2016年7月7日(木)
円谷プロダクションが、“円谷プロダクション クリエイティブアワード 金城哲夫賞”を創設しました。本日7月7日より応募受付を開始しています。
“円谷プロダクション クリエイティブアワード 金城哲夫賞”は、『ウルトラマン』シリーズ放送開始50年の節目の年に、シリーズの原型を築き上げた脚本家・金城哲夫さんの功績を改めて讃えるとともに、『ウルトラマン』のような永久不滅の作品を生み出すべく創設されました。
テレビドラマの企画・脚本を募集し、受賞作品は映像化に向けて円谷プロがサポートする他、円谷プロ作品の制作に參加する機会が提供されます。詳しい情報は特設サイトでご確認ください。
●創設趣意
ウルトラマンシリーズの放送が開始されてから、50年の歳月が経とうとしています。世界にも例を見ない巨大ヒーローアクションというジャンルを切り拓き、本作を通過せずに大人になる子供たちはいない、とまで言われるほどのキャラクターに成長しました。
愛・正義・勇気という普遍的なテーマを持ちながら、その時代ごとの世相を反映させたドラマとしても評価され、親から子へと語り継がれる、わが国を代表するエンターテインメントに発展したのです。
“特撮の神様”円谷英二のもとに集い、半世紀を過ぎても愛され続ける国民的ヒーロー番組を生み出した、当時の監督、脚本家、美術・技術スタッフなど想像力溢れるクリエイターたちに、心からの敬意を表してやみません。
とりわけ、『ウルトラQ』、『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』などのメインライターを務めた脚本家・金城哲夫氏の活躍は目覚ましいものがありました。
地球の平和を守る強く優しいヒーロー像や、単純な勧善懲悪に止まらないストーリー。世界観・物語づくりはもちろん、プロデューサー的な役割をも担い、時を超えてなお生命力を持ち続けるシリーズの原型を築きあげました。
私たちは、『ウルトラマン』シリーズ放送開始50年という節目の年に、金城哲夫氏の功績を改めて讃えるとともに、次の50年、その先の未来を託すことのできる新たな作品を生み出すために、“円谷プロダクション クリエイティブアワード 金城哲夫賞”をスタートさせます。
金城哲夫氏の名前を冠した、エンターテインメント作品の企画・脚本賞の創設を通じて、わが国の映像文化に更なる発展をもたらすであろう、“ウルトラを超える”新しい才能の発掘・育成に邁進して参ります。
2016年7月7日
円谷プロダクション
代表取締役社長 大岡新一
沖縄・南風原町出身の脚本家。玉川大学文学部在学中に生涯の師となる“特撮の神様”円谷英二と出逢い、1963年、円谷特技プロダクションに入社。
企画文芸の責任者として、20代の若さで『ウルトラQ』、『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』といった特撮テレビ映画作品を次々に企画立案。メインライターとして脚本の執筆にその腕を振るいつつ、放送局や制作現場との調整役もこなしました。
『怪奇大作戦』、『マイティジャック』などの作品を手掛けた後、1969年、円谷プロを退社。
沖縄に帰り、沖縄芝居の脚本や演出を手掛け、ラジオやテレビ番組にも出演。沖縄国際海洋博覧会のメインセレモニーの構成・演出を手掛け、沖縄と日本の架け橋になるべく活躍していたが、不慮の事故で37歳の若さで他界。
1947年5月14日生。1969年、撮影助手として円谷プロに入社し、1972年退社。その後フリーとしてテレビ、展示映像、劇場映画等の作品に撮影および特技監督として参加。
2004年製作部長として再び円谷プロに入社。テレビシリーズ『ウルトラマンネクサス』、『ウルトラマンマックス』、『ウルトラマンメビウス』など製作統括。2008年代表取締役社長に就任(現任)。最新テレビシリーズでは監修を務める。
我々の世代がもっとも影響を受けたフィクションの1つ、それが『ウルトラマン』シリーズであることは間違いない。とりわけ、金城哲夫氏がメインで関わった初期の作品群は、創意工夫と新しいことを始める喜びに満ちていたように思う。
それに吸い寄せられるように、我々はブラウン管にのめり込んでいったものだ。創造することは楽しいことだ。そんな原点を思い出させてくれる、新鮮な才能との出会いを心から期待しています。
“金城哲夫”とは1人の傑出した脚本家の名前にとどまらず、ある時代の円谷プロ総体のエネルギーを表す象徴的な名前なんだと思う。
僕はその時代をテレビを通してリアルタイムで体験した世代だが、どうしてこんなにも爆発的に集中して画期的なアイデアが次々と生まれたのか、今も不思議でならない。いや、子供の頃はそれがごく当たり前の、日常の風景だったのだから恐ろしい。
50年近い歳月が流れてもなお、1話1話のエピソードが、1体1体の怪獣が人々の心に深く刻まれ続けている不思議。今回のプロジェクトはこの不可思議な爆発の中心を再び仕掛けようという試みである。
今の子供たちにとっても、それはごく当たり前の風景としてやって来るに違いない。というのもそれはまるで“真実”のように見えるだろうから。金城哲夫が仕掛けたのはそういうことだったと思う。
故金城哲夫氏にお会いしたこともなく、その功績を知ることさえ遅かった私に、金城氏の名を冠した賞にかかわる資格があるのだろうか。恐懼のかぎりである。
しかし『ウルトラQ』が開始されたとき、「テレビでも怪獣が見られるんだ!」と狂喜した世代の一員として、微小ながら恩を返させていただくことにした。
番組を視(み)続けるうちに、真剣な社会的視点や深刻な問題提起をエンターテインメントの枠いっぱいにつめこんだ作品群に出会い、“これはおなじ人が書いているな”と漠然と感じとれるようになった。つまり金城氏の作品である。読書に匹敵する影響を映像から受けた身として、お役に立てれば幸いです。
『ウルトラマン』と最初に出会ったのは6歳の時だ。何もかもが新しかった。デザインも設定もストーリーテリングもそれまでのテレビヒーローとは全然違った。それから50年。
ありとあらゆるアイデアは出尽くし、VFXは想像もできないほど進歩した。21世紀の現在、見たこともないものに出会うことは本当に難しい。でも、だからこそ、挑む価値はある。
『ウルトラマン』に代表される円谷プロの傑作、その企画・物語の土台を作った金城哲夫氏、その志、心意気を継いで、だが、過去に縛られることなく、改めて、心の底からワクワクするような新しいエンタテインメント企画、新しい才能に出会えることを願ってやまない。
金城哲夫さんのふるさと・南風原町(はえばるちょう)が、町の活性化や観光地としての定着をつなげる試みとして、“金城哲夫のふるさと 沖縄・南風原町脚本賞”を創設。沖縄を題材とした科白劇の脚本を募集します。
■“円谷プロダクション クリエイティブアワード 金城哲夫賞”概要
【募集内容】
テレビドラマ(30分×13話程度を想定)の企画書と第1話の脚本
※SF、ファンタジー、サスペンスなどジャンル不問
【審査員(敬称略・順不同)】
・大友啓史(映画監督)
・高橋洋(映画監督・脚本家)
・田中芳樹(小説家)
・中島かずき(劇作家・脚本家)
・大岡新一(円谷プロダクション社長)
【応募期間】7月7日~11月30日
【賞金】
・大賞(1篇):100万円
・佳作(数篇):10万円
【発表】2017年2月26日(予定)
※都内で授賞式を開催(詳細未定)
【主催】円谷プロダクション
■“金城哲夫のふるさと 沖縄・南風原町脚本賞”概要
【主催】一般社団法人 南風原町観光協会
【協力】円谷プロダクション
(C)円谷プロ