2016年12月16日(金)
今年9月に3周年を迎えたガンホー・オンライン・エンターテイメントのiOS/Android用RPG『ディバインゲート』。2016年のしめくくりとして、『ディバインゲート』のクリエイティブディレクターの高野康太さん(アクワイア)にインタビューを行いました。
ヴラドとオベロンを中心とした壮大な“聖戦”が終わり、今はアカネたちと北欧神が激突する第五章“偽りの王”がクライマックス直前といったところ!
本作の大きな魅力であるストーリーを中心に、さまざまな開発秘話をお聞きしました。
▲『ディバインゲート』のクリエイティブディレクターの高野康太さん(アクワイア)。 |
――まずはこの1年を振り返って、2016年は『ディバインゲート』にとってどんな年だったと思いますか?
アニメ化に始まり、前半はいろいろと新しいことに挑戦した年でした。厳密には2015年末ですが、新要素のリンクシステムを導入したこともあって、2016年前半は大変だった覚えがあります。
その後は新規のチャレンジというより、より遊びやすさを高めるための地固めをしていった年でしたね。
――たしかに、ユニットポイントや限界突破の実装、マテリアルエリアの全エリア出現の常設化や、ステージ移動演出の高速化など、より遊びやすい状況が整った1年だと感じました。
そういった少し地味ですが大事な部分の地固めを経て、3周年を迎えた9月末ごろからは、怒涛の新ユニットラッシュなど、物語的にもゲーム的にも加速をしてきた印象ですね。そういう意味で、少し波のあった年だった気がします。
――続いて、ストーリーについてお聞きします。アーサーやアカネたちがディバインゲートを目指す第一章“黄昏の審判(2013年9月~)”、メイザースやクロウリーたちの教団をめぐる第二章“完全なる落日/黄金の夜明け(2015年8月~)”第三章“大いなる「希望=絶望」(2015年12月~)”、第四章“聖戦(2016年9月~)”、第五章“偽りの王(2016年11月~)”と、各章で展開期間が異なりますが、何か狙いがあったのでしょうか?
特別に長さや期間を意識したわけではありませんが、“聖戦”の展開時期をじっくりと狙っていたという部分はありますね。1周年を迎えたあたりでほぼ構想はあったのですが、これだけの規模の展開ということで、3周年合わせにしました。
かなりのボリュームだったので、ユーザーさんからは「もっとゆっくりと時間をかけて展開してもよかったのでは?」というお叱りの声もいただきましたが、だれないようにスピード感を出したかったことと、3周年という記念のタイミングだからこそ、あの物量と密度でやってみたかったんです。ただ、さすがに詰めすぎたな、と反省しています(笑)。
動画:『ディバインゲート』3周年記念ムービー
それから“聖戦”については、物語の伝え方のスタンスを少し変えてみました。従来は、あまり詳しく説明をせずに「行間を読んでほしい」というやり方だったのですが、この時は意図的にわかりやすさを意識しています。
――それは、どのような理由があったのでしょうか?
より多くの人に楽しんでもらいたい物語だったため、よりわかりやすく楽しめる物語展開を意識しました。過去と現在の2つの戦いを対比させたり、より個々の戦いや描写を詳しく描いたりして、ストーリーラインをわかりやすくした形です。
“聖戦”については、まずは3周年にふさわしいボスとしてヴラドとオベロンにふさわしい舞台を用意したかったんです。そのために過去の聖戦をきちんと描く必要があり、ファティマとヴィヴィアンの追想も必要で……と、どんどんボリュームが増えてしまいました(笑)。
ただ、ヴィヴィアンとファティマがいて、ヒカリとユカリがいて、オベロンとヴラドがいるという構図は、当初から変わっていません。
▲聖精王オベロン。 |
▲聖魔王ヴラド。 |
――この規模のイベントは、今後も期待してしまいます!
すでに今後のいろいろと熱い展開のプロットは準備していますので、お楽しみに。なるべく早くお見せできるように、がんばりりたいと思います。
――余談ですが、ユーザーさんの考察などで印象に残っているものはありますか?
みなさん、イラストの細かいところまで見てくださって、本当にありがたく思っています。少し前ですが、ランスロットがヴラドの子どもだという考察がありました。スタッフから「あのふたり、親子だったんですね」って言われて、びっくりしましたね。
理由を聞いてみたら、そういった考察をされていた方がいたそうで、その説得力の高さに開発スタッフが信じ込みそうになってました(笑)。
ランスがキス魔である理由とか、一人称の共通点などをはじめ、僕が見ても納得できるような考察が書かれていて、うれしかったですね。実際にふたりの間にどういった関係があるかは、想像におまかせいたします(笑)。
――ここからは、メインキャラクターたちの立ち位置や現状についてお聞きします。まず、アカネについてはいかがでしょうか。
アカネは聖戦が行われている裏側で、創醒の聖者に仕えている3人の巫女に会い、どうやら大切な話を聞いたようです。それを受けて、創炎神スルトと対峙している状況ですね。
ちなみに創醒の聖者は、オベロンに神の血を与えた本人です。
▲創醒の聖者。 |
――アオトについては?
“アオト:BD2016”に書かれていた“彼”に会いに向かっています。その途中で創水神シグルズと交戦中ですが、エピソード文に書かれていた“そんな戦いを遠くから見つめるもう一人の青年”がそろそろ登場します。
そのあたりは、聖戦に登場した水救員アデリーのプロフィールに、少し書かれていますね。
その人物が聖戦の災害対策で動いていたということは、あの組織が暗躍していたということで……。無救員ジョルダーノのプロフィールなどを見ても、そんな組織の影が見えてくると思います。
――ミドリは創風神ヘズと戦っていますね。
北欧神はもともと、オズが呼び出した存在です。それを踏まえて、ミドリはヘズに対して、“本来、あなたを討つのは私ではなくあの人だ”といったスタンスです。オズがいないのならば、ヘズを討つべきは自分だ、という気持ちですね。
――続いて、ヒカリとユカリについてはいかがでしょうか?
聖戦を終えて、創光神オーディンと戦うことに。天界についてはオベロンにまかせています。
ユカリも聖戦を終えて、創闇神ヘグニと戦っています。
――この流れですと、ヘルヴォルとはギンジが?
創無神ヘルヴォルと戦うのは、ギルガメッシュです。なぜギンジではないかといいますと、章タイトルの“偽りの王”にかかわってきます。
“彼は、偽り続ける道を選んだ。そう、偽りの王の為に。だから、代わりに私が相手になる。偽りの英雄に仕立て上げられた少年は青年になり、そして、偽りの王への道を開こうとしていた。”といった感じのプロフィールからわかるように、偽りの王への道を開こうとしている動きをしているわけです。
今回は表題のとおり“偽りの王“という存在にすべてが帰結します。ギンジの行動がどういう意味なのかも明かされます。
“偽りの王”は年内には完結する予定ですので、そのクライマックスの展開をお楽しみください。
――神となったアーサーについては?
ロキとともにディバインゲートに姿を消したのち、北欧神が災厄を巻き起こした際に、その黒幕がアーサーであることが明かされています。
アーサーは常界が侵略されるさまを神様のごとく神界から見ているわけですが、そんな指示を出した理由などについては、アカネが創醒の巫女から聞いた話とつながっていくわけです。
▲聖神アーサー。 |
――ちなみに、“黄金の夜明け”を迎えて“4人の従者とともに旅立ったクロウリーについては?
直接的な話はまだ明かしていませんが、他のキャラクターのプロフィールに伏線的なものはちらほら入れています。
例えば旧教団員でも、マリナが世界評議会にもぐりこんでいたり、ベガやアルタイルが地域復興ライブを行っていたり、そういった行動にも意味がありますので、改めて読み返してみてもらえたらと思います。
――“ディバインゲート”というキーワードにも、いろいろと動きがあるのでしょうか?
創醒の聖者のイラストの後ろに、ディバインゲートらしき扉が書かれているところがポイントですね。ということは、創醒の巫女からアカネがなんらかの話を聞いたことが推察できます。
また、創炎神スルトなど、北欧神のイラストの後ろにも、扉の欠片らしきものが描かれています。
そして、聖神アーサーのスキル名が“ディバインゲート”であったり、彼が持つ剣に扉のモチーフが付いていたりするところにも注目です。
こういった風に、イラストへの細かい仕込みなども含めて準備をしているので、今後の展開にもご期待ください。
――イラストと言えば、今年のライル:クリスマスのイラストが大変なことになっていました(笑)。あれはいったい、どうしてあんなことに?
クリスマスということで、サンタ、トナカイ、星、プレゼント、ツリー、雪だるまというモチーフを選んで、そこからキャラクターを当てはめていきました。
そこで自然と「ライルは星だよね」と満場一致で決まりました(笑)。ラフの時点では普通の武器だったのですが、星の外見とちょっとあわなかったので、デザイナーに「ちょっとチキンを持たせてみて」とお願いした結果、今の形になりました。
▲ライル:クリスマス。 |
――イラストの右上に書かれている、星のぬいぐるみ風のライルもとてもかわいかったです!
あれは、いつの間にかデザイナーが書き加えてくれました(笑)。パーシヴァルの足元にハートのワッペンを加えてくれるなど、いろいろと茶目っ気があるデザインをしてくれるのがありがたいですね。
――あそこまでふっきれたデザインのキャラクターは、『ディバインゲート』では珍しかったのでは?
そうですね(笑)。“世界野球WBSCプレミア12 侍ジャパン”とのコラボの聖打者サンタクローズ以来かもしれませんね。
▲インタビュー後、クリスマスツリーの前で高野さんを撮影! |
――そんな2016年について、印象に残っているストーリーやキャラクターについて教えてください。
ヴラドとオベロンは特に大切に作った物語であり、キャラクターであったので、思い入れが強いですね。
第四章“聖戦”については、3周年記念ムービーで発表しましたが、我々が考えていた以上にユーザーさんの反応も大きく、うまく届けられた感じがして、うれしかったですね。
この2人の再醒進化が発表されたムービーを流した生放送当日ですが、1時間ごとにエピソードを公開してみたり、とにかくもう、2人のおぜん立てをしました(笑)。
――まさに“聖戦”は、2016年を代表する一大イベントでしたね! ミスター☆ヒスインのモチーフとなったヒスイも活躍していたと思いますが、いかがでしょうか?
もちろんヒスイも思い出深いキャラクターです。ちょっと話がそれますが、実は今、開発チームの中で筋トレが流行っているんですけど、実はヒスイの影響なんですよ(笑)。
▲創竜神ヒスイ。 |
ああいう外見を見ていると、「男はやっぱり、筋肉がついているとかっこいいよね」みたいな話になりまして。あと、開発はずっとデスクワークなので、油断しているとどんどん太って不健康になってしまいます。ですが、おかげさまで、(上着をめくって)だいぶスリムになりました。
――本当だ! すごいですね!!
“筋肉はかっこいい、健康は大切”。そんな大切なことを教えてくれたキャラクターです(笑)。
ヒスイについては、ヴラドとオベロンの話がいったん落ち着き、竜界の王となったヴェルンと何かを話をして、今は勝手にどこかへ行ってしまいました。また活躍の機会をあるはずなので、こうご期待ください。
それから、これもストーリー的なものとは少し違うのですが、オズファミリーも印象に残っています。
“あの日の僕ら”のイベントあたりで2人1組のユニットが出てきたのですが、オズファミリーのように6人1組という形は前例がなくて楽しかったです。こういった形の新ユニットも、また登場させられればと思っています。
それに、ミドリやドロシー、オズの話についてはまだまだ片付いていません。ドロシーやカナンが同じような動きをしているので、オズがどうなってしまうか……今後にご期待ください。
――ちなみに、来たる2017年において注目しておくと物語を楽しめる重要キャラクターについて教えていただけますか? ちょっとネタバレにつながりそうですが(笑)。
ひとまず直近で言えるところですと、3周年記念ムービーに登場したキャラクターたちにご注目ください。
まだ再醒進化していないキャラクターを見るだけでも、メイザースやクロウリーがいますし、オリジンもいます。このあたりは最近の物語に登場してませんが、特にメイザースとクロウリーの教団については、注目していてほしいですね。
あとはアーサーと円卓の騎士たちの関係ですね。アーサーが率いる北欧神、アーサーがかつて率いていた円卓の騎士たちが現在交戦中でもあり、結果的に対立構図になっている部分もあります。この構図が、今後どういった形になっていくのか、お楽しみに。
それから、少し先になりそうですが、六聖人たちの会議によく出てくる“世界の決定”というキーワードも、覚えておいていただければと思います。この言葉は今回の北欧神たちも口にしていますし、いろいろと大切な意味があります。
あわせて、六聖人の立ち位置や目的が語られる日も来ると思いますので、いろいろと想像してみてもらえるとうれしいですね。
――強くて美しい、始祖リリンの再登場なども気になりますが?
リリンが本格的に物語にからむのは、かなり終盤を予定しています。もう少々お待ちください。
本作にはたくさんの人気キャラクターがいるので、イフリートたちを含めて、できるだけたくさんのキャラクターを再醒進化させてあげたいなと思っています。
ティターニアやヴァルプルギスなどの場合は再醒進化ではなく追想だったり、少し違う形になると思いますが、なんらかの形でキャラクターたちの物語を書いてあげたいですね。
――個人的にはクロウリー様の今後や、アーサーの再登場などに期待しています!
ここでは明かせませんが、12月19日19:30からYouTube Liveで配信する公式生放送ではたくさんの新情報をお伝えできるはずです。
年末年始に向けて、いつものように大人気コラボが装いを新たに復活したり、初心者向けのキャンペーンを用意したりしていますし、クリスマスにもユーザーのみなさんに喜んでいただけるようなイベントをしたいと思っています。
ミスター☆ディバイン風に言うと、「今が一番、『ディバゲ』を始めるのにいい時期!」ですので、ぜひまだ遊んでいない人もお誘いあわせのうえ、『ディバインゲート』を楽しんでいただけるとうれしいですね。
――最後に、今後の『ディバインゲート』の展開や抱負について教えてください。
第五章は年内で終わる予定ですが、その後も大きな物語が続いているので、ご期待ください。とにかくたくさんのユニットが物語を盛り上げていきますので。
メインストーリーとはちょっと違うのですが、もちろんお正月にもめでたい感じのイベントがありますし、楽しく遊んでいただけるとうれしいですね。
それから、これはまだテスト中なので必ず実装するというわけではありませんが、少し大きめの新システムも検討中です。
3周年を迎えて、4周年目に突入した『ディバインゲート』ですが、あらためて考えると3年って本当に長いんですよね。中学や高校に入学した方が卒業してしまうくらい長いわけでして……。
それだけ長い間、応援をしてくださっているユーザーの皆さんに心から感謝しつつ、これからも遊び続けていただけるように、新システムなども含めて、日々検討しています。
ですので、2017年はみなさんに「『ディバインゲート』に出会えてよかったな」と思ってもらえる年になるようがんばりますので、来年も『ディバインゲート』をよろしくお願いいたします!
最後になりますが、4周年を待たずして、もう少し手前に、とても大きな盛り上がりを用意できそうです。年内で1つの物語が区切りを迎えますが、その後にはさらなる展開がありますので、ぜひお楽しみに!
インタビュー後、特別に高野さんから新たな再醒進化情報をいただきました。そのキャラクターは、執事竜ティルソン!
教団の幹部としてクロウリーに仕えつつ、その裏では真の教祖であるメイザースと通じていたキーパーソンが再醒進化するということで、なんだか不穏な空気が……? いよいよグリモア教団の物語が再動する!?
今回の公式生放送のメインMCはガッチマン氏。出演は『ディバインゲート』運営チームから、高野D、四次元広報ミスター☆ディバイン、佐藤錦太氏が登場します。
生放送ではファンのみなさんが期待するゲームの最新情報が公開されます。その他にもさまざまな企画を行い、盛りだくさんの内容となっているのとのこと。
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