2016年7月10日（日）
坂口博信氏は“放送”にゲームの未来を見た!? 9月にスタジオを持つ会社を設立すると発表【BitSummit】
日本最大のインディーゲームの祭典“BitSummit”。今年で第4回を迎える本イベントではMISTWALKER代表取締役、坂口博信氏による講演が行われた。坂口博信氏といえば『ファイナルファンタジー』シリーズの生みの親。会場でも「『ファイナルファンタジー』の坂口氏」と紹介され、大盛り上がりのなか登壇した。
講演は冗談交じりにMISTWALKERブースの宣伝を行う坂口氏のトークからスタート。続いて、MISTWALKERが手掛けるスマートフォン向けRPG『TERRA BATTLE』に楽曲などを提供したクリエイター陣のコメントが映像として上映された。
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この映像にコメントを寄せたのは、『ライブ・ア・ライブ』や『ファイナルファンタジーXV』のゲーム音楽を手掛ける下村陽子さんや、コミックス“七つの大罪”の作者・鈴木央氏など豪華な顔ぶれ。そのなかには油絵をゲーム内の画像として提供した加山雄三氏の姿も混じっていた。『TERRA BATTLE』は10万ダウンロードを超えるごとに、さまざまな形でクリエイターに協力を依頼していたそうだ。
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ダウンロード数に応じて、ゲーム内容が豪華になっていくこの仕組みを坂口氏は“ダウンロードスターター”であると説明。資金を提供してくれた出資者に特典などでお返しをするキックスターターに対して、ダウンロードしてくれたユーザーに特典などでお返しをするという試みを行っている。
また、このダウンロードスターターにさまざまなクリエイターが協力してくれたことに対して、坂口氏は「これまでのつながりがあってこそ」と話していた。
これまでの『TERA BATTLE』での試みの話が終わると、話題は坂口氏の現在そして未来へと移った。
最近、ニコニコ生放送やYoutubeで動画配信を行っている坂口氏は「放送が楽しい」とコメントしていた。すべてを自分で作り出していく過程が、坂口氏がゲームを作り始めたころと似た感覚を覚えるそうだ。この先、ゲームのなかになんらかの形でこのような放送が組み込まれることもあるかもしれないとも話していた。
そういった経緯もあってか、9月に設立するMISTWALKERの関連会社には放送スタジオを設けるとのこと。このスタジオは自分たちだけではなく、実況者に活用してもらうというプランもあるそうだ。
「新会社はトイレの非常用ボタンを押すと、自動で警備員や救急車などが駆けつけてしまうのに押してしまったスタッフがいた」「映画で“やらかした”立場から見ても、映像作品『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV』は『FINAL FANTASY XV』をプレイしたくなる魅力につながるものだった」など、笑いを誘うエピソードもまじえつつ、坂口氏の講演は幕を閉じた。