2016年3月11日(金)
今春にメビウスから配信予定のPS4用ダウンロードソフト『燃えろ!!プロ野球2016』を、野球好きライターのヒビキタケルが体験したので、その模様をレポートします。
1987年にジャレコからファミリーコンピュータ向けに発売され、バントでホームラン性の当たりを打てるなど、数々の衝撃的な内容で話題になった『燃えろ!!プロ野球』。そのテイストを受け継ぎ、新要素を加えたものがPS4用ダウンロードソフト『燃えろ!!プロ野球2016』です。
かくいう私、ヒビキタケルも小学生の時にファミコン版『燃えプロ』をプレイして、実際にバントでホームランを打つのを見て爆笑しました。今なら「んなことありえるかーっ!」とツッコミたくなるところですが、当時はそういうところも“ローカルルール”的に認識できたんですよね、なぜか。
こういうルール(?)は、他にもいろいろとあるのですが、それも「しょうがねえよな、『燃えプロ』だし!」と笑って許される雰囲気がありました。『燃えプロ』は私の中で“バカゲー”という認識を初めて生み出したゲームなのかもしれません。
そんな『燃えプロ』シリーズの最新作が、なんとPS4で当時のグラフィックを再現しつつ発売される! というのはファミコン版時代の『燃えプロ』体験者としては見逃せないところです。
そこで今回は、現代によみがえった伝説のバカゲー『燃えプロ2016』について、気持ちを小学生時代にまで戻してインプレッションしていきつつ、このタイトルをどう楽しむのかを紹介していきます。
最初の衝撃はゲームを起動したときに起こりました。紫色の背景にカクカクの書体で描かれたロゴとメニュー。耳の大きなピッチャー。そして流れてくるメインテーマ……そう、これは完全にFC版『燃えプロ』じゃないですか!
これはファミコン版『燃えプロ』を遊んだことがある人は、感涙必至のタイトル画面ですね。まずはメインテーマが1周するまで、方向キーでメニューに合わせて動く“耳の大きなピッチャー”をながめながら過ごすことをオススメします。目と耳で『燃えプロ』復活の息吹を心ゆくまで感じとりましょう。
▲メニュー画面を方向キーで動かすと、耳の大きなピッチャーの首がコキコキと動きます。この動きを見て『燃えプロ』の記憶がよみがえる人も多いのでは? 隠れた名シーンです。 |
タイトル画面を満喫したら、次は“ルールヘンコウ”を選んでみましょう。本作では『燃えプロ』の代名詞となった“バントでホームラン”をはじめ、“ゲームをおもしろくするためのルール変更はできる範囲内で再現”されています。というか、アレって“ルール”だったんですね……。
本作では個々のルールのON・OFFができるので、すべてOFFにして普通の野球ゲームとして楽しめるようになりました。ただし、これは激辛がウリのカレー屋に入って甘口を頼むようなものなので、あまりオススメしません。とりあえず、すべてONで楽しんでみましょう。調整はあとですればいいのです。
また、ファミコン版『燃えプロ』を知らない人は、まずはルールを把握しておいてからプレイすると『燃えプロ』の見え方がぜんぜん違ってくると思いますよ。
▲全部で7つの独自ルールが設けられています。 |
以下、それぞれのルールを私見を交えて紹介していきます。
●バント デ ホームラン
強打者の場合、バントやハーフバントでホームランになる場合がある、『燃えプロ』の代名詞的ルール。
▲もちろん、絶対にホームランになるわけではないので、チャンスの場面で使うのはなかなか勇気がいります。 |
●ファウルノアトハ ストライク
ファウルになったあとは、どんなボール球でもストライクに。自分が攻撃時には、カウントに余裕がなければ次の球はどんなクソボールでも振りましょう。守備時は、思いっきりクソボールを投げましょう。
●ウナズイタアトハ ストライク
ピッチャーがサインにうなずいたあとに素振りをすると、ボール球でもストライクになるルール。“VSモード”以外では、あまりお目にかかりません。攻撃時にはちょっと注意が必要ですね。
●スリーバントシッパイデヌカス
スリーバントに失敗すると打順が1つ抜かされるルール。とくにメリットを感じるルールではないのですが、バントでホームランを狙っている時に発生しやすいです。
●ガイヤノヤジ
満塁で三振になった時に野次が飛ぶルールです。普段はヒットを打ってもホームランを打っても静かなままなので、すっかり忘れたころにやってきてビックリするタイプのやつです。
●ファウルサインマエニホームイン
ファウルの判定が出る前にホームインすると、そのまま点数が入るルール。そうそう起こるシチュエーションのものではないので、すっかり忘れたころにやってきてビックリするタイプのやつです。
●ガイコクジンバッターバントナシ
OFFにすることで、外国人選手でもバントができます。強打者だからバントでホームランを狙おう、と意気込んだときにガッカリするやつです。そうなるのが嫌な人はOFFにしておきましょう。
本作ではオリジナル選手を100名まで登録可能です。選手名はカタカナかアルファベット、数字で6文字までで、しかも濁点や半濁点も1文字に数えられます。6文字以上の名前の選手は、なんとか6文字で収まるように愛称や略称を使ってみましょう。案外なんとかなります。
▲“ヒビキタケル”は、濁点を入れると7文字なので収まりません。作った当人がわかればそれでいいや、くらいの気持ちで入力しましょう。 |
名前を決定したら、ポジションやバッタータイプ、打席などを決めます。ポジションは“ピッチャー”と“ヤシュ”の2つで、“ヤシュ”に設定しておけばキャッチャーだろうがショートだろうが、どこでも守れます。プレイヤーがその選手を守らせたいところを守らせてくれる。それが『燃えプロ』なのです!
▲バッタータイプでは、当時の人気外国人選手をイメージした“クラウチング”も選択できます。 |
選手の能力は、ボタンを押すとランダムで決定するという、超お手軽設計。もちろん、何度でもやり直せるので気に入った能力が出るまでボタンを押し続けましょう。
▲ヤシュは打率と本塁打、走力(1~10)が設定されます。 |
▲ピッチャーは球速と防御率、スタミナ、縦変化と横変化が決定。がんばればかなりいい選手ができます。 |
完成した選手はオリジナルチームに入れることができます。オリジナルチームにはエディット選手だけでなく、デフォルトチームの選手も入れられるので、既存のチームに“もしも自分がプロ野球チームに入団したら?”という“if”も手軽に楽しめます。
プロ野球チームにオリジナルキャラを入れる“if”が楽しめる、というのは間違いないのですが、残念ながら本作に登場するチームはすべて架空のものになっています。でも、安心してください! “実在のプロ野球選手で楽しみたい!”という、本格派な人にはデフォルトチームの選手名をエディットするという方法があります。
ただし、成績も架空のものなので、どの選手がモデルかも定かではなかったりします。選手の能力まで現実に合わせたいという人は、オリジナル選手で再現してみるのも手ですね。能力設定はランダムですけど。
個人的にはあえてプロ野球にこだわらずに、現実のクラスメイトや草野球チーム仲間など、自由なテーマでオリジナル選手を作って遊ぶのがオススメですね。
▲そんなわけで作ってみたのが“ご飯に合うオカズ”をテーマにしたチーム。野手陣はご飯の友が中心です。 |
▲投手陣はオカズがメイン。ハンバーGの能力がドエライことになってます! カレーはオカズに入るんだろうか……。 |
『燃えプロ2016』の試合では、選手の操作は主に方向キーとボタンで行います。
投球は最初に方向キーの上下で球速、左右で内外角を決定。ピッチャーがボールを投げるまでの間に方向キーを入れた方向にボールが変化していきます。変化量はピッチャーの能力によって異なりますが、基本的にはどんなピッチャーもバンバン変化球が投げられる印象。
▲投球中に方向キーの上入力で、ホップするようなボールも投げられます。 |
打撃時は方向キーで狙う位置を指定し、○ボタンで打ちます。バントは×ボタンです。相手のコースを読みきって、ガツンと打ったときの気分は最高です! ホームランを打つと“例の演出”を見ることができますよ!
▲スイングを途中で止めることもできます。ファウルで逃げたい時には便利です。ルールによっては、次にくるボールが必ずストライクになっちゃいますが(笑)。 |
▲ホームランを打った時にバックスクリーンに表示される演出は、FC版『燃えプロ』のCMでも使われていたもの。コレを見て「スゴイゲームが出てきた!」と当時のちびっ子たちは思ったものです。 |
▲スタジアムは固定で、なんだか異様に外野が広いように感じますが『燃えプロ』はコレでいいのです。予断ですが、ライトゴロやトリプルプレイも普通にありえます。広いようでせまい、不思議な空間です。 |
『燃えプロ2016』の新要素の1つが、ジャレコチームの参戦。ジャレコ作品のキャラクターたちによるチームで、それぞれこだわりが光る外見をしているので、作品を知らなくても楽しめます。1度は“ペナント”や“VSモード”で使ってみてほしいですね。
▲ジャジャ(出典:『忍者じゃじゃ丸くん』)は、背中に刀を差した忍者姿で登場。唐傘お化けのバットを使います。 |
▲クラリス(出典:『シティコネクション』)は、打席ではキュートな女の子ですが、ランナーや守備時にクラリスカーに乗った状態で操作できます。 |
▲ピグ(出典:『ぶたさん』)はパンツ一丁姿! 元ネタを知らなくてもインパクト絶大です。 |
▲地球連邦の完成途中だった形態可変戦闘メカのイクスペル(出典:『フォーメーションZ』)。走者や守備時は飛行型に変形! |
気になる本作のお値段は864円(税込)という、ダウンロードタイトルでも屈指のお値打ち価格で販売! ランチを1回我慢すれば、ファミコン版の世界観を大切に守り抜いたゲームがPS4で遊べるわけです。
本作があれば、自宅でのちょっとしたパーティや上司や恋人がきた時の接待に、眠れない夜にちょっとワンプレイと、さまざまなシーンに使えます。ファミコン版を知る人はもちろん、知らない人もPS4で生まれ変わった新たな“伝説”の目撃者になってください!
3月13日にベルサール秋葉原で開催される“ゲームの電撃 感謝祭2016”のPlayStationブースには、本作『燃えろ!!プロ野球2016』が出展されます。配信前にソフトを遊べるチャンスなので興味がある人はぜひ体験してください!
“ゲームの電撃 感謝祭2016”&“電撃文庫 春の祭典2016”&“電撃コミック祭2016”概要
【開催日時】2016年3月13日 10:00~17:00予定
【入場】無料
【会場】ベルサール秋葉原+秋葉原UDX
(C)CLARICE GAMES. Development&Publishing by mebius.
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