスティリア』のテーマソング『White Light』の演奏を終えると指揮者が退場……と思わせ、さらなるアンコールへ。

　約2時間にわたるオーケストラコンサートも、本当に最後の1曲に。ラストは、『テイルズ オブ デスティニー』のテーマソング『夢であるように』。演奏が始まると、この日一番のざわめきと拍手が巻き起こりました。静かで、それでいて壮大な盛り上がりを見せる演奏に、多くの人が涙を流していました。

　演奏が終わると、すばらしい演奏と時間を提供してくれた東京フィルハーモニー交響楽団の皆さんに、多くの人たちがスタンディングオベーションを贈り、本オーケストラコンサートは幕を下ろしました。

　本公演の演奏を厳選収録したCDが、2016年3月9日に発売されます。今回会場に足を運べなかった人はCDを購入し、この感動をぜひ味わってください。

■セットリスト

(C)いのまたむつみ (C)藤島康介 (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

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関連サイト

• “20th Anniversary テイルズ オブ オーケストラ コンサート”公式サイト