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2016年2月19日(金)

『サモンズボード』荻原Pが2周年を振り返る。協力プレイや覚醒についても聞いてみた!

文:Taka

 ガンホー・オンライン・エンターテイメントがサービス中のiOS/Android用アプリ『サモンズボード』。先日、記念すべき2周年を迎えた本作について、プロデューサーの荻原智さんに、本作のこれまでや今後の展望についてお話を伺ってきました。

『サモンズボード』

 2周年記念公式生放送で飛び出した“協力プレイ”やこれからの展開を熱く語っていただきましたので、ぜひ最後までお楽しみください!

『サモンズボード』
▲“荻原P”の愛称で親しまれる荻原智プロデューサー。本作の公式ニコ生でも大活躍!

スタミナ消費0のお試しダンジョンなどは、ユーザーからの意見をもとに実装

――『サモンズボード』2周年、おめでとうございます! この2年間を振り返ってみて、いかがでしたか?

 あっというまの2周年でした。リリース開始後の1年めはとにかく、基礎となるゲーム性の拡充をテーマに運営していましたね。

 リリース当初の不具合への対応やランキングバトルの仕様変更から始まり、モンスター討伐、テクニカルダンジョンの実装など、メインとなるシステム部分の遊びの幅を広げていくことに注力しました。

『サモンズボード』
▲テクニカルダンジョンでは5×5マスになることも! 通常とは一味違ったプレイを楽しむことができる。

 2年めについては、“遊び方の多様化”をテーマに、コンテンツの充実に力を注いでいきました。

 新しいタイプの追加に伴う編成やプレイスタイル(アタックタイプやスキルアタックタイプなど)の変化、モンスターの動き方、滅級やトルブクガスの塔といった高難易度ダンジョンや階層クリア型ダンジョンなど、1年めでは実装できなかったダンジョンでのプレイなどを拡充していきましたね。

 また、2年めからは1周年の時に実施した『メルクストーリア -癒術士と鈴のしらべ-』コラボに始まり、『ログ・ホライズン』イベントまで、積極的なコラボレーション展開や季節イベントの実施など、イベントの拡充にも注力できた年だったと思います。

――この2年間で、特に強く印象に残っている出来事などはありますか?

 個人的に一番強く印象に残っているのは、本作の海外展開です。開発中の段階では、正直言って、海外を意識した作りにはしていなかったので「まさか海外展開までできるほどになるとは」とびっくりしています。ローカライズには苦労していますが、評判もいいとのことでよかったです。

 あとは、2年めにCMを放送できたことも感慨深かったですね。CMの放送により本作に興味を持ってくれる人が増えました。CMを流したことで20~30代前半のユーザーの層がより厚みを増すなど、楽しんでくれる人が増えたことがうれしかったですね。

『サモンズボード』
▲『サモンズボード』TV-CMの様子。懐かしいと感じる人も多いのでは?

――2年間で、さまざまなアップデートを実施されたかと思いますが、ユーザーさんからの反響が特に大きかったものなどはありますか?

 アップデートに関しては、毎回たくさんの反応をいただきますが、特に反響が大きかったものが2つありました。1つは新しいタイプの追加です。

 正直に言って、新しいタイプは結構尖らせるような作り方をしているんですね。編成によってはスキルレベルを上げなければ運用が難しかったり、尖っているからこそ汎用的ではないタイプも多いです。

 しかし、ユーザーさんはいろいろなタイプの編成でダンジョンをクリアしてくれたり、編成難易度が高いからこそモチベーション高くモンスターを育成してくれたりと、楽しんでくださっているようでした。そのことがとてもうれしかったですね。

『サモンズボード』
▲激白帝・白虎は、カウンタータイプの追加で活躍の場がさらに広がった。

 また、上記に関連しますが、もう1つは滅級やトルブクガスの塔などの高難易度ダンジョンです。実装された時は、コアなユーザーさんたちの間で大きく盛り上がりましたし、攻略動画の数も増えましたね。

 難易度がかなり高いため賛否両論ありますが、さまざまなモンスター編成を用意し、育成もしっかり行ってくれているユーザーさんからは、「ダンジョン難易度が神級まででは物足りない」という意見をいただいていたのです。

 せっかく強いモンスターを手に入れて育成しても、やはり最後の「よっしゃ! やってやったぜ!!」といったギリギリのところでダンジョンをクリアした快感を得られる場所が少なかったかなと、私自身考えていました。ですので、これらを受け入れていただけたことをうれしく思います。

 ちなみに、公式生放送の場で、コンテニュー不可の最難解ダンジョン“滅級”を発表した時やトルブクガスの塔を年末にリリースさせていただいた際は、ユーザーさんの間で「どうやったらクリアできるか?」など、非常に活発な情報交換が行われました。

 クリアできたユーザーさんに対して、他のユーザーさんが「すごい!」「参考になる!」などと賞賛する場面を見られたのがうれしかったですね。

 正直、難しいダンジョンですと、いくらモンスターを育てて強くしてもそれだけでは勝てないんです。編成を工夫するのに加え、モンスターの動かし方やスキルを使うタイミング、敵モンスターの誘導といった要素が重要になるのですが、そういった戦略性の部分って他のユーザーさんから見ると、ただ動かしているだけに見えて、地味でわかりにくい(笑)。

 「参考になる!」といった言葉通り、攻略してくださっているユーザーさんは戦略的な部分を上手に伝えてくださっているので、本当に感謝しています。

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――生放送などを視聴していると、ユーザーさんの声を非常に大事にされているという印象を受けるのですが、彼らからの意見を参考に実装した機能などはありますか?

 ユーザーさんからの意見を参考にしたということについては、細かいユーザーインターフェイスの部分や各種調整など、実は結構あります。すべてを反映させるのは難しいですが、ユーザーさんの意見は僕らにとって宝石の原石ですので、1つ1つを大切にしています。

 また、直近では“お試しダンジョン(仮)”の実装を予定しています。これは、公式生放送でも多くの意見をいただいたもので、スタミナ消費0で自分の編成を試せるダンジョンですね。

 「この編成だとどれくらいのダメージを出せるだろう」「新しいスキルを試しに使ってみよう」などといった具合に、気兼ねなく編成の実力を試せるようなダンジョンになる予定です。

――これまで『ケロロ』『エヴァンゲリオン』など、さまざまなコラボを実施されてきましたが、強く印象に残っている作品はありますか?

 どのコラボレーションにも注力していましたし、どれも印象的ではあるのですが、その中から特に印象的だったものを挙げるのであれば『エヴァンゲリオン』でしょうか。

 開発チームにも好きな人間が多かったですし、ユーザーさんからの反響もとても大きかったです。開発側としては、専用の能力の用意や各種演出の変更、背景やBGMもボスの形態変化に合わせて変えるなど、できることは全部やり尽くしたと思います。

 イラストについても、2体のキャラクターが1枚のイラストに存在するものを初めて制作しました。しかも頭身が違うキャラクターたちをです。

 そもそも、エヴァンゲリオンとパイロットが同じ頭身でバトルアイコン化された際に「パイロットが素手で攻撃してよいのか?」みたいな話も出ましたね。「ダメに決まってる!」みたいな(笑)。

 最終的には、「みんな搭乗しているんだからバトルアイコンには人を描かない!」というところに落ち着きました。

 このようにいろいろと頭を悩ませましたが、だからこそイラストにはイラストのよさがあり、バトルアイコンはバトルアイコンのよさがありといった具合に、上手く演出できたと思います。

 今後については、先日の2周年記念公式生放送でも発表しましたが、この春に『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』とのコラボを予定しています。

 リリース当初からアンケートなどでたびたび目にするなど、ずっとユーザーさんから望まれていたコラボだったので、やっと実現できてよかったと思います。気合いを入れて作っていますのでご期待下さい。

 また、『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』や今はまだ言えない他のコラボも考えていますので、続報にご期待ください!

――2周年記念公式生放送でも改めて感じましたが、ユーザーさんとお互い明るくコミュニケーションを取られていますね。生放送を行うことでゲームやご自身に変化はありましたか?

 生放送では、毎回毎回とても緊張していますが、共演者の方々とユーザーさんに助けられてなんとかなっています(笑)。

 ゲーム的な部分で言うと、発表させていただいた内容や施策についての反響をダイレクトに感じられる場所でもあるので、そういった点では励みになりますし、参考にもなりますね。

 最近では、新情報の発表や次回の施策を行う際、どういったことに気をつけるべきかなども、生放送の時の感触で拾ったりすることがあります。

 すべてをというのは難しいですが、せっかくのユーザーさんとのコミュニケーションの場でもありますし、真摯に受け止めたいという気持ちは大きいです。もちろん、これは生放送に限った話ではなく、ユーザーさんからいただける投稿や他のメディア媒体さんについても同様です。

 私個人としては、生主さんなど共演者の方々のように人前で話すプロというわけではないので、できるだけ伝えたいことをしっかりと、かつおもしろく伝えられるよう、いつも気をつけています。

 数ある生放送のうちのたった1回だとしても、ユーザーさんからしたらたまたま見たその1回で「『サモンズボード』はおもしろそうか?」「もっとワクワクするようなことが起きるのか?」が判断されるわけですし、緊張せずにはいられないですね。

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▲生放送の様子。荻原Pがユーザーさんとの交流を楽しんでいることが伝わってくる1シーンだ。

協力プレイでは、現在の『サモンズ』とは違った遊び方になる?

――2周年記念公式生放送では、協力プレイの実装を発表されていましたが、これはどういったものになるのでしょう?

 もともと協力プレイや対戦については、開発当初からずっとやりたいという思いがありました。

 本作に関しては、モンスター討伐で非同期レイドを実装してはいるものの、メインコンテンツであるダンジョンプレイについては友だちと遊べる要素は一切ありませんから。

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▲現在実装されているモンスター討伐では、ギルドの仲間を連れて手ごわいモンスターに挑戦できる。

 でもやっぱり、友だちと一緒にゲームをするのっておもしろいですよね。ユーザーさんが望んでいる声も大きかったということもあり、現在、実装に向けて開発を進めている最中です。

――現段階でお話できる範囲で構いませんので、協力プレイの特徴をお聞かせ願えますか。

 今はどういった遊び方にするのが一番『サモンズ』にとっておもしろいのかを模索している段階ですので、まだ明言はできません。

 ですが、通信に関しての技術テストも兼ねたプロトタイプを作ってみて思ったのは、今の『サモンズ』のような形で、プレイヤーがモンスターを順番に動かすようにプレイするのは難しいかもしれない、ということですね。

 ですので、システムとして協力プレイならではの要素を準備したうえで、誰かと一緒にプレイすることで1人で遊ぶ『サモンズ』とはまた別の魅力、おもしろさを感じられるように味付けを工夫するのか、それとも抜本的な変更をするのかといったことを含め、奮闘中です。

 それでも、ネットワークプレイはできるようにしたいと考えておりますし、協力プレイならではの新たな要素は準備していきたいと考えております。

――ちなみに協力プレイがあるということは、対戦プレイについても……?

 こちらも考えていますが、おもしろさとバトルとのバランスなど、多くの課題がありますね。通常、本作は対人ではなくCPUとの戦いを想定してステータスが設定されていますので、スキルを使うと何十万というダメージを与えられるんです。

 しかし、プレイヤー側のモンスターの体力は多くても2万程度なので、対戦を実施する際にはステータスを調整する必要があります。

 育ててきた自慢のモンスターたちなのに、対人戦になったとたん「え? こんなに弱くなっちゃうの?」とは思っていただきたくないですからね。

――バランスの調整は大変そうですね……現時点でこうしたいというアイデアなどはありますか?

 たとえば、4対4ではなく、手持ちのモンスターを12体ずつ用意して、それで勝ち抜いていく、という形などですかね。とにかく、アイデアはたくさん考えています。

 開発チーム内でも熱い議論が展開する要素の1つですので、いい形に仕上げられるよう、頑張っているところです。

 まずは協力プレイですが、とにかくおもしろいものになるまで作りこんでいきますので、楽しみに待っていてください。

3年めは、進化をテーマに頑張っていきます!

――3周年めに向けてのお話も伺いましょう。先ほどコラボのお話がありましたが、その他、直近ではどういったことを予定されているのでしょうか?

 1年めでシステムの地盤を築き、2年めではコラボやタイプの追加で遊び方を拡充したので、3年めは「両方やっていこう!」と考えています。

 システム面については、先日の生放送でも発表させていただきましたが、今春に2つの大きな動きを予定しています。1つは“交換所(仮)”です。

 これはユーザーさんからの要望が非常に大きかった機能で、ゲーム内コインを使用することでダンジョンに潜入できたり、モンスターを売却することで得られる“サモンクリスタル(仮)”をさまざまなアイテムなどと交換できるといったものですね。

 交換所に関しましては、ソウルスロットを1つ追加できるモンスターなど、交換所のみで入手できる便利なモンスターを登場させる予定ですので、楽しみにしていてください。

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▲こちらは、先日行われた2周年記念公式生放送で発表されたもの。

 2つめは”覚醒(仮)”です。覚醒進化とするかは検討中ですが、これはバトル中に特定の条件を満たすことでモンスターが覚醒(変身)できるようになるといった要素になります。将棋でいうところの“成り”に近いシステムです。

 ビジュアルの変化はもちろん、例えば2回移動や2回攻撃ができるなど、新しい変化を加えられるように制作しています。覚醒は、それを行えるようにモンスターを進化させる、もしくは覚醒用アイテムを装備させることで、覚醒できる状態になります。

 例えばバトル中、「21コンボ以上出す」「20ターンが経過する」といったように、モンスターごとに設定されている覚醒条件を満たすことで、任意のタイミングで覚醒可能になるといった具合です。

 覚醒したモンスターはステータスが変わったり、矢印が変わったり、スキルが変わったりと、別モンスターのように振る舞うことができますが、基本的には覚醒前のモンスターよりも尖った強さに変身するといったイメージですね。

――生放送の最中などに、全モンスターが同時に覚醒したりしたら盛り上がりそうですね!

 これまでビジュアルが地味だと言われることも多かったので、それを覆せるような、ガラっと変えられるようなものを実装できたらと思っています。

 実は覚醒そのものは、リリースの初期からやりたいと言っていたので、2年越しでようやく実現できることをうれしく思います。あとは、ユーザーさんの強さに合わせて、それにマッチした強さの敵を追加していきたいですね。

――ビジュアルについて言及されていましたが、演出やボイスなどのアップグレードは予定されているのでしょうか?

 ボイス、実装できたらいいですよね(笑)。ただ遊びやすさの面でメモリや容量といった問題がありますので、それら技術的な部分を解決できたら考えていきたいところです。

 まずは地に足をつけ、しっかりと覚醒に関する演出をお見せできるよう、作り込んでいきたいと思います。

――ユーザーさんも望まれているかと思いますが、グッズなど、ゲーム本編に関連したアイテムが登場する予定はありますか?

 設定資料集やフィギュアとまではいきませんが、昨年の生放送で急遽決定した公式イラスト集『サモンズボード イラストレーションズ』に関しては発売が決定しました。

 こちらもユーザーさんからご要望をいただいていて、できればやりたいなと思っていたのですが、生放送の勢いで制作が決定しましたね(笑)。

 この記事が公開されるころには予約が開始していますので、ご興味のある方にはぜひチェックしていただきたいです。

――3周年めも盛り上がりそうですね! ところで『サモンズボード』にとっての2016年は、どういった1年になるのでしょう? また、どういった1年にしていきたいですか?

 私自身としては、1年めは拡充、2年めは多様性をテーマに運営してきましたが、3年めに関しましては“進化”を自身のテーマにしています。

 長くユーザーさんに遊んでいただけていてうれしく思いますが、その中で、必ず飽きがきてしまうと思うんですね。

 ですので、基本となるゲームシステムをより進化させるような新しいアップデートを行い、ユーザーさんに引き続き楽しんでほしいと考えています。

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▲“進化解放”など、従来の要素もどんどん進化。先日公開された“天冥のバビロニア”シリーズの新情報にも期待しよう。

――これからの『サモンズボード』も楽しみにしております! 最後にファンの皆さまに向けてメッセージをお願いします。

 皆さまのおかげで、2周年を迎えることができました。ありがとうございます。これからもより楽しんでいただけるよう、開発、運営してまいりますので、今年もよろしくお願いいたします!

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