2016年12月1日(木)
カプコンから、2017年1月26日に発売されるPS4/XboxOne/PC用ソフト『バイオハザード7 レジデント イービル』。本作をプレイしたレビューを担当ライターのZ佐藤がお届けします。
『バイオハザード7』は、1996年3月22日に発売されたサバイバルホラー『バイオハザード』の世界観やホラーのテイストを受け継ぎつつ制作されました。アイソレートビューと呼ばれる1人称視点やPS VRフル対応など、新たな技術や要素をふんだんに盛り込んでいます。
先日大阪・カプコンにて、ゲームのプレイと開発スタッフへのインタビューを行うことができました。プレイ時間は8時間ほどでしたが、その合間にPS VRや4K・HDR対応の大画面テレビ+PS Proという環境でもプレイさせてもらい、画面に映し出された部屋を舞うホコリや熱気すらも感じられそうな爆炎、そして光と影によるハイクオリティの演出など、美しさと恐怖に満ちたド迫力の映像をじっくり堪能させていただきました。
今回のレポートでは、ゲームを構成する要素や実際にプレイした感触などについてお伝えしていきましょう。なお、ストーリー、あちこちに盛り込まれた恐怖の演出、そして謎解きなどに関しては記載していません。発売前に楽しみを奪うようなことはしませんのでご安心を。
閉鎖された場所に突き落とされても希望を捨てず、知恵と勇気を振り絞って恐怖や困難に立ち向かい、きゅう地からの生還を目指して突き進んでいく……これまで『バイオハザード』シリーズは、この“サバイバルホラー”の体験を根幹として制作されてきました。
はたして『バイオハザード7』は、どうなのか? 現在まで『バイオハザード7』はホラーゲームとしての側面を中心にプロモーションが行われているだけに、その点について心配しているファンの方も多いでしょう。
私自身もスクリーンショットを見たり、配信中の体験版『バイオハザード7 ティザー ~ビギニングアワー~』をプレイした時点では多少の不安がありました。
けれど今回体験したことで、その不安はあっさりと払拭されました。
マップを開いて探索していない部屋を1つ1つ回っていくのが楽しい! ドアを開ける時にはドキドキ! グルグル迷うのも楽しい!
敵と遭遇して逃げたり、戦ったりするのが楽しい! アイテムを見落としていて「なんで気付かなかったんだオレ!」って悔しがるのも楽しい!!
まさにシリーズの1作目をプレイした時のような感覚です。紛れもなく“サバイバルホラー”であり、『バイオハザード』でした。
実写さながらのリアルな映像表現と、開発効率の向上を目的に生み出されたゲーム開発エンジン“RE ENGINE”。ゲームプレイがユーザー自身の体験としてダイレクトに反映される“アイソレートビュー”。この2つの導入により、その没入感と臨場感は凄まじいものになっています。
それは、通常モニターのプレイであってもまさに自分自身が邸に迷い込んだと錯覚しそうなほど。目の前に映し出されるものすべてを自分自身の体験として受け止めながら遊ぶことができました。
廊下、リビング、ダイニング、キッチン、バスルーム、床下、屋根裏、地下通路、ガレージなど、場所ごとに光の加減や空気感などがガラリと変わり、中にはそこに立ち止まっているだけで不安になったり、恐怖を感じたりする場所もありました!
なお“RE ENGINE”と“アイソレートビュー”に関しては『ビギニングアワー』でも味わえますが、今回プレイした完成直前のバージョンでは、そのクオリティがさらに向上している感じでした。
アイソレートビューの導入は、戦闘にも大きな変化をもたらしています。そう、相手との距離を非常に近く感じられるのです!
ハンドガンやショットガンなどの銃器は“装備”→“構える”→“撃つ”という操作で素早く使用できるのですが、相手が目の前に見えることもあり、その圧迫感&威圧感であせって狙いが定まらないことも。
しかも相手の不規則な動作によって生じる“ナチュラル回避”にも悩まされ、非常にスリリングな戦闘が楽しめました。
さらに戦闘のシチュエーションも、アノ手・コノ手でプレイヤーを楽しませようと最大限に趣向が凝らされている印象でした。ひたすら追いかけられるシーンが本当に怖くて、逃げても逃げても追い回されるホラー映画を思い出しました。
戦闘関連の操作では、その場で180度向きを変えるクイックターンと、相手の攻撃を防御できるガードをできたのがよかったです。これらは途中に登場するボスとの対決でもかなりフル活用することになります。
中盤から終盤にかけて、もっともっとスゴい展開があるという話を聞いて、もうワクワクが止まりません!
ゲームの舞台はアメリカ南部、ルイジアナ州の朽ちた邸。現在のところ、邸には狂気に満ちたジャック・ベーカーの一家の暮らしている、主人公のイーサンはファミリーの一員として迎えられた(?)男性ということ以外は秘められており、邸の謎を解き明かし、脱出をはたすのが目的になるようです。
内部は想像以上に広く、上下に階層もあってかなり探索しがいのある構造です。もちろん特殊な鍵を使ったり、ギミックを起動させたり、特定のアイテムを集めて突破するような仕掛けも満載で、1つ1つ部屋をまわり、周囲を隅々まで調べて脱出の糸口を探っていきます。
その他各所にはストーリーを読み解く手がかりが散りばめられていて、それらを見つけることでゲームの世界により深く踏み込むことができそうです。どこかに『バイオハザード』シリーズでおなじみの“クランク”も登場しますよ。
他にも過去の作品のオマージュといえるシチュエーションもあり、思わずニヤリとするシーンも。あちこちに細かいファンサービスが盛り込まれている感じで、1回のプレイですべてを味わいつくすのは難しそうです。
過去の『バイオハザード』シリーズと同様、本作でも所持できるアイテム数が限られているため、アイテム管理が大きなポイントになりそうです。
所持品リストを開くと“CRAFT”によって2つのアイテムを組み合わせることが可能。例えば“ハーブ”と“薬液”を組み合わせると“回復薬”が作成できます。
注目なのが“壊れたショットガン”。ファンなら、おなじみの使い方を想像できると思うのですが、『バイオ7』では、それだけではなく、あるアイテムを使って修理して使えます。どの使い方をするかはプレイヤー次第のようです。
もう1つの注目アイテムは“分離剤”です。これを“回復薬”と組み合わせると、“回復薬”を分離させて“薬液”を取り出すことができます。“薬液”には、他にも使い道があるので、こちらもかなり重宝しそうです。
その他のアイテム関連で、おなじみのものといえばアイテムボックスですね。アイテムを収納しておけば、別の場所にあるアイテムボックスからも取り出せるというシステムも同じですのでご心配なく。
セーブの仕組みでは、セーフルームなどにあるカセットレコーダーを調べて途中経過をセーブすることになっています。セーブする際に、これまでのインクリボンのような制限があるのかは、今回のバージョンではわからず、無制限にデータをセーブできました。
あとは、精神増強剤というアイテムがありました。こちらを使うと、周りにあるアイテムの場所を感知できるようになります。本作ではテーブルの下やちょっとしたオブジェの裏など、さまざまな場所にアイテムが配置されているので、アイテム不足で行き詰った際や、強敵との戦闘前などに使ってみるのがいいかもしれません。
まだPS VRを購入できていないのですが、『バイオハザード7』でのVR体験は楽しすぎてヤバいです。物陰に身を潜めて奥の様子を確認したい時、モニター画面でプレイする場合はキャラクターの位置を調節後、右スティックでカメラを回転させて見ることになります。
しかしPS VRならば、現実の世界で奥の様子を見たい時に行うのと同じように、頭の位置を横に動かすだけで見られるんです。
その他にも伸び上がって欄干(らんかん)や手すりの反対側を見たり、頭の位置を下げてテーブルや棚の下を確認したり、すべて日常の動作と同じような感覚で行えますので、完全にゲーム内のキャラクターと一体化している感覚を楽しめました。
あとシリーズでは「手に取ったアイテムを回転させて見る」といった操作を求められる場面がありますよね。PS VRでプレイすると、あの操作がコントローラを傾けるだけで行えました。これだけでも楽しくて、手に取った鹿の剥製の首をグルングルン回してしまいました。
PS VRではバトルで狙いをつけるさいに、頭を動かして視点を移動させるので、強敵との戦闘をこなすのはそれなりにテクニックが求められそうですが、探索部分は本当にオススメ! このおかげでPS VR購入の意欲がさらに高まりました。
スリルと恐怖に満ちた探索中、たまたま飛び込んだ部屋がセーフルームだった! そんな場面もあったりして、難易度的なバランスと同時に、緊張と弛緩のメリハリの部分に関しても絶妙に調整されている印象です。
恐怖演出に関しても、直接的、心理的、気持ち悪さ、ショッキング、グロテスクなど、いろんな種類の恐怖が詰め込まれていて、プレイヤーに楽しんでもらおうと工夫を凝らして作られていることが伝わってくる内容でした。
戦闘では立ち回り方によって状況が変化します。また、区切りとなる場面に出現する敵はかなり強いので、倒した時の達成感も十分味わえるようになっています。
あと詳細は言えないのですが、体力強化や、リロード速度向上といった、プレイヤーの強化もできるようです。またマップに存在するオブジェを壊すといったやり込み要素も存在します。
ゲームの発売後にはアップデートによる追加要素も準備しているとのことですので、じっくり楽しめそうな部分も魅力です! 今回かなり遊ばせていただきましたが、まだまだ遊び足りないという印象。早く続きをプレイしたい! 遊んだ人といろいろな話をしたい! そんな衝動を覚えつつ、大阪を後にしました。
(C)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
データ