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2017年2月6日(月)

戦国死にゲー『仁王』レビュー。10年を経て完成したコーエーテクモの新作アクションRPGの魅力に迫る

文:る~ぱ

 コーエーテクモゲームスから、2月9日に発売予定のPS4用ソフト『仁王』。本作の特集企画第3回をお届けします。

『仁王』

 ダーク戦国アクションRPGと銘打たれた本作は、群雄割拠の戦国時代の裏で暗躍する異国の侍と妖怪の戦いを描いた意欲作。発表から10年以上の紆余曲折を経たタイトルがいよいよリリースとなります。

 今回はゲームの根幹となるアクションパートを中心に、本作ならではの魅力をインプレッション形式で紹介していきます。

幅広いユーザーが楽しめる構えシステムが秀逸

 いわゆる“死にゲー”に分類されるため、「アクションで複雑な操作を要求されるのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、本作では快適なアクションを楽しめます。

 武器ごとに“構え”があるのですが、“下段の構え”はあまり気力を気にせず回避行動がとれるため、初心者でもストレスなく戦闘が楽しめると思います。

『仁王』

 “上段の構え”は動作が遅いかわりに威力が高い上級者向けのスタイル。それらの中間の性能である“中段の構え”で、構えシステム1つをとっても幅広いプレイヤー層が楽しめるアクションに仕上がっています。

 5つの武器は攻撃力や攻撃範囲、リーチなどの特徴を持ちながらも操作性はいたってシンプル。極端にクセの強い武器はないので、使いわけもすんなりと楽しめます。個人的にお気に入りなのが鎖鎌+上段の構え。遠距離からの攻撃で安全に背後から先制を狙えます。

『仁王』
▲バックアタックのボーナスで弱い敵なら一撃で倒せます。

 ゲームバランスは、操作にある程度慣れればザコ敵との1対1ならそうそう死なない程度。強引に攻めすぎず、相手のスキを狙っていけば問題なく倒せると思います。

 課題となるのが2体以上の敵を相手にする場面。この時ばかりは格下相手でも油断するとあっさりやられてしまうので、そうならないように遠距離武器で仕留めておくなどの工夫が必要です。

『仁王』
▲敵が2人いるシーン。片方をヘッドショットで仕留めることに成功。

試行錯誤が楽しいボスバトル

 ステージの最後にはボスが待ち構えているのですがこのボスが強敵。攻撃力&素早さが高いのはもちろん、ザコ敵のようにカンタンにひるんでくれないので、斧+上段の構えによるゴリ押しで進めていた自分には鬼門の相手です。

 数度の挑戦から相手の動きを、ある程度見極められるようになったのですが、斧+上段の構えでは攻撃後のスキに反撃を受けて、どうにもなりませんでした。

『仁王』
▲モーションの遅い斧ではなかなか安全にダメージを与えられません。

 そこでバランス型の刀+中段の構えに変えてみたところ状況が一変。攻撃から回避の流れがスムーズになり、安定してダメージを与えられるようになりました。これで気をよくした自分は刀+中段の構えで意気揚々と進んで行ったのですが、次のボス戦で再び大苦戦。

 素早い身のこなしと攻撃回数がランダムの多段攻撃により、反撃タイミングがわからずまたしても死体の山を築きました。

『仁王』

 何度かの失敗の結果、回避型の下段の構えにチェンジすると立ち回りがラクになることが判明。回避を多用できるようになったことでコンスタントに反撃を狙えるようになりました。さらに、手裏剣を使った遠距離攻撃や、陰陽術による属性付与などを併用することでダメージ効率もアップし、ボス撃破に成功します。

『仁王』

 このようにボス戦の試行錯誤が本作の醍醐味(だいごみ)。確かにボスは強敵なのですが理不尽すぎる強さではなく、負けると悔しくなる絶妙な強さ。そのため「次は別の武器や別の構えで挑戦してみよう」や「遠距離武器を組み込んでみては?」など、ついつい何度もトライしたくなります。

『仁王』
▲空中に浮いたところを手裏剣で攻撃。敵の気力を減らすと撃墜させることも可能です。

迷いすぎず簡単すぎもしないステージ

 ステージがミッションごとに区切られている本作。自由に動かせるオープンワールドを希望する人もいるかもしれませんが、ゲーム内方向音痴の自分としては目的地がハッキリしていて遊びやすいうれしい仕様。目的地を示すレーダーもあるので、どこに行けば分からなくなるということもないと思います。

 とはいえ簡単に目的地点まで行けるかと言えばそうではなく、道中にはさまざまな敵やトラップが待ち構えています。これらの障害をどう対処するかはプレイヤーのセンスが問われるところ。

 正攻法で真正面からぶつかるもよし、回り道をしてトラップを利用したり敵の背後から攻めたりと工夫するもよし、同じステージでもさまざまな攻略法が用意されています。

『仁王』 『仁王』
▲目の前に光るアイテムが見えるのですが、アングルを変えると横に敵が待ち構えているのがわかります。
『仁王』
▲高低差を利用したジャンプ攻撃。通常よりも多いダメージを与えられます。

ついつい繰り返したくなるハクスラ要素

 戦闘や探索に加えて、武器や防具を集めるハックアンドスラッシュ(通称ハクスラ)要素も本作の魅力。装備は主に敵を倒して入手するのですが、手に入る装備は同じ名称でも性能はバラバラ。中には特殊能力が付与されているものもあるため、特殊能力目当てに何度も戦闘を繰り返すプレイも楽しいです。

『仁王』
▲敵を倒して装備を獲得。これが一番気持ちいいシーンかもしれません。
『仁王』
▲レア度の高い装備をゲット。使い込むと愛用度がたまり、性能も強化されていきます。

 また、鍛冶屋を利用すると装備に付与された特殊能力のカスタマイズが可能。装備の外見だけを変えることもできるので、見た目にこだわるプレイヤーも安心です。

 アクションRPGとしては難易度は高めですが、レベルアップや装備による強化要素を利用すれば攻略がグッとラクになります。それでもクリアできないなら、オンラインによる協力プレイに頼るのも手。

 歯ごたえのあるアクションをクリアした達成感、グラフィック、操作性と、どれも高レベルで仕上がっている『仁王』。PS4を持っているなら買って損はない1本です。

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