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2016年10月1日(土)

『ペルソナ』関連コミックをまとめてご紹介。『P4U2』コミック著者・斉藤ロクロさんインタビューもお届け

文:電撃オンライン

 電撃マオウで好評連載中のコミック版『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』(『P4U2』)の第2巻がついに発売!! 11月には曽我部修司氏の描く、コミック版『ペルソナ3』第10巻が満を持して登場。読書の秋にふさわしい刊行ラッシュに、ファンの期待も高まる電撃の『ペルソナ』シリーズ公式コミックの“今”を大特集します!!

 まずは9月27日に発売したばかりのコミック版『P4U2』の著者・斉藤ロクロ氏のインタビューから、第2巻の魅力に迫っていこう。最後にスペシャルな複製原画のプレゼント企画の告知もあるので見逃さないでね!!

『電撃マオウ』

 斉藤ロクロ(さいとうろくろ)プロフィール

 マンガ家。おもな代表作は、電撃コミックス『GOD EATER -the spiral fate-』、電撃コミックスNEXT『GOD EATER 2 -undercover-』など。RPG『チェインクロニクル ~絆の新大陸~』のカードイラストなど、イラストレーターとしても活躍している。作画はGペンを使用。コーヒーは苦手だが、カフェオレが大好き。

コミック版『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』とは?

『電撃マオウ』

原作は2014年にアトラスからリリースされた同名の2D対戦格闘ゲーム。大人気RPG『ペルソナ4』のエンディングから約2か月後――。ゴールデンウィークの稲羽市を舞台に、謎のキャラクター・クマ総統が格闘大会”P-1クライマックス”を開催。このデスマッチに巻き込まれた鳴上 悠と自称特別捜査隊は、黒幕を名乗る赤毛の少年・皆月 翔や意味深長な行動をとる足立 透に翻弄されながらも、事件の真相究明に挑む!! 現在、第2巻の続きが電撃マオウにて好評連載中です。

『電撃マオウ』

――現在、電撃コミックスNEXT『P4U2』第2巻が好評発売中です。今の心境をお聞かせください。

斉藤ロクロ(以下、ロクロ):第1巻の刊行から大変お待たせしてしまって、読者のみなさんに大変申し訳ない……という気持ちが一番ですね。あとは先日、アトラスさんの最新作RPG『ペルソナ5』が発売したので、四軒茶屋の怪盗の動向が気になっています(笑)。

――第2巻は謎のキャラクター・クマ総統が開催した格闘大会“P‐1クライマックス”の真相が次第に明かされていきます。ご自身ではどのシーンが見どころ(読みどころ)だと思っていますか?

ロクロ:そうですね。まず1つは“原作ゲームの時間軸に存在するはずだけど、描かれていない過去”を追加して物語を再構築しているところですね。一番大きなところだと、黒幕を名乗る謎の少年・皆月 翔が“赤い目の力”を授かるシーンや彼が父と慕う幾月修司(※桐条エルゴノミクス研究所の元研究員。主に『P3』に登場)と過ごした幼少期の体験などでしょうか。

 皆月は『ペルソナ』シリーズに登場するキャラクターの中でもトップクラスに因縁と過去を背負っているので、それをしっかり描いたら、『P4U2』の物語の本質が伝わるんじゃないかと思ったんです。なので、アトラスさんには彼の詳細な年表を用意してもらいました。

 きっと原作ゲームをクリアした方がコミック版を読んだら、また新たな発見があるのではないでしょうか。もちろん、原作ゲームの名場面も再現しようとがんばっています。劇中ではイベントスチルで表現されているシーンの前後をコミックに起こすのも楽しい作業ですね。

 マンガのよいところは、そのシーンを絵に起こすことで、登場人物の表情や肉体にまとうオーラ、場の空気感を鮮明に伝えられるところだと思います。原作ゲームに収録されているストーリーパートは、鳴上 悠など登場人物の一人称(主観)で進んで行くんですよ。

 そのキャラクターの心情が深く伝わってくる反面、客観的な視点がないので周囲にいる敵や仲間の様子はプレイヤーの想像にゆだねられる部分も多くて……。コミックならではの臨場感あるシーンも大事な見どころの1つかもしれません。

『電撃マオウ』
▲原作ゲーム『P4U2』の新キャラクターである皆月 翔。その生い立ちは物語の真相にかかわってくるそうだ。痛々しい額の傷がついた経緯も明かされるのだろうか。

――原作ゲームにないといえば、足立透が自分を取り押さえようと飛び込んできた花村陽介をいなすシーンもそうですよね? あれはどうして……。

ロクロ:実はあのシーンに限らず、登場人物の心情を考えて、コミック版では演出を少し変えている部分もいくつかあります。みなさんもご存知のとおり、原作ゲームの『P4U2』は『P4』の正統続編なので、コミカライズを始める前に『P4』を実際にプレイして、各キャラクターの感情の洗い出しをしたんですね。エンディングを迎えた状態で、誰がどの人に対してどんな感情を抱いているか知りたかったので……。

 その結果、陽介は足立に対して、十代の少年が簡単には消化できない葛藤を抱いているだろう、と。だから留置場にいるはずの足立が、突然目の前に現れたら、脱走したと判断して取り押さえるために体が動くんじゃないかと――。そういう思考の流れがあったので、アトラスさんに相談して、あのシーンは追加しました。

 一方、足立も体術を使うわけですが、これも足立は元警官なので「これくらいの動きは可能だろう」との判断ですね。それによって物語の展開が変わるわけではないのですが、心情的にリアリティーのあるコンテになったのではないかと個人的には気に入っています。

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▲足立が警察仕込みの体術(柔道!?)を披露するシーン。ふだんは飄々としているけど、いざという時は本気を出す!? 本心も本気もまったく読めないところが彼らしい。
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▲陽介の突進を抑え込む足立のアクションのネーム(下書き)前のコンテを見せてもらった。実際に採用されたのは数コマだが、実際にはもっと長く描いて動きを研究している。
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▲物語をわかりやすくするため、『P4』の回想シーンも追加されている。今回の犯人に関係があるということで、かつて稲羽市をおおった“霧”に想いを馳せるが……。

――では、本作を描く時に注意したり、気を配ったりしていることはありますか?

ロクロ:登場人物たちの“何気ない動き”には気を付けてます。長い間、ファンのみなさんに愛されてきた特別捜査隊やシャドウワーカーの面々なので、ちょっとした動きや立ち姿だけで読者のみなさんはそのキャラらしさを読み取れる域に達してるんですよね。なので、スーパーロングの全身カットとか、小っさいけど実はメッチャ気にして描いてます。

 もう1つは、原作が対戦格闘ゲームなので、アクションシーンには魂を込めていますね。アークシステムワークスさんの手がけた格闘モーションが超カッコイイので、それをどうマンガに落とし込むかを考えたり、セリフもクールなものばかりなので可能なかぎり使うようにしたり。

――ズバリ!! 第2巻で特に注目してほしいキャラクターは誰ですか?

 鳴上 悠と皆月 翔ですね。デザインにおいては、悠が一番描きやすいので主人公でいてくれて楽しいです(笑)。ただ彼は眉が前髪で隠れているので、いざ芝居をさせるとなると表情を眉以外で描かなきゃいけないのが大変で。大袈裟にリアクションする性格でもないのでなかなか難しいです。

 「ここは冷や汗かかないよ」とか「これは目ん玉、見開きすぎ!」とか担当編集の修正が入ることも……。自分が思うに、明治生まれの武家の長男みたいな凛としたところ、悠の芯の強いところなど、第2巻でも堪能していただけると思います。彼の纏う空気感を完璧に描けているのかどうか、常に模索していますね。ハイカラとはいとおかし――。

 皆月はですね、デザイン的には描きやすいのですが、芝居が意外と難しいんです。アトラスさんに「ヤンキーみたいな芝居にならないように」と指摘された時は、シマッタ!! というか、マンガ家としてとても悔しかったですね……。皆月は自分の得意なラインだと思っていたので、もしかして無意識に「描けているはず」というおごりがあったのかなと反省しました。

 皆月は自分に似ているところがあって、彼の苦しみの根幹にあるものを直視しないようにしていたのかもしれません。皆月に限らず、誰だって心の痛みと対峙するのはつらいですよね。でも、痛みこそ生きている証であることも確かだと自分的には思うので……。皆月は今、混乱と苦痛の中にいるのですが、今後、悠たちとの交流を経てどんな未来を手にするのか。ぜひその生き様に注目していただきたいです。

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▲アニメイトでは、コミック版第2巻を購入すると先着で購入特典のミニ色紙をプレゼント。今回は相棒コンビならぬ、“相棒ゾンビ”です!! 数に限りがありますので、詳しくは全国の各店舗にお問い合わせください。

――今後も電撃マオウで連載は続いていきますが、最後にこれからの抱負をお願いします。

 原作ゲームでは語られなかった皆月のエピソードにどんどん触れます! ココは挑戦でございますが、最後までおつき合いいただけたらなと……。第2巻はワリと格闘控えめだったのですが、次巻はクライマックスに向け、バリバリビシビシ描いていきますのでお楽しみに!!

 あといつもコミック版の監修をしてくださる、アトラスの開発チームのみなさんには、本当に感謝です。すっごい真剣に監修してくださるので。たぶん、『ペルソナ』シリーズのコミカライズ陣の中では、ウチらは一番言うこと聞かねえ、面倒くさいチームだと思うんですけど、ちゃんと真っ向から勝負してくれるのですごく気持ちがいいです。超感謝です!

 そしてなにより一番は、いつも応援してくださる読者のみなさんに心より感謝を申し上げます。ツイッターやお手紙やアンケートなどでいただく応援のメッセージ、心に沁みます。『P4U2』シリーズは、まだまだ続きますよ!! 『P5』に心イタダカれるのはいいっスけど! 『P4U2』にイタダカれる心も残しといてつかぁさぁい(笑)。

斉藤ロクロ先生描き下ろし!! 30名に複製原画プレゼントキャンペーン実施中!

『電撃マオウ』
▲鳴上 悠、花村陽介、足立 透、皆月 翔が描かれた特製イラストです。※この画像はまだ制作中のものです。絵柄は変更になる場合があります。

 この記事を読んでくださった30名に、斉藤ロクロ先生描き下ろしの第2巻発売記念イラストをプレゼントします!! 下記のあて先に、(1)氏名 (2)郵便番号・住所 (3)電話番号 (4)性別・年齢を明記してご応募ください。コミック版『P4U2』や『ペルソナ』シリーズの公式コミックへのご意見やご要望なども添えてくださると、なおうれしいです!!

 気になる絵柄はお届けの時期に合わせて、ハッピー・クリスマス仕様。相棒コンビに皆月と足立も参加した激レアな1枚。ここでしか手に入らない描き下ろしの複製原画をぜひ入手してくださいね! 詳細は電撃マオウ公式ツイッター(@dengeki_maoh)や斉藤ロクロ氏のツイッター(@s_696)などでも告知していくそうなので、ぜひフォロー&チェックしてみてね♪

★あて先★

⇒メールでの応募
タイトル:P4U2第2巻発売記念イラストをください!
maoh@ml.asciimw.jp

⇒ハガキでの応募
〒102-8584 アスキー・メディアワークス 電撃マオウ編集部
「P4U2第2巻発売記念イラストをください!」係

応募締め切り
2016年11月27日(当日消印有効)

※個人情報は発送以外の用途には使用いたしません。
※当選者の発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます。

 まだまだ見逃せない!! 注目の『ペルソナ』シリーズ公式コミック! 続いて紹介するのは、曽我部修司氏が描く、『P3』の公式コミック!! 最終巻となる電撃コミックス『ぺルソナ3』(10)が11月27日に発売予定。

 “ニュクス・アバター”との戦いを選び、最後の戦いへ挑む主人公・有里湊とその仲間たち。しかし、湊の戦線離脱により、さらに戦況は厳しさを増していく。そしてついに“ニュクス・アバター”の本体であり、“滅び”そのものである「ニュクス」が姿を現すが……!?

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 クライマックスを迎え、緊迫のシーンの連続に目を奪われる本作。湊はもちろんのこと、S.E.E.S.のメンバーがいかに戦い、いかに傷つき、どんな結末を手に入れたのか――。その命がけの活躍を最後まで見届けてください!!

 最後を飾るのは、あかうめ氏が描く電撃コミックスEX『ペルソナQ シャドウ オブ ザ ラビリンス ―Roundabout― 』全2巻。8月に待望の最終巻が発売されたばかり!

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 本作は3DS専用ソフトとして発売された『ペルソナQ』の世界観をもとに、キャラクターたちの楽しい日常(?)を描くスピンオフコミック。愛らしいデフォルメのキャラクターがコメディータッチで動き回るさまは、ファンならずとも「かわいい♪」のひと言に尽きます!!

 「他の『ペルソナ』シリーズのコミックも知りたい!! 読みたい!!」という方は、電撃マオウの公式サイト内にある、『ペルソナ』シリーズの単行本のコーナーをぜひチェックしてみてください。スピンオフから公式ストーリーまで、あなたが気に入る物語がきっと見つかりますよ!!

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