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2017年3月18日(土)

【ディバゲ:ストーリー追想録】第1章“黄昏の審判(アカネ編)”~父の遺志を継ぎ扉を探す少年

文:そみん

 ガンホー・オンライン・エンターテイメントのiOS/Android用アプリ『ディバインゲート』のストーリーを振り返る特別企画をお届けします。

 本記事でクローズアップするのは、主人公の1人であるアカネ。彼が第一章“黄昏の審判”でたどった物語を紹介していきます。

[1]父の遺志を継いで旅立つ炎の少年・アカネ

 アカネ幼い頃、母から、父が研究所の火災事故で亡くなったと聞かされていた。

『ディバインゲート』

●“アカネ:幼少期”のプロフィール

 少年はいつも、追いかけていた。大きすぎた父の背中を。だが、その背中は突如消えた。少年にはそれが信じられなかった。信じたくもなかった。そして思い出したのは、父がいつも話してくれた聖なる扉の伝承。聖なる扉を目指せば、きっといつか、もう一度父さんに会える。そんな小さな思いを、アカネは抱いていた。

 そんな彼は、父から譲り受けたドライバ“イグナイト”を手に、聖なる扉の力で世界を変えようとした父の遺志を継いで旅に出る。

 旅の中、統合世界<ユナイティリア>を自らの拳で壊すことを決心した甲士アカネのドライバは“イグナイト:セカンド”へ進化。また、レーヴァティンとの戦いを経た炎甲士アカネのドライバは“イグナイト:サード”へと進化を果たした。

『ディバインゲート』

年に数回しか会えなかったアカネと父

 アカネの父は研究者で、いつも研究で多忙な身だった。そのため、年に数回ほどしかアカネは父と会えなかったが、その日をいつも心待ちにしていた。

●“謹賀新年II”より

 今日は父さん帰ってくるのかな。幼き日の甲士は母親に尋ねていた。いい子で待っていたら、きっと帰ってきてくれるわ。そんな時、玄関の鍵が廻る音が聞こえた。研究者の父を持つ子供は、年に数回だけ会える日を、いつも心待ちにしていたのだった。

 ちなみに母は健在で、のちにアカネが帰宅した際、ホ-ルケーキを用意してアカネの誕生日を祝っている。

●“アカネ:BD2016”のプロフィール

 ただいま、母さん。そんなアカネに、深くを尋ねない母。やっぱり、あなたはあの人の子供なのね。たくましくなった体に、胸をなでおろす。だけど、今日くらいはゆっくりしていきなさい。用意されていたホールケーキ。いつか、お父さんを追い越すのよ。それは、ただ流れる時間とは別の話。もちろん、そのつもりだ。

アカネの好物はトマト

 アカネぼんのプロフィールでは、アカネの好物がトマトであることや、寝る時は冬でもタンクトップであることなどが語られている。

●“アカネぼん”のプロフィール

 アカネぼんはトマトが大好きだぼん。幼いときに父を亡くし、母子家庭で育ったせいもあって、意外と家庭的な一面も持ち合わせいるんだぼん。意外と家事は得意ぼん。だけど、どんな料理にでもトマトを入れてしまうのは、あんまり良くないことだぼん。真っ赤っかだぼん。寝るときは冬でもタンクトップらしいぼーん。

【キャラクターチェック】炎咎甲士アカネ編

『ディバインゲート』
▲炎咎甲士アカネ。

●高野メモ

 一番最初にサンプルで書いてもらったアカネを、少し調整してもらい、そのまま主人公として採用しました。いわゆる“赤系”のキャラで、まっすぐな子でありながらも、優しさを持った感じが再醒進化で存分に前に出せたんじゃないかと思います。

 エピソードエリア“#08 戦友”で、“重ね合わせる拳、預け合わせる背中。”とありますが、まさにこのデザインから拾わせて頂きました。

 初めは師弟関係でしたが、旅を続ける中での関係の変化が綺麗に落とし込まれており、とってもドラマチックになったと思います。

●デザイナーコメント(イチノセ セノイチさん)

 アオトの次に生まれたキャラクターで、クールなアオトとは対象的に、ひと目で主人公とわかるようなデザインを目指した男の子です。

 再醒進化はコンテンツの性質上、それまでストーリーを追ってきてくださったユーザーの皆さまに喜んでいただけるような演出がしたいと思い、デザイン上のプライオリティは崩さず、仲よくイフリートと構成できたかと思います。頼まれてもいないのに、どうしてもちょっとだけ脱がせたかったです(笑)。

[2]死んだはずの父との再会

 その後、アオトやミドリと出会い、天界でイフリートを仲間にしたアカネは、常界で死んだはずの自分の父であるパブロフと再会する。そして、パブロフは圧倒的な力でアカネをねじ伏せる。

『ディバインゲート』

 すべては、聖暦の天才の1人である炎才パブロフの計算通りだった。戦いを通じて収集したアカネのデータは、第五世代自律兵器型ドライバ“シラヌイ”の開発に生かされることに。

 その裏で願っていたのは、アカネのさらなる成長。パブロフが託した片方だけの茜色のピアス、そして、「男だったら、必ずやり返しに来いよ」という再会の言葉は、敗北に打ちひしがれそうになるアカネを立ち上がらせる力となった。

[3]火想郷<アルカディア>での炎の試練

 父との力の差を痛感したアカネは、イフリートの導きで天界にある火想郷<アルカディア>で炎の試練に挑む。その試練を乗り越えた火炎甲士アカネのドライバは“イグナイト:ホムラ”へと進化する。

『ディバインゲート』

 また、ともに試練に挑み、アカネとリンクしたイフリートもまた、炎精王イフリートとして、新たな力を得るのだった。

【キャラクターチェック】炎精王イフリート編

『ディバインゲート』
▲炎精王イフリート。

●高野メモ

 精霊王を発注したときに、やっぱり炎だしアラビアンでしょ! みたいな感じで発注したのを覚えています。コテコテのファンタジーにしたくなかったので、日常でも履いている人がいるようなサルエルパンツで~、など、日常の服のサンプル画像を渡して書いてもらいましたね。

●デザイナーコメント(UCMMさん)

 精霊王シリーズは大分初期のほうに作ったキャラですが、今でもデザイン的にも大好きなキャラですね。当時『ディバゲ』ぽさを探り探りの状態だったのを覚えています。

 アラビアンというよりアジアンファッションを参考にした記憶があります。精霊だから謎の力で宙に浮けるでしょ! と浮かしました(笑)。

[4]ベディヴィアやシラヌイの襲撃

 常界に戻ったアカネは、アーサー直属の特務機関である円卓の騎士(ナイツ・オブ・ラウンド)に所属するベディヴィアの襲撃を受ける。アーサーがベディヴィアを差し向けた狙いは、アカネが新しい時代を託せる存在かどうかを確かめるためだった。

『ディバインゲート』

 その後、アカネのデータを詰んだ第五世代自律兵器型ドライバ“シラヌイ”の襲撃も受けるが、アカネとの戦いの拳を交える中で機械の心が人間の温かさに触れた時、シラヌイの動力源“エレメンツハート”が再起動。シラヌイ:ホムラが仲間に加わることに。

『ディバインゲート』

父パブロフの優しさ

 誰がなんのためにシラヌイをアカネに出会わせたのか? その理由は、かつて研究所でパブロフと行動をともにしていた炎拘獣ヨウコウから語られる。

『ディバインゲート』

 パブロフは、息子であるアカネがシラヌイを仲間にすることを見越して、護衛としてシラヌイを差し向けたのだった。アカネは父の優しさや真意を知り、さらに強くなって再会したいという決意を強める。

[5]北欧神・炎神スルトの脅威

 そんなアカネの前に、竜王であるノアの部下であるサクラダが力試しに現れる。

 炎番人サクラダはアカネの力を認め、夢幻駅から発車する聖なる扉行きの夜汽車に乗せるのだった。

『ディバインゲート』

●“炎番人サクラダ”のプロフィール

 炎と炎はより強い炎となり、辺りを熱気で包んだ。揺らぐ視界の果て、そこには既に【アカオニ:弐式】を解いたサクラダと、消えることを忘れた炎を灯した少年がいた。もー、降参だってば。少年を乗せた夜汽車は聖なる扉へと。きっとそこに父がいる。いつかのお返しをする為に、右耳を飾った茜色は揺れていた。

 こうして、ついに聖なる扉へとたどりついたアカネ。しかし、扉はすでに聖王アーサーによって閉ざされていた。

 その矢先、ロキの命を受けた風戯者シェイクスピアによって綴られたオセロがアカネたちを襲う。

『ディバインゲート』

 水戯機オセロの水の戯れになす術をなくし、苦戦をしているアカネたちを救ったのはパブロフだった。

●“水戯機オセロ”のプロフィール

 ワタシノヤクハ、アナタノセンメツ。自ら打ち抜いたこめかみ、水戯機オセロは炎をかき消した。水の戯れに成す術を失くした少年達。ソロソロ、シンデ。心の灯火が消えかけたその時、少年が感じた懐かしい暖かさ。よく見とけ、機械はこう支配すんだ。顔を上げた少年の瞳に映ったのは、温かい大き過ぎる背中だった。

 「よく見とけ、機械はこう支配すんだ」。オセロを倒したパブロフとの再会を喜んだのも束の間、道化竜オズによって召喚された北欧神のスルトがアカネたちに襲いかかる。

『ディバインゲート』

 レーヴァティン:プロトが姿を変えた神刃型ドライバ“レーヴァティン”を持つ炎神スルトは、優しき獣(ヨウコウ)と自律の心(シラヌイ)を倒し、炎の起源(イフリート)もくだす。

●“炎神スルト”のプロフィール

 有難うございました。生んでくれてありがとデス。二人を繋いだ優しき獣と自律の心。最期まで良いものを教えてもらったな。二人の為、炎へと還る炎の起源。オマエは、生きろ。そして一人の為に、一人の男は炎神スルトへと立ち向かう。親の責務を、果たす為に。

 「有難うございました」「生んでくれてありがとデス」「最期まで良いものを教えてもらったな」。次々と倒れていく仲間に続き、父パブロフもまたスルトに敗れた。

 父からの「オマエは、生きろ」という言葉を受けたアカネは、イフリートと同化して炎咎甲士アカネへと成長を果たす。

『ディバインゲート』

●“黄昏の審判:炎の軌跡”より

 全ては、自分を変えてくれた少年の為。炎の大精霊は炎に還りながら、それでも少年の側を離れなかった。そなたと彼が親子であれば、そなたと妾は何であろう。重ね合わせる拳、預け合わせる背中。戦友って呼ぶんだよ。二人はニヤリと揃えて笑った。

 一方その頃、自らが召喚した北欧神の風神ヘズが、自分の愛する家族である道化嬢ドロシーの命を奪ってしまったことに絶望した道化竜オズは、自分の魔力を犠牲にして北欧神の力を改変。アカネたちに未来を託す。

 改変によって弱体化したスルトを倒したアカネは、観測者クロノス天上獣グリュプスによって、神に抗う塔へと導かれる。

『ディバインゲート』

●“天上獣グリュプス”のプロフィール

 お迎えありがとう。上品な声が聞こえてきたのは遥か彼方の刻の狭間。天上獣がお迎えに上がったのはたった一人の神様だった。さぁ、行こうか。差し出される【ソロウ:セカンド】、観測者を乗せた風は変わり始めてしまった未来の行方を目指す。彼らに背負わせるには荷が重過ぎる。大きな時は、動き始めた。

【キャラクターチェック】炎才パブロフ編

『ディバインゲート』
▲炎才パブロフ。

●高野メモ

 アカネのちょい悪親父で! と発注したのを覚えています。天才シリーズはみんな身体のどこかを欠損しており、そこをドライバで補っている、というのが当初のコンセプトでした。

 アカネは旅立つときにパブロフのドライバを受け継いでいたので、だったらやっぱりパブロフは腕で、とすんなり決めた記憶があります。

●デザイナーコメント(イチノセ セノイチさん)

 アカネがアメカジ系だったので、オヤジはそこにちょっとロカビリー要素を入れてちょい悪感を出したつもりです。ちょっとかわいさのあるオヤジな感じで大好きです。

 天才シリーズはまだ情報量に対する恐れのようなものがなかった頃にデザインしたので、主人公シリーズに最も近いコンセプトで制作されているように思えます。そこからレアリティを演出するために、情報量との戦いが始まるわけですが、『ディバゲ』らしさの本質的な部分はもっと別のところにある気がして、力不足だったなぁと反省しています。

[6]扉の君との最終決戦

 そのころ、塔の最上階では、竜王ノア湖妖精ヴィヴィアン堕王エビルアーサーと交戦。

 エビルアーサーとともに現れたロキは余裕を見せていたが、その場に駆けつけた神主狐ヤシロを見て、その笑顔が曇り始める。

 彼らの戦いは決着がつくことがなく、扉の君闇の翼光の翼の力を得て、扉の君:完全体へと姿を変える。

 グリュプスによって塔へと導かれたアカネは、そこでアオト、ミドリ、ギンジと合流。ロキの再創<リメイク>を阻止するために完全体の扉の君と戦い、勝利する。

 クロノスは扉の君を刻の狭間に封印し、これによって“黄昏の審判”は終結を迎えたのだった。

●“黄昏の審判:炎の軌跡”より

 少年が見つめていたのは重なったネックレス。失った仲間達。だけど、少年に休む暇などなかった。聖なる出口を求め、始まろうとする聖戦。今度こそ、全てを終わらせるんだ。再び炎を灯した少年の背中は、やがて追い越す背中を予感させたのだった。

【第一章“黄昏の審判(アオト編)”は3月22日(水)夕方ごろに公開予定です】

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