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2016年7月20日(水)

大きく進化して生まれ変わった『討鬼伝2』レビュー。オープンワールドでの探索や鬼ノ手を使った行動に注目

文:Ak

 コーエーテクモゲームスから7月28日に発売予定のPS4/PS3/PS Vita用ソフト『討鬼伝2』のレビューを、ライターのAkがお届けします。

『討鬼伝2』

 本作は、ハンティングアクションゲーム『討鬼伝』シリーズの最新作。プレイヤーは戦士モノノフとなり、“鬼”との戦いに身を投じることになります。拠点の里から戦場まで、世界はひと続きのオープンワールドマップで表現されており、これまでにないハンティングアクションを楽しめる。

 今回の記事では、『討鬼伝2』の新要素に注目した内容をお届けしていきます。7月21日より、引き継ぎ体験版が配信されます。序盤をプレイ可能で、その名の通りセーブデータを製品版に引き継げるので、記事を読んで気になった人はぜひダウンロードしてみてください。

『討鬼伝2』

 先日配信されたオープンワールド体験版と比べると、“鬼ノ手”の挙動が素早くなっていたり、領域の瘴気による行動制限がゆるくなっていたりと、ゲームの全体に調整が入っています。1つ1つの調整は細かいですが、積り重なって操作性がかなり改善されている印象を受けました。そこについてもぜひ体験版で感じていただきたいですね。

オープンワールドで描かれる世界は広大だが探索はストレスフリー!

 本作におけるもっとも大きな新要素といえば、やはりオープンワールド化でしょう。フィールドが広くなると、探索や移動に時間がかからないかが気になるところでしたが、超速で移動できる“鬼疾風(おにはやて)”のおかげで、まったくストレスなく移動ができました。

 また、“鬼ノ手”による高所への移動も便利。それぞれのアクションの気力消費は少なめなので、長距離移動もスムーズでしたね。

『討鬼伝2』
▲“鬼疾風(おにはやて)”中は、少しの段差であれば乗り越えられます。高い段差を乗り越えるには“鬼ノ手”で!

 出現する“鬼”の種類は、場所ごとに基本的に固定されている様子。ただし、仲間のモノノフを助ける“共同作戦”では、突発的に“鬼”との戦いが発生するようです。“鬼”との戦いは、“鬼域”と呼ばれる結界から外に出れば簡単に回避できるので、タマフリの使用回数が少ない時に“鬼”と出会っても安心!

 フィールドの構造としては、拠点となるマホロバの里に隣接したマホロバ丘陵地から、各領域へとつながっているイメージ。1つの領域から奥へ奥へと行くわけではなく、複雑なつながりもないので迷うことは少ないです。

 また、領域内には、マホロバの里へすぐに帰還できる“跳界石”が設置されています。長期戦になっても簡単に里に帰れるのがうれしいですね。タマフリの使用回数と相談して、いつ帰るのかを決めるといいでしょう。なお、里へ帰還する機能のみを持つ“結界跳石”は、結界跳石を調べると出現する“鬼”を倒すことで使用可能になります。

『討鬼伝2』
▲マホロバの里からは、領域に1つずつある拠点内の跳界石にのみ、すぐに移動できます。

 領域ごとに、出現する“鬼”の傾向や入手できる素材などが異なります。領域はストーリーを進めるごとに解放されていくため、当然、後半に進むほど出現する“鬼”も手強いタイプが多く登場するようになっていきます。

 それぞれの領域では、砂漠や氷河などのギミックが千差万別で、こだわりを感じられます。領域のモチーフとなった時代に合わせた建造物もあるので、歴史ファンならずとも要チェックです!

『討鬼伝2』
▲こちらはフィールドの設定イラストです。

 異界では瘴気によってゲージが増加し、マックスになるとほぼ確実にゲームオーバーになりますが、ゲージの上昇はかなりゆるめ。よほどのんびりしない限りは、基本的には意識しなくてもOKです。ただし、一部急激にゲージが上昇する場所もあるので、そこにだけは立ち入らないほうが無難でしょう。

『討鬼伝2』
▲鎌倉・室町時代がモチーフとなった“武”の領域では、あらゆるものが凍てついています。中には、平家が信奉したことで有名な厳島神社があります。
『討鬼伝2』
▲“戦”の領域には、戦国時代の遺物が多数存在。天空に浮かぶ安土城が目を引きます。
『討鬼伝2』
▲黒船のような巨大な船が砂漠に沈む、“乱”の領域。ここでは、大砲や砦などの激しい戦争を思わせる遺物を多数確認できます。

移動にも妨害にも使いやすい“鬼ノ手”

 新アクションの“鬼ノ手”は、主に移動や“鬼”への妨害に活用できます。フィールド上の移動でも便利ですが、何より有用なのは、“鬼”と離れた時に一気に距離をつめられること。

 また、どんな武器でも高所へ簡単に移動できるようになったのも大きいです。攻撃範囲が狭い武器や、高所を攻撃しにくかった武器だと、特に活用しやすい要素だと思います。

『討鬼伝2』
▲気力消費がそこまで多くないので、気軽に使えるのもうれしい“鬼ノ手”。空中コンボの起点にする使い方がオススメです。

 “鬼”に対してタイミングよく“鬼ノ手”を使うと、“鬼返(おにがえし)”となり、転倒させられます。タイミングはそこそこシビアな場合もあるので、最初は“鬼ノ手”をこまめに使うようにして、「発動したらラッキー!」くらいの感じがいいかも?

『討鬼伝2』
▲“鬼返(おにがえし)”が成功するタイミングは、“鬼”の身体が赤くなった時。相手の攻撃に合わせるようにすると成功しやすいです。

 仲間と同じ部位を攻撃する、仲間を復活させるなどの行動で“共闘ゲージ”を最大までためると“鬼葬(おにはぶり)”が使用可能になります。白く光った部位を“鬼ノ手”でつかむと、部位を生命力ごと完全に破壊!

 完全部位破壊に成功すると一部の攻撃のリーチが短くなったり、行動が鈍くなったりなどの影響があります。ただし、それによって一部の“鬼”はより暴れるようになることもあるので注意が必要です。

『討鬼伝2』
▲基本的には脚や翼を破壊すると、移動を妨害できるのでいい感じ。

新武器はどちらも使いやすい。武器は全体的に上方修正!

 新武器である盾剣と仕込鞭は、アクションが豊富なので一見複雑そうに見えますが、使ってみるとどちらも直感的に使えるものになっています。

『討鬼伝2』

 盾剣は、ガードができる安定感のある“守ノ型”で“鬼”の攻撃をしのぎつつ、チャンスがあったら、攻撃力に優れる“攻ノ型”に切り替えて戦う武器。基本的には“守ノ型”で攻撃して、“鬼気ゲージ”をためてから“攻ノ型”に切り替えて、一気に攻勢に出るのがよさそうです。

『討鬼伝2』
▲“攻ノ型”の連撃は、非常に攻撃速度が速く気持ちいい! “迅”や“防”のミタマで相手の攻撃を無効化すれば、一方的に攻撃できるので大ダメージを与えられます。
『討鬼伝2』

 仕込鞭は、鎖鎌と同様に空中戦が得意な武器。鞭による攻撃範囲の広い攻撃と、鞭から“苦無(くない)”を射出させて、起爆する攻撃を使い分けることで多彩な立ち回りが可能です。

 敵の狙った部位に“苦無(くない)”を撃ち込み、起爆と同時に空中へ飛べる攻撃や、苦無に引っ掛けて飛べる攻撃があるため、鎖鎌よりも空中戦をキープするのが簡単だという印象を受けました。

『討鬼伝2』
▲“苦無”を射出するときは、細かく狙いを付けられます。狙った部位に撃ち込みやすく、便利です。

 従来の武器種には新アクションが追加されており、全体的に上方修正されている印象です。太刀に居合いのような一撃の威力が高い攻撃ができたり、手甲でアッパーができるようになったりと、「コレが欲しかった!」と思うようなアクションが追加されています。

『討鬼伝2』
▲前作でも使いやすかった薙刀は、空中で“繚乱”を繰り出せるようになり、より小回りがきくようになっています。

自動攻撃が強力な“繰”の戦闘スタイル

 新たな戦闘スタイル“繰”は、“繰鬼”を具象化して相手を攻撃していきます。基本的に“繰鬼”は自動で攻撃を行うので、とりあえず使うだけでも一定の働きをしてくれます。操作に慣れない初心者でも安心して使えるかと。

 “繰鬼”は任意のタイミングで五大属性の切替が可能なので、簡単に“鬼”の弱点を突けるのが強み。また、スキルの中には“繰鬼”の行動を変化させるものもあるので、うまく使えばよりテクニカルな立ち回りもできそうですね。

『討鬼伝2』
▲“繰鬼”は、タマフリごとに1体まで具象化可能で、鬼祓い中にパワーアップする特徴を持ちます。

 武器の新アクションや“鬼ノ手”など、全体的により爽快感が増した印象を受ける『討鬼伝2』。攻撃方法が多彩になっていますが、それほど複雑に考えずに、なんとなくでボタンを押しているだけでも、カッコよくコンボがつながるのは初心者にも安心ですね。もちろん、慣れてきたら思い通りに魅せるアクションが可能です。

 前作のキャラクターも登場しますが、前作とストーリーのつながりは強くないので、本作から『討鬼伝』シリーズに入るプレイヤーでも大丈夫です。爽快感あふれるハンティングアクションを楽しみたいという人、オープンワールドの世界でハンティングしたいという人は、ぜひプレイしてください!

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