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2016年7月9日(土)

『弁当の素晴らしさをあの2度3度』の魅力とは? ラショウ氏が語るゲーム制作の秘密とイタチョコラショウ

文:まさん

 ピグミースタジオが、iOS/Androidで配信中の『弁当の素晴らしさをあの2度3度』(iOS/Android版は480円)。

 本作は、独創的なゲームを数多く手がけていることで知られるイタチョコシステムの芸術家・ラショウ氏が制作した『あの素晴らしい弁当を2度3度』をベースに、さまざまな新要素を追加した新作になっています。

『弁当の素晴しさをあの2度3度』

 そこで、イタチョコシステムのラショウ氏とピグミースタジオの小清水史氏をお招きして、本作の制作秘話を直撃。さらに、2014年にYouTubeで公開された動画“工場長のゲームあかん話”で明かされたラショウ氏の新作『baritsu(仮)』の進捗についてもうかがってみました。

 お2人とも、とても愉快な方で、イタチョコファンにとって気になる初出し情報も教えてくれました。ちょっと変わったお弁当が気になる人もラショウ氏のファンも必見の内容になっていますので、ぜひ最後までお付き合いください!

 なお、ピグミースタジオは7月9日、10日に京都市勧業館みやこめっせで開催される、日本最大のインディペンデントゲームの祭典“BitSummit 4th(フォース)”に出展しています。興味のある方はぜひ足を運んでみてください。

『弁当の素晴しさをあの2度3度』
▲左がラショウ氏。右が小清水史氏。(文中は敬称略)

イタチョコシステムの最高傑作が現代によみがえったワケ

――まずは、昨年12月に配信された新作『弁当の素晴らしさをあの2度3度』についてお聞きしたいと思います。この作品は、20年以上前にマッキントッシュで発売された『あの素晴らしい弁当を2度3度』が元になっていますが、2013年に配信されたiOS版の移植ではなく、あえて新作として作られたのはどうしてですか?

ラショウ:『あの素晴らしい弁当を2度3度』は、マッキントッシュ時代に昭和テイストを反映した、一風変わったゲームとして作りました。ですが、時代が変遷するにつれて、本作を遊べるハードがなくなってしまったのです。

 2013年にiOS版を発売しましたが「おもしろかった。また遊びたい」という人の声にしっかりと応えるためには、新しいメディアで出さなければならないと考えました。

 しかし、単純に移植するだけではおもしろくないので、せっかくですから新機能を盛り込んで遊んでいただこう、と新機能を入れたことから、タイトルも『弁当の素晴らしさをあの2度3度』に変わりました。タイトルの日本語は破たんしていますが、そういう風に変わったのです(笑)。

小清水:続編と言うと言いすぎかもしれませんが、基本的には別タイトルという認識ですね。いい部分は残しつつも、バージョンアップしている作品です。ちなみに、PS Vita版も縦持ちで遊ぶゲームになっているんですよ。

『弁当の素晴しさをあの2度3度』
▲iOS版『あの素晴らしい弁当を2度3度』をベースに、バージョンアップして遊びやすくなった『素晴らしい弁当をあの2度3度』。なぜか、タイトルの日本語は破たんしてしまいました。

──具体的には、どのような要素が追加されているのでしょうか。

ラショウ:画面の上下に“タトコの内職”というミニゲームが追加されました。これは、内職をすることによって、使えるお弁当の具が追加されていくミニゲームです。

 マッキントッシュ版はPCで別の作業をしながら、ときどきゲームに戻ってお弁当の売上を見るという“横で何かをやりながら見るゲーム”だったのですが、今回はスマートフォンで出しているので、電車の中で遊ぶ方も多いと思ったんですよ。

 ですので、移動中などのちょっとした間に、お弁当の具を探せる別のゲームを付加しようと思いました。ミニゲームの内容は上から落ちてくる雨をタッチしてアイテムを作り、アイテムを組み合わせて具材を作っていくというものになります。

──なるほど……あの、雨をタッチするたびに、なぜか「まめ」というセリフが聞こえてくるのですが、なぜ「まめ」なのでしょう?

小清水:いえ、これはね、確かに「まめ」と聞こえるかもしれませんが、じつは「雨」と言ってるんですよ。

ラショウ:違いますよ。振っているのは雨ですが、雨の形が豆になっているので、ちゃんと「まめ」と発音しています。

小清水:え、そうなんですか? 前に「これは雨と発音している」と言っていたような……。

ラショウ:えーと、うん……そうです。雨です(笑)。

──ちょっと待ってください。見解の統一が全然取れてないじゃないですか!

ラショウ:まあ、それはともかく(笑)。このミニゲームは町の一員である女の子が内職をして、お弁当に入れる具を作っているという設定です。

 雨粒が下に落ちてしまうとキノコになり、キノコ同士がくっつくとチーズに変わる。チーズ同士がくっつくとネズミになって、下にあるテーブルを押す……という流れですね。テーブルを押し切られてしまうと作った具材がなくなってしまうので、ときどき掃除をしながらカキーンとねずみを打ちましょう。

小清水:ねずみを打つと、たまにホームランになります。ホームランが出ると新しいおかずをゲットできるんです。

『弁当の素晴しさをあの2度3度』
▲ミニゲーム“タトコの内職”が加わった本作。ヘルプも用意されていますが、キャラが上に被るようにわざと配置されているなど、細かい部分でもラショウ氏ワールドがさく裂しています。

──これはまた、イタチョコシステムらしいミニゲームですね。本編にも追加要素はあるのでしょうか?

ラショウ:店員と客の恋愛要素(?)といったiOS版の追加要素に加えて、50種類だったおかずが100種類まで開発可能になっています。おかずのなかにはタッチすると形が変わるものもありますが、これは、お弁当の具が暴れるという概念をシミュレートしました。

 作ったお弁当もただ売るのではなく、湯気の立ち具合で売れ行きが違ってくるなど、お弁当の隅々までをシミュレーションしているんです。建物をタッチすると好みに関する情報が出るので、そのニーズに合わせたお弁当を作ると売れますよ。

 たとえば、この建物には劇団員が多く住んでいるので、安くてカロリーが多い弁当が売れますといった具合です。そうやって、どこにターゲットを絞るか、そこに向けた商品をどう作るべきかを考えて、町の住民に自分のお店に足を運んでもらうことを考えていくゲームなんです。

小清水:ちなみに、画面左のメーターがクリア条件になっていて、ステージクリアの位置までお弁当箱が到達するとクリアになります。

『弁当の素晴しさをあの2度3度』
▲画面の左側に、弁当箱が積み重なっている様子が確認できます。

ラショウ:お弁当が売れるとポイントが1つ上がって、他のお店のお弁当が売れると1つ下がるようになっています。ライバル店は2店ありますから、基本的には下がり気味になります。そこを、売る数をこなしてなんとかしていく感じですね。

 遊べるシナリオは3つあって、一番上の“弁当三国志”は緩やかな難易度の初級バージョンです。このシナリオは、他のお店の弁当が売れてもポイントが減らないことがあります。

 “雨の日はブルー”というシナリオは、なかなかお客さんが外に出てきてくれない中級者向けのシナリオですね。“一点支配を崩せ”というシナリオはたいへん難しい上級者向けで、チェーン店の支店からゲームが始まります。この3つのシナリオをクリア条件まで持っていくと、より難しくておもしろい隠しシナリオが出てきます。

──“弁当三国志”でも、初めて遊ぶとラショウさんワールドを理解しきれなくて苦戦するかもしれませんね。たとえば今、ちょうど私が遊んでみた店が、理不尽な理由でライバル店に買収されてしまったところとか。

ラショウ:それは、背景にある“湯沸かし器”を触ってしまったからですね。湯沸かし器を触ると、ペナルティとしてライバル店に買収されてしまいます。

──なるほど、なるほど。確かにそういうメッセージが出ました……って、ええっなんで!? なぜ、そうなるんですか(笑)。

小清水:ラショウさんは『野犬のロデム』でもそうなのですが、押してしまいそうなところにヤバいボタンを配置するのが好きなんですよ(笑)。

ラショウ:つい、押しちゃいけないものを置いちゃうんです。その湯沸かし器は、町マップにある自分の店の座標と同じ位置に置いてあります。だから、連続でタッチしていると画面が切り替わったときに押しちゃうんです。非常に意地悪な配置ですね。

 たぶん、皆さん1回はライバル店の軍門に下ってしまうのではないでしょうか。こういう“あわてずに遊ぼうよ”という仕組みを入れていますので、のんびり遊んでいただきたい、という気持ちをくんでいただければ……(笑)。

『弁当の素晴しさをあの2度3度』
▲ちなみに“すいはんジャー”を触ると、弁当開発室で保管容器を使えるようになるなど、プレイヤーに有利な仕組みも。

──なるほど。経営は慎重に、ということですね。ちなみに、PS Vita版も制作中ということですが、なぜiOSやAndroidと同時配信ではないのでしょうか?

小清水:トロフィー機能などの、PS Vitaならではという要素を追加しようと考えているからです。ですので、値段もiOSとAndroid版は約500円ですが、Vita版は1,000円になります。

──それは楽しみです。個人的には、PlayStationのハードで『あの素晴らしい弁当を2度3度』の関連タイトルを遊べるということ自体が感動的なんですよ。自分は当時、ゲーム雑誌の記事を読んでいて、初代PSで発売予定だった『あの素晴らしい弁当を2度3度(※)』を楽しみにしていましたから。

※『あの素晴らしい弁当を2度3度』は初代PSに移植される予定があり、当時子ども向けの雑誌などでも話題になったが、1998年に開発中止が発表されている。

ラショウ:紆余曲折を経て、やっとPSハードへの移植が実現できたことになりますね。『あの素晴らしい弁当を2度3度』が開発中止になった時、イタチョコシステムは一度挫折を経験しました。そこから、起死回生を経てやっと復活できたんです。

小清水:初代PS版の開発が中止になったことを覚えている方って、今でも結構いるみたいですね。あの時、本当に楽しみにされていた方たちにも、ようやくPSハードで遊べるようになりました、とお伝えしたいです。

ラショウ:自分としても雪辱を果たした形になります。ちなみに、日本語版と英語版の両方が同じアプリケーションとして含まれていますので、ゲーム中に言語を切り替えれば、両方遊べますよ。

──ゲーム中に切り替え可能なのはうれしいですね。ちょっと遊んでみてもいいですか? うん、言語を切り替えるとタイトルも『弁当の素晴らしさをあの2度3度』から『Bento Fujiyama、tamagoyaki』に変わってちゃんと翻訳……されてない!

ラショウ:はい。英語版は、単純な日本語訳ではなく“外国人が見た怪しい日本”のテイストを出したくて、無理矢理な日本語訳にしてあります。

小清水:おはぎの名前を“Azuki beans rice cake”にしているなど、具材の名前も苦労しました。翻訳としては確実に間違っているんですよ(笑)。これは、決して海外の方をバカにしているわけではないんです。

 むしろ、ラショウさんのテイストを伝えるために、あえて変な訳にしています。逆にラショウファンの方が見れば「こんな名前をつけるのか」とニヤニヤしながら楽しんでもらえると思いますよ。

ラショウ:お弁当屋さんに外国人が来たときに、苦し紛れに英語で答えたような不思議なテイストの名前を再現したかったのです。英語の勉強にはまったくなりませんが、日本の方が英語版でプレイするのもおもしろいと思いますよ。

『弁当の素晴しさをあの2度3度』
『弁当の素晴しさをあの2度3度』
▲上が日本語バージョン。下が英語バージョン。言語がわからなくても遊べるゲームなので、英語版で不可思議な雰囲気に触れてみるのもアリ?

『野犬のロデム』や気になる新作『baritsu』の行方は?

──ここまでお話を聞いていて、とてもラショウさんらしいと思いました。とはいえイタチョコシステムのゲームはそもそも個性的な作品が多く、決められた目的が存在しない物も多いですよね。『弁当の素晴らしさをあの2度3度』は、そのなかでも比較的わかりやすい作品だと思います。

小清水:イタチョコゲームのなかでも最大のヒット作ですし、すごく大事に扱いたいと思っているんですよ。実は、最初にラショウさんとコンシューマでゲームを展開していくうえで『あの素晴らしい弁当を2度3度』と『野犬のロデム』のどちらを先に出すか、すごく悩みました。

 『あの素晴らしい弁当を2度3度』のほうが目的が明快なのですが、キャラクター的にも動かしていてわかりやすいという理由から、最初にPlayStation Mobile(PSM)で『野犬のロデム』を出したんです。

『弁当の素晴しさをあの2度3度』
▲PSM版『野犬のロデム』はPSMのサービス終了によって幻のソフトとなってしまいましたが、現在もiOS/Androidで追加版を遊べます。

──突然発表されたので、あの時は驚きました。ただ、残念ながらPSM版の『野犬のロデム』は、PSMのサービスが終わってしまったのでもう遊べないんですよね。

ラショウ:ええ。ですが、今は『野犬のロデム』もiOS/Androidで出していますし、こちらもPS Vitaに移植する予定です。タイトルは同じですが、PSM版を出した時にやり残したこともあったので、前作からパワーアップした物になっています。

 犬語は犬語なのでそのままですが、基本的に3カ国語を搭載しているんですよ。アイテム収集図鑑も訳してあって、日本語、英語、フランス語が入っています。

 それから、今回は主人公であるロデムの見た目が、モードによって変わります。風のモードを選ぶと風で飛ぶようになり、火のモードを選ぶと猫になるんです。これは、猫ファンから「できれば猫でプレイしたい」という要望があったので入れてみました。

小清水:ラショウさんって自分を曲げない方だと思っていたのですが、要望を取り入れてくれることもあるのかとビックリしました。

ラショウ:せっかく猫にしたので、猫バージョンに限っては、猫声になるように再録いたしました。ほら、「ニャオーン」と言ってますね。これは、露骨なほど猫の声ですよ。

──『野犬のロデム』なのに、猫になるんですか!? 確かに、よく聞くと猫っぽい鳴き声に変わっているような気もしますが……。

小清水:これは、明らかに猫ですよ(断言)。

ラショウ:猫ですね。

──はい、猫です。

『弁当の素晴しさをあの2度3度』
▲猫です。

小清水:他にも、新キャラクターが登場するのでPSM版を遊んだ人も楽しめると思いますよ。

──PSM版と言えば、やり込み要素としてラショウさんのグッズを集める収集図鑑がありました。PSM版では、ロデムが死ぬと図鑑のアイテムも消えてしまいましたが、今回も消えてしまうのでしょうか?

小清水:それについては、ラショウさんとものすごく議論したのですが、どうしても消したいと言うんですよ。

ラショウ:そこは押し通させていただきました。収集要素なのに、頑張っても全部集めるのは難しいという。ただずっと遊んで欲しいので、消えるようになっています。

──アルバムにも載るのに、収集要素が消えてしまうというゲームは珍しいですよ。

小清水:そうなんですよ。ちゃんと信念があるんですよね。絶対に消したいのならしょうがないと思い、あきらめました(笑)。

ラショウ:コンプリートするのは難しいですね。

──いろいろと変わったゲームですよね。『野犬のロデム』にはシナリオのようなものがないので、ゲームの目的も説明しにくい作品だと思います。

小清水:東京ゲームショウに展示した際、「このゲームの目的はなんですか?」とよく聞かれたのですが、とても答えにくいですね。

 自分は“ヒャクジリ公園シミュレータ”と答えているのですが、公園全体をシミュレートするゲームで、ロデムはそのスイッチになっている、と考えてもらえるといいかもしれません。基本的には、いろいろなことをして周りの変化を楽しんでいくゲームです。

ラショウ:他のゲームもそうなのですが、その日の気分でプレイスタイルを変えられるというのが、私のゲームの特徴だと思っています。

 ですから、今日は調子が悪いなと思ったら早々といろいろなところに突っ込んでもらってもいいですし、調子がいいから長く遊ぼうと思ったら、長く生きるために堅実な生き方をしてもらってもいいんです。

──『野犬のロデム』はラショウさんが家庭用ゲーム機に復帰した記念すべきソフトですが、長年PCで活動されていたラショウさんが家庭用ゲーム機に復帰されたのは、どのような心境の変化があってのことなのでしょうか?

ラショウ:ピグミースタジオさんのゲームに対する熱意と高い理想に動かされました。ピグミーさんのゲームへのこだわりといいますか、私のような、あまり売れるゲームというものでやってこなかった人に着目していただけて、お互いの理想が一致したと思っています。

──ラショウさんは、ゲームクリエイターというよりもゲーム以外の活動にも幅広いですよね。そのなかでも、最近は特にゲームに注力しているような感じを受けたのですが、そういうことだったのですか。

ラショウ:私は常々、ゲームを1つの“表現”として確立できないかと思っているんです。私自身は、いろいろな“表現”ができればいいと思っているのですが、ゲームはまだ“表現”のジャンルとしては認められていないようなところがあると考えています。

 もちろん、普通のエンターテインメントとしてのゲームは確立されていますが“表現”としては見られていません。ですから、私は“表現”するものとしてやっていきたい、そのために好きなことをやらせていただきたい、とワガママを言わせていただいている形です。

──これからも自由な作品が出てくるのを楽しみにしています。ところで、ラショウさんは2014年に小清水さんと一緒に“工場長のゲームあかん話”という動画をアップされていましたよね?

●動画:[工場長のゲームあかん話]第三回 ラショウ

 そこで、確かシャーロックホームズが習得していたという架空の格闘技“baritsu”をテーマにした格闘ゲームなど、いろいろな作品を作っているとおっしゃっていたことを覚えています。それらも進行しているのでしょうか?

ラショウ:はい。現在進行形で進行中です。今は『ボコスカウォーズ2』に注力しているので、『baritsu』が少し後回しになっていますが、ちゃんと作っていますよ。

小清水:実は今、“イタチョコラショウ”というブランドを作ろうと考えています。ラショウさんのゲームが欲しいけど、どこで買えばいいのかわからないという方々のために、ピグミースタジオのサイト内にイタチョコラショウというサイトを作っているところなんですよ。

 そこには、イタチョコラショウのサイトでしか買えないゲームソフトを置きたいと思っています。『弁当の素晴らしさをあの2度3度』や『野犬のロデム』よりも、もっとコアなものですね。

 大きい市場では出せないような作品を、手売りのノリで売っていくものになると思います。昔、ラショウさんがショップをやっていて、そこのお店に行かないと買えないゲームがあったのですが、それと同じノリです。『baritsu』は、そのサイトに置かれるゲームの1つになると思います。

──ということは、ヘナチョコゲームの作品も復活するということですか?

小清水:いえ、全部イタチョコラショウ用に作った新作になります。なかには「ラショウさん。これは売れないのでカンベンしてください……」と思わず言ってしまうような作品も置く予定です。

 商業のストアでは審査に通らないような物もあると思いますが、そこは表現者・ラショウとしての全力を出せる場所なので、自由にやってもらおうと思います。パッケージも作って通販を行い、手作り感あふれるものを売る予定なんですよ。実は、もう売るゲームのパッケージも完成しているんです。

ラショウ:サイトは、早いうちに公開したいと思っています。

──イタチョコのゲームらしい、一期一会な感じですね。話は変わりますが、そうしたゲームを作られる時、普段、ラショウさんはどのような形でゲーム製作をされているのでしょうか? どうも、普通のゲーム作りとは違うような気がするんです。

ラショウ:私自身、答えを知りたくてゲームを作っているところがありますね。どのゲームもシミュレーションと銘打っているのですが、「こうすれば、こうなるんじゃないかな?」という疑問符のままでゲームの基本システムに組み込んでいって、その通りになるのかを自分自身がプレイヤーになって確認したいんですよ。

 だから、皆さんが見つけた答えと同じではなく、自分だけの答え合わせをしているのかもしれません。売れるとか売れないとか、そういう要素に関係なく、自分がこだわるゲームだけを作っているという部分が支持されていると思っていますので、そこには答え続けたいと考えています。

小清水:ラショウさんは、ゲームを遊んで、ゲームに育てられてクリエイターになったタイプではないんですよ。

 なんというか、宇宙人的ですよね。普通は地球にある物を見て、地球のゲームを作るじゃないですか。でも、ラショウさんは宇宙のほうしか見ていない。そして、宇宙のゲームを持ってくるから、そこが違和感になっておもしろいんです。

ラショウ:時々、普通のゲームにある要素をすごいアイデアを思いついたように話すと言う凡ミスもありますが……(笑)。ごはんにふりかけをかけると美味しいですよ、みたいなことを小清水さんに主張しています。

小清水:「ラショウさん。ふりかけは、もう地球にありますよ」みたいなことを言っていますね(笑)。

ラショウ:自分は商業作品としてのゲームを、あえて表現のほうに持ってきて“表現”として確立させたいのです。そのためには、他のゲームを知らないままに、自分のやりたいところを追及していける立場のほうがよいと思っています。

小清水:ラショウさんって、プレイヤーが不利だったら有利にするような補填はいっさいしないですよね。

ラショウ:それは、本当にシミュレーションと言っていいのか考えてしまうんですよ。通常のSLGは、悪いことが多く起きると、いいことが起きる頻度も高まるようになっていると思うんです。

 それは「ゲームを高い値段で買ってくれたのだから、そのぶんだけ楽しませなきゃいけない」という商業的なサービスだと思いますが、果たして、それをシミュレーションと言っていいのでしょうか。

 本当にシミュレートするなら、勝っているときは勝ち続けるし、負ける時は負け続ける。悪いお弁当を作ったら、売れないでつぶれるべきなんです。

『弁当の素晴しさをあの2度3度』

──なるほど。そこにもラショウさんなりのこだわりがあるんですね。では、そろそろ、最後にお二方からひと言メッセージをお願いします。

ラショウ:私は、これからも好きなことをさせていただきますので、どうか見届けてください。どこまで行ってしまうのか。

 もしかしたら、ゲームの世界から足を踏み外してしまうかもしれませんが、またいつかゲームに帰ってくるんだろうなと思っていただいて、次に来る意外なものを楽しみにしていただけるとうれしいです。

 そのまま、どこかへ行ってしまうかもしれませんが……(笑)。そういう意味では、みなさんの期待を裏切り続けたい、意表を突き続けていきたいと思っています。

小清水:ラショウさんは、ものすごくファンを大事にされているので、ラショウさんのゲームを楽しみにしている方に、しっかりとお届けしていきたいと思っています。ですから皆さん、これから出るゲームも楽しみにお待ちいただけるとうれしいです。よろしくお願いします。

『弁当の素晴しさをあの2度3度』

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