2016年9月2日(金)
セガゲームスから今秋に配信される新作スマートフォン用RPG『ワールドチェイン』の開発者インタビューをお届けします。
『ワールドチェイン』は、同社の人気スマホアプリ『チェインクロニクル ~絆の新大陸~』に続く、物語と物語がつながっていく新たな“チェインシナリオ”RPG。何者かの手によって歴史がゆがめられた世界を舞台に、“現代”と“過去”が交錯する壮大なストーリーが展開します。
8月8日の発表会以降、注目を集めている本作ですが、一体どのような内容のゲームなのでしょうか。そこで今回、本作の開発ディレクターであるセガ・インタラクディブの殿崎悟氏に開発の経緯や注目ポイントを伺ってきました!
▲『ワールドチェイン』の開発ディレクターを務めるセガ・インタラクディブの殿崎悟氏。 |
――それではまず、『ワールドチェイン』を開発することになった経緯を教えてください。
『チェイン』シリーズということで、松永(『チェインクロニクル』シリーズ総合ディレクター・松永純氏)が企画・原案を出して、そこから構築していった感じですね。『チェンクロ』で王道ファンタジーというテーマをやりきるのに対して、本作はファンタジーではできない、歴史ドラマのコクや、学生たちの青春といった要素を詰めこんだものを作りたいというのがスタートです。
――開発はいつごろ始まったのでしょうか?
実は結構前から作っていました。原案自体は『チェンクロ』が出る前からすでにあったんです。僕らは歴史上の人間たちを“偉人”としてとらえていますが、それを既存のゲームのように伝奇的なファンタジーとして描くのではなく、実はそういう人にも人間味があって生き様、物語があるというのを、原案者の松永が描きたいという思いがあり、このようなコンセプトになりました。
ですから、ストーリーは非常に重視しております。そこをベースとして、どのようなシステムにするのか、どうすればゲームとして楽しんでもらえるものになるのか、というところに時間をかけて作っています。同じスタジオではありますが、『チェンクロ』チームとは別に、私を中心とした『ワールドチェイン』チームを組んで制作しています。
――発表会で語られた部分もあると思いますが、本作ではどのようなストーリーが展開するのでしょうか。
ネタバレになってしまうので、具体的に言えない部分は多々あるのですが、大ざっぱに言ってしまうと、“リライター”というメインキャラクターたちが、突然歴史のゆがんだ状態の現代に取り残される形で物語が始まります。そして、歴史を修正しろと言われるという。
ゲーム上では“タイムドライブ”と言っていますが、タイムスリップをしていろいろな時代に行くんです。各時代で彼らは、本来このタイミングでこの武将が死んでいたらダメだよねというような場面に遭遇します。彼らの中に歴史に詳しい“東雲なぎさ”というキャラクターがいるのですが、彼女が歴史のおかしさに気づいて、もしかしたらこの武将を助けると史実通りになるのではないかという仮説を立てます。その仮説に基づいていろいろな時代を転々として、ゆがんだ歴史を正していくという展開になります。
▲本作のナビキャラクター“シマトラ”。ボイスは水田わさびさんが担当します。 |
▲メインキャラクターとなるリライターたち。上から主人公、東雲なぎさ、織田信吾。 |
どうして2016年に誰もいなくなってしまったのかという謎は、ゲームを進めていくと次第に明かされていきます。キーとなるのは“歴史を直す”という点なのですが、個性的なキャラクターたちが、いろいろな歴史上の偉人たちの人間くさい部分に触れることで学び成長していくというジュヴナイル的な物語も、メインストーリーの1つの大きな流れとなっています。
リライターは、1人1人がいろいろな時代でピックアップされていきます。ストーリーを進めていくとどんどん仲間が増えていきますし、訪れる時代も戦国時代のような日本の過去の歴史だけでなく、世界各国の時代が登場しますし、古今東西のいろいろな題材、歴史、偉人が登場します。セガらしいといったらおかしいですが、歴史は詳しいけれど「こんな人いたっけ?」というような渋いキャラクターも登場します(笑)。そのあたりが特徴ですね。
▲“戦国時代篇”に登場する織田信長。 |
――戦国時代以外に登場する時代が気になります!
戦国と古代ローマというのは情報として出させていただいていますが、それ以降はネタバレになってしまいますので……。ただ、「おー!」と思わず言ってしまう時代もあれば、この時代ってよくわからないけれどどういうことなのだろう? という時代もあります。そこはぜひお楽しみということで。
▲“ローマ・エジプト時代篇”に登場するカエサル。 |
――各時代の偉人が登場する本作ですが、例えばどのような偉人が登場するのでしょうか?
ストーリーのラインとして、時代ごとにピックアップしている偉人(レブナント)以外にも、古今東西の偉人たちが登場します。戦国時代よりもっと前に生まれている“足利尊氏”や、アメリカ西部時代の“ビリー・ザ・キッド”など、メインストーリーに縛られずに入れています。ただメインストーリー上に突然いてはいけないような人が出てくるのはさすがに違うと思いますので、そこはゲームのシステムで出し方をしっかりカバーしています。
▲ビリー・ザ・キッド。 |
▲シュヴァリエ・デオン。 |
▲紫式部。 |
――レブナントは、何人くらい用意されているのでしょうか。
リリース時点ですと130~150人くらいでしょうか。随時追加されていきまして、500~600人は登場する予定です。
『チェンクロ』と同様に、本作では1人1人の偉人に“列伝”という、その人物をフィーチャーしたストーリーを用意しています。いきなりビリー・ザ・キッドと言われても、どんな人かわからないじゃないですか。獲得してある一定のレベルに達すると、列伝が進められるようになって、クエストをこなしながらこの人がどういう人だったのかというのをしっかりわかるようなシステムにしています。
――今伺った列伝ストーリーというのはどのようなものが用意されているのでしょうか?
たとえば美濃のマムシ(斎藤道三)がメインストーリーでは出てきませんが、列伝では出てきたりします。ちょっと熱くなるような、「これ、知ってる!」となるところは列伝で描かれると思いますよ。
歴史上の人物なので、こういう人だと言われている“定説”は存在していますよね。でも列伝では、我々なりの解釈と言いますが、我々なりの魅力の出し方を表現しています。信長だったらめちゃくちゃ人を殺すんだろうと思うかもしれないですが、実はこんな一面もあったよねというところが列伝で描かれます。
――歴史が詳しくない人でも楽しめると。
そうですね。リライターとの兼ね合いの中でのストーリーですから、当然現代人の立場からの注釈みたいなものも入っているのですが、楽しんでいただきながら知識的には何かしらプラスになるのではないでしょうか。歴史に詳しい人もそうでない人も、読み物としてもゲームとしても楽しんでもらえる内容になっていると思います。
――レブナントを女性化したりはあまりしていない感じですね。
ないですね。史実の解釈があるので一概には言えないですけど、基本的にはやっていないです。頭から突然織田信長が女の子だったりすると本質から反れてしまいますから。今後どうなるのかはわかりませんが、「絶対女性化はしない!」とは思っていません。実は今1つだけ想定しているものがありますし、そういうアプローチは今後ないとは言えないです。
――事前に本作をプレイさせていただいたところ、列伝ストーリーはわりと早い段階でオープンするという印象なのですが、気になった偉人のストーリーがすぐに見られるようにという配慮でしょうか?
やはり、レブナントをしっかり知った上で成長させていくと、思い入れが強くなると思いまして。また報酬物として、ガチャを引く際に必要となる“Eキューブ”と言われる石を配布するようにしています。入手したレブナントの人となりを知ってもらいながら、また次の新たなレブナントを獲得するためのリソースをお渡しするというサイクルを考えています。よりたくさんのレブナントを無理なく獲得していただき、いろいろな人物を知ってもらいたい。その上で気に入ったレブナントを育ててもらえればと思います。
――メインキャラクターたちは“リライター”と呼ばれていますが、どのような存在なのでしょうか?
本作には“血脈(ルーツ)”というキーワードがいろいろなところで出てくるのですが、各時代の偉人たちとリライターたちには血脈のつながりがあるんです。『チェンクロ』でいう“絆”の部分が“血脈”にあたります。名前や会話で、実はコイツとこの偉人につながりがあるのではないかと予想しながらストーリーを読んでいくと楽しめますよ。リライターは、“特殊な人たち”という感じですね。意味があって現代に取り残されているんです。
現代に生きていると運動神経が人より悪かったりすることを、血脈というかDNAのせいにすることがあるじゃないですか。でも先祖に会えたとして、その人たちがすごい人だったとしたら、それってDNAのせいじゃないのではないかと思うんです。感情の機微というか、リライターに対して自己を投影しやすいエピソードというものが存在しています。戦国時代篇の最初と最後で各リライターの気持ちが結構変わるのですが、そのあたりを楽しみに読んでもらえたらいいかなと思います。なかなか奥までいかないと解き明かされないような謎も仕込んでいますし。
リライターは、特別な選ばれた人たちではあるんです。総じてリライターとは言っていますが、一様にして同じ能力かと言われたら決してそのようなことはありません。場合によっては、相性のいい偉人と悪い偉人も存在しまして。その中でさらに特殊な人物がいたりします。
――現時点で発表されているのは6人ですが、他にもリライターはいるのでしょうか。
実はもうイラストも設定もありまして、時代もすでに想定はしてあります。
▲上からホヮン・シャオミン、常葉・茉莉花・アリーユースフ、エリザベス・ブライトウェル。現時点で6名のリライターが公開されています。 |
――バトルにおいて、リライターとレブナントはどのような関係になるのでしょうか。
戦闘では、最大4キャラクターまで出撃できるのですが、それぞれレブナントを召喚してバトル中に入れ替わるので、計8キャラクターを使って戦うことになります。リライターにはそれぞれ特徴があって、その特徴を考えた上でレブナントを組み合わせるところは戦略要素としてありますね。
――リライターとレブナント、どちらにも特徴があって、その組み合わせを考えていくのですね。
本作はリアルタイムバトルになるのですが、一見『チェインクロニクル』と似ていると感じるかもしれません。しかしプレイしていただくとわかると思うのですが、バトルの仕組みはかなり異なります。特徴としては、リアルタイムでレブナントを召喚をするというのが1つあります。ターン制の召喚というのはあると思うのですが、リアルタイムで状況が変わっていく中で、どのタイミングでどの位置にレブナントを召喚するかが重要になるんですよ。召喚したレブナントは、ダメージを受けると戦える時間が減っていきます。
普通、召喚=必殺技というのが一般的なバトルシステムだと思うのですが、本作は瞬間の必殺技ではなく、召喚をしていられる時間というのがレブナントごとに異なっているんです。召喚している間は必ず効果を発揮するのが前提のシステムになっています。このあたりが、プレイフィーリングにおいて与える感覚の異なってくる部分なのかなと思っています。
――リライターの代わりに、レブナントが一定時間戦ってくれるわけですね。
はい。レブナントごとに召喚するためのコストも異なりますし、それぞれの能力やアビリティも異なります。そこに対して召喚できる時間の差があるので、すべてを考慮した上で、合うクエストや召喚タイミングを考えて遊ぶというところですね。結果的にすごく新しいものにできたのではないかと思っています。
別の開発スタジオで制作された『ケイオスドラゴン 混沌戦争』や『スーパーロボット大戦X-Ω』といった、『チェンクロ』のエンジンベースで作っているゲームはいろいろあるのですが、それとは一線を画したバトルシステムになったと考えています。『チェンクロ』のエンジンを作った開発スタジオが、異なるエンジンを作るという発想で今回のバトルシステムを提案させていただきました。その点では、同じエンジンのタワーディフェンス的なものとは異なったものにできているのかなと思っています。
あと、本作には“兵種”というものが3つありまして、その有利不利や、敵の特徴との相性も存在しています。そうした関係性もゲームの攻略を進めていく上でおもしろい部分ですね。
――そうなると、バトルの難易度としては『チェンクロ』よりは難しくなるのでしょうか?
『チェンクロ』と同じくらいをイメージして作ったものが、メインストーリーの部分になります。本作はメインストーリーを中心に進めていくので、急激に難しくなったり簡単になったりするとそれぞれ問題が出てくると思うんですね。やり応えがないとか、難しすぎて進めないとか。ただ、メインとは別に高難易度のクエストやイベントクエストを用意しています。これらは遊び方が違いますので、攻略性は異なってきますね。
――『チェンクロ』のイメージですと、メインストーリーが進んでいくにつれて難しくなるという印象ですが、それも想定しつつ難易度の設定をされているのでしょうか。
大きくははずれてないです。『チェンクロ』よりはパラメーター的な強さは抑えているのですが、さすがに歯ごたえないとダメだよねと思っていますし、ボス戦などはしっかり強くしています。ただ、『チェンクロ』よりもメインは手軽にというのは意識しています。パラメーターが低くても相性がキチンと合っていればクリアできたりとか。そういうところで攻略性が異なる感じです。
――直球でお聞きするのですが、どのようなガチャを用意されているのでしょうか。
システム的なところで言うと、イベント限定の“イベントガチャ”や、『チェンクロ』の酒場ガチャのような“ストーリーガチャ”があります。イベントガチャはどちらかというと、先ほど言ったいろいろな時代のレブナントが入っているもので、ストーリーは時代ごとにまとめて入れています。
『チェンクロ』と異なるところでは、ステップアップと呼ばれる仕組みを取り入れています。ある一定の数が決まっていて、引いていくと枚数が減って最後まで引ききれるというガチャです。攻略性という部分を考えたときに、なるべく多くのレブナントを持っている状態のほうがゲームを楽しめるという側面があるので、そういう意味では比較的引きやすくできればいいなと思って作っています。
――時代ごとのガチャがガチャポイントで引けるのはすごいなと思いました。
ガチャポイントはバトルで獲得できるものなのですが、よりよいプレイをするとたまりやすくなっています。ガチャポイントを使って、ストーリー上重要で性能もある程度持ったレブナントを手に入れられるんです。これは先ほど申し上げた考え方によるもので、頑張ってプレイをすればキチンと欲しいレブナントがある程度もらえるのがいいのではないかと。
――育成要素としてはどのようなものがありますか?
レブナントとリライター、それぞれにあります。レブナントは一般的な合成ですね。リライターは発表会でも言ったのですが、アドベンチャーパートで成長させていきます。特定のリライターと一緒に探索するというか、デートをしてハートをためていくと、兵種の適合率が上がったりアビリティをゲットできたりと、ゲーム上のメリットがあるんです。
――デートをするための条件はあるのでしょうか。
現時点では、チケット制になっています。1日一定の枚数が配布されるので、それを使ってデートをするという流れですね。1日何回かプレイして、ログインするたびに今日は誰と行こうかな、でもこの子のポイント少し足りないから明日にしようかなという感じで。チケットはお金で買えないので、ぜひ毎日ログインしてください。デートの回数が重なるほど物語の謎に迫っていくエピソードも奥に眠っていたりしますので、進めていただければと思います。
――仲よくなるにはまめさが必要ということですね!
現実社会もたいがいそうかなと思うので(笑)。
――個人的に気になった点なんですが、信吾では奥まで行けないけど、なぎさとは行ける場所があるのは……?
それはメインストーリーを進めていくと解放される場所ですね。物語の謎に迫るため、信吾だけでずっと先に進むのはいいのですが、メインストーリー上ここまでしか進んでいないのにその話をしてはダメだよねということがあります。そうしたものはメインストーリーをある程度進んでもらうまでは解放できないようにしています。ただ、ここまでメインストーリーを進めたら信吾とここまで行けるよというのも興ざめじゃないですか。なので、ゲーム上では明らかにしていません。
――歴史上の偉人が登場するゲームはいろいろあると思うのですが、意識したタイトルはありますか?
松永自体が『三国志大戦』や『戦国大戦』を作っていたので、歴史ものということもあり、当然ですがそれらは意識しています。実はアーケードゲームの文法を結構使っているんですよ。題材という意味では少し異なるのですが、ゲームを作る上で元となるノウハウはアーケードから、というところはありますね。
――今名前が出たタイトルをやったことのある人だと、「あ、これは……」と感じる部分がありそうですね。
わかってくれると思います。イラストは比較的わかりやすいかもしれないですが、ゲームの仕組み的には「あれ? スマホゲームなんだけど○○っぽいな」というのは隠されているような気はします。
――プレイしたところ、戦国時代篇からかなりシナリオ量が膨大だなと感じました。シナリオには相当な力を入れているのでしょうか。
そうですね。シナリオとキャラクターには『チェンクロ』同様力は入っています。元々歴史好きなシナリオライターがノリノリで書いていて、我々も読むのが楽しみなくらいシナリオはおもしろく仕上がっています。「おー、なるほど。そうきましたか」という感じで(笑)。
『戦国大戦』ファンだったらご存じだと思うのですが、群雄伝というストーリーモードがあるじゃないですか。その群雄伝を書いている弊社のスタッフがメインストーリーを書いているんですよ。やっていらっしゃった方は「おおー」と感じてくださると思います。群雄伝のノリが好きな方は、絶対に楽しめますね。
――ボリュームとしてはどれくらいですか?
500話分くらいはすでにありますね。列伝ストーリーが3話、それが100キャラもいるとそれだけで200、300話になります。プラスメインストーリーとなると、いつの間にか500話に到達しているという。ひたすら作ってデバッグしての繰り返しで、正直大変でしたね(笑)。
――イベントはどのようなものを用意されているのでしょうか?
イベントのエンジンは初期から搭載しています。特定のレブナントが突如襲来してきて、倒すことでレブナントを獲得できるようにしています。
メインストーリーを進めていくとボスが出てくるのですが、彼らを倒すと“フラグメント”というのが落ちます。イベントボスも基本的にはフラグメントを集めてレブナントを獲得するのが趣旨ですね。同じレブナントを何枚も獲得するということに対しては、お金を使って引かなくても限界突破できるという一定の価値はあると思います。ガチャのキャラと差別化して性能をそれぞれ付けていますし。
無課金の方でも、僕らの想定している順番にプレイしてくれると結構先までしっかり進められるように作ってあります。
――ちなみに、『チェインクロニクル』とのコラボや連動要素は現時点で予定されていますか。
今のところ、他の連動も含めて予定してはいないですが、やろうとは思っています。ただ、それが『チェンクロ』かと言われるとまだわからないですね。やってもいいしやらなくてもいいと思っています。ただ1つだけ言えるのは、両方のゲームをプレイしないと両方楽しめないようなものだけは絶対やらないと思います。
やはり『チェンクロ』は『チェンクロ』を好きな人がやってくださっていて、そこに対して何か連動するときは、『チェンクロ』をより楽しめるものであるべきですし、『ワールドチェイン』もそこのスタンスを変えるつもりはありません。何か連動なりコラボなりを行う時は、『ワールドチェイン』をより楽しむためのものであるという大前提が必要だと思っています。
同じスタジオで2タイトルやっているからコラボすればいいじゃない、と短絡的に思いがちになるのですが、プレイしてくださっている方々はそれぞれ異なると思いますし、その方々が納得できないようなことだけはするつもりはありません。そこは明言できます。
――本作はどのような方に遊んでもらいたいですか。
もちろん、ゲームが好きな人に遊んでもらいたいですね。本作では大きな特徴として、ソーシャル要素がほぼ入っていないんです。フレンドと協力したり、ギルドみたいなものを作ってGvG的な遊びだったりという要素はほぼありません。
ソーシャルゲームと呼ばれているものは、当然ですが他者の介在がプレイモチベーションを喚起しうる上で重要な側面になっていると思うのですが、本作はそれがない。『チェンクロ』なんかも比較的ないほうなのですが、『チェンクロ』以上に入れていません。昔のコンソールゲームと言ったほうがいいでしょうか、1人でゲームを楽しみたい方に合うのかなと思っています。
昔のRPGは、他者を介在させなかったじゃないですか。今ってスマホゲーム=ソーシャルというところがあると思うんです。本作で、1人でじっくりゲームをプレイするという体験を提供していきたいですね。
あとは、当然ながら歴史好きの人や女性にやっていただけたらうれしいです。意外と濃厚な感じのキャラクターなので、ぜひ歴女の方にもやっていただきたいですね~。
――“学園ジュヴナイル”とおっしゃっていたので、『チェンクロ』に比べて若い層を想定しているのかなと思いました。
おっしゃる通りです。当然そこだけというわけではないですが、層を広げるということは意識しています。『チェンクロ』と同じ層に投げても……というのはありますから。
――自分のペースでゲームを進めたりとか、レブナントを集めるのが基本は楽しいゲームになるのですね。
ガチャの話だけではないですが、ずっと遊べる設計にはしています。時間はかかってしまうかもしれないですが、お金を使わなくても長く遊べるものになればいいなと思っています。
――この他、本作の注目ポイントを教えていただけますか?
用意しているのは武器の要素ですね。本当にゲームが好きで、やり込むのが好きなユーザーさんに向けての要素なのですが、イベントやボスと戦うと固有の武器がドロップするんですよ。武器はドロップするたびにアビリティが異なるという、マニアックな仕様が入っています。その武器が自分のお気に入りのアビリティになるまで、コツコツやるみたいな。ハクスラ的な武器のシステムですね。本当に先々の遊びになるのですが、ずっと遊び続けられるような設計は随所に盛り込んでいます。
――武器は見た目も変わるのでしょうか。
モデルは変わります。この偉人は槍なら槍しか装備できないという具合に、武器は各レブナント固定なんです。有名な真田の十文字槍もありますし、あまり史実上ない武器はオリジナルの名前をつけています。武器もシナリオを解放するたびに新しいのができたらいいなと思っています。
配信を開始してからの更新頻度も、いろいろな遊びやストーリーを頻繁に提供できると思います。制作期間が長かった分、作り込んでいるので、普通じゃ考えられないような物量を用意していまして(笑)。よく、制作の時間が必要でなかなか提供できない追加コンテンツがままありますけど、『ワールドチェイン』はその点は比較的少ないのかなと思っています。飽きることなく、どんどん遊びというものを提供していけると思います。
ストーリーもスピンオフ的なものをはじめとしていろいろできるでしょうし、深掘りすれば掘れるところはたくさんあります。怖がらずにプレイしていただければ、意外に思っていたのと違うなと思ってもらえるのではないですかね。
――最後に『ワールドチェイン』に期待しているユーザーにメッセージをお願いします。
『チェンクロ』やそのエンジンを使ったゲームがいろいろ出ていますが、そことは違うバトル性ややり込み要素をガッツリ入れました。他の似たようなものとは一線を画したゲームとして、ちゃんと成立しているものを提供できると思います。しっかりしたゲームを作るということを常に意識している、セガっぽいゲームだなと思っていただけたらうれしいですね。
そういう意味では、ダウンロードは無料ですので、まずは触っていただいて、メインストーリーをある程度進めてもらって、キャラを集めるところまでやっていただけると、わかってもらえると思います。そのために無課金の人にもずっとプレイしたくなるような仕掛けも用意していますので、ぜひプレイしてみてください!
(C)SEGA
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