2016年7月16日(土)
『初音ミク VR フューチャーライブ』の体験レポート。『Future Tone』にはPVを連続再生する機能が追加予定
本日7月16日に、東京のUDXギャラリーにてイベント“SEGA feat. HATSUNE MIKU Project スペシャル体験会”が開催された。
会場では、8月25日に発売されるPS4用ソフト『初音ミク -Project DIVA- X HD』の体験に加えて、PS VR本体発売日の10月13日に配信される『初音ミク VR フューチャーライブ』を世界で初めて体験できた。また、PS4用ダウンロードソフト『初音ミク Project DIVA Future Tone』の“サバイバルコース”にチャレンジする企画が実施されていた。
開場するや、多くの参加者が列を成し、『初音ミク VR フューチャーライブ』は260分待ち、『初音ミク Project DIVA Future Tone』“サバイバルコース”のチャレンジは受付終了となった。
また、イベントについてハッシュタグをつけてつぶやいたユーザーに、ネックストラップ付きラミカードをプレゼントしていた。
他にも会場ではグッズ販売を実施。その横には、8月25日にホリから発売予定の『初音ミク -Project DIVA- X HD 専用ミニコントローラー for PlayStation4』が展示されており、多くのファンの目を集めていた。
『初音ミク VR フューチャーライブ』プレイレポ
イベントに際して、『初音ミク VR フューチャーライブ』をプレイできたので、その模様をレポートする。
『初音ミク VR フューチャーライブ』は、VR空間で繰り広げられる初音ミクのライブコンサートを体感できるPS VR専用タイトル。VRヘッドセットをかぶると、ライブ中のコントローラ操作についてチュートリアルが入る。操作で使うのは△ボタンと十字ボタン、DUALSHOCK4のモーションセンサーだ。
△ボタンで、カメラ位置をアリーナと空中で変更できる。フロアからステージを見るだけでなく、空中からライブ会場を見渡すことができるのは新鮮であった。さらに左右で、ステージに対して立つ場所を変更させられるうえに、上下で前後の移動が可能。ステージに近寄ったり、横からステージを眺めたりできる。
最初は「やっぱり近くでミクさんを見たい!」と思って近寄ったのだが、リズムにあわせてコントローラを振る際に、とあることに気づく。近寄りすぎると、一緒に参加している周りの人がケミカルライトを振るのが見えず、リズムをとりにくい! でもミクさんは近くで見たい! このジレンマで1人もだえ苦しむことに。
プレイすると、当然ミクさんのステージに注目してしまいがちだが、VRヘッドセットをつけた頭を動かすことで、VR空間中のカメラの視線を動かし、さまざまなところを見ることが可能。もし余裕があればぜひいろいろな角度をチェックしてほしい。
手にはライブを盛り上げるケミカルライトを持っている。リズムにあわせてコントローラを振っていくと、持っているこのアイテムが変化するという。会場ではネギやステッキを確認できた。今回は体験できなかったが、モジュールが変化する機能も搭載されているという。
この『初音ミク VR フューチャーライブ』は、基本的にライブを楽しむものだが、最後にリズムゲーム的な要素が少し用意されていた。☆マークが重なった時に、何かのボタンを押すというそこまで難しくない要素のため、リズムゲームが苦手な人でも楽しめるだろう。
VRは没入感を体験するものだと個人的に考えているが、この『初音ミク VR フューチャーライブ』では、まさにライブ会場に足を踏み入れたような感覚を味わえる。自分のいる位置によって、音が違って聞こえるため、いろいろと場所を変えたくなった。
また、手を伸ばせるような距離感でミクさんが踊って歌っているのは必見の一言。ゲーム的な遊びの要素もあるため、ほどほどに空間に干渉することできることも楽しさを感じられた。
開発者インタビュー
イベント会場では、『初音ミク』シリーズを手がける開発メンバーへの囲み取材が行われた。参加しているのは、『初音ミク Project DIVA』シリーズ統括プロデューサーの大崎誠さん、『初音ミク Project DIVA Future Tone』プロデューサー兼ディレクターの豊田勝さん、『初音ミク -Project DIVA- X HD』プロデューサーの林誠司さんだ。
▲左からミクナノーさん、豊田さん、大崎さん、林さん、ミクダヨーさん。 |
まずは、『Future Tone』について大崎さんと豊田さんに伺った。その後、林さんに『X HD』と『初音ミク VR フューチャーライブ』についてお聞きしている。なお、インタビュー中は敬称略。
――以前のメディア向けインタビューで、コンセプトや経緯はお聞きしているので、改めて『Future Tone』を作る際にこだわったところを教えてください。
豊田:作っていく中で、次の形にどの発展・進化していくかということを含め、遊びやすさにこだわりました。具体的にはこれまでなかった、ボタンのカスタマイズやランキング要素ですね。
――配信されて、ユーザーの反応は?
大崎:当初設定していた目標を達成できるくらい、支持いただいています。『Future Sound』と『Colorful Tone』を購入すると、髪とモジュールを自由に組み合わせることが可能。その組み合わせた画像をPS4のシェア機能でアップされているのを見ています。僕らも「こんな組み合わせがあるんだ」というのを楽しんで見られて、発見がありますね。
あと、すでに2回のアップデートをさせていただきました。誇れることではないかもしれませんが、遊んでもらっているからこそ、すぐに返したいという気持ちの現れです。今後もアップデートの予定があるので、熱い支持をいただいているならば、ガンガン返していきたいなと。
豊田:髪型とモジュールの組み合わせに、曲数分のパターンがあるので、その組み合わせを見ているだけでも楽しいです。
――今後の楽曲追加について、話せることがあれば教えてください。
大崎:AC版の要素は2016年2月分までソフトに入っているのですが、2月の公開分と4月に追加された分は入っていないので、追加したいと思います。モジュールもそれに付随したものや、『DIVA F 2nd』シリーズで入れていないのもあるし、さらにまだ言えない全然関係ないモジュールもある……(配信する時期は)夏前くらいでしょうかね?
豊田:もう夏では?(苦笑)
大崎:……まあ、ご期待ください(笑)。何回になるかはわからないのですが、分けて出します。ある程度、きりのいいパックで出していきたいと思っています。コチラですが楽曲をお借りしているので無料配信ではなく、販売となります。
豊田:価格については、拡張パックほどの値段にはなりません。リーズナブルになります。あと、機能としてPVを連続で再生するモードを作っています。好きな組み合わせをセットして見ることができます。
大崎:こちらには、ランダムやリピートも入ります。これまでのシリーズでやっていたものは入ると思います……ただ、まだできあがったものを見ていないんですよ。先日のインタビューでも申し上げたのですが、本作は仕様書通りにできないので、どうなるのか(笑)。
豊田:アハハハハハ。他にもいくつか機能を追加したいと思うのですが、リリースのタイミング次第ですね。
――最後に読者にメッセージをお願いします。
豊田:『Future Tone』はシリーズを初めてプレイする方でも遊びやすく作っています。さらに、本体アプリケーションの『Prelude』は無料。ゲーム内容をしっかり遊べるものになっていますので、気になったらダウンロードしてください。
▲『Prelude』には『Weekender Girl』と『1/6 -out of the gravity-』が収録されている。 |
大崎:本作のコンセプトは“永久保存版”であることは、ぜひお伝えしたい要素です。2007年にガツンと来た“初音ミクムーブメント”を体感できる楽曲が揃っています。ミクさんだけでなく、リンちゃん、レンくんなどいい曲が入っているので、ぜひさわってみてください。
――続いて、林プロデューサーにお聞きします。8月25日に発売される『初音ミク -Project DIVA- X HD』の見所と注目ポイントをお話いただけますか?
林:3月に発売されたPS Vita版『初音ミク -Project DIVA- X』のPS4版となります。大きな要素は同じですが、家庭用の『Project DIVA』シリーズ初のPS4版なので、画質がポイント。高画質と描画の美しさを実現しています。
――先日から配信された体験版について、教えてください。
林:『Satisfaction』、『LOL -lots of laugh-』、『ラズベリー* モンスター』の3曲をプレイしていただけます。いずれもPS4版のよさをわかっていただきやすい曲です。PS4で遊ぶリズムゲームがどんなものか、こちらで確認してください。
――新たなDLCとして『Sharing The World』と『Hand in Hand』の2曲が配信されます。こちらの選曲理由は?
▲『Sharing The World』と『Hand in Hand』は、PS4版では無料配信され、PS Vita版では各500円(税別)で販売される。 |
林:『Sharing The World』は海外で行われた“初音ミクエキスポ2014”のテーマ曲。全編英語の曲で、海外で人気・知名度があります。『Hand in Hand』は“マジカルミライ2015”のテーマ曲。会場が一体となるような素晴らしい感動を呼ぶ楽曲になっています。
どちらもリアルライブで人気の曲。本作は“ライブ&プロデュース”がコンセプトとなっているので、実際のライブとは異なる作り込まれたステージの中で、楽曲を楽しんでいただきたいと思っています。
――『初音ミク VR フューチャーライブ』の注目ポイントはどこでしょうか?
林:こちらは体験しないとわからない、体験すればわかるという一点に尽きます。言葉にしても伝わりきらないのですが、あえて言うとミクさんのライブ空間に入り込み、目の前やいろいろな角度でライブ空間を楽しめるというものです。
臨場感がすごくて、踊ってミクさんがふわっと回った時に、香りがこちらに来ていると勘違いするほど、ユニークな体験が可能。それが最大のポイントです。
あと、実際のライブだとありえること、逆にありえないことを、いずれも体験できます。間近でアーティストのパフォーマンスを見られることや、会場と一体となって盛り上がる感覚を、ゲームを作る手法でいかに表現するかが見どころです。
――『X HD』のPS VR対応と、『VR フューチャーライブ』の違いは?
林:『X HD』はライブエディットモードで自分で作ったステージをVR体験できる。言ってしまうと、プロデュース要素です。
曲やモジュールを決めて、エフェクトやライトを決めて、それをVRで見られます。ライブを体験するというよりは、ゲネプロを鑑賞しているようなイメージ。いろいろな角度からステージの作りを見る感覚を味わえるので、今までなかった体験ができ、新鮮ですね。
一方の『VR フューチャーライブ』はオーディエンスの立場として参加するという違いがあります。それぞれの楽しみ方があります。
――『X HD』はステージのどこにいるのでしょうか?
林:ステージの正面くらいにいます。『VR フューチャーライブ』とまったく同じではないのですが、視点切り替えも可能。いろいろ楽しんでいただけるようになっています。こちらもぜひ体験していただきたいです。
――VRソフトを作ってみての感想をお願いします。
林:おもしろかったですね。いろいろなものとの戦いがありました。一番大きいのは常識との戦いです。視点を動かしてどういうものが見えるかは、やってみないとわからなかったので、すごく発見がありました。
あとは、いろいろな技術が使えるということで、現場の開発スタッフが議論を重ね、すごく作り込んでいました。そういった面からしても意味のある開発だったと思います。
――『SEGA feat. HATSUNE MIKU Project: VR Tech DEMO』を以前に出されていて、今回『VR フューチャーライブ』となりました。具体的にどこをブラッシュアップしたのでしょう?
林:『Tech DEMO』はPS VRの技術検証として作らせていただきました。そこで見えた課題や取得したノウハウがあったので、少し綺麗にしたというレベルではなく、描画レベルから見直してガラッと作り変えています。『Tech DEMO』を体験された方でも、ブラッシュアップされた見た目の違いを感じられるかと。
『Tech DEMO』では演出のアイデアが多数盛り込まれていたのですが、新たに追加したものがあれば、なくしたものもあります。今回体験できるものでも、以前になかった演出がかなり追加されています。
具体的には巨大フォログラムを会場に投影して、遠くの席からでも表情を見られるような演出を入れています。あとは、リズムゲームそのままではないですが、それらしい演出を入れているので遊びながら鑑賞できます。
――以前の『Tech DEMO』ではPlayStation Moveを使われていましたが、今回の体験会はコントローラだけでした。PS Moveは使えるのでしょうか?
▲“マジカルミライ2015”に出展された『Tech DEMO』の様子。 |
林:両方、対応します。皆さんが100%持っているのはコントローラなので、それでもしっかり遊べます。でも、ケミカルライトらしいものを振りたいという人もいると思うので、PS MOVEでもプレイできます。
――『VR フューチャーライブ』の価格については、どれくらいを想定されているのでしょうか?
林:難しいところですね。むしろどれくらいにしたらいいのか、教えてほしい。ただできる限り、皆さまに納得してもらえる値付けにしたいと思っています。
――曲数はどれくらいになるのでしょうか?
林:後日、発表します。ヘッドマウントをつけながら鑑賞する特性を考えながら、適切な数にする予定です。
――アップデートで曲やモジュールの追加はあるのでしょう?
林:細かい仕様については今後発表させていただきます。
――ミクさん以外も出るのでしょうか?
林:こちらも後日発表させていただきたいと思います。
――今後も体験会は行われるのでしょうか?
林:具体的にはまだスケジュールは出ていないのですが、初音ミク関連のイベントがありますし、体験していただける場を作りたいです。
――最後にメッセージをお願いします。
林:『X HD』は新しいDLCを含め、新鮮な気持ちで遊べると思います。我々は“HD”を本気(H)のDIVA(D)と呼んでいます。家庭用のシリーズで最上級の画面と、なめらかな描画で快適にプレイしていただけるのでよろしくお願いいたします。
『VR フューチャーライブ』は10月からの展開。体験会を予定しているので、実際にさわっていただきたいです。いままでになかった異次元の体験がそこにあることが、プレイしていただくことでわかっていただけます。『X HD』もPS VRに対応するので、あわせて楽しんでください。
会場の様子
■“SEGA feat. HATSUNE MIKU Project スペシャル体験会”概要
【開催スケジュール】
●7月16日 10:00~17:00 / 秋葉原UDX4F UDXギャラリー
・『初音ミク ‐Project DIVA‐ X HD』
・『初音ミク Project DIVA Future Tone』
・『初音ミク VR フューチャーライブ』
●7月23日 11:00~18:00 / ヨドバシカメラマルチメディア博多3階ゲーム売り場
・『初音ミク ‐Project DIVA‐ X HD』
●7月23日 11:00~18:00 / ゲオ札幌狸小路店5F
・『初音ミク ‐Project DIVA‐ X HD』
(C) SEGA / (C) Crypton Future Media, INC. www.piapro.net
記載の商品名および社名は各社の登録商標です。
データ
- ▼『初音ミク Project DIVA Future Tone Prelude』
- ■メーカー:セガゲームス
- ■対応機種:PS4(ダウンロード専用)
- ■ジャンル:アクション
- ■配信日:2016年6月23日
- ■価格:無料
- ▼『初音ミク VR フューチャーライブ』
- ■メーカー:セガゲームス
- ■対応機種:PS VR
- ■ジャンル:その他
- ■配信日:2016年10月13日
- ■希望小売価格:未定