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2016年8月23日(火)

“CEDEC”ゲーム開発者向けアンケートの結果が公開。平均年収はやや減少するも格差が狭まる

文:Dai

 CEDEC運営委員会は、8月24日~26日の期間にパシフィコ横浜で開催予定の“CEDEC 2016(セデック)”に先駆けて行っていた“ゲーム開発者の生活と仕事に関するアンケート 2016”の結果を公開しました。

“CEDEC 2016”

 本調査は、CEDEC運営委員会が、専修大学ネットワーク情報学部准教授の藤原正仁氏とともに、ゲーム開発者が働く環境、および開発者のキャリアに関する意識や行動の現況を把握し、ゲーム開発者およびゲーム開発の仕事を希望する人へ、キャリア形成について考える契機となるための情報を提供することを目的としています。

アンケート結果概要

 4回目となる今回の調査では、ゲーム開発に携わるプロデューサー、ディレクター、プログラマー、グラフィッカー、プランナー・ゲームデザイナーなどを対象に、2016年7月1日から8月17日の期間にCEDEC公式サイトで行われました。

 有効回答は昨年の10倍近い1,978件となり、ゲーム開発に従事する関係者の高い関心を窺わせる結果となりました。詳しいデータについてはCEDEC公式サイトで確認してください。

 回答者の特性として、前回調査と比べて“大学卒業”、“大学院修了”、“ゲーム産業経験年数3年以下”、“据置型ゲーム機”、“携帯型ゲーム機”、“スマートフォン・タブレット”従事者が増えています。

 しかし、“企業規模”に偏りがないデータが得られており、サンプル数も大幅に増えたことから、ゲーム産業従事者の実態をより正確に捉えられていると思われます。また、ゲーム開発者以外に少数ですが“営業”、“広報”、“人事”、“経営企画”などのスタッフのデータも得られています。

 また、大学院修了者が職種別では“エンジニア”(26.6%)や“経営企画”(30.0%)、プラットホーム別でも“VR・ウェアラブル端末”(25.5%)と多くが活躍している実態もわかりました。

最終学歴は大学および大学院修士課程修了が増加。学問系統では芸術工学など複合領域が増加

 昨年に比べ、高等学校卒業生が5.6%で約4ポイント、専門学校生が29.6%で約5ポイント、高専・短大が4.9%で0.4ポイント、それぞれ減少しました。これに比べ、大学卒業が42.5%で2.7ポイント、大学院修士課程修了が16.3%で6.1ポイントそれぞれ増加しました。

 学問系統でも芸術工学系などの複合領域が24.5%と前回調査を14.3ポイントも増加し、多彩な学問領域で学んだ人々がゲーム開発に携わっていることが分かりました。

ゲーム産業の経験年数では、9年以下が55.8%と前回調査の42.0%を上回る

 今回の回答者のゲーム産業経験年数は、3年以下が24.8%(前回調査12.6%、以下同じ)、3年超6年以下が19.21%(18.8%)、6年超9年以下11.8%(10.6%)といずれも増加しています。

 有効回答数の大幅増加と考え合わせると、ゲーム開発者の生活と仕事に興味を持った経験年数9年以下のゲーム産業従事者が、積極的に当アンケートの趣旨に賛同し、回答したものと考えられます。

平均年収は、やや減少

 平均年収は524.60万円で、前回調査の552.90万を28.3万円下回りました。しかし、300万円から499万円の年収層が37.8%(35.6%)、500万円から699万円が31.6%(24.4%)と、それぞれ前回調査を上回る結果となりました。

 また、700万円をこえる年収層が減少していることと考え合わせると、年収格差がやや縮小されてきたものと推測されます。

※画像は公式サイトをキャプチャしたものです。
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