魂を洗い清める地獄の湯屋“地獄温泉”で、見目麗しい鬼たちにご奉仕されるCD『黄泉戀湯浴み 地獄温泉～源泉かけ流し～』。シリーズ第1弾『壱の湯 清盛』より、地獄の筆頭湯守・清盛を演じる梶裕貴さんの収録後インタビュー完全版をお届け！

――収録の感想をお願いいたします。

　湯守としての清盛と、罪人としての清盛の二面性がシナリオのキーになっていきます。そのなかで起こるさまざまなハプニングを通して、清盛のいろんな感情や表情を見ることができました。さまざまな角度から楽しんでいただけるお話になっていると思います。僕自身、演じていて楽しかったですし、ドラマCDのボリュームもかなりありましたね。

――キャラクターのビジュアルや設定についていかがでしたか？

　最初にビジュアルを見たときに感じた「気が強くて、男らしく、気持ちのいい男」というイメージは、実際に演じてみても、基本的にはそのまま変わらずでした。収録を終えた今もそれは変わっていません。ただ、お客様に接するときは物腰が非常に低いので、そういうこともできる人なんだなあと意外な一面もありました。頭がよくて要領のいい人なんだと思います。

――演じる前に、キャラクターのイメージを固めて収録されているんですか？

　あまり難しいことは考えずに、口調やイラストの印象から、声やしゃべり方、スピード感などをフィーリングで捉えて、自分のイメージした芝居に近づけていきます。もちろん、それがベストかは別なので、演出が入ればそちらに寄せていく感じですね。今回の清盛は、わりとすんなり入れた役柄だったのかなと思います。

　ただ演じていく中で、（シナリオの中盤に差しかかったあたりに）それまで自分の作り上げてきた清盛と、脚本の中にいる清盛にズレがあるなと感じたところはありました。結果として、ディレクターさんからOKが出ているので当然間違いではいないんですけれど、「自分の作ってきた清盛だとこう強くはいかないな」とか「（部下のことを）まだ許せないな」というような……。ですが、基本的には清盛とシンクロして、最後まで楽しく演じることができました。

――そういったときは、ディレクターさんと話し合われるんですか？

　そうですね。自分が感じたことがすべてではないので、ディスカッションしつつ、脚本の中の清盛になんとか追いつこうと思いながら収録しました。

――本作の登場人物はみんな「鬼」ですが、ご自身で「○○の鬼」と言えるほどこだわりを持っているものはありますか？

　自分のなかで絶対的なものがあまりないんです。よく言えば、いろんなことに適応できる、ということにもなるかもしれませんが、悪く言えば優柔不断というか「絶対こうだ！」というものが思い当たりません。だからこそ、お芝居に関しても同じで、自分のなかに絶対的なものがないので、いただいた演出に対しても、比較的柔軟に理解して取り組めたりもするんです。……とはいっても、どうでもいいわけではないのでディスカッションすることも当然ありますけどね（笑）。

――本作は主人公が温泉で鬼たちにご奉仕され癒されますが、ご自身にとっての一番の癒しはありますか？

　旅行に行っているときですね。ただ、僕は楽しいことの最中よりも始まる前のほうが好きなんです。「はじまったら終わってしまう」と考えてしまうので、向かう電車の中とか飛行機の中とかが1番の癒しかもしれません。もっと極端なことを言うと、あと数日で楽しいことが待っている、というときの苦しい時間が好きです（笑）。いつも以上にがんばれるんですよね。

――発売を楽しみにしている読者にメッセージをお願いします。

　僕自身、とても楽しく収録することができました。作品の性質上、女性の皆様に聴いてよろこんでいただけるものとして作られていると思いますが、僕としては「男から見してもカッコイイと思えるような人物像」を意識しながらお芝居させていただきました。そういったう二重の意味で、清盛というキャラクターを好きになっていただけたらうれしいです。発売まで今しばらくお待ちください。よろしくお願いいたします。

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