2016年10月3日(月)
『メモデフ』&『コード・レジスタ』キーマンインタビュー。『SAO』アプリの展開について聞いてみた
バンダイナムコエンターテインメントがサービス中のiOS/Android用アプリ『ソードアート・オンライン コード・レジスタ(コード・レジスタ)』&『ソードアート・オンライン メモリー・デフラグ(メモデフ)』。この2作品について、キーマン2人のインタビューをお届けしていく。
『SAO』の世界観を使ったクロスオーバー的なRPGである『コード・レジスタ』と、原作の追体験ができるアクションRPGの『メモデフ』。まったく異なるゲーム性を持つ2つの作品だが、高い人気のアプリとなっている。
今回は、配信2年目を迎えてますます加速する『コード・レジスタ』の今後を竹内智彦プロデューサーに直撃。さらに、配信が始まってしばらく経つ『メモデフ』についても、河合泰一氏プロデューサーにうかがってみた。
▲左から河合泰一プロデューサー、竹内智彦プロデューサー(文中ではともに敬称略)。 |
3つの新要素で2周年を盛り上げる『コード・レジスタ』
──現在、インフォメーションで3つ公開された新しい要素が、順次実装されています。“二段階覚醒”“ダブルオーダー”“ブレイクスキル”とありますが、まずは“二段階覚醒”について教えてください。
竹内:『コード・レジスタ』は2周年を迎えるタイトルなので、キャラクターも強い者が育っていたりと、お客様の資産がたまってきていると思うんです。星7などの新しいレアリティを出してはいますが、それによって昔獲得したキャラが使われなくなっていくことを打破したかったんです。
ですから“二段階覚醒”は、まず星5のレアリティで、対象となるキャラクターをいくつか絞ってご提供しています。“今まで持っていた星5のキャラクターがさらに覚醒して、レアリティが1つ上の段階のところまで覚醒できる”という考え方で、お客様が今まで育てていたキャラクターを無駄にしないように実装していくつもりです。
──なるほど。最終的には、すべてのキャラクターが二段階覚醒できるようになるのでしょうか?
竹内:最終的には全キャラクターを目指してはいますが、まずはイベント報酬キャラを中心に、お客様の支持が熱いキャラを順次対応していければと考えています。今後、イベントで同じキャラクターをたくさん手に入れたお客様がそれを生かせる形にしようと思っているんです。ですから、比較的イベントで手に入りやすいキャラクター。持っているお客様が多いキャラクターから対象キャラクターに設定しています。
実は、実装された星7も同じ考え方なんですよ。ソシャゲで新しいレアリティを実装すると、それまでのキャラクターが弱くなってしまうような印象を受けると思いますが、今のところ(※2016年9月上旬)の星7は、あまり極端な強さにはしていません。『コード・レジスタ』では星6のキャラクターを覚醒させるとレアリティ的には星7になりますが、同じ星7の状態だと、そちらのほうが強いかったりするんですよ。
──バトルアビリティを考えると、星6でも覚醒させれば十分に強いキャラクターは結構いると思いました。
竹内:お客様のデッキを見ても、イベントの上位にいらっしゃるお客様のなかには、星6を星7に覚醒させたキャラクターをリーダーにして、プレイしている人も結構いらっしゃいます。こちらとしても、星7に関しては極端な差をつけないようにしています。
──確かに、今でもフレンドの中には、星6を覚醒させて星7にしたキャラクターを使っている人が何人かいます。
竹内:もちろん星7は強力ではありますが、今まで育てていた星6のキャラクターを主軸に据えていただいて、星7でちょっとアクセントを加える感じにしていきたいと思ってはいるんですよ。
──続いて“ダブルオーダー”と“ブレイクスキル”について教えてください。まず“ダブルオーダー”は、ランダムで枠が1つ増えて、1人だけ2回行動できるようなシステムということですか?
竹内:イメージとしてはそうです。『コード・レジスタ』にはデュエルオーダーという、マスに自分の味方のキャラクターを並べていって戦略を練る要素がありますが、そこに“ダブルオーダー”というマスが加わります。
これは、そのマスにキャラクターを当てると2回行動ができるというマス目です。『コード・レジスタ』のバトルは、今までだとキャラクターの強さがダイレクトに反映されるところがあったのですが、2回攻撃ができる仕組みを用意をして、コマンド選択のところでも戦略を持たせたいと考えました。
──戦闘中のどのタイミングでマスが増えるのでしょうか? 各ターンの最初(※アイテムを使用できるタイミング)にオーダーが出て、敵が配置されるタイミングですか?
竹内:はい、そこです。ターンが始まるタイミングで、“ダブルオーダー”マスがランダムで振り分けられる形ですね。ですのでダブルオーダーの枠が表示されてからアイテムを使用するタイミングもあります。活躍させたいキャラクターにソードスキルやバトルアビリティを使わせたいなら、そのタイミングでアイテムを使うといいんじゃないかと。
──奥義薬などのアイテムを使うタイミングも重要になりそうですね。ちなみに、実装は10月ごろになる予定なのでしょうか?
竹内:9月末か、10月辺りを予定しています。なお、“ダブルオーダー”はユーザーのキャラクターだけで敵側は入りません。
──続いて“ブレイクスキル”についてもお聞かせいただけますか?
竹内:“ブレイクスキル”は、非常に簡単に言うと、パーティ単位で使えるバトルアビリティといったところでしょうか。
『コード・レジスタ』には特定の属性同士を並べていくと攻撃力がどんどん上がるチェインという仕組みがありますが、そのチェインを途中で切る“チェインブレイク”を行うと、ブレイクスキル用のメーターが貯まります。
チェインすると敵も味方も攻撃力が最大200%まで上がりますが、どこでブレイクするかによってブレイクスキル用のメーターの貯まる値が増減します。そのメーターをを消費してブレイクスキルを発動するシステムです。攻撃を重ねてチェインするだけではなく、チェインを切るタイミングにも何かしら戦略を持たせたいと考えました。
また、ブレイクスキル専用の“ブレイクオーブ”という物も用意します。当てはめたブレイクオーブによって、違うスキルの効果が発動する予定です。オーブは、主にイベントで入手できる物として実装していく予定です。スキルの付け替えでもバトルの戦略を練ってもらえるかなと思っています。
クエストによって、ブレイクスキルのオーブをつけかえてからバトルに挑んでもらおうと考えています。
──なるほど、最終的にブレイクスキルは何種類くらいになる予定ですか。
竹内:スキルの種類も10個や20個ではなく、豊富に用意する予定です。まだ総数自体は決まっていないのですが、攻撃、防御、回復、支援とひと通り用意しようと考えています。
感覚としては、チェインブレイクをした時にたまるゲージを使うことで、強力なバトルアビリティを使える感じです。パーティの火力を上乗せするスキルを用意してもいいですし、足りない回復スキルを用意しておいてもいいですし、お客様によっていろいろな戦略の組み方や、デッキの構築が生まれると思っています。
『メモデフ』が出ても手は抜かない! 2周年以降も発展を続ける『コード・レジスタ』の今後
──今後はどのようなイベントやアップデートを予定されていますか?
竹内:大きなところで言えば12月に2周年を迎えますので、まずはそこに向けて1月辺りまで盛りだくさんのいろいろなイベントを用意していく予定です。ダブルオーダーやブレイクスキルのようなバトルのやり方に変化を加えるような物もありますし、今後は1人で戦うだけではなく、他のユーザーと共闘するような要素を絡めたものも用意していきたいと考えています。
それは、おそらく2周年を迎える12月か1月くらいのタイミングで、大きなイベントとして提供できるかな、と。
──『メモデフ』のサービスが開始したからと言って『コード・レジスタ』の手を控えたりすることはないということですね。
竹内:もちろんです! 2周年なので、これまで遊んでくれたお客様に還元する意味でも、いろいろな要素を持ったイベントをゲーム中以外でも提供していく予定です。
──コラボと言えば、10月27日に発売する『ホロウ・リアリゼーション』では、新キャラクターのプレミアが登場しますよね。こちらを『コード・レジスタ』でも実装される予定は……?
▲プレミア |
竹内:さあ、どうでしょうね? そこはご期待ください、とだけ(笑)。
──わかりました。『SAO』は公開予定の劇場版もありますし、時雨沢恵一先生の『オルタナティブ・ガンゲイル・オンライン』といった作品などもあって、こうした作品からの参戦も期待している人が多そうですね。
竹内:そうですね。それらの作品に関しては、今の段階で作品名を指定して明言するのは難しいですが、お客様が望んでいる形で、見たいキャラクターを見たい形式で遊んでいただけるようにゲームを整えていく予定です。そちらも頑張りますから、ご期待ください。
──期待しています。話は変わりますが、アップデートから時間は経ってしまいましたが大きな要素として実装された星7についてお聞きしたてもよろしいでしょうか。星7が実装されてユーザーに与えた印象は大きいと思いますが、実装後の反応はいかがでしたか?
竹内:需要があったと思いつつも、これまで育ててきたキャラクターとの共存というところでは、自然とやっていただけていると感じました。1つ上のレアリティだからといって、そこだけに目を向けずに、自分が持っているキャラクターとの組み合わせを考えてデッキに組んでいただいているので、そこは共存がきちんと生まれたと思っているところです。
──星7が実装された現状でも、星6を覚醒させたキャラクターをそろえていれば、そこそこ戦えると思いました。
竹内:そこは意図して難易度を設定しています。たとえば『コード・レジスタ』の中で一番難しいイベントでも、星6を覚醒させたキャラクターのデッキで攻略している人がいるんですよ。星7を覚醒させた星8のみでデッキを作らないと攻略できない難易度にはしていません。
──では、インタビューを読んでいる『コード・レジスタ』ユーザーに向けてメッセージをお願いします。
竹内:『コード・レジスタ』はサービス開始から2年経っているので、ゲームも複雑になって覚えなければいけないことが多くなってきているんですよ。
今後は、そこをわかりやすく、手ほどきではないですが、初めて遊ぶ人でもすんなりとゲームを遊べるようにゲームの中を整えていくつもりですし、今後はそうした新しいお客様が入ってきたことで、ユーザー同士のさらなる活性化を生み出せるようなイベントも用意していきたいです。
他には、うまい攻略のコツみたいな物も教えられるといいかな、と思っています。たとえば『コード・レジスタ』の場合は回廊結晶を消費して、経験値が美味しいダンジョンに潜ることがキャラクター育成のカギになるのですが、そこにたどり着くまでにゲームを深く知らないとわからないと思うんですよ。
どうしてもゴリ押しだけでは勝てなくなってくる壁もあると思いますから、そうした部分でこちら側から攻略のコツを提示しようと考えています。今まで遊んでいただいたお客様はもちろん、新しくやってきた人も手厚く歓迎していくつもりです。
2周年以降も、まだまだ安心して遊んでいただけるように発展させていくので、どうか、ついてきていただけるとうれしいです。
スマホでも本格的なアクションゲームとして遊べるものを目指した『メモデフ』
──ついにサービスが始まった『メモデフ』ですが、まずは開発の経緯から教えてください。
河合:最初は、劇場版に合わせてスマホで新しい作品を作ろうという企画がありました。すでに『コード・レジスタ』という遊びやすいRPGが出ていましたし、『メモデフ』と『コード・レジスタ』は共存できると思っていたので、オーソドックスなRPGとは違った遊び方を考えるとアクションだろう、と。
3DのアクションRPGは家庭用でハイエンドのやり込める物があるので、スマホでガッツリ作り込みつつ、手軽に遊べることを重視して作ろうと考え、2Dのアクションを選びました。
最初から横スクロールのベルトアクションを作ろうというコンセプトがあったわけではなく、スマホでの遊びやすさを最優先で考えた時に、フリックやタッチでアクションをしつつ、なおかつ2Dというところでベルトスクロールが新しいと感じてもらえるのではないかと思ったんです。
SFC世代である僕らにはなじみがあるのですが、意外と『SAO』の世代の若いお客様からすると、ベルトスクロールは1周回って新しいと感じてもらえると思ったんですよ。
なおかつ、ベルトスクロールはマルチプレイにも向いていて、知らないユーザー同士でも遊べますし、ワイワイ言いながら近くにいる友だちとも遊べる。まさに、昔僕らがSFCで盛り上がっていたように、コミュニケーションしながら遊んでもらえるゲームになるのではないかと考えて、完成図をイメージしながら作りました。
──実際に遊んでみると、スマホの操作でもアクションとしてしっかり遊べると思いました。こうしたアクションを作るうえで、開発としてのこだわりを教えてください。
河合:スマホで手軽にアクションできるというところはありますが、お客様が楽しく、かつ歯ごたえがあると思ってもらえる物にしたいと思っていたので、キリトやアスナのソードスキルの動きや演出にこだわって作っています。
バトル中に動かすミニキャラもボーンから作り込んでいるので、本当に最初の内は試行錯誤しながら作っていました。バトル中の動きから結果画面のポーズ。ダメージを受けた時の痛そうな顔であったりと、動きや表情1つ1つを含めて『SAO』らしさを感じてもらえるかどうかを大事にしています。
あとは、アクションゲームに『SAO』らしさをどう入れていくのかが悩んだところです。ゲーム中に“パリィ”が入っていますが、パリィは『SAO』で重要なシーンで出てくる要素なので『SAO』らしさの1つとして入れてあります。ただ、実際にパリィをしようとすると結構難しいと思うのですが、あくまでもアクションゲームであって、パリィゲーではないんですよ(笑)。
──(笑)。パリィが決まると気持ちいいから、つい狙っちゃうんですよね。
河合:確かに、パリィをしてからスイッチが決まると気持ちいいんですよね。そういうところも『SAO』っぽさなのかな、と思っているんです。アクションとしてのこだわりと、そこにうまく『SAO』らしさを入れていくところが、一番こだわったところですね。
アクションに慣れて自分の熟練度が増していくと、うまいプレイをやりたくなってくると思うんですよ。そういう時にギリギリのタイミングで回避したり、ソードスキルを放ったり、パリィを決めたりといったことを試して、気持ちよくなってほしいと思っています。
それから、こだわりというわけではありませんがアクションとしてソロプレイとマルチプレイの両方で遊ぶことを想定していたので、そのバランス取りが難しいところでしたね。
さらに細かいところで言うと敵も注目してほしいところです。第4章のボスであるロザリアさんが空中コンボを決めてきたり、人間がたくさん出てくるボス戦ではザコのモブキャラとボスが連携をとって戦ってきたりですとか、そこは原作再現でもあるのですが、NPCにも血が通っている感じが出るようにこだわって作りました。
グリームアイズやスカルリーパーなども、ボスの迫力が出るように描いていて、開発側と“ユーザーが初めて見た時に絶望感を感じること”をコンセプトとして作っているんですよ。アニメでキリト君が初めてグリームアイズやスカルリーパーに出会った時も「こんなやつに勝てるのか」という感情をちょっと抱いたと思うのですが、そういうのをユーザーにも感じてほしいと思ったんです。
だから、ボスが出てくる動きや演出もそうですが、昔のアクションRPGによくあったように、ある程度ダメージを与えたら攻撃方法が変わったり、強くなったりといったところも結構細かく作っています。
『SAO』のエッセンスを取り入れてアクションゲームを作っていったので、お客様の声に「『SAO』らしさを感じられた」という意見があって、作っていて本当によかったと思いました。
──ボスは迫力がありますね。実際遊んでいても、ボスに手こずることはよくあります。
河合:ボスは確かに強いのですが、それはアクションゲームとして歯ごたえを感じて欲しいからなんです。強いキャラクターがいないと勝てないのではなく、どちらかと言うとボスの行動パターンや攻撃モーションをよく見ると、どこに攻撃を撃ってくるのかわかるようにしています。
もちろん、一発でクリアできたらうれしいというのはありますが、強いボスに苦労して勝てた時の喜びって、あまりスマホのゲームではないと思ったので、そこを感じて欲しかったというのもあります。攻略法は必ずありますから。
──攻略のコツとしては、ボスの動きをしっかり見て戦うということでしょうか?
河合:ええ、ボスによってはパリィをしたほうが有効な相手もいれば、逆にパリィをせずにヒット&アウェイで戦ったほうがいい相手もいます。たとえば、クラディールと1対1で戦うところがありますが、実はクラディールの降り降ろしモーションは、他のキャラクターと比べても大振りになっているんです。
アレは、そこでパリィをしてくださいというヒントなんですよ。そういったところも、自分で見つけながら戦ってほしいですね。ボスの動きを見るのは、すごく大事ですよ。
実はこれまでなかった原作&アニメを追体験できるゲームストーリー
──これまで発売されてきた『SAO』関係のゲームは、ゲームオリジナルストーリーが展開していました。今のところ『メモデフ』は、『SAO』正史の追体験をしていく形式になっていますが、この形にした理由を教えてください。
河合:単純に考えてみたら、家庭用もアプリも1回も原作を追体験するゲームがないと気づいたんですよ。先ほどの差別化の話にもなってくるのですが、家庭用版でも『SAO』や『ALO』辺りの話を原作通りになぞったものは存在しないことに気づいて、劇場版もあることですし、物語のおさらいにもなるので作っておいたほうがいいと考えました。
ただ、単純にアニメや原作の話を追っていくだけではなく、メインストーリーは原作とアニメの話で、イベントでは“原作やアニメでは描かれていないけど、旅の途中でこういう話があったかもしれない”というエピソードを散りばめていくことにしました。
時間軸としては原作やアニメと同じなのですが、たとえば、リズベットとキリトがゼーファンのところへ行くまでにこんな会話があったとか、こういうハプニングがあったといった語られていない話をこちらで想像しつつ、監修してもらってユーザーに届けたら、原作がより楽しくなると思うんですよ。アニメの話の途中で、こういうこともあったんだろうな」と、想像力をかきたてられるような見方ができるゲームにしようと思ったんです。
──言われてみると、完全な原作体験型のゲームって『メモデフ』が初なんですね。ということは、これから運営を続けていくにあたって、アニメだけではなく、アニメ化していない部分も含めた原作ベースで進めていくということなのでしょうか?
河合:基本はアニメ版のストーリーで考えていて、アニメの2期までは出したいと思っているのですが、その先はどうしようかなと思っています。それこそ、このタイミングで出すのであれば劇場版にも触れたいですよね。
これは、本当にできるかどうかは全然わからないのですが、ゲームでしか保管できないところはあると思うんですよ。たとえば、原作で文字情報としてユーザーに入ってきているシーンを、ゲーム中でどう再現できるのか、というのはやってみたいですね。
まだアニメ化されていない原作を再現していくというのもできると思っています。『プログレッシブ』などは、まさに原作の時間軸でこういうことがあったかもね、という話じゃないですか。このゲームともリンクしてくるところがあるので、まさに『プログレッシブ』などのエピソードで、そういうことができないかなと思ってます。
──そういう意味では『Extra Edition』なども再現できそうですね。みんな、水着アバターは欲しがると思うのですが……。
河合:まさにそうですね。プールのステージを作れないかな、と思っています。あと、ゲームの中だけじゃなくてリアルのキリト君たちも戦うとか……そこまでやったら、さすがに怒られちゃいますね(笑)。
メインストーリー自体も、すでに上の層から始まってしまっているのですが、まだ、どうなるかはわかりませんが、やれるならそこに行くまでの間に下層でこういう話があった、というエピソードもやりたいと思っています。
──いろいろ期待できそうですね。現状で発表されているアプリ『アクセル・ワールド エンドオブバースト』とのコラボイベントも楽しみです。
▲iOS/Android用アプリ『アクセル・ワールド エンドオブバースト』のキービジュアル。 |
河合:『アクセル・ワールド』は『SAO』とあわせて川原礫先生の2大作品みたいなところがありますし、世界観も似ている部分があるので、コラボのストーリーとしてもおもしろいものができると思うんですよ。
実際にシルバー・クロウやブロック・ロータスなど、『アクセル・ワールド』のアバターたちを『メモデフ』で再現したらどうなるのか、というところは作る側としてもおもしろいですし、コラボをするからには出したいと思っています。
あとは、大きすぎて再現できないような巨大なボスや、ベルトスクロールなのでキリト君と黒雪姫(ブラック・ロータス)が共闘するようなクエストもできると思うので、そういう方向でのコラボもしたいですね。
やはり『アクセル・ワールド』もすごい作品なので、そのキャラクターに対しては最大限の敬意を持って再現しなければいけませんよね。詳細に関しては、お客様に発表できるタイミングになったら、しっかりお話ししたいと考えています。
──楽しみにしています。このインタビューが掲載されるのは9月末になりますが、10月以降のイベントなどは決まっているのでしょうか?
河合:このインタビューの時点でもイベントをいくつかやっていますし、マルチプレイのオープンβイベントもやっていると思いますが、ロザリアやクラディールなどの原作キャラクターと戦える部分が、結構新しいと感じていただいてるみたいなので、そういうイベントはやっていきたいと考えています。
──なるほど。ちなみにマルチプレイは、いつごろ正式実装されるのでしょうか?
河合:このゲームはウリの1つにマルチプレイを入れているところもあるので、サービス開始と同時に実装できなくて本当に申し訳ございませんでした。
今後も武器や防具が手に入るイベントもあると思うのですが、そうしたイベントを遊んでキャラクターを鍛えて、マルチプレイにのぞんでいただけるとうれしいです。
マルチプレイは開発陣も気合いを入れて作っていますので、ユーザー同士で協力して敵を倒した喜びを早く共有してもらいたいと思っています。
──マルチプレイは、ユーザー3人でプレイする代わりにスイッチがないので戦略が変わってきそうですね。
河合:スイッチがない代わりに、自分だけではなく、他のユーザーさんの動きを見ながら立ち回わらなければならないので変わってくると思います。例えば、シノンは遠距離型なので、他の2人に突っ込んでもらって後ろから援護するとか、セブンは回復役なので突出しすぎないとか……。ガチなMMOほどではないですが、ある程度役割分担が重要になってくるのではないでしょうか。
強いボスに対して、どうやって倒すのかをチャットでワイワイ語ってもらいながら協力することで、マルチはマルチで楽しんでもらえるのではないかと期待しています。
──マルチプレイだと、ヒーラーは需要がありそうですね。
河合:ヒーラーはソロプレイでも役に立ちますが、やはりマルチプレイで輝きますね。また、武器も大事な要素ではあるので、イベントごとに片手剣を持っている人が有利だったり、魔法を使えるキャラが有利だったりと、1キャラだけ使うのではなく、毎回誰かがヒーローになれる、という感じにはしたいですね。
イベントよりもメインクエスト重視で遊ばれている『メモデフ』
──サービス開始から約1カ月程度ですが、すでにストーリーを終わらせてイベントをガッツリ遊んでいる人が多いのでしょうか。
河合:いえ、このゲームに関してはメインクエストの踏破率がメチャクチャ高くて驚いたくらいなんですよ。やはり、開発チームが原作再現をがんばってくれたことが大きいですし、そもそも『SAO』のお話し自体がすごくおもしろいというところにつきると思いますが、他のゲームと比べても違うところですね。
──『メモデフ』はスタミナ制ではないので、時間があればずっと遊べることも大きいのではないでしょうか。そうした流れも含めて、今後イベントのスケジュールはどういったサイクルを考えられていますか?
河合:当初は、常に遊ぶものがない状態を避けようということで毎週イベントがある状態を想定していたのですが、スタミナがないこともあって、かなりガッツリ遊ばれているようでかなり消費スピードが早いですね。
想像以上に多くのお客様に遊んでいただけたのは、すごくありがたいことなのですが、今後のイベントを投入していくスケジュールとボリュームについて、予定を切り直している状態です。常に、何か遊ぶものがある状態にはしていきたいと考えています。
また、いろいろなキャラクターでアクションを体験して欲しいと思っているので、どれくらいのスパンというのは明言できませんが、キャラクターの新規追加も定期的にやっていきたいと思っています。
──まだまだ長く楽しめそうですね。ちなみに、これから遊ぶ人もいると思いますが、オススメの武器種やキャラクターの組み合わせはありますか?
河合:このゲームは、意外と武器が大事なんですよ。ガチャやイベントのランダムドロップで強い武器を手にいれて、アップグレードをしっかりやることで、戦闘が楽になるのを実感してもらえると思います。もし、ゲーム中で詰まったと思ったら、一度武器の強化を試してほしいですね。
オススメのキャラクターは、皆さんの好きなキャラクターですね。本作では好きなキャラクターもガッツリ強化できるので、愛着を感じていただけたキャラクターがオススメのキャラクターです。敵によって弱点が変わってくるので、いろいろなキャラクターを幅広く育てていただいて、弱点を見つけながら戦ってみてください。
──最後に、インタビュー記事を読んでいるユーザーの方に向けて、ひと言お願いします。
河合:サービス開始以来、たくさんの方に遊んでいただけて、本当にありがとうございます。今後もしっかり運営していきますし、ボリューム感のあるイベントを豊富に用意していくので、楽しんでもらえるとうれしいですね。
マルチプレイが活性化してお客様に楽しんでいただける環境を作っていきたいと考えています。メインクエストとイベントクエストをバランスよく楽しんでもらって、そこで強化したパーティでマルチプレイを楽しんでもらえるとうれしいですね。
劇場版などの『SAO』展開にもしっかり絡んでいきたいと思っていますので、そこも原作アニメと一緒に楽しんでもらえたらなと思っています。
(C)2014 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/SAOII Project
(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
データ