2016年2月22日(月)
TVアニメ『ガールズ&パンツァー』のオーケストラ・コンサートのCD&BD発売を記念したイベントが、2月21日に新宿バルト9で開催された。この記事では、トークショーの模様をお届けしていこう。
▲BDジャケットのイラストは、コンサートの会場だった“よこすか芸術劇場”のホワイエに集うあんこうチームの5人。 |
▲こちらはCDのジャケットイラスト。みほが着ているドレスは、イベントで渕上舞さんが着用していたのと同じデザインのもの。 |
イベントに姿を見せたのは、西住みほを演じる渕上舞さん、劇場版およびTVシリーズの主題歌などを担当するChouChoさん、指揮者の栗田博文さん、『ガールズ&パンツァー』の音楽プロデューサー・関根陽一さんの4人。
▲左から渕上さん、ChouChoさん、栗田さん、関根さん。 |
4人は、2015年11月3日に開催された音楽コンサートイベントのことを振り返りながら、トークをしていった。
まずは、オーケストラ・コンサートが開催されるにいたった経緯について。これは、関根さんが言い出しっぺとのこと。サウンドトラックなどの売れ行きが非常に好調なことなどを受け、イベントを企画したという。
CDの売れ行きはよかったものの、イベント――しかもオーケストラ・コンサートということで、内心はかなり不安だったそうだ。結果として成功に終わり、最後は関根さんも観客と一緒にスタンディングオベーションをしていたようだ。
栗田さんは、コンサートがまるで昨日のことのようだったと楽しそうに語った。楽しかったとはいえ、本編34曲&アンコール3曲の指揮をするのは大変疲れたようだ。バレエ音楽であれば、30曲以上のこともあるようだが、通常であれば10曲程度の構成が多いそうだ。初めのほうは観客たちから緊張した空気を感じたものの、全体を通してみると非常に雰囲気がよかったようで、コンサートの最中はまったく疲れを感じなかったと話してくれた。
映画の主題歌を歌うこととオーケストラ・コンサートで歌うことがデビュー以来の夢だったというChouChoさん。『ガルパン』でその両方がかなったことを感慨深そうに振り返っていた。当日ステージに立った時にはとても緊張していたが、楽しく歌うことができたようで、ステージにいた時間については「幸せな瞬間でした」と表現していた。
▲オーケストラの演奏に合わせて歌うChouChoさん。 |
これまで『ガルパン』のイベントには数多く参加し、ファンを楽しませてきた渕上さんも、ChouChoさんと同じく緊張していたそうだ。渕上さんいわく、慣れ親しんだ『ガルパン』のイベントとはまったく雰囲気が違っていたようで、新鮮な気分や、予想外に緊張していたことに驚いたと振り返っていた。
続いて、イベントの中身についても掘り下げて聞いていくことに。
関根さんによると、オーケストラ・コンサートをやることは、音楽に携わる者にとってあこがれのひとつであり、開催に当たってはさまざまな“誘惑”があるという。その誘惑とは、よりアーティスティックにやりたい、より音楽的に盛り上げたいなど、音楽に携わる人間ならではのもの。しかし関根さんは、あくまで『ガルパン』のイベントであることを念頭に置き、“音楽で『ガルパン』の総集編を作ろう”との意気込みで企画を進めていったようだ。
その意気込み通りにコンサートを作るにあたって一番大きな問題になった曲があった――それが『あんこう音頭』だ。この曲を入れるかどうかでとても悩んだと打ち明けると会場からは笑いが。東京フィルハーモニー交響楽団に、『あんこう音頭』を演奏できるかどうか相談してみたところ「楽譜に書いてさえあれば、なんでも演奏します」と心強い返事をもらい、演奏リストに入れるにいたったそうだ。
これについては栗田さんも「関根さんが話した通り、楽譜に書いてあったら本能的にやっちゃうんですよ」と苦笑しながらぶっちゃけて、観客を笑わせた。東京フィルハーモニー交響楽団のメンバーもノリノリになって『あんこう音頭』を演奏していたようなので、BDで見る時にはこちらも注目してみるといいだろう。
▲『あんこう音頭』を歌ってくれたのは、シークレットゲストとしてコンサートに参加した佐咲紗花さん。 |
結果として、『あんこう音頭』は観客のウケもよく、それまで緊張していた会場の空気もほどよくほぐれたことが感じられたそう。関根さんは「やってよかったです」と笑顔をのぞかせていた。またコンサートでは、サンダース大付属高校との戦いの後にアンツィオ高校との戦いが曲目として組み込まれていたのだが、この順序もこだわりのポイントなのだとか。
栗田さんは、このコンサートの指揮をするにあたってこだわったのは、作中で流れていた曲となるべくテンポが変わらないようにすること。コンサートホールでは、作中とまったく同じテンポで演奏しても、反響などの影響で同じようには聞こえないらしく、その点の調整にはとても気を配ったようだ。
ChouChoさんが注意したのは、リズム。普段は一定のテンポでドラムをならしながら歌っているそうだが、オーケストラでは指揮者に合わせることになる。普段よりもゆったりとしたアレンジで『DreamRiser』を歌うなどの経験が非常に新鮮だったと口にしていた。また、渕上さんや佐咲さんだけでなく観客も含めて『Enter Enter MISSION!』を一緒に歌えたことが強く印象に残っていると、話してくれた。
コンサートでは歌よりも朗読部分がメインとなっていた渕上さんは、なるべくゆったりと、“言葉を伝えること”を強く意識していたとのこと。あまり語られないみほの心情を、音楽と一緒にどう伝えるのか、探り探りチャレンジしていたという。
1回目の公演では、朗読しながら間違いに気付いたが、「これは違う、どうしようか」と思ったものの、流れを切らさないようにそのまま続け、結果的に“渕上さんが考えるみほの心情”になってしまったという。渕上さんは「失敗した話で、反省もした出来事なんですけど、めったにない経験をさせてもらいました」と、イベント当時の心境を思い出しながら話してくれた。
コンサートでは、なじみのある曲が新鮮に聞こえたことが強く印象に残っているとのこと。中でも渕上さんのお気に入りは、ロシア民謡である『カチューシャ』の部分。関根さんによると、カチューシャとノンナが歌っているパートは、それぞれ楽器を使い分けて演奏をしており、栗田さんの優れた技巧により、映像の口の動きと完全にシンクロしているという。こちらもBDの注目ポイントのひとつと言えそうだ。
ここでイベントも終了の時間に。最後は栗田さんが改めてオーケストラ・コンサートの楽しみ方について話してくれた。「60~70人くらいの人間が息を合わせて演奏する――実は非常に大変なことなのですが、そう思わせずにやっているのがすごいところ。大勢の人間が演奏することによって、人間の脳でも処理しきれないくらい多様で幅のある音を楽しむことができるのが、オーケストラです」と、その魅力を語ってくれた。
また、一般に敷居が高いと思われがちな点については「そんなことはありませんよ。皆さんが今日来ていただいている映画館と同じです。ただし、ポップコーンは食べられませんけどね」とユーモアを交えてにこやかに説明してくれた。
オーケストラ・コンサートのBDに続いて、3月には遊技機ボーカルミニアルバムやラジオCD、5月にはドラマCD、そして劇場版のBD&DVDと、『ガルパン』にまつわるアイテムは続々とリリース予定。まだまだ続く『ガルパン』の世界を楽しんでもらいたい。
このCD&BDは、2015年11月3日に開催された音楽コンサートイベントを収録したもの。CDはすでに発売中で、BDは2月24日に発売される。
渕上さんによる朗読をはさみつつ、音楽担当の浜口史郎さんの楽曲を、栗田さんの指揮により東京フィルハーモニー交響楽団がTVシリーズの劇伴・挿入歌・EDのオーケストラアレンジバージョンを演奏する。
さらにChouChoさんによる劇場版イメージソングや、シークレットゲストの佐咲紗花さんによる“あんこう音頭”の熱唱も楽しめる。以下の画像は、BDに収録されるコンサート映像のもの。
BDには、2014年11月3日に大洗文化センターで行われたウサギさんチームのイベント“ハートフル・ラビット・ファンミーティング”が完全収録されており、特典DISCを含めると収録時間380分の大ボリューム。『ガルパン』ファンはお見逃しないように。
2月20日より4DX版の上映がスタートし、5月27日にはBlu-ray(2アイテム)&DVDが発売される『ガールズ&パンツァー 劇場版』。こちらは2月20日より新たな来場者特典の配布がスタートしている。
配布されるのは、みほたちの描き下ろしイラスト入りバレンタインカード。カードは全9種で、2月20日~26日は、西住みほ・アンチョビ・西絹代・ミカ・愛里寿が描かれたカードの中からランダムで1枚をプレゼント。
2月27日~3月4日にかけては、西住まほ・ダージリン・ケイ・カチューシャ&ノンナが描かれたカードの中からランダムで1枚をプレゼントする。
カードの配布は1回の鑑賞につき1枚で、カードがなくなり次第終了となる。こちらのカードは、4DX版だけでなく通常上映の各劇場でも配布されるとのこと。ちょっぴり遅めのバレンタインプレゼントがほしい人は、劇場に足を運んでみては?(各劇場、なくなり次第終了)
▼BD『ガールズ&パンツァー オーケストラ・コンサート ~Herbst Musikfest 2015~』
■発売日:2016年2月24日
■希望小売価格:7,800円+税
・本編DISC 1枚、特典DISC 2枚構成
▼CD『ガールズ&パンツァー オーケストラ・コンサート ~Herbst Musikfest 2015~』
■発売日:2016年2月10日
■希望小売価格:3,800円+税
・全2枚構成
【Disc1】
1.戦車道行進曲!パンツァーフォー!
2.「これからの毎日が、本当に楽しみ!」(Monologe)
語り:渕上舞(西住みほ役)
3.新しい朝の始まりです!~こんな普通の学園生活って素敵です!
4.横暴は生徒会に与えられた正当な権利です!
5.生徒会、悲壮な決意とともに進みます!
6.戦車の知識では誰にも負けません!
7.戦車を可愛くデコレーションしちゃいます!
8.戦車、乗ります!
9.学園艦は今日も勇壮に海原を進みます!
10.「どこまでやれるかわからないけど、精一杯やってみよう!」(Monologe)
語り:渕上舞(西住みほ役)
11.ブリティッシュ・グレナディアーズ
12.いざ!試合にのぞみます!
13.敵戦車進軍してきます!
14.「もう少し戦車道続けてみるね、お姉ちゃん」(Monologe)
語り:渕上舞(西住みほ役)
15.リパブリック讃歌
16.開会式です!~栄光の戦車道全国大会始まります!
17.私、いやな予感がします!
18.アメリカ野砲隊マーチ
19.「いつか私も、私の気持ち、ちゃんと話せるようになりたいな」(Monologe)
語り:渕上舞(西住みほ役)
20.これが友情ですね!
21.理由があります・・・
22.秋山優花里のアンツィオ校潜入大作戦です!
23.Le Fiamme Nere
24.フニクリ・フニクラ
【Disc2】
1.金平糖の精の踊り~カチューシャ
2.大洗女子学園チーム前進します!
3.ポーリュシュカ・ポーレ
4.「落ち着いて考えよう、今私に、私たちにできること」(Monologe)
語り:渕上舞(西住みほ役)
5.あんこう音頭 歌:佐咲紗花
6.「私はもう、戦車道はやめないよ」(Monologe)
語り:渕上舞(西住みほ役)
7.昨日の敵は今日の友です!
8.エーリカ
9.乙女のたしなみ戦車道マーチ!
10.パンツァー・リート
11.息を殺して待ちぶせします!
12.戦車道とは女子としての道を極めることでもあります!
13.緊迫する戦況です!
14.戦線は膠着状態です!
15.戦車道アンセムです!
16.Enter Enter MISSION!(Orchestra Ver.)
17.DreamRiser 歌:ChouCho
18.GloryStory 歌:ChouCho
19.Enter Enter MISSION!(Herbst Musikfest 2015 Ver.)
歌:渕上舞、ChouCho、佐咲紗花
▼『ガールズ&パンツァー 劇場版』Blu-ray特装限定版
■発売日:2016年5月27日
■品番:BCXA-1123
■希望小売価格:9,800円+税
・(予)200分(本編約119分+映像特典約81分)
・DTS-HD Master Audio(5.1ch)、リニアPCM(ステレオ)
・AVC
・BD50G×3枚
・16:9(1080p High Definition)、一部16:9(1080i High Definition)
・日本語字幕付(ON・OFF可能)
▼『ガールズ&パンツァー 劇場版』Blu-ray通常版
■発売日:2016年5月27日
■品番:BCXA-1122
■希望小売価格:7,800円+税
・カラー
・(予)137分(本編約119分+映像特典約18分)
・DTS-HD Master Audio(5.1ch)、リニアPCM(ステレオ)
・AVC
・BD50G
・16:9(1080p High Definition)
・日本語字幕付(ON・OFF可能)
▼『ガールズ&パンツァー 劇場版』DVD
■発売日:2016年5月27日
■品番:BCBA-4768
■希望小売価格:6,800円+税
・カラー
・(予)137分(本編約119分+映像特典約18分)
・ドルビーデジタル(5.1ch・ステレオ)
・片面2層
・16:9(スクイーズ)
・ビスタサイズ
・日本語字幕付(ON・OFF可能)
(C)GIRLS und PANZER Film Projekt