News

2015年12月23日(水)

『Unity』で『VOCALOID』の歌声を使える開発キット公開。ユニティちゃん音声ライブラリも登場

文:Taka

 ヤマハは、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンが提供するゲームエンジン『Unity』上で、歌声合成技術『VOCALOID』を利用したインタラクティブコンテンツを開発できるソフトウェア開発キット『VOCALOID SDK for Unity』の提供を開始しました。

『VOCALOID SDK for Unity』

 『VOCALOID SDK for Unity』は、『Unity』の開発環境からシームレスに『VOCALOID』の歌声合成エンジンにアクセスして、その機能を利用することを可能にする『Unity』向けのソフトウェア開発キットです。

 『VOCALOID SDK for Unity』を使えば、ゲームのシチュエーションやユーザーの操作に連動してリアルタイムに歌声を合成し、キャラクターに歌を唄わせたり、その歌い方を変化させたりするようなインタラクティブなコンテンツを容易に開発することが可能となります。

 また、『VOCALOID SDK for Unity』にインポートすることで、コンテンツ上の歌声音源として利用できる歌声ライブラリ『Unityランタイム版VOCALOID Library unity-chan!』があわせて提供されます。

 歌声ライブラリは、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン公式キャラクターである“ユニティちゃん”のオリジナルボイス。同社とヤマハの共同開発によって生まれたキャラクターです。

『VOCALOID SDK for Unity』
▲ユニティちゃん。

 なお、『VOCALOID SDK for Unity』および『Unity ランタイム版 VOCALOID Library unity-chan!』は、制作されるコンテンツが“ユニティちゃんライセンス条項”に準拠する場合は無償で利用できるとのことです。詳しくは“ユニティちゃん”公式サイトを確認してください。

『VOCALOID SDK for Unity』

『VOCALOID SDK for Unity』の特長

●使い慣れた開発環境からシームレスに『VOCALOID』の機能を利用可能

 『VOCALOID SDK for Unity』を利用することで、コンテンツ開発者が使い慣れた『Unity』の開発環境からシームレスに『VOCALOID』の歌声合成エンジンの機能にアクセスできます。

 これにより、ゲーム操作やコンテンツのシーンの変化に合わせて歌声を合成し、その歌い方を変化させるといったインタラクティブなコンテンツが容易に開発できます。作成したコンテンツ自体に歌声合成エンジンが自動的に組み込まれるため、コンテンツの配布時に特別な対応を行う必要もありません。

●マルチプラットフォーム対応の専用歌声合成エンジンを搭載

 『VOCALOID SDK for Unity』には、Windows(7/8/10)、OS X(10.10/10.11)、iOS(8.4/9.1)上で動作するマルチプラットフォーム対応の歌声合成エンジンが組み込まれています(※将来バージョンでAndroidへの対応が予定されています)。

 歌声合成エンジンはさまざまなコンテンツで軽快に動作するよう最適化されており、コンテンツ内での機敏なレスポンスとコンテンツの軽量化の両立を実現しているとのこと。

『VOCALOID SDK for Unity』

●シチュエーションやゲーム操作の変化にあわせた、様々な歌声表現が可能

 『VOCALOID SDK for Unity』に搭載された歌声合成エンジンは、歌詞、メロディー、調声パラメータ、シンガー(歌声音源)などから構成されるシーケンス情報をもとに歌声を合成します。

 シーケンス情報はアプリケーション内で直接生成する他、別途パソコンやiOSデバイス用の『VOCALOID』で制作されたデータ(VSQ、VSQX)を読み込んで利用することが可能です。すべてのシーケンス情報はプログラム上で自由に操作・編集できるため、歌声を使ったさまざまな演出や表現ができるとのこと。

『VOCALOID SDK for Unity』

●2つの合成モードを搭載

 『VOCALOID SDK for Unity』では、ゲームやコンテンツ内のさまざまなシチュエーションや操作に対応するために、“Playbackモード”と“Realtimeモード”の2つの合成モードが搭載されています。

 “Playbackモード”は、一定の先行時間(500ミリ秒+α)を設けた上で歌声の明瞭度や音質を優先して合成を行うモードで、ボーカルフレーズに豊かな表情や変化を与えて歌わせたい場合に適しています。

 “Realtimeモード”はリアルタイム性を再優先に合成を行うモードで、歌声を利用したリズムゲームや楽器アプリケーションなどの用途に適しています。

パソコン版の歌声ライブラリは1月中旬発売予定

 ユニティちゃんの歌声を使った音楽制作をさまざまな環境で楽しめるように、パソコン版『VOCALOID』で利用できるユニティちゃんの歌声ライブラリのダウンロード販売が、2016年1月中旬に“VOCALOID SHOP”で予定されています。

 また、iPadやiPhoneで『VOCALOID』による歌声制作が楽しめる『Mobile VOCALOID Editor』用のユニティちゃん歌声ライブラリを“MobileVOCALOID Editor アプリ内ストア”で1月下旬に発売予定になっています。

 なお、12月29日から12月31日にかけて東京国際展示場にて開催されるコミックマーケット89の西4階企業ブースNo.131“unity-chan!”で、パソコン版歌声ライブラリのスペシャルパッケージ版の先行販売が行われます。

『VOCALOID(ボーカロイド)』および『ボカロ』はヤマハ株式会社の登録商標です
(C) 2015-2016 Yamaha Corporation All right Reserved.

関連サイト