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2016年3月18日(金)

PS VRの発表内容からハードの気になる点まで、SCEの伊藤雅康氏に直撃インタビュー!【GDC2016】

文:電撃PlayStation

 現在開催中のゲーム開発者向けイベント“Game Developers Conference 2016”にて、発売月や価格、スペックが公開されたPS4向けバーチャルリアリティ(VR)システム“PlayStation VR”。

『PlayStation VR』

 このPlayStation VRに関して、ハード事業を統括するソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)PSプロダクト事業部長・ソフトウェア設計部門長の伊藤雅康氏にお話をうかがったので、その模様をお届けしよう。

『PlayStation VR』
▲伊藤雅康氏

『PS VR』はすでに生産体制へ。10月の発売までにさらなる改善も!?

――PlayStation VRは44,980円(+税)で10月発売と発表されましたがこの価格と時期はどのようにして決まったのでしょうか?

 私がプロジェクトに参加した当初から、44,980円(+税)という価格を目指して設計や生産を行ってきました。時期に関しましては当初はもう少し早いタイミングを考えておりましたが、メディアなどでPlayStation VRの露出が増えていくうちに、ある程度の台数を同時に発売できるようにした方がよいという話になり、予定よりも少々遅れてしまいました。

――ハードウェアとしての設計は完了しているのでしょうか?

 はい。既に生産体制に入っています。

――発売日にどの程度の数を用意しているのでしょうか?

 具体的な数は言えませんが、手に入れたいユーザーさん全員のもとに届くような数を予定しています。

――最終仕様で追加されたものや、これまでの開発版から調整された機能などはありますか?

 前回発表したものからはほとんど変わっていませんね。

――44,980円(+税)という価格は現在発表されているVRデバイスとしては最安値になりますが、コスト削減に関して苦労した点はありますか?

 先ほどお話したとおり、当初から価格を決めていたのでコスト削減への苦労というと少々回答が難しいですね。PlayStation VRは44,980円(+税)という価格のなかで最高のVR体験をしていただくためのデバイスとして開発しました。

――OLED(有機EL)が高額という話をよくうかがいますが、価格内でのコスト配分はどうなっているのでしょう?

 高コストというとOLEDになりますかね。ですがユーザーさんが体験できるVRの質を高めるため、バランスよくコストも配分しています。

――PlayStation VRの利用に必須となるPlayStation Cameraを別売りにしたのは、価格の都合でしょうか?

 PS4はPlayStation Camera同梱で販売されるのが基本となっている地域があります。そういった地域のユーザーさんにPlayStation Cameraが同梱されたPlayStation VRを販売するというのは、ナンセンスです。今後、地域の販売形態に合わせてPlayStation Camera同梱版を出すこともありえますが、こういった事情もあり全世界へのスタンダードモデルとしてまずリリースするものにはPlayStation Cameraは同梱していません。

――PlayStation VRに合わせてPlayStation Cameraの新型をリリースする予定はありますか?

 PlayStation VRはPlayStation CameraとPlayStation Moveに対応していますが、これは既にあるもので最高の体験を提供しようと設計したものです。新しい周辺機器を用意することはVR体験に必要な価格の上昇にもつながりますので、PlayStation Cameraの新型のリリース予定はありません。

――顔を完全に覆う&動きが出るため、安全対策は重要になると思いますが、そのあたりの対策はどうなるのでしょうか?

 視野がなくなることへの対策として、バイザーをスライドさせられるようになっております。バイザーを前にスライドすれば、前は見えないものの足元は十分確認可能です。あとは、ユーザーさんが動いてカメラの範囲からはずれると警告表示が出るようになっています。

――PlayStation VRの推奨年齢は何歳以上になりますか?

 12歳以上推奨になります。

――PlayStation VRでのゲームプレイまでの流れを教えてください。

 最初にPlayStation Camera用の設定などはありますが、設定後は今ユーザーさんが慣れ親しんでいるPS4と同様のインターフェイスになります。ですので、今までとほぼ変わらない感覚でプレイを開始できますよ。

――PlayStation VR専用のユーザーインターフェイスを用意する予定はありますか?

 今のところは予定していません。

――シネマティックモードでは360°あらゆる視点から映像を楽しめますが、360°映像を撮影できるような機器を販売する予定はありますか?

 今後何か考えていかないといけませんね。SCEではなくSONYグループからリリースしていただけるとうれしいです。

『PlayStation VR』

――PlayStation VRはPS4のモニターとしても利用することはできますか?

 そうですね。PS4のモニターとして使用することは可能です。ただ、PS3との接続は行えません。

――VRコントローラとしてPlayStation MoveとDUALSHOCK4が対応していますが、両者のセンサーの精度は同じでしょうか?

 センサーの能力としてはほぼ変わりませんね。

――VRのコンテンツはその多くがマルチプラットフォームに対応していますが、PC用のVRデバイスと比べてトラッキング性能に差はありますか?

 PlayStation VRはカメラでプレイヤーの行動を認識し、Oculus Riftはルームスケールで認識しています。その性能の差はあるかと思いますが、実質的にはほとんど変わらないですね。

――個人的には動きにラグを感じたような気がしたのですが

 その点は開発側としても認識していまして、10月までに改善していこうと考えています。

――PlayStation Moveでのみ遊べるコンテンツもあるのでしょうか?

 PlayStation Moveでしか遊べないものは作らない予定です。

――PlayStation VRに特化したコントローラのリリース予定は?

 研究段階としてはありますが、まだ商品化しようというものはありません。世の中にお披露目できる形ではないですね。

――プロセッサーユニットはどのような処理を行っているのでしょう?

 PlayStation VRのヘッドマウントディスプレイと通常のモニタに違う画面を出す処理など多岐に渡りますが、詳細は公表していません。

『PlayStation VR』

――接続ケーブルの長さはどの程度になりますか?

 全体で4.4mとかなり長めになっています。とくに海外の家庭では広い部屋でゲームをプレイすることも多いので、そういった環境でもPS4とつなぐのに十分な長さにしています。

――2016年はVRのハードがいくつも発売される年となりました。そのなかでPlayStation VRはどんな特徴があるのでしょう?

 他社のVRはハイスペックのPCとつなぐためのものですが、PCというものは当然ですが多種多用な性能の差があります。ですが、PlayStation VRはPS4という均一な企画で作られたハードのためのVRデバイスです。そのためユーザーさんに同じ環境でVRを提供できるというのが大きいですね。

『PlayStation VR』

――PlayStation VRが普及するためのキラーコンテンツはどんなものだと考えていらっしゃいますか?

 やはりゲームになるかと思います。なかでも既にリリースされているタイトルがPlayStation VRに対応すれば、ユーザーさんにも親しみやすいしわかりやすいものになるでしょう。現在エレクトロニック・アーツさんと進めている『Star Wars バトルフロント』がその例ですね。

――今後はPS4単体でのプレイとPlayStation VRを使用したプレイ、両方が楽しめるタイトルがリリースされるのでしょうか?

 それはデベロッパーさんしだいですので、いろいろな形のものが出てくると思いますし、出てきてほしいですね。

――VRデバイスとして、今後PCに接続は可能になるでしょうか?

 PS4はPCと同じ基本構造をしていますので可能だとは思います。ただ、実際にPCとつなぐということは今はできません。

――では、今後そういったサポートの予定はありますか?

 まだ予定はありませんが、可能性としてはあります。

――今後PlayStation VRはどのような進化をしていくのでしょう?

 これまでPSフォーマットのハードは、発売後にコストダウンを行ってきました。ですので、PlayStation VRに関しても同様に、どのようにしてさらに低価格で提供できるかを考えています。また、性能面の強化も考えていますので、コストダウンと両方一緒に並行して進めていきます。

――今のPlayStation VRの仕様に心残りはありますか?

 有線であることですね。これだけハイスペックのものは、まだ無線ではできません。

――GDCの講演で、2025年までにVRシステムが無線化されるという予想がありました。その未来は見えていますか?

 まだ見えてはいないですね。まだまだ技術が追いついていない。ほかにも世の中には理想や想像の世界にはありながら、まだ技術が追い付いていないものがたくさんあります。技術の進歩に伴って、そういったものをVRの世界に取り込んでいきたいですね。

『PlayStation VR』

――PlayStation VRを活用した、BtoBのサービスの提供は予定していますか?

 お話しはいただいているのですが、発売まではまずユーザーさんに向けたサービスの提供に集中しています。

――最後にユーザーのみなさんにメッセージをお願いします。

 VRというものは、今までテレビで見ていたものから、ゲーム体験を変えていけるものだと考えています。さらにもしかすると、ゲームそのものを変えていくものになるかもしれません。このゲームの世界の新たな一歩、ぜひ期待して手に取っていただければと思います。

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