2017年2月24日(金)
【電撃PS】TVドラマ『FF14 光のお父さん』会見レポ! 原作者・マイディーさんインタビューも
2月23日(木)、スクウェア・エニックス社内にて、4月(MBSは17日0時50分~、TBSは19日1時28分~)より放送開始となるTVドラマ『ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』の記者会見が行われた。
今回は、出演者や監督、本作のプロデューサー兼ディレクターも登壇した会見の様子をお伝えするとともに、会見後に有志を募って行われた、『ファイナルファンタジーXIV(以下、FFXIV)』ゲーム内での原作者インタビューについても触れていく。
光のお父さん。
『FFXIV』プレイヤーの多くが知る、1つの物語があります。
仕事ばかりで親しく接してこなかった、60歳になるゲーム好きの父。
そんな父に自身のプレイするオンラインRPG『FFXIV』を贈り、
自分が息子であることを隠したまま、フレンドとしてゲーム内で攻略をサポートする――
いずれ正体を明かすことを前提とした
現実とゲームを行き来しながらのささやかな親孝行の物語は、
『FFXIV』のプレイヤーのみならず、多くの人々の注目を集めました――。
この春、そんな“光のお父さん”がついに実写ドラマ化されます。本日行われた発表会には、主演の千葉雄大さん、馬場ふみかさん、実写パート監督の野口照夫さん、ゲームパート監督の山本清史さん、『FFXIV』プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹さん、ゲームパートで息子が扮するキャラクター・マイディーのセリフを担当する声優の南條愛乃さん、エンディングテーマを歌うユニット・サイレントサイレンの面々などが出席し、アナウンサーの質問に答える形での挨拶・会見を行いました。
以下ではそれらの様子をお伝えします。既報も含め、本ドラマの出演・スタッフ、音楽は下記のとおり(敬称略)。
◆出演
千葉雄大……稲葉光生 役
大杉 漣……稲葉博太郎 役
馬場ふみか……正田陽子 役
袴田吉彦……袴田貴弘 役
長谷川初範……大野肇 役
石野真子……稲葉貴美子 役
◆声の出演
南條愛乃……マイディー 役
寿美菜子……あるちゃん 役
悠木碧……きりんちゃん 役
◆スタッフ
監督(現実パート)……野口照夫
監督(ゲームパート)……山本清史
脚本……吹原幸太
◆音楽
オープニングテーマ曲……GLAY『the Other end of the globe』
エンディングテーマ曲……SILENT SIREN『AKANE』
挿入歌……meg『Jacarandaの花のように』
出演者・関係者の方々に聞く、本ドラマの色――
──本作は実写部分と、ゲーム画面を織り交ぜた構成となっております。演じるにあたって、千葉さん、ほかの作品と比べて苦労した点などはございましたか?
千葉雄大さん(以下、敬称略):僕たちが演じるパートの監督とは別にゲームパートの監督もいらっしゃいまして、演出された画面を見ながら僕たちがお芝居をするのですが、それは本当に初めての経験だったので、なかなか勝手がわからない部分もありました。でも、それぞれのゲームキャラクターがとても暖かくて……とくに大杉 漣さん演じる“お父さん”が、画面から温度を感じる演技をなさっていたので……すごくやりやすかったです。
──馬場さん、ヒロインとしての手ごたえはいかがでしたか?
馬場ふみかさん(以下、敬称略):すごく現場がアットホームでなごやかな雰囲気でやらせていただいたので、撮影中はすごく楽しくお芝居させていただきましたし、みなさんに助けられて演じることができたと思っています。
──お2人から謙虚な答えをいただきましたが、監督、お2人の演技の印象はいかがでしたでしょうか?
野口照夫さん(以下、敬称略):馬場さんは……肚が据わっているというか、堂々としていて……自然体な演技をする方だなといった印象でした。千葉くんに関しては、1つ1つのシーンについてやほかのキャラクターについてもすごく真剣に考えてくれて。監督としてはとても楽をさせてもらえるというか、非常にありがたい役者さんでしたね。頭も非常にいいですし。お2人ともすばらしかったです。
──お父さん役の大杉 漣さんは本日お仕事の都合で会場に来られなかったのですが、映像でコメントをいただいております。
大杉 漣さん(以下、敬称略):こんにちは。俳優の大杉 漣です。千葉くん、元気にしてる? いよいよ“光のお父さん”始まりますね。お母さん役が石野真子さん。撮影はタイトでしたけれど、本当にいい家族だったと思います。
僕は普段そんなにゲームに親しみがあるわけではなかったのですが、今回“光のお父さん”を演らせていただいて、ゲームがゲームの中だけではなく、それを超えて心と心がつながるといいますか……それを受けて僕たち親子の姿がどんどん変化していくという印象を受けました。
お父さん再生計画といった形でしたけれど、むしろ家族そのものが本当に大きく再生していくというか。僕は今回この作品を演らせていただくなかで、非常にいろんなことを考えました。
千葉くんとも初めて共演させていただいて、千葉くんが持っている柔らかさと力強さみたいなものも感じました。彼は非常に優しい顔をしていて、すごく素敵だなと思っているのですが、そのなかにも力強さはいつも感じておりました。今回、(父、母、子の)三者三様のなかで、いい家族のバランスができたんじゃないかなと。
これは深夜に放送されるドラマですが、本当に心に届くドラマになっていると思います。スタッフとキャストが一丸となって、このドラマに向き合って戦った日々があります。その作品を、僕は1人でも多くの人に見てもらいたいなと思います。オープニング曲はGLAYさんが歌い、エンディング曲はサイレントサイレン、そしてゲーム内のマイディーの声は南條愛乃さんがやられるという。なんだかいろんなところで“光のお父さん”が広がっている感じがしまして、僕自身もすごく嬉しいですし、放送もすごく楽しみにしています。
『FFXIV』のゲーム画面がそのままドラマに
本ドラマの大きな注目点としてあげられるのが、実写パートとは別に、『FFXIV』のゲームパートも存在していること。ゲームパートはCG処理をいっさい使わず、『FFXIV』のゲーム内で、ゲームパート担当・山本清史監督の指示のもと、実際にプレイヤーキャラクターに演技をさせることで撮影しています。
天候や時刻が狙い通りのものになるのを待ち、現実と同じようにロケハンをし、グループポーズや景観カメラの機能を用いて撮っているとのこと。
山本監督のこだわりとしては、印象的なシーンではカメラモードで被写界深度を細かく設定し、焦点のあった部分はハッキリと、焦点からズレているところはぼけたふうに映るようにしているのだとか。
これは特殊なツールを使っているわけではなく、『FFXIV』内に通常備わっている機能だけで撮影しているので、実際にゲームで見たままの世界が、そのままドラマに登場することになるわけです。
さらに今回の“光のお父さん”では、そのゲーム映像に、声優さんたちによって声が吹きこまれます。会見ではマイディーさん役の声を担当する南條愛乃さんと、『FFXIV』プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹さんが登場し、本作に抱く想いを語ってくれました。
──南條さんは、心は千葉雄大さん演じる稲葉光生で、外側はマイディーというキャラクターを演じられるわけですね
南條愛乃さん(以下、敬称略):そうですね。とはいえ、マイディーさんは自分が男性ということを隠さずプレイされていますし、一人称も“僕”だったりしますので、変に女性っぽく演じようというよりは、千葉さんの演じられている光生の気持ちのままで、中性的な……女性の姿ではあるけれども、男性にも女性にもとれるような演じ方ができればと思ってやっていました。
──吉田さん、たずさわったゲームがドラマ化されたということで、感想はいかがですか?
吉田直樹さん(以下、敬称略):自分のかかわっている作品がドラマ化されること自体はもちろん嬉しいです。オンラインゲームは世界中で数千万人のプレイヤーがいるエンターテイメントなのですが、日本だとじつはまだそこまでメジャーではないと思っています。
今回それがドラマ化されるということで、1人でお多くの方が、『FFXIV』じゃなくてもオンラインゲームを始めるきっかけとなればいいなと思っています。とくに今回はプレイヤーの実話がもとになっているドラマですので、これは現実に起こり得ることです。
オンラインゲームの中で知り合った2人が結婚するっていう事例も珍しいことではなく、日常起きていることなので、そういったオンラインゲームの可能性みたいなものが、このドラマを通して広がっていくとすごく嬉しいです。
出演者のみなさんにも監督にも、オンラインゲームの可能性というところをこのドラマで示したいって現場で言ってもらえているので、そのへんぜひご覧いただければと思います。
オープニングはGLAYの『the other end of the globe』。会見には、GLAYのTERUさんから「ファイナルファンタジーは大好きなシリーズなので、そのスケール感をGLAYサイドで表現するために、今までにないサウンド作りを心がけていますので、ひと味違った音に仕上がったと思います。光のお父さんのさまざまなシーンを、この1曲がダイナミックに盛り上げてくれることを期待しています」とのメッセージが届いていました。
▲エンディングテーマを歌うサイレントサイレンのメンバーさんたち。メンバーそれぞれが原作ブログや脚本を読み込み、世界観にぴったりの楽曲『AKANE』を書き下ろしてくれたのだとか。 |
史上初! 『FFXIV』ゲーム内記者会見
さらに今回のイベントには、『FFXIV』のゲーム内ハウジングエリアに原作者のマイディーさんや映像制作協力者の方々(FC“じょびネッツア”のみなさん)、野口・山本両監督や吉田直樹P/Dのキャラクターが集い、史上初となる、ゲーム画面を介しての記者会見・質疑応答も行われました。
上の写真がゲーム内会見の様子。マイディーさんはチャットで挨拶しています。背後に並んでいるのがFCじょびネッツアの面々、正面左から2番目がご存知マイディーさん、一番左側が山本監督、右端が脚本の吹原さん、そして右から2番目が、異邦の詩人に扮した吉田P/Dのキャラクターです。
──ゲームパートの制作期間はどのくらいありましたか?
山本清史監督(以下、敬称略):実質約2カ月ですね。実写のほうが10月頭から撮影しまして、そのなかで使うゲーム画面というのがまず必要なんですね。それがない間はドラマの撮影がほぼ不可能ということで、じょびネッツアのみなさんに撮影してもらいました。それが終わって、10月後半くらいから僕がぼちぼち実景を撮り始めて……全員合流したのが11月の頭くらいからですね。
──マイディーさんに質問です。書かれたブログがドラマになったわけですが、今の気持ちをお聞かせください
マイディーさん(以下、敬称略):ブロガーとして、オンラインゲーマーとして、このような冒険ができたのはとても嬉しいですし、仲間と一緒に歩いて来られたのも嬉しいです。
──吉田P/Dに質問ですが、今回のドラマ化でゲームの可能性がまた広がったと思うのですが、ドラマ化を受けて、ゲーム内でこういうものを実装したいというものはありますか?
吉田:今回のドラマは、どちらかというとすでに『FFXIV』の世界にある機能をフル活用して、かつ、僕ら開発者ですら想像もつかないような使い方をしていただいて、さらに僕らに協力を依頼してくれればゲーム内の天候とか時間って変えられるんですけど、「いらないです」と。
「実際にゲームの中で晴れ待ちをします」とか、「今日はもうここで撮影できないので、別のロケーションを撮影しましょう」とか“ゲームでドラマを作る”ということを本当にやってくださっているので、それ以上の機能を僕らが足すというよりは、現実に起こったドラマのようなエピソードがたくさん生まれるように、これからもエオルゼアという世界をテーマパークのように拡大し続けるというのが、何より僕らがやらなきゃいけないことかなと改めて思っています。
──今、言ってもらえれば天候とか変えられますとおっしゃっていましたが……
吉田:いや、僕はちゃんと言ったんですよ?(笑)
山本:この企画はオンラインゲームの可能性にチャレンジするというのが、私が監督をやるうえで大事なことだし、現実のドラマの価値でもあると思うんですよ。
これがスクウェア・エニックスさんの協力を得たうえでやってしまうと、僕がいちユーザーだったなら「いや、スクウェア・エニックスさんには映像を作る事業部があるじゃないか。そこでやればいいじゃないか」って思っちゃうんですよ。
ユーザーと一緒に同じ環境で世界を撮影するっていうところにこだわっているからこそ共感を得られると思うし、何より「俺らスゲエだろ」って言いたかったんですよ(笑)。「やれるもんならやってみろ!」と。
そして、「ほかにこういうことやれる人がいるならぜひ一緒にやりましょうよ」っていうのが監督としての冒険の1つではありましたね。なので、吉田さんからありがたい言葉をいただきましたけど、「やらせてください」と。
エオルゼアにはいろいろな人がいて、そこには生活があるわけですよ。なのでリアルな生活と一緒にオンラインゲームの生活というのがあって、リアルな撮影と同じなんですよね。エオルゼアで撮影するというのは、リアルと一緒にしなければ撮影とは言えないというのが僕のこだわりです。
吉田:実際、監督の演出は監督にしかできないと思いますけど、本当にこれ、事実僕らのサポートの手を振り払ってご自身のアイデアと創意工夫で撮影なさったので、ぜひ見てみてほしいと思います。
──吉田さんに質問なのですが、そもそもこの企画を持ち込まれたときの率直な印象と、ゴーを出した決め手を教えてください
吉田:そもそも僕はこのブログを第1話から見ていたんですが、最初にこの企画を持ち込まれたときは、「ずいぶんハードルの高いことをしようとしてるんだなあ」という印象でした。
テレビドラマというのは、エンタメとしてかなりハードルが高い。とくにゲームを扱ったものというと、どうしてもまだまだ映像や音楽と比べると格が低いという印象を持たれがちです。
そこに、いち個人のゲーマーのブログを題材としてドラマ化する……「ああ、どうぞ! やれるなら、ぜひどうぞ!」と。僕も誰か映像化してくれないかなと思いながらブログを読んでいたので、やれるんだったらどうぞ。その代わり、どこまで本気なのかを見せていただいたうえで、本気なんであれば全力でサポートさせていただければと思っていました。
そして中盤くらいに「ああ、この人たちは儲けたいとかじゃないんだな。ただ純粋におもしろいものを映像作品にしたいんだな」というのを感じたので……。そしてまた、話を聞いていると、誰も「できない」と思っていないんですよね。ならばやれるところまでやりましょうって言ってたら、とんでもないパイロット映像が出てきたりですね。我々の想像を超えるようなことをみなさんやり始めていたので……。
『FFXIV』もわりとめちゃくちゃなスピードで開発を続けてめちゃくちゃなスピードでアップデートをするタイトルなのですが、この“光のお父さん”もまさにものすごいスピード・ものすごいクオリティで尋常じゃないドラマに仕上がっているので、これもある意味『FFXIV』らしいのかなと思っています。
──ひとことずつで結構ですので、実際に出来上がったドラマの映像を見られた感想をお聞かせください
山本:自分で作っておいてなんなんですが、正直びっくりしたんですよね。野口さんがリアルパートを撮られていて、ゲーム画面とリアルとのシームレスな連携ってうまくいくのかなあと思っていたんです。
ところが編集してみると、お互いの目指しているものが一致しているからかまったく違和感がなくて、何とも言えない一体感があるんですよね。それがすごくいい意味で破天荒なドラマになっていて、まさか自分で作ったドラマで涙することになるとは思わなかった。
吹原幸太さん(以下、敬称略):今回のゲームパートの脚本って、書いたことのないト書きをたくさん書くんですよ。タイタンのこの攻撃をギリギリでかわして技を決め倒す、とか。ロード・オブ・ザ・リングの脚本家しか書かないような(笑)。
それができあがったときにちゃんとそうなっているという感動はすごかったですね。しかも全然違和感なく。ゲーム画面なんですけど、CGアニメに匹敵するような映像を作ってくださったので……感動しました。
吉田:僕も映像を見たときに、リアルパートで千葉くんがふっとゲームパッドを握ったときにゲーム画面に切り替わって、ゲーム内のメンバーと、南條さんの声のマイディーさんがFCの家の中で会話をしている。
で、家の中でお父さんと話していて、現実的な何かに気づくとふっとリアルパートになる。そしてまたゲームに戻るみたいな……そのシームレスさはちょっと言葉では説明しにくいですけれど、それくらい今までに見たことのない映像体験に仕上がっているというのが、僕も作り手なのでちょっと悔しかったりします。
自分で作っているゲームが半分を占めている作品なのに、「ああ、こういうことができるゲームなんだな」って。映像作品いろいろ見てきてますけれど、それくらい衝撃的な仕上がりになっているので、ドラマ性とか脚本の部分も含めて、こんなに難度の高いことをやってるんだなというところをぜひご覧になってほしいですね。そこに一番驚いたので。
マイディー:自分の芝居のアラばっかり見えて反省の連続でしたねー。
吉田:いや、きみプレイヤーだからね。それ俳優のコメント(笑)。
マイディー:まだまだ練習していけば上達できると思います。見てる時より撮影してるときの方が楽しかったですよ。
──監督に質問です。大変なことも多かったとお聞きしましたが、どのあたりが大変でしたか?
山本:まずは演出の仕方ですね。演出はチャットで行います。会ったことのない方々に文字で演出をすると、もちろん日本語なので通じるんですが、この業界にいると、うっかり使ってしまう言葉というのがありますよね。普通の仕事だと伝わることが伝わらないから、かみ砕いて説明する必要があって。自分で自分の言葉を考えながら演出をする必要があるので、すごく時間がかかるんですよ。
リアルの仕事があるので21時から23時の間にやりましょうってことでやっていたので……演出でチャットしている時間が大半なんですよね(笑)。実際撮れるシーンが少なくてですね。これはヤバいぞ……ってなってから、方法をいろいろ考えながらやりましたね。演出しながら撮影したりとか、演出している間にいい表情していたら撮っておくとか。テストしながら撮っちゃうとか。今までの撮影人生で培ったスキルをフル活用して……まさかここで生かされるとは思わなかったですけど(笑)。
あとは本当に天候ですね。ゲーム内では1日が40分で終わるんですね。朝から晩までやって、夜のシーン撮るのに、だいたい20分ないんですよ。なので朝のうちにリハーサルやって「これはこうです」って言っておいて、いざ夜が来たら雨だったとか(笑)。天気予報見に行ってくださいって言ったら、「次も雨です。その次も雨です。……今日はおしまいだね」とか。あとは撮影しなきゃならない場所に別のプレイヤーがいて、退かない、とか(笑)。非常におもしろかった反面、すごく大変でしたね。
──最後に挨拶をお願いします
山本:第1部で野口監督もおっしゃっていたように、かなり画期的なドラマになっていると思います。僕もいろいろ映像作品を見ましたが、なかなかこういった作品はないなと。とくに深夜ドラマなのにかなりしっかり作っているんですよね。予算のこととか考えたら、ちょっと有り得ないくらいクオリティが高い。
そしてここにかかわっている人が、ある種金銭とかそういうことでなく熱意とか情熱が勝って参加している方がとても多くて。そういうのが画に現れるんだなというのを今回改めて感じました。
そういうのがあるっていうのはまあ監督をやっているのでわかってはいたのですが、こういったゲーム画面にすらそれが現れるんだなっていうのは自分でも驚きでしたので、テレビ画面を通じてみなさんにもそれを見てもらえればなと思います。よろしくお願いいたします。
吹原:オンラインゲームって特別な遊びじゃないと思っていて、すごく簡単なものだと思っているんですよ。僕らの世代だと子どもの頃友達の家に遊びに行って毎日のようにゲームをやっていて、それがすごい楽しくて。
でも大人になったら友達の家に集まったりとかなかなかできませんし、お互い生活もあって、ゲームを始められるのがホントに21時~23時とかになっちゃったりもする。そんなときに、じつはこんなに簡単に友達と集まって昔のようにゲームをやれるってすごいことだなあと。
オンラインゲームを作ってくれた人にいつも感謝しながらゲームを遊んでたんですけれど、こういうことをゲームを通して伝えられたらいいなと思いますし、オンラインゲーム好きな人はもちろん、ちょっとでも興味のある人に見てもらえれば「やってみたい」と思えるような作品ができたと思うので、ぜひ見ていただければと思います。よろしくお願いいたします。
吉田:僕はさきほどのコメントとかぶる部分もあるのですが、やっぱり世界に比べると日本のオンラインゲームの人口って、昔と比べて増えたとはいえさほど多くはない。
どうしてもまだまだ、現実世界のような人とのコミュニケーションは面倒くさいものだったり、怖かったりするから「やらない」という方はまだまだ多いと思うのですが、逆にそういう人との接触があるからこそこういったドラマが現実に生まれて、それを映像化してもっと多くの人にゲームの可能性だったりプレイヤーの可能性だったりを示そうって思っている大の大人がたくさんいるってことをぜひこのドラマを通して知ってもらって、熱量を感じてもらって、「あ、なるほどまずはちょっと触ってみようかな」と思う人が1人でも増えてくれれば、この先もっとオンラインゲームを作ろうとする開発者も増えるだろうし、もっともっと世界と戦えるゲームが日本から出て来ると思います。
そういった可能性を秘めたチャレンジだと思うし、それにふさわしいだけのクオリティになっていると思っていますので、ぜひ1人でも多くの方にこのドラマを楽しんでもらえたらと願っています。本日はありがとうございました。
マイディー:みなさま、はじめまして! 光のお父さん原作者のマイディーです。オンラインゲームの可能性を知ってほしい! その気持ちだけでみんなでがんばって作りました。たくさんの人に見ていただければとても嬉しいです。よろしくお願いします!
──ありがとうございました!
有志のメディアが“じょびハウス”へ! マイディーさん自宅で質問
会見後は、有志のメディア『FFXIV』ゲーム内でFCじょびネッツアの持ち家・通称“じょびハウス”にお邪魔し、マイディーさんたちに質問を浴びせました。ゲーム内での会話なので質問も回答もすべてチャット。ということで、以下ではハウス内で行われた質疑応答の様子を掲載していく。
──ドラマ化が決まったとき、お父様はどのような反応でしたか?
マイディー:それはそれは喜んでおりましたよっ。僕より興奮してたと思います。
──ほめ言葉ですとか、ご褒美はありましたか?
マイディー:ご褒美はまったくないですねw
──そこはクールなのですねw
マイディー:ただ「お前が行きたいと思うところまで行けばいい」と背中を押してくれました
──素晴らしい。ブログの存在を知って、親子の関係性が変わったりはしましたか?
マイディー:変わりました。なんというか僕個人としては隠し事がなくなった感じなので、普通の友人のような関係になれたと思っています。最近は僕よりもきりんちゃんや友達と遊んでいることも多く、食卓ではそういった話をよくするようになりました。
──撮影している時に、一番大変だったと思うエピソードをお聞かせください
マイディー:あるちゃんは何かありますか?
あるちゃん:エモートとセリフを一度にする動作は普段のゲームではしないので、そのへんは練習しました。
マイディー:僕は各メンバーのストレスが気がかりで、なんせ初めてのことなので、メンバーには「大丈夫? 無理していない?」とよく聞いて回ってました。
──撮影は普段の生活の中で行われたとのことですが、一日どのくらいかかりましたか?
マイディー:撮影はだいたい2時間くらいです。撮影が終わってから僕と監督でロケハンに行くのですがそれはかなり夜中までやってましたねw
──蓋を開けてみたらドラマパートの製作者の1人という立場になられていますが、そうなった経緯をお聞かせください!
マイディー:えっとですね、お話をいただいて実際にドラマを作るとなったとき、自分が原作のドラマなのに、みんなが一生懸命作ってくれるなか、僕らはゲームして遊んでてていいのか? みたいな気持ちが大きかったので、「なんでもやります! 手伝います!」というスタイルでした。オンラインゲームが好きなのでその新しい事に挑戦する……というおいしい体験を自分で体験したかったという部分も大きいですね。
──実際の演技や演出についてですが、監督さんから無茶ぶりとかされましたか?
マイディー:最初は監督もなれてなかったので演技に関してはほとんど僕ら任せだったのですが慣れてくるにつれそこは笑うで4秒口パク!みたいな具体的な指示になってきたんですね。そんななか、アドリブ入れたりしてともに競い合って演技を練磨できたのが楽しかったですね。むちゃぶりはなかったですw
──みなさんの中でどんどんハードルが上がってきてしまったのでは?
マイディー:順撮りで撮影されたので、話数が進むにつれ演技がうまくなっていきます。それもRPGっぽいなと思ってますね。まあ何よりゲームですから、楽しかったですw
──戦闘シーンについてお伺いしたいのですが、撮影中キャラクターが死んでしまうことはありましたか?
マイディー:ありますね。カメラの外に蘇生出来るキャラクターが救護班として控えていたりしてました。レアなモンスターとかならその瞬間を逃せないので、「すぐ! 起こして!!」みたいな緊迫した空気もありましたねw
──なるほど。それで撮れなくてあきらめたシーンなどはありますか?
マイディー:ないです。粘り強くやりましたw 手は一切抜いてません。自信ありです!
──ドラマ制作の裏側をつづった、光のぴぃさんについてですが、こちらを始めるきっかけ、動機をお聞かせください
マイディー:ドキドキしてほしかった。このオンラインゲームの全く新しい冒険をみんなと共有し一緒にドキドキしてほしかった。それが一番の理由です。ドラマになるの? ならないの? どうするの? どうなるの? そんなどきどきを共有したかったというところですねっ。
──ブログをつづっていくなかで、秘密のことやかけないこともあったと思いますが、書くのは難しかったのではないでしょうか?
マイディー:楽しかったです。書けないことはやまほどありましたねw
──原作のブログで語られた出来事を、撮影という形でもう一度体験する形になったかと思いますが、とくに感慨深かったシーンなどはどこでしょうか?
マイディー:ちょっとずれるかもですが、撮影現場をのぞかせていただいたとき大杉さんと子供時代の子役さんが肩を並べてるシーンがありましてそれを見たときはちょっとシミジミしました。回想シーンは全て雰囲気があってリアルの思い出に似てますねw
──今、第1話オープニング後の映像をちょっと見せてもらっております
マイディー:おお。そこですね……まさにw
──声があてられている映像、すごいですね。きりんちゃんの声がイメージぴったりです!
マイディー:おおーうれしいですね。僕的には神谷明さんがぴったりだと思ってたんですけどねw 冗談ですが……w でもまさか悠木碧さんに受けてもらえるとは……と本人も震えてましたw
──ブログ元にするとなると、当時とコンテンツの状況がかなり異なっていると思います。戦闘などの撮影の際は、やはり装備などをなるべく当時の状況にそろえたのでしょうか?
マイディー:できるだけしました。でもそれが制約となって色々不都合がでてきたりもしたので、あくまでエオルゼアパートはアキオの心象風景と割り切り見え方などを優先した個所もあります。でも装備は結構こだわりましたね。お父さんはレベルの成長に応じて変わっていきますよ。
──光のお父さんがドラマ化されて、今後ゲーム内でやりたいことや目標はありますか?
マイディー:あります! でもそれはいつだって初心者支援ですけどね。ドラマで興味を持ってくれた人がいろんなことに迷わないように、考え方や付き合い方を今後ともブログでお伝えしていけたらと思っております。
──ありがとうございます!
じょびネッツアの応接室(?)でのインタビューの様子。手前にいるのがメディアのキャラクター、奥で出迎えてくれているのが、FCじょびネッツアのみなさん。ちなみに、エオルゼアパートは2016年12月中旬までにはだいたい終わっていたそうですが、その後よりクオリティを増すために何度もリテイクを繰り返したのだとか。そのかいあってクオリティはかなり高くなっている様子。放送で見るのが楽しみです!
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