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2016年6月1日(水)

『薔薇戦争-Sonnet of Seeds-』の世界観を読み解く! ガルスタ掲載中のスペシャルコラム完全版

文:電撃Girl'sStyle

 中世イングランドで起こった“薔薇戦争”をモチーフに、対立する騎士たちと少女の戦いと恋を描く『薔薇戦争-Sonnet of Seeds-』。その壮大な世界観を読み解いていく、スペシャルコラムを本誌にて掲載中♪ 今回は、電撃Girl’sStyle6月号(5月10日発売)に掲載されたコラムの完全版をお届けします。

『薔薇戦争-Sonnet of Seeds-』スペシャルコラム完全版
『薔薇戦争-Sonnet of Seeds-』スペシャルコラム完全版

シェークスピアと薔薇戦争

 【薔薇戦争】は女性に人気の高いキーワードではありますが、その実態はあまりよく知られていません。英国が2つにわかれた薔薇戦争は、日本でいう関ヶ原のようなイメージでしょうか。

 「薔薇」という美しくも刺々しい表裏性のあるイメージや、近親者同士の結婚や数々の裏切りがもたらしたドラマティックな運命から生み出されるイメージが、人々の想像を駆り立ててくれます。そして、そのさまざまな歴史のイメージは、時にミスリードの役目を果たすこともあるのです。

 また、とても重要なコンテンツとして、シェークスピア史劇があげられます。歴史学はもちろんのこと、中世を扱ったコミックや雑誌記事から、英国の偉大な文豪・シェークスピアを知る方も多いのではないでしょうか。そして【薔薇戦争】を知って、中世史の魅力を感じることで、さらにおもしろくなるというのが中世史の特長でもあります。

-ふたつのミスリード-

 冒頭で出したミスリードのうち、一番大きいのは【中世】に対するイメージです。華やかな宮廷生活や着飾った衣装、美しい装飾など、豪華絢爛な【近世】のイメージと混同されることが多いのですが、この煌びやかな近世へ扉開く時代が中世なのです。

 中世は、このような大きな変化の途中の時代であったため、たくさんの苦労話も生まれました。それらひとつひとつのエピソードが逸話として語り継がれ、中世の魅力として照らし出されています。近世のイメージと混同していた方は、正しい世界観で中世のエピソードを振り返ってみると、新たな発見があるかもしれません。

 もうひとつ、大きなミスリードがあります。それは、偉大な文豪・シェークスピアによる“豊かすぎる表現”です。じつは彼は、中世の人ではなく、近世時代の人物でした。よって、彼の作品は「近世視点で書かれた中世の史劇」であるということ、薔薇戦争が終わってから生まれた王朝・チューダー朝の「時代のバイアス」がかけられたということを知っておく必要があるのです。

 「時代のバイアス」とは、チューダー朝以前の歴史において都合が悪いことは消され、都合がいいことは必要以上に美しく描写されているという意味です。これが結果的にミステリアスな魅力へと繋がり、現在に受け継がれているのです。日本でいう、【平家物語】や【保元物語】が、これに近い位置づけになるかと思われます。

-日本人に近いイングランド人の感覚-

 薔薇戦争の難しさは、このふたつのミスリードが大きな原因になっています。実際に薔薇戦争が起こったのは中世ですが、残された伝承記は近世になってから作られたものであり、さらに、近世の「時代のバイアス」が強くかけられているからです。しかし、この時代のファンは少なくありません。

 理由のひとつとして、イングランド人の感覚が日本人に近いから、ということがあげられます。両方とも島国であるということ、国内の資源が乏しいこと、現在までひとつの王朝が長く続いているということ、ほかにも石造りや木造の文化、古くから受け継がれている伝承など、共通点は数知れません。

 中世イングランド史のほぼすべて、およそ500年あまりの流れを知ると、30年ほどで終わった薔薇戦争がさらに興味深いものへと変わります。500年間のなかには、ノルマンコンクェストを成し遂げたウィリアム1世、アンジュー大国を築いたヘンリー2世、十字軍としてイスラムと闘ったリチャード1世獅子心王、百年戦争を闘ったブラックプリンス・エドワード黒太子、シェークスピアも称えるイギリス最強の王ヘンリー5世など、偉業を成し遂げたさまざまな人物とのしがらみが浮き彫りになってくるからです。

-ふたつの正義-

 以上を正しく知ることで、薔薇戦争は、単にランカスター派とヨーク派が王の座を欲しただけの戦争ではなかったこともわかってきます。彼らがそれぞれが目指した正義があるからこそ、【薔薇戦争】という物語は成立し、歴史となったのです。この正義を失うということは、生活の基盤を失うことを意味しているので、騎士たちは戦い続けるしかなかったのでしょう。こうして、ドラマの1シーンのような人間模様が、いくつも生まれることとなったのでした。

(C)2015-2016 MIO

データ

▼『薔薇戦争-Sonnet of Seeds-』
■メーカー:澪(MIO)
■対応機種:日本語版Windows 7/8.1/10
■ジャンル:ノベルSLG
■発売日:2016年11月25日発売予定
■価格:未定

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