2016年11月29日(火)
本日11月29日にヨドバシカメラ マルチメディア Akibaで開催された、『ファイナルファンタジーXV(15)』発売記念イベントの様子をお届けします。
本イベントは、スクウェア・エニックスがPS4/Xbox One用ソフト『ファイナルファンタジーXV』を、本日11月29日に世界各国同時発売することを記念して開催されたものです。
イベントには、スクウェア・エニックス代表取締役社長の松田洋祐さん、本作のディレクターである田畑端さん、本作で主人公・ノクティスの声優を務めた鈴木達央さん、ヒロイン・ルナフレーナの声優を務めた北川里奈さん、そしてスペシャルゲストとして、バイきんぐのお2人、真野恵里菜さんが登壇。
トークショーや発売開始に向けたカウントダウンセレモニー、ファンの人たちとの記念撮影などを行いました。
イベントが始まると、まずは会場のスクリーンでWEB限定CMが放映。その後、松田さんと田畑さんがそれぞれ来場者へのあいさつを行いました。
●『FINAL FANTASY XV』WEB限定CM映像“全世界で熱狂中”篇
松田さんは、朝早くに集まった購入者への感謝を述べつつ、「必ずや皆様方に楽しんでいただけるものと信じております。大変お待たせしました。『ファイナルファンタジーXV(15)』本日より発売です。ぜひお楽しみください」とコメント。
田畑さんは、「プレイヤーが物語の主人公の体験をできること。それが『ファイナルファンタジー』のずっと変わらないよさだと思います。皆様『FF15』の主人公になって、その体験を存分に味わっていただきたいと思います。」とシリーズへの思いなどを語りました。
お2人のあいさつが終わると、ノクティス役の鈴木さん、ルナフレーナ役の北川さん、ゲストのバイきんぐの2人と真野さん、田畑さんの順にステージに登壇。本作についてのトークセッションを行いました。
発売日を迎えた今の気持ちについて聞かれた鈴木さんは、「自分のできることはすべて込めさせていただきました。皆様とともに旅をするのが楽しみです。手に取って遊んでいただけたらうれしいという期待、“できあがったな”というホッとした気持ちでいっぱいです」とコメント。
北川さんは「ルナフレーナは令嬢というおとなしいポジションと思いきや、登場するシーンには泥臭さを感じるものが多かったので、自分の中で気持ちを整理して臨むことが多かったです」と演じる時に意識したことなどを語りました。
真野さんは「特に映像が綺麗で、“映画なのかな?”と思うくらい引き込まれてしまいました」と作品について気になった点を話しました。
また、作品についての話以外でも、小峠さんが“画面から飛び出して欲しい素敵なキャラクターは?”との質問に「職業“芸人”を作って欲しいです!」と答える一幕も。“モンスターと漫才するバトルスタイル”といった具合に“『ファイナルファンタジー』に芸人が登場したら?”という話で盛り上がり、会場は笑いに包まれました。
本イベントでは、『FF15』発売日ということで、購入待機列の一番前に並んでいる方へのインタビューが行われました。
埼玉からやってきて、11月28日の22:30過ぎごろから並んだという最前列の方は、たまたま列が始まる場所に立っていたというラッキーな事実を語りつつ、おにぎりと召喚獣“リヴァイアサン”のデータ容量が同じことについて、田畑さんに質問。
それについて田畑さんは、本作では料理にもこだわっている他、おにぎりが日本人のソウルフードである以上、少しでも違うと気づかれると力を入れていたらいつの間にか同じ要領になったことなど、制作秘話を語りました。
田畑さんが『FF15』を実際に手渡すシーンでは、購入者の人が「10年間待っていました」と作品やスタッフ、目の前の田畑さんへの思いを伝え、一際大きな拍手が巻き起こりました。
商品の手渡しが終わると、登壇者と来場者全員での発売記念セレモニーが実施。会場全体の「フィフティーン!」の声と同時に登壇者がボタンを押すと、左右から華やかな銀テープが飛び、ステージのバックにタイトルロゴが現れました。
セレモニーが終わると、イベントも終了の時間に。最後に登壇者と来場者全員での写真撮影が行われ、イベントは盛況のうちに幕を下ろしました。
――発売日を迎えたご感想をお願いします。
田畑端ディレクター(以下、田畑):発売日を迎えた感想とは違いますが、集まってくれた方たちを見て感無量という気持ちになりました。純粋に「発売できてよかった」と思いました。
――本イベントに来場した方とお話などはされましたか?
田畑:全員ではないですが、イベントの待ち時間の間、並んでくれた購入者様に声をかけました。また声をかけていただきました。
皆様が笑顔で待っていたのがとても印象的で「今日遊びます!」といったことをたくさん言っていただきました。
――海外サイトでは高スコアが目立ちますが、遊んでいるユーザーさんからの声を聴いて手ごたえなどは感じていますか?
田畑:まだすべてのレビューを見たわけではないですが、いくつか見た中でいわゆる日本のゲームについてシビアな見方をするメディアが高い点数をつけていたり、『ファイナルファンタジー』は、どこか欧米のゲームとは違った評価軸で見られる傾向があったのですが、そうではなく欧米のユーザー様が遊ぶゲームとしてまっすぐ評価をしていただいて光栄だと思っています。
――“すごい『ファイナルファンタジー』を作るんだ!”という決意で制作されていましたが、それができたということでしょうか?
田畑:何をもってすごいのかが中々難しかったので、世界で同時に発売して世界中のユーザー様に直接届けるということと海外で続々出てくるビックタイトルとちゃんと競うということを目標にしたのですが、それはできたなと思いました。
AAA(トリプルエー)と呼ばれる最高ランクのゲーム、そしてそれが最高の売り上げを記録するというラインナップがあり、年に数本出るのですが、そういったところにちゃんと『ファイナルファンタジー』も入る。というような目標で制作しました。
先ほどの話にもありましたが、11月29日からレビューが出てきてその内容やスコアを見ていると、ちゃんとAAAの中に入れてくれているのが分かったので、少し安心しました。
――田畑さんがかかわった中で一番大変だったことは何ですか?
田畑:『FF15』として引き継いでいますが、ユーザー様によってはその前身だった『ファイナルファンタジー ヴェルサス XIII』を求めている人たちもたくさんいて、もちろん『FF15』を求めている人たちもいるわけです。
これは、おそらく2つの違うニーズがずっと1つの開発チームに対して持たれていたもので、同じようで違うニーズをいかにして両立させていくかが我々のやらないといけない挑戦でもありましたし、また、このプロジェクトを一番難しくしている要因でもありました。
――AIの採用などはかなり当初から決まっていましたか?
田畑:そうですね。『FF15』の開発をスタートさせる段階で、まだPS4やXbox Oneといった新世代機の仕様を僕らが把握していなかったんですね。なのでPCでプリプロダクションを始めたんです。恐らくはこれくらいのスペックだろうと。
その時、そのスペックでモノを作った時にグラフィックがリアルになることは分かっていたんですが、それを旧来のゲームの作り方で「この位置に移動したらこれを離す」「決まった順番で決まった行動をとるモンスターを作る」という作り方をすると、新世代のゲーム体験にふさわしくないと容易に想像できました。
なので、AIという人工知能と自動生成の2つで新世代感を出さないといけないなということは最初の段階で決めていました。
――何年位前ですか?
田畑:2012年の夏ですね。そのタイミングでAIに関しては、その分野で著名な三宅陽一郎という先生が技術部門にたまたまいたんです。僕は彼のことを知っていたので、彼がいるなら新しいAIに取り組みたいなということで、
最近の囲碁の強いAIは、ディープラーニングということで学習し続けていくんですが、そのAIとは違う方向でキャラクターらしさを出していこうとして作ったのが『FF15』です。その人間らしさ、動物らしさ、モンスターらしさを表現するAIを作成していました。
――2016年になってからプロモーションが加速しましたが、それをやってよかったと思う気持ちはありますか?
田畑:とてもありますね。やり残したという気持ちはゼロです。物理的な時間の限界までやれることをやりました。やれなかったことは物理的に時間が足りなかったことなので、「あれをやっておけば……」というようなことはゼロです。
ただやはりそれは、チームなど支えてくれる人たちがいるからで、逆に言うと没頭できたのでとても幸せな時間でした。
――今日購入されて、一段落して本記事を読まれる人たちに向けてメッセージがあればお願いします。
田畑:遊び終わるまでたくさん時間があると思うので、気が済むまで遊んでいただいて、ご意見ご感想をいただきたいなと思います。
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