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2016年12月1日(木)

『世界樹の迷宮』楽曲から古代祐三氏のFM音源トークまで、とにかく熱かった“世界樹の迷宮LIVE”

文:megane、撮影:中村ユタカ

 2083は、アトラスより発売されているDS&3DS用RPG『世界樹の迷宮』シリーズのライブ“世界樹の迷宮LIVE 2016 ~長き静寂の果て~”を11月23日に東京・吉祥寺にて開催した。

『世界樹の迷宮』

 “世界樹の迷宮LIVE”の開催は、2013年の同ライブに続く3年ぶりとなる。演奏は前回と同様にSQ F.O.E bandが担当。8月に発売された最新作『世界樹の迷宮V 長き神話の果て』を中心に、シリーズタイトルの人気曲など全17曲が演奏された。

 ゲストとして、楽曲制作を手掛けた古代祐三氏も登場。MCの岡島俊治氏、AKIRA氏とともに熱く、そして懐かしいFM音源トークなどを行っていた。

『世界樹の迷宮』
▲左からMCの岡島俊治氏、ゲストの古代祐三氏、MCのAKIRA氏。

 前半は『世界樹の迷宮V』より8曲が演奏された。途中でMCをはさみつつ、演奏された曲は以下の通り。

●“世界樹の迷宮LIVE 前半セットリスト”

・1曲目:『伝説の紡ぎ手』
・2曲目:『街景 朝焼けは笑顔の元に』
・3曲目:『街景 暮れ行くは双子の宴』
【MC】
・4曲目:『迷宮I 鎮守ノ樹海』
・5曲目:『戦場 始動』
【MC】
・6曲目:『迷宮III 晦冥ノ墓所』
・7曲目:『戦場 一触即発』
・8曲目:『戦場 明日を掴むは死闘の先』

『世界樹の迷宮』
▲ソプラノサックス&アルトサックスを担当していた副田整歩さん(左)とヴァイオリンのテイセナさん(右)。

 2回目のMCパートから古代祐三氏が登場。当初はFM音源による打ち込みで制作していた本シリーズの楽曲も、『世界樹の迷宮IV 伝承の巨神』より生演奏に変更。『世界樹の迷宮IV』では生演奏収録のディレクションを日比野則彦氏が担当しており、その後のシリーズを経て『新・世界樹の迷宮2 ファフニールの騎士』では古代氏もディレクションをともに担当。最新作の『世界樹の迷宮V』ではより古代氏自身がすべてディレクションを担当している。

 古代氏は生演奏のディレクションについて、「最初はやり直しをどこまで奏者にお願いしていいかわからなかったが、最近は慣れてきた」と語った。ただ、指示出しと楽譜の修正を同時に行うのは難しく、さらにレコーディングスタジオを新設したことで、機材トラブルの心配もあったという。これらも3年行ってきてようやく慣れてきたとのこと。

 また、ゲームの楽曲を演奏してもらう際の大事なポイントとして「ゲームのシーンをある程度イメージできるようにしてほしい」と語った。やはり、説明するよりもわかっている方が演奏にも熱さを込めやすいようだ。

 なお、F.O.E bandでバンドマスターを務めるキーボード&ギターの上倉紀行さんは、ベイシスケイプ所属時代に『世界樹の迷宮III 星界の来訪者』のアレンジアルバムで編曲を担当。そのこともあってバンダイナムコエンターテインメントの『PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD』でも古代さんとお仕事をしていたという。

『世界樹の迷宮』
▲バンドマスターでキーボード&ギターを担当していた上倉紀行さん。

 後半は、2013年に行われた“世界樹の迷宮LIVE 2013”で行ったアンケートをもとに選曲。まずはシリーズの迷宮メドレーとして、『迷宮IV 木偶ノ文庫(世界樹IV)』、『迷宮V 白亜ノ森(世界樹III)』、『迷宮IV 桜ノ立橋(新・世界樹II)』、『迷宮V 遺都シンジュク(新・世界樹)』の4曲が演奏された。

 後半のMCでは、MCの1人である岡島俊治氏から古代氏へのFM音源愛が暴走。岡島氏は古代氏のFM音源を幼少の頃より聞いており、古代氏へのインタビューが掲載されていた1994年刊行の雑誌を手に、来場者に対して見せつけていた。ちなみに岡島氏もれっきとした音楽家であり、『英雄伝説 空の軌跡』シリーズの編曲を担当していた他、日本ファルコムの“jdk Band”のドラムとしても活躍していた。

『世界樹の迷宮』
▲実際の誌面を見せて説明している様子。

 そんな熱狂的なファンも存在するFM音源について、古代氏は「一言で言えば原点」と語る。現在は音色のエミュレーションも簡単に行えるFM音源だが、音だけ同じくしてもFM音源っぽくはならず、「特殊な作り方をしないと昔のFM音源っぽい音は出ない」という。

 FM音源は現在の楽曲に比べると6~10音ほどしか同時に使えず制約だらけだが、制約をあえて課して作ることで、昔のような音を再現しているという。古代氏いわく「縛りプレイ」とのこと。

 『世界樹V』ではDLCにてFM音源バージョンの楽曲が提供されているが、このFM音源バージョンは、最初に生演奏バージョンを作り、その収録後に制作されているという。生演奏で奏者が演奏したものをおおまかに耳コピ(聞いて楽譜に起こす作業)をすることで、生演奏に近いフレーズでFM音源バージョンができている。

『世界樹の迷宮』
▲ギターを担当していた宮崎大介さん。宮崎さんは楽曲収録の際にも演奏しており、そのギターソロなどを古代さんが耳コピしてFM音源にしたという。

 熱いFM音源トークが交わされた後は、シリーズの戦闘曲をまとめたバトルメドレーが演奏された。『戦場 初陣(新・世界樹2)』を皮切りに『戦乱 剣を掲げ誇りを胸に(世界樹III)』、『戦場 己が信念を杖に(世界樹IV)』、『眠らずの戦場(新・世界樹)』の4曲を演奏。

 そしてアンコールとして『世界樹IV』のボス曲である『戦乱 吹き荒ぶ熱風の果て』を演奏。さらなるアンコールを熱望されながらもすべての演奏楽曲を終え、ライブは幕を閉じた。

 会場に来ていた『世界樹V』ディレクターの小森氏も、満員となっていた会場の熱気に驚いた様子で、来年10周年を迎えるシリーズについて、「何かやりたい」と意欲を見せていた。

『世界樹の迷宮』
▲最後は来場者とともに記念撮影。

●“世界樹の迷宮LIVE 後半セットリスト”

・9曲目:『迷宮IV 木偶ノ文庫(世界樹IV)』
・10曲目:『迷宮V 白亜ノ森(世界樹III)』
・11曲目:『迷宮IV 桜ノ立橋(世界樹II)』
・12曲目:『迷宮V 遺都シンジュク(世界樹の迷宮)』
【MC】
・13曲目:『戦場 初陣(世界樹II)』
・14曲目:『戦乱 剣を掲げ誇りを胸に(世界樹III)』
・15曲目:『戦場 己が信念を杖に(世界樹IV)』
・16曲目:『眠らずの戦場(世界樹の迷宮)』
・17曲目(アンコール):『戦乱 吹き荒ぶ熱風の果て』

●“世界樹の迷宮LIVE 2016”出演者リスト(敬称略)

演奏:SQ F.O.E band
 上倉紀行(Keyboard&E.Guitar)、副田整歩(Saxphone)、テイセナ(Violin)、宮崎大介(Guitar)、中西道彦(Bass)、白川玄大(Drums)

MC:岡島俊治、AKIRA

ゲスト:古代祐三

『SQ F.O.E band ピックセット』が2083オンラインショップで販売中

 イベント当日に販売を予定していた『SQ F.O.E band ピックセット』について、主催の2083より“販売に関するお詫び”とグッズ販売の案内が届いたのでお伝えする。

 2016年11月23日(水・祝)開催の『世界樹の迷宮LIVE 2016 ~長き静寂の果て~』にて販売を予定しておりました『SQ F.O.E band ピックセット』ですが発送の不手際があり当日の販売が出来なくなりました。

 当日のご購入を楽しみにされていたお客様に改めてお詫び申し上げます。

 2016年11月28日(月)22時より“2083オンラインショップ”にてDM便での送料無料にて販売をさせていただきます。

 尚、当初の在庫数を超える注文を頂いた場合、追加製造を行います。追加製造分についてはお届けが12月下旬頃になる可能性があります。あらかじめご了承くださいませ。

SQ F.O.E band ピックセット(3枚1セット:700円)

世界樹の迷宮LIVE 2016 ~長き静寂の果て~ トートバッグ(2,000円)

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