2016年2月12日(金)
『俺を好きなのはお前だけかよ』第22回電撃小説大賞《金賞》受賞の駱駝先生にインタビュー!!
第22回電撃小説大賞《金賞》を受賞した『俺を好きなのはお前だけかよ』。電撃文庫から2月10日に発売となる本作の魅力を、著者の駱駝先生に語っていただきました。
ひまわり「わたしね、ジョーロは、すっごい大事な幼なじみだと思ってた」
コスモス「君はかわいい後輩で、私に協力してくれる心強い味方だと思っていたのに」
パンジー「私が今まで出会った人の中で、一番かっこいい人だと思ったわ」
【作品紹介】
3人の少女に翻弄されるジョーロこと如月雨露の学園生活は、青春とラブとトラブルがいっぱい!? ラブコメの歴史を変える第22回電撃小説大賞《金賞》受賞作!!
動画:第22回電撃小説大賞受賞作まとめPV(電撃文庫)
――電撃小説大賞に作品を応募しようと思った理由は何ですか?
電撃文庫より出版されているライトノベルが一番、王道を進みつつもちょっと斜め上を行く作品が多い印象があったからです。
その道を進みつつも、ちょっとどこかずれている差別化をした作品を作りたいという考えがあったため、電撃小説大賞に応募させていただきました。
――本作はキライな女の子に好かれて右往左往する主人公・ジョーロこと如月雨露の青春を描いたラブコメです。この物語が誕生したきっかけは何ですか?
とあるラブコメ漫画のことを頭で考えていた時に「そんなわけねぇだろ」と思ったのがきっかけです。
そこから“それなら残念なぐらい勘違いしている男”を書いたら面白いのではないか? いや、面白いに違いないと結論に至ったのが動機です。
このラブコメ、王道だけど、どこでも見た事がないぞと思ってもらいたいというのが、執筆当時から念頭にありました。
――雨露を取り巻く3人のヒロイン――元気な幼なじみ・日向葵(ひまわり)、美人の生徒会長・秋野桜(コスモス)、昭和風のメガネ少女・三色院菫子(パンジー)。それぞれの魅力を教えてください。また、駱駝さんのオススメは誰ですか?
ひまわりの魅力は、自由奔放で感情的に行動するところ。ちょっとおバカなのだけど、それでいて根幹に自分の考えをしっかりと持ち、そこに向かって突き進む“強さ”です。
コスモスの魅力は、普段は理知的で冷静に行動をしつつも、クールという側面とは別に、乙女の“弱さ”を持つところです。
また、ひまわり、コスモスに共通する点ですが、ライトノベルの登場人物であるにも拘わらず、どこか人間らしい汚さも見せてしまう点が、魅力だと思います。二人には、人間には汚いところと綺麗なところがあるというのを、読者の皆様に伝えるメッセンジャーとしての役割を持ってもらいたかったので。
最後にパンジーですが、私は彼女こそがライトノベルのヒロインとして、正しい振る舞いをしていると考えています。ヒロインとしての汚さは持ちつつも、人間らしい汚さは一切持ち合わせない『綺麗な』彼女だからこそ、この作品のヒロインとして、活躍してもらいました。
オススメですが……、楽しい青春を過ごしたいならひまわり、安定したヒモ人生を歩みたいならコスモス、美味しいお菓子とときめきを補充したい方はパンジーです。
――本作は主人公・雨露が親友との友情を貫く姿が印象的です。雨露のキャラクターメイクで特に気をつけたところを教えてください。
一見すると、自分のために行動しているように読者の皆さまに思ってもらいつつも、実は他人のために行動している男にしようと常に気をつけて書いていました。
損をする男であり、誰にも評価されない男。そこに徹頭徹尾、こだわりました。
――どの部分が評価されて《金賞》を受賞したのだとお考えですか?
最初に「どこかで見た事があるラブコメじゃないか。がっかりだ」と思ってもらい、印象を出来る限り下げ、そこから「あれ? これは違うじゃないか!」と一気に上げてから、畳み掛けるように斜め上の展開をもっていったのが評価していただけたのかなと。
“期待を徹底的に裏切りつつ、応えるべき点のみ期待に応える”一言で言うと、これかなと。
――駱駝さんが考える“かっこいい漢”とはどんな人物でしょうか?
自分の弱さを他人にアピールせず、周りからどう思われようと、最終的に結果で示す人。また、仮に結果で示した後もそれをいちいち周りには言わず、次なる目標へと邁進する人。
“漢らしさ”とは見せるものではなく、感じ取ってもらうものだと考えておりますので。
――読者の皆さんにメッセージをお願いいたします。
最初は平々凡々なラブコメですが、途中から一気にスイッチが入りますので、そこからのジョーロ君の行動にご注目ください。
出来る限り物語の展開の予想はされないようにしたので、逆に、こうやって終わるんだろうなと考えながら読んでいただけると楽しめるかと。多分、そうならないので。
というわけで読者の皆様に、勝負を挑ませていただきます。私と担当編集様が力を合わせ、丹精込めて作ったこの物語の結末、予想できるものならしてみてください。だから、少々お手数ですが、一冊買ってください。
【CHECK】担当編集の“ココが推し!!”
ラブコメの進化形(?)ここに至れり!!
気になる女の子に呼び出され、期待度マックスな主人公を待ち受けていたのは……親友への恋愛相談だったぁ~!
叶わぬ恋だった、とフツーならここであきらめちゃうものですが、彼はあきらめない! 恋のサポートをしながら、どうにか彼女に振り向いてもらおうとする、転んでもタダでは起きない不屈の精神を持っているのでした。
だけどそんなことしなくても、実は彼を好きでいてくれる女性がいました。だがしかし! そいつは、地味で眼鏡で三つ編みで、ひたすら主人公に毒を吐く素敵(?)な女の子で!?
こんなんでラブコメが成立するのか!? ラブコメの常識を破壊し、良い意味で期待を裏切る、この衝撃作をぜひみなさまにもお読みいただきたい!
著者紹介
駱駝(らくだ)
●神奈川県在住。「間違ってるのは世界じゃない。俺のほうだ」と精進して5年目にして第22回電撃小説大賞《金賞》を受賞。頭髪を大事にしており、手入れを欠かさない。
(C)駱駝/KADOKAWA CORPORATION 2016
イラスト:ブリキ
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