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2017年3月22日(水)

【ディバゲ:ストーリー追想録】第1章“黄昏の審判(アオト編)”~双子の弟との物語

文:そみん

 ガンホー・オンライン・エンターテイメントのiOS/Android用アプリ『ディバインゲート』のストーリーを振り返る特別企画をお届けします。

 本記事でクローズアップするのは、主人公の1人であるアオト。彼が第一章“黄昏の審判”でたどった物語を紹介していきます。

[1]両親を殺したとされる水を留めし少年・アオト

 アオトは小学6年生の時、両親を殺害したと言われている。親殺しの罪を背負った彼は、世界の交わりを止めるために聖なる入口<ディバインゲート>を目指す。

『ディバインゲート』

 アーサーは、扉を探すアオトに可能性を見出し、刀型ドライバ“ワダツミ”を授けたのだった。

●“Early Days:始まる水”より

 少年は真実を拒み続けていた。ディバインゲートが見えたという事実さえも。だが、そんな少年に気がついた男がいた。そして水の少年は刀型ドライバ【ワダツミ】を受けとる覚悟を決めたとき、ディバインゲートを目指す長い旅路が始まるのだった。

 数多の戦いを経た刀士アオトのドライバは、ワダツミ:弐式へと進化する。それは“水”を留める者として、聖なる出口<ディバインゲート>を目指す者としての願いの表れでもあった。

『ディバインゲート』

アオトを狙う死刑執行人学園のアイスブランド

 学園長リイナが管理している死刑執行学園は、魔界にある魔物のための教育機関。そもそもは剣学部(フレイムタンアイスブランドウィンドピアライトブレードダークサイズムミョウガタナ)、弓学部、槍学部、斧学部があり、のちに薬学部(薬学部特別顧問スパジロー、OBである水聖人ヨハン)、銃学部(フレイミングブルアクアプスウィンドベクターライトイーグルダークスパスノーンマラティオ)が追加された。

 このうち、アイスブランドは三等悪魔への昇格の際に青い瞳をした罪人(アオト)を取り逃がしてしまい、その後も何度もアオトの命を狙った。

『ディバインゲート』

 ちなみに、氷刑者アイスブランドが二等悪魔に昇格するころには、アオトは罪人ではなくなっていたため、アオトを追うことをやめた。

『ディバインゲート』

アオトの好物はサバ

 アオトぼんのプロフィールでは、アオトのサバへのこだわりが尋常ではないことが語られている。クールだが少し天然なところがあり、アオトらしい一面と言えるだろう。

●“アオトぼん”のプロフィール

 アオトぼんはクールだぼん。だけど、ちょっと天然なところがあるぼん。サバが好きらしいぼん。刀型ドライバで綺麗に捌いてみせるぼん。サバへのこだわりが尋常じゃないぼん。サバにはオメガ3脂肪酸が豊富に含まれているぼん。だから、きっとアオトぼんは不健康そうにみえて、健康第一に決まっているんだぼーん。

【キャラクターチェック】水咎刀士アオト編

『ディバインゲート』
▲水咎刀士アオト。

●高野メモ

 アオトもアカネ同様に、最初にサンプルで書いてもらったキャラの服装などを調整して作りました。青系のクールキャラですね。

 アオトって、僕の中ではクールというよりも、見た目のせいでクールに見える、みたいな印象が強くて、中身は優しいお兄ちゃんの印象を持っていました。

 再醒進化のときも、ウンディーネが優しくアオトを優しく包み込みながら、アオトもウンディーネを守っている、そんなふたりの関係が素敵に描かれたデザインになったと思います。

●デザイナーコメント(イチノセ セノイチさん)

 最初のサンプルは男女1人ずつの予定だったのですが、ぼくの好みもあり、何故か男の子を2人描いてご提出させていただきました。後悔はしていません。

 自分の好みに素直になりすぎ、主人公としてのパンチはどうかと考えた時、脳内ゲートに降臨したのがアカネでした。なので、ぼくの中ではアオトは色気担当でした。ただ、結局アカネも色っぽくはだけましたが(笑)。

 再醒は、ウンディーネとの関係性を最も尊重して考え、デザインさせていただきました。

[2]天界での水の試練

 天界に向かったアオトは、ウンディーネから、第二監獄コバルトでフロッティと戦う試練に挑む。

 この試練を突破した水刀士アオトのドライバは、ワダツミ:参式へと進化を遂げた。そして、ウンディーネに仕えるマーメイドも、アオトの旅の仲間にくわわった。

『ディバインゲート』

●“第二監獄コバルト”より

 監獄を視察しに訪れた主人とはぐれてしまったのは1人の水の妖精。清らかな青い髪に、黒いメイド服は囚人達の注目の的となり、恥ずかしさのあまり、歩くことすらままならなかった。動揺したその心が引き起こした勘違いは、敵となり襲いかかる。

 ウンディーネの試練はさらに続く。常界にある竜宮郷<ニライカナイ>での第二の試練では、水面に映し出された自らの罪の意識と向き合うことが課題となる。

●“水精王ウンディーネ”のプロフィール

 竜宮郷<ニライカナイ>へと、それは、水を留めた少年との出会いを経て。母なる青き海に包まれた孤島、水と水の共鳴<リンク>は、全てを洗い流すのではなく、全てを受け入れ、そして留める力となり、彼女を水精王へと生まれ変わらせた。彼と彼女は歩き出す、波にさらわれぬよう、砂浜にふたりの名前を残して。

 アオトが見た水面に映し出されたのは、死んだ両親。彼はその罪を洗い流すのではなく、受け入れ、留めることを選んだ。

 この試練を乗り越えた流水刀士アオトのドライバはワダツミ:マブイへと進化し、アオトとリンクした水精王ウンディーネもまた、新たな力を手に入れるのだった。

『ディバインゲート』

【キャラクターチェック】水精王ウンディーネ編

『ディバインゲート』
▲水精王ウンディーネ。

●高野メモ

 イフリートがアラビアンなら、ウンディーネは水兵さんかな? と発注をしました。デッキシューズを履いていたり、カンカン帽子だったり、マリンストライプだったり、マリンルックのかわいさを詰めて発注しました。

 最初の人気投票では1位だったのですが、まさかそんなに人気が出るキャラになるとは思っていなかったのが正直なところですね(笑)。

●デザイナーコメント(UCMMさん)

 まだ『ディバゲ』テイストに慣れていなかったのがあり、ウンディーネの髪の黒ベタを3、4回リテイクで入れなおした記憶があります。自分も描いた当時、そこまでお気に入りという感じではなかったのですが、ストーリーの活躍をみたり、ユーザーさんからの人気なども受けたりして、とてもお気に入りになっていったキャラですね。

 おかげで自分が『ディバゲ』のキャラデザをしていく上でとても自信がつきました。

[3]ブルーノの襲撃と蒼のクリスマス

 水の試練を終えたアオトは、アーサーの部下である円卓の騎士の1人であるブルーノの襲撃を受ける。

『ディバインゲート』

 ブルーノは“蒼のクリスマス”と呼ばれる事件で父を殺されており、その仇である“金髪、碧眼、水使い”を探していたのだった。アオトを父の仇だと思い込み、襲いかかった聖銃士ブルーノだが、後にその場に真犯人が現れたことで、その誤解は解かれることとなる。

●“聖銃士ブルーノ”のプロフィール

 幾つもの噂を抜け、辿り着いた親殺しの罪を負いし男との対峙。だけど、その男に見覚えはなかった。2年前のクリスマス、自分の目の前で父を引き裂いたのは、金髪、碧眼、そして水を操りし義口型ドライバ。やりきれない想いに溢れ出した焦燥、聖銃士ブルーノは【マラディザンド:リボルブ】を片手に崩れ落ちた。

 ブルーノの目の前で父を殺したのは、金髪、碧眼、そして水を操る義口型ドライバを付けた男だった。

『ディバインゲート』

 そんな矢先、ブルーノにとって真の父の仇となる水才シュレディンガーが、自ら開発した第五世代自律兵器型ドライバであるサミダレとともに現れる。

 アオトとブルーノは共同戦線を張り、シュレディンガーたちを撃退。戦いに負けたサミダレはエレメンツハートが稼働し、再起動<リブート>されたサミダレ:マブイは「どうぞ、ご命令を」と、アオトの仲間になるのだった。

『ディバインゲート』

●“自律の鼓動II”より

 残されていた開発過程の記憶、自分の名前らしき言葉を呼び続ける声。いや、正確には声ではなくタイピングであり、プログラムだった。そして、ありふれた例外による誤算により遂げられた再起動<リブート>は、初恋の果ての純愛を予感させた。

シュレディンガーの初恋

 猫背であるが故にシュレディンガーと呼ばれた天才は、「言葉を発することに意味はあるのか。所詮、他人同士が通じ合うことなど出来やしないのに」と、義口型ドライバ“ディラック”で口をふさいでいる。

 そんな彼が、言葉を超越した交流を覚えた初恋は、クリスマスの夜に大量虐殺を行ったアリトンとの邂逅だった。シュレディンガーはアリトンが双子であることを知らず、その兄であるアオトを追い求めていた。

『ディバインゲート』

 シュレディンガーがアリトンと楽しく戦ったことで被害は増大し、このクリスマスの夜にはブルーノの父を含めて666人の命が失われ、“蒼のクリスマス”と呼ばれる大惨事となった。

 シュレディンガーは事件の犯人として一度は逮捕されたが、世界評議会は彼の頭脳に注目し、聖暦の天才の1人として迎えた。

 ちなみにシュレディンガーはアオト&ブルーノとの交戦後、さらなる虐殺を望み、極彩監獄へと収監されていた重罪人ジャックに爪型ドライバ“リッパー”を贈った。

[4]アオトの旅に加わる仲間たち

 ウンディーネの幼なじみであり、よきライバルでもあるオノノコマチ。彼女はアオトを振り向かせようと色仕掛けを仕掛けるが、残念ながら効果はなかった。

『ディバインゲート』

●“水の美女オノノコマチ”のプロフィール

 幼馴染でもあり、また良きライバルでもある水の大精霊と、一人の水を留めた少年をかけた勝負が始まった。どちらが先に、彼を振り向かせることが出来るのか。幼さの残る笑顔か、それとも大人の色気香る微笑か。当の少年の嫌そうな顔は、水の美女オノノコマチにとって、今となってはご褒美の様に感じるのであった。

 オノノコマチは少しでもアオトの力になればと、自分のかわりにベロニカをアオトの旅に同行させる。

『ディバインゲート』

 一方そのころ、シュレディンガーの研究所に捕らわれていたルリが、シュレディンガーの失踪の隙をついて脱走。ウンディーネへと助けを求めにやって来た。

『ディバインゲート』

●“水拘獣ルリ”のプロフィール

 それでも僕は初恋を追い求めるよ、そんな走り書きを残して失踪した天才の職務放棄により解放された水拘獣ルリは命からがら逃げ出した。助けを求めたのは水を司る大精霊、だけどその隣りには、見覚えのある姿が。二年前、聖なる夜、あなたをあの場所で見たわ。唯一の目撃者は、水を宿した少年へ、敵意を向けた。

 蒼のクリスマスの目撃者であり、生存者であったルリは、アオトをアリトンと勘違いして敵意を向けたが、すぐに誤解が解けて、アオトの仲間になった。

浴室の美女たち

 水の美女オノノコマチは天界で“浴室の美女”と呼ばれる存在で、炎の美女ヘレネ風の美女ヨウキヒ光の美女カタリナ闇の美女クレオパトラ無の美女エリザベートが所属している。

 彼女たちは魔界の“六色の女王”(赤の女王アカズキン青の女王アリス緑の女王イバラ黄の女王シンデレラ紫の女王カグヤ白の女王シラユキ)と因縁があり、のちに行われる聖戦では、互いに将として交戦した者たちも多い。その戦いは第四章“聖戦”で詳しく描かれる。

アオトからの恩返し

 どちらかといえば無愛想なアオトだが、ホワイトデーには水精王(ウンディーネ)、水の美女(オノノコマチ)、花の妖精(ベロニカ)、水の自律兵器(サミダレ)、水の獣(ルリ)へとお返しのケーキを買っている。

 こういった優しさこそ、アオトを多くの女性から好意を持たれる天然のモテ男たらしめているのかもしれない。もっとも、不穏な空気が漂うほど周りを気にしなかったため、ウンディーネからケアをうながされたという部分もあった。

『ディバインゲート』

●“コドラケーキ”のプロフィール

 最近、なぜか周囲がざわついている。少年は不穏な空気に警戒をしていた。乙女心に気付かないフリするなんて、やっぱりあなたは嫌な男ね。水を留めた心にトゲが深く突き刺さる。いいからケーキでも買って来なさいよ。言われるがままに洋菓子店へと足を運んだ少年は気が付き、そして、コドラケーキを5つ注文した。

『ディバインゲート』

●“ドラケーキ”のプロフィール

 購入した時から姿を変えていたことにも気付かず、配られた4つのケーキ。それは水精王、水の美女、花の妖精、水の自律兵器へと。そして最後の一つは、水の獣へと。えっ、私の分もあるの。予想外の展開に、驚きを隠せず頬を染める少女。この時、もう直ぐドラケーキが暴れ出すことなど、知る由もなかった。

[5]北欧神・シグルズとの死闘

 アオトの前に、竜王であるノアの部下であるアルカラが試練のために現れる。

 水番人アルカラはアオトの力を認め、夢幻駅から発車する聖なる扉行きの夜汽車に乗せる。その車中でアルカラは「そうそう、アンタの弟(アリトン)も聖なる扉へ向かってるべ」と、アオトに告げたのだった。

『ディバインゲート』

●“水番人アルカラ”のプロフィール

 アンタ、つえーな。【ドス:レティーロ】を解いたアルカラは少年達を夜汽車へ乗せた。揺れる景色、向かうは聖なる扉。そして車中、彼は少年へと扉付近で起きている出来事を伝える。それぞれが、それぞれの目的の為に、起き続けている悲劇を。そして、言葉は続く。そうそう、アンタの弟も聖なる扉へ向かってるべ。

 こうして聖なる扉へと到着したアオトだが、扉はすでに聖王アーサーによって閉ざされていた。

 そこに、ロキの命を受けた風戯者シェイクスピアによって綴られたハムレットがアオトたちに襲いかかる。

 「そんなに女を連れて、いいご身分なこった」。闇戯精ハムレットの衝撃波はアオトの仲間たちを吹き飛ばす。

『ディバインゲート』

 「女共の前で負ける気分はどうだい」。アオトが手にしていた刃がはじかれ、首元にハムレットの刃が突きつけられる。その時、3つ目の刃がハムレットを貫いた。

 「久しぶりだね、兄さん」。苦戦するアオトの前に現れたのは、双子の弟である西魔王アリトン。その瞳は濁っており、ハムレットに続いて水精王ウンディーネも切り裂くのだった。

『ディバインゲート』

●“西魔王アリトン”のプロフィール

 水の刃が切り裂いたのは、水を留めし少年をずっと見守って来た精霊だった。止めどなく溢れる水。もう、私がいなくても大丈夫だよね。最後の力を振り絞ってまで守りたかった少年は、水へと還る精霊を、一人の女性として抱きしめた。兄さん、僕たちは行くんだ、完全世界へ。西魔王アリトンは傷跡だけを残し消えた。

●“黄昏の審判:水の軌跡”より

 再会した弟、少年は殺されることを願っていたのかもしれない。だが、そんなことは周りの誰一人も願ってはいなかった。最愛の女性を失い、初めて気付いた事実、自分はいつも、生かされてきたのだと。そして少年は、初めて生きようとしたのだった。

 アリトンはその場を去り、アオトは仲間を失った悲しみにくれる。そんなアオトたちに、道化竜オズによって召喚された北欧神のシグルズが襲いかかる。

 フロッティ:プロトが姿を変えた神刃型ドライバ“フロッティ”を持つ水神シグルズは、貝(マーメイド)、妖精(ルリ)、花(ベロニカ)、六本の刃(サミダレ)を倒し、水を留めた少年(アオト)はすべてをなくしてしまった。

『ディバインゲート』

●“水神シグルズ”のプロフィール

 やめてくれ。大切にしていた貝は砕かれた。やめてくれよ。主人を失くした妖精は羽をもがれた。やめろってば。散りゆく明るき花。やめろって言ってるだろ。折られた六本の刃。もう、やめてくれ、お願いだ。水を留めた少年は、全てを失くした。アタシに本気を見せてみなさいよ。水神シグルズは悪戯に笑ってみせた。

 「やっぱり、私がいないと駄目みたいだね」。心に留めた水から聞こえたウンディーネの声。アオトは彼女と同化して水咎刀士アオトへと成長を果たすのだった。

『ディバインゲート』

●“黄昏の審判:水の軌跡”より

 傷つき倒れる仲間達、最後に一人残された少年。無我夢中に振るう刃、失われた落ち着き。そんな時、心に留めた水から聞こえた声。やっぱり、私がいないと駄目みたいだね。優しき水は少年を優しく抱きしめ、そして、少年は最愛の女性を抱きしめた。

 一方その頃、自らが召喚した北欧神の風神ヘズが、自分の愛する家族である道化嬢ドロシーの命を奪ってしまったことに絶望した道化竜オズは、自分の魔力を犠牲にして北欧神の力を改変。アカネやアオトたちに未来を託す。

 改変によって弱体化したシグルズを倒したアオトは、観測者クロノス天上獣グリュプスによって、神に抗う塔へと導かれる。

アオトの本名と、両親殺しの真実

 アオトという名前は、本来はアリトンのものだった。アオトを名乗る少年の本名は、アオイという。双子の兄であるアオイ(のちのアオト)と、その弟であるアオト(のちのアリトン)は、もともと仲がよい兄弟だった。

●“謹賀新年III”より

 二人の少年は粉雪降る空を見上げていた。お兄ちゃん、二人で初詣に行こうよ。それは年が変わった瞬間の出来事。ほら、きっと美味しい食べ物とかいっぱい売っているよ。楽しそうな弟の笑顔を見て、刀士は幼いながらに、守ることを誓ったのだった。

 そんな彼らの両親は、幼いころから出来のよい弟アオト(のちのアリトン)を優遇し、出来の悪い兄アオイ(のちのアオト)を虐待していた。そして、小学6年生のある日、悲劇が起こる。兄を救うため、アオト(のちのアリトン)は両親を殺して、姿を消してしまった。

 残されたアオイは、弟が犯した親殺しの罪を背負おうと、弟の名前である“アオト”を名乗り始めるのだった。

『ディバインゲート』

●“アオト:幼少期”のプロフィール

 少年は理解していた。両親の歪んだ愛を。自ら選んだ出来損ないの道。だが、少年の心はその状況に耐えることなど出来るわけもなかった。噛み締める唇。だけど、これで弟は救われる。だが、すれ違う想い。弟が罪を犯したとき、少年は弟の名前であるアオトを名乗ったのだった。これは、僕が背負うべき罪なんだから。

 なお、のちに2人が再会した際に、2人はともに演技をしていたことと、両親の愛は歪んでいても愛であったことを知る。アオイ(アオト)は両親から弟のアオト(アリトン)を守るため、あえて自ら“出来損ないの道”を選んでいたのだった。

●“完全なる落日:アオトII”より

  会いたかったよ、兄さん。隠し通路を抜けた先に待っていたのはアオトの血を分けた弟、西魔王だった。語られる真実。出来の悪いフリをしていた兄と、出来の良いフリをしていた弟。もう、僕に残された時間は少ない。だから、最後に決着をつけよう。

[6]扉の君との最終決戦

 グリュプスによって塔へと導かれたアオトは、そこでアカネ、ミドリ、ギンジと合流。ロキの再創<リメイク>を阻止するために扉の君:完全体と戦い、勝利する。

●“黄昏の審判:水の軌跡”より

 神へと抗う最上階、再会した四人の少年少女。少年は傷ついた三人を癒し、また、その行為に言葉は必要なかった。僕たちは、生きるんだ。あぁ、そのつもりだ。うん、もちろんよ。おう、ったりめーよ。鞘から抜かれた刀、それが総攻撃の合図だった。

 クロノスは扉の君を刻の狭間に封印し、これによって“黄昏の審判”は終結を迎えたのだった。

●“黄昏の審判:水の軌跡”より

 戦いは終わり、少年は黄昏の審判を引き起こした戦犯の一人として追われることとなった。すれ違ってしまった二人の友達、罪を重ね続ける弟、そんな三人の為、再び降り出した雨の中、少年はその身を戦いに投じるのだった。いつか、晴れますように。

グリモア教団に身を寄せたシュレディンガー

 アオト&ブルーノとの戦いののち、水才シュレディンガーは「それでも僕は初恋を追い求めるよ」と書き残し、世界評議会を去った。

●“氷水研アモルフォス”より

 起動実験レポートAに記載されていたのは水の力により活動をする自立型ドライバ達の開発経緯から、経過報告まで、その全てだった。走り書きのそのレポートの最後、それでも僕は初恋を追い求めるよ、そんな一言が添えられていた。

 その後、絶海の孤島でグリモア教団の六波羅に所属する水波神サフェスの誘いを受け、シュレディンガーは教団に身を寄せることに。

『ディバインゲート』

●“水波神サフェス”のプロフィール

 久しぶりだね。向き合った二人の男。一人は布で口元を隠し、一人はドライバで口元を隠していた。君は神に裏切られ、そして捨てられたんだよ。舞台は絶海の孤島。君が追いかけた初恋の続きをしようか、君の居場所はそこじゃない。続く言葉。さぁ、共に完全世界を目指そう。水波神サフェスは水才へと手を伸ばした。

 彼の本当の初恋の相手(?)であるアリトンもまた、グリモア教団の四大魔王の1人。彼らが出会った際に何が起こるのかは、第二章“完全なる落日/黄金の夜明け”で語られることになる。

【キャラクターチェック】水才シュレディンガー(堕水才シュレディンガー)編

『ディバインゲート』
▲水才シュレディンガー。
『ディバインゲート』
▲堕水才シュレディンガー。

●高野メモ

 マスクの天才シュレディンガーです。シュレディンガーといえば“初恋”がキーワードかと思うのですが、僕が直接文章を書くときは、一貫してダブルミーニングで“初恋”という言葉を使ってきたつもりです。

 だからこそ、シュレデンガーの本当の“初恋”とはいったいなんなのでしょうか? その答えは墓場に持っていくので、解釈は委ねます!

●デザイナーコメント(イチノセ セノイチさん)

 シュレとヘンペルは再醒で表現したかった演出が概ね出来たキャラクターです。現在ではUCMMさんの自然光と環境光を程よく使った演出が、他コンテンツと比べても『ディバゲ』らしさとして一番しっくりくる感じがします。

 要素ごとのベタや描き込み密度をコントロールして、キャラのシルエットが浮かび上がるように工夫をしました。教団のローブを元に、難解な彼の恋心を複雑なレイヤードファッションで見せたり見せなかったりしています。一番ぼくの好みが出ているキャラクターだと思います。

【第一章“黄昏の審判(ミドリ編)”は3月25日(土)夕方ごろに公開予定です】

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