2016年7月15日(金)
アニメーター兼イラストレーターのmebae(めばえ)氏が、TwitterやPixiv、自身の同人誌で発表してきたイラストストーリー作品『罵倒少女』(著・mebae)が、ついに書籍となって8月10日にKADOKAWAより発売される。
※画像は製作中のものです。 |
『罵倒少女』の発端は、mebae氏がツイートしたドSなセリフ付きの1枚のイラストだ。こちらをにらみつつ、嫌悪感をあらわに「きもっ」と訴える黒髪の制服美少女・素子(下のイラスト)。
▲こちらが「女の子に罵倒して欲しいので、自分で描きました。」というツイートとともに、mebae氏が公開した最初のイラスト。フキダシのセリフと素子の表情で、多くの妄想がかき立てられる。 |
男性のM願望を満たすのに十分な妖しさと色気、シチュエーションを兼ね備えるそのイラストツイートは、多くのフォロワーに大絶賛され、瞬時に広く拡散されていった。
以降も、mebae氏が公開していく【罵倒少女】と名づけられた一連のイラストは、Twitter、Pixivをはじめとするネット上で大きな話題を呼び、現在もそのテーマに共感する絵師たちから、同様のイラストが絶えず公開され続けるほどの注目コンテンツとなっている。
そして、イラスト連作のかたちとなっているmebae氏の『罵倒少女』は、ドラマチックなストーリー性も併せ持つ。
▲書籍では、片側のページに素子のイラストと罵倒のセリフを、その対向ページに主人公のモノローグ(独白)を掲載して構成。素子の罵倒に対する主人公の純粋で率直な気持ちが、赤裸々に吐露されていく(罵倒少女#1―素子―)。 |
今回収録される2編のうち『罵倒少女#1―素子―』では、男子高校生である主人公が、ある日突然、クラスメイトの少女・素子から罵倒されはじめるところから物語がはじまる。罵倒されつづける主人公、罵倒しつづける素子――奇妙な毎日を続けていくうち、2人の関係性も急速に変化しはじめて……?
コミックでもイラストノベルでもない、まったく新しいかたちのストーリー作品ながら、思わず引き込まれてしまう展開と、今までにない魅力的な内容には要注目だ。
▲罵倒され罵倒するなかで、2人の関係性は急速に変化していく。思わず主人公に感情移入してしまうほどの「読ませる力」が本作にはある(罵倒少女#1―素子―)。 |
もう1編の『罵倒少女#2―明日香―』は、男子高校生の主人公と、後輩の“罵倒少女”明日香の物語。明日香より告白される冒頭シーンから、主人公は強烈な罵倒の数々を浴びせられていく。こちらはイラスト連作ではなく、すでにmebae氏がアニメーション作品として投稿・公開している動画をフィルムコミック風に見せていく構成となっている。
▲漫画のようにセリフがフキダシで展開されるアニメーション作品『罵倒少女#2』を、書籍ではフィルムコミック風に再現。明日香のドSっぷりが、さらに際立つ構成となっている(罵倒少女#2―明日香―)。 |
今回発売される書籍は、これまでさまざまな場所でmebae氏が発表してきたすべての『罵倒少女』作品が収められた、いわば集大成的1冊。mebae氏のサークル同人誌として販売された『罵倒少女#1』と『罵倒少女#2』の内容がすべて収録されているのはもちろん、複数の描き下ろし作品の掲載と、mebae氏監修のもと内容の再構成もなされている。カバーイラストもこの書籍のための描き下ろしで、まさに『罵倒少女』のすべてが堪能できる“完全版”とも言える内容だ。
ドM気質の男性にとって、これ以上ないご褒美となることは間違いない1冊だが、この書籍以外にもこの夏、『罵倒少女』には注目の展開が用意されているという。
書籍の発売日となる8月10日=「罵倒(バトウ)の日」がやってくる今年の夏、その罵倒を全力で受け止めるためにも、今後も『罵倒少女』からは目が離せなさそうだ。
北海道在住のアニメーター兼イラストレーター。テレビ・劇場アニメーション、書籍・マンガのイラストなどを多数手がけ、現代美術家 村上隆率いるカイカイキキのアニメーションスタジオ、札幌ポンコタンの代表も務める。著作に『NONSCALE』(ワニマガジン社)。
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