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2016年7月11日(月)

史上最大の盛り上がりを見せた“BitSummit 4th”。取材班が会場で注目したタイトルをレポート!【BitSummit】

文:まさん

 2016年7月9日(土)と10日(日)の2日間にかけて、京都市勧業館・みやこめっせで開催されていたインディーゲーム最大のお祭りイベント“BitSummit 4th”。このイベントでは、洋の東西を問わず世界各地から選りすぐられた最新のインディーゲームが多数出展された。ビットサミット会場で見かけた作品のなかから注目のタイトルを、インディーゲーム担当ライター・まさんがピックアップしてお届けしよう。

『BitSummit 4th』
『BitSummit 4th』
▲昨年に引き続き、みやこめっせの3階で行われたBitSummit。京都のゆるきゃら“まゆまろ”は開会式や開会式にも参加しており、このイベントでは、すっかりおなじみとなっている。

『SPIRIT』

 “メディアハイライトアワード:電撃PlayStation賞”を獲得した、水墨画風のグラフィックが美しいアクションアドベンチャー。主人公は少女のような存在だが、動物や人間の魂を解放して肉体を操作し、謎を解いていくギミックなども用意されている。

 癒し系な見た目ながらも、ゲームとしては体験できた部分だけでもしっかり作られており、会場では点つなぎのように地面にポイントした部分を線でつなげ、敵を囲んで倒すバトルも遊べた。全体的に雰囲気がよく、会場内でもこのブースの前で足を止める人が多く見られた。

『BitSummit 4th』
『BitSummit 4th』

『OKHLOS』

 DEVOLVER DIGITALブースに展示されていたアクションゲーム。たくさんのキャラクターを敵にぶつけて戦う“ゴチャキャラバトル”が楽しい作品で、PCでの配信が予定されている。英雄たちを引き連れてワラワラ戦う爽快感と、おふざけに走りながらもセンスがよいテキストが合わさり、日本のユーザーも楽しめる作品となっていた。

『BitSummit 4th』
『BitSummit 4th』

『DEAD HUNGRY』

 Q-games初のVRタイトル。ゾンビと化した人々を救うため、美味しいハンバーガーを作ってゾンビに次々と食べさせるというシュールなシチュエーションをVRで体験できる。プレイしている人の映像を見ているだけでも楽しさが伝わりやすい作品で、会場内でも体験を待つ人の列が見られる大人気の展示となっていた。

 閉会式で行われたアワードの授賞式でメディアハイライトアワードの“IGN JAPAN賞”、ユーザーの投票によって選ばれたタイトルに贈られる賞“POPULAR SELECTION AWARD”の2冠を達成しており、会場に来たユーザーの人気を最も集めていたコンテンツだ。

『BitSummit 4th』
『BitSummit 4th』
『BitSummit 4th』
▲会場内のフードコートでは“58DINER”とのコラボレーションによって誕生した“58DINER×Dead Hungry”オリジナルハンバーガーを販売。食べごたえのある中身がしっかりつまったハンバーガーで、ゾンビじゃなくても満足できるセットだった。

『刺青の国』

 映画製作会社で有名な日活がインディーゲームに参戦! ライバルと戦いながら東京23区を支配下に治め、徴収したみかじめ料で女の子たちに刺青(イレズミ)を彫っていく……というぶっ飛んだ設定でも話題を呼んだ『刺青の国』がプレイアブル出展されていた。

 設定こそ奇抜だが、リアルタイムの経営シミュレーションゲームとしてしっかり作られており、大規模抗争を起こさないように立ち回ることを意識したり、丁半博打で一発逆転を狙ったりと、刺青を彫るだけではなく、さまざまな要素が存在。日活の得意分野を生かしつつ、かなり手堅く作られた作品だ。

『BitSummit 4th』
『BitSummit 4th』

『ムーン・ハンター』

 性格テストRPGというジャンル表記が書かれていた神秘的なRPG。細かい問いかけや選択が頻繁に発生し、選んだ行動によってキャラクターのステータスが変動する仕組みを導入しており、アクションRPGとしての作りもバッチリ。

 すでにSteamで配信されており、PCでは英語のみとなっているが会場内には日本語化されたバージョンが出展されていた。

『BitSummit 4th』
『BitSummit 4th』

『Strange Telephone』

 雰囲気のあるドット絵と“電話”をかけることがカギとなるマルチエンディングのアドベンチャー。昨年も出展されていたが、グラフィックやシステムが大きく作り直され、別物といっていい作品に生まれ変わっている。

 昔の黒電話を意識したようなインターフェースやマスコットのようについてくる“グラハム”の存在など、ゲームを通して“電話”が重要となる作品。パッと見たゲーム画面の雰囲気がバツグンによく、会場内でも足を止める人が多かった。スマートフォンとPCでの展開が予定されており、スマホ版は9月までには配信したいとのこと。

『BitSummit 4th』
『BitSummit 4th』

『Man with no name』

 80年代のPCゲームのように少ない色数と原色を生かしたグラフィックと、1つ1つの動作がピタッと止まる独特なアクション性が目を引いた作品。通常攻撃で魔力をため、魔力を解放して一気に敵をザクザク斬るという、メリハリがあるアクションが楽しめた。現在、Steam Gleenlightに申請中とのことで、今後の展開を見守りたい。

『BitSummit 4th』

『PRINCIPIA: Master of Science』

 17世紀のヨーロッパ科学界を題材にしたシミュレーション。2000年に公開された『PRINCIPIA』のリメイク版であり、実験の“最終テーマ”や新たなコマンド、専用に書き下ろされた楽曲などが追加されている。

 アイザック・ニュートンなどの実在した科学者たちと競い合いながら、研究や論文の発表を重ねて科学アカデミーの学長を目指すというユニークな内容が特徴。

 2000年に発売された原作自体も評判がいいゲームだが、本作はチュートリアルもしっかりしており、短時間でも魅力の一端が垣間見えて個人的にも先を遊んでみたくなる魅力があった。

『BitSummit 4th』
『BitSummit 4th』

 ほかにもさまざまな作品が展示されていたが、会場内を回って感じたことは、今年は例年以上にVR関連の出展が目立ったこと。そして、日本の作品に影響を受けたと思われるRPGやアドベンチャーが多く見られたことがあげられる。ゲーム自体も日本人になじめそうな作品が多く、コンシューマでの展開にも期待したいところだ。

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