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2017年3月7日(火)

『SAO』が国とコラボするきっかけとは? 川原礫先生、伊藤智彦監督、足立慎吾さんが登壇したトークショーをレポート

文:てけおん

 3月5日、東京・ベルサール秋葉原で開催されたイベント“サイバー攻撃を目撃せよ!2017”のトークショーの模様をお届けしていきます。

“サイバー攻撃を目撃せよ!2017”

 このイベントは、劇場公開中の映画『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』と内閣サイバーセキュリティセンターによるコラボの一環として開催されたもの。

 最終日となる3月5日には、『ソードアート・オンライン』の作者・川原礫先生、『劇場版SAO』の監督である伊藤智彦さん、同じく『劇場版SAO』の総作画監督・キャラクターデザイナーである足立慎吾さん、そしてスペシャルゲストとして欅坂46の土生瑞穂(はぶ みずほ)さんが登壇しました。

“サイバー攻撃を目撃せよ!2017”
▲左から土生さん、川原先生、伊藤監督、足立さん。

 土生さんは友人に勧められて『SAO』を知りファンになったとのこと。『劇場版SAO』も見ており、特にシリカが好きだそうです。それを聞いた足立さんは、「実はシリカは、ピナを一緒に描かないといけないんで大変なんですよ。それだけに、苦労して描いたキャラを好きだと言っていただけるとうれしいですね」とうれしそうに話していました。

 足立さんによると、そんなシリカがメインとして初登場する《アインクラッド》編第4話“黒の剣士”では、伊藤監督から「最初にシリカを描くシーンはいい顔で!」と念を押されたとのこと。最後までプレッシャーを感じながら作画したそうです。

 土生さんは、ヒースクリフこと茅場晶彦とキリトとの対決が描かれる第14話もお気に入りとのことで、それを聞いた川原先生は「Web小説で『SAO』を書き始めた時、あのシーンを最初に思いついて、一番書きたかったシーンなんです。好きだと言ってもらえるとうれしいですね」と、緊張しながらも笑顔で話していました。

“サイバー攻撃を目撃せよ!2017”
“サイバー攻撃を目撃せよ!2017”
“サイバー攻撃を目撃せよ!2017”
▲『ソードアート・オンライン』第4話“黒の剣士”より。

 続いて司会者から『劇場版 SAO』への反応についてどう思うか聞かれた伊藤監督は「興行収入も10億円を突破しましたし、今のところはホッと胸をなでおろしています」とのこと。土生さんもすでに鑑賞したようで、「ぜひ劇場で鑑賞してほしい作品です」とコメントしていました。

 ここからは、“サイバー攻撃を目撃せよ!2017”の主目的でもあるサイバー攻撃について紹介していくことに。IPA 独立行政法人 情報処理推進機構の加賀谷伸一郎さんがハッカー役、土生さんが被害者役として、どれくらい簡単にスマートフォンを乗っ取ることができるか紹介していきました。

 途中、土生さんのスマホに侵入できないというハプニングもありましたが、その対処中に、内閣サイバーセキュリティセンターの文月涼さんが、どうして『SAO』とコラボすることになったのかを話してくれました。

 文月さんによると、『SAO』、そして川原先生の著作である『アクセル・ワールド』にはサイバー犯罪やセキュリティについて描かれている部分が多く、それがきっかけになったそうです。また、そうしたサイバー犯罪の手法の一例として、“ショルダーハック(肩越しにスマホの画面などを覗き見ること)”や、人間関係を背景にしたメールでの狙い撃ちいわゆる“標的型サイバー攻撃”を説明してくれました。“標的型サイバー攻撃”については、IPAチャンネルの動画で詳しく紹介されています。

 ここで川原先生から質問が。『アクセル・ワールド』でニコがハルユキの親戚と偽って接触を図るシーンを引き合いに出し、そうしたことは実際に可能かどうかたずねると、文月さんは「他人になりきることはそう難しいことじゃないんです」と返答し、その手法を説明してくれました。記事ではその手法について説明することは控えますが、労力さえかければできないことではないので、注意する必要はあるかも……と思わされました。

 こうした話をしているところで、土生さんのスマホ乗っ取り準備が完了。位置情報や電話機能を介した盗聴、カメラ機能を介した盗撮がいとも簡単にできることが紹介されました。土生さんが体験したスマホの乗っ取りは、IPAチャンネルの動画で詳しく紹介されています。文月さんたちによると、スマホのロックを指紋で行っている場合でも、寝ている間に指紋をコピーされてロックを破られてしまうケースもあるので、注意してほしいとのこと。足立さんは「『SAO』でも“圏内事件”がらみで睡眠PKについて触れられた部分がありましたね」とコメントしていました。

“サイバー攻撃を目撃せよ!2017”
▲こちらは土生さんのスマホを乗っ取っているところ。登録されている電話番号などの情報が抜き取られてしまっています。

 またPCについてはスマホよりもハッカーにとっては敷居が低いため、より注意が必要になると説明。信頼性の高いソフトを使うこと、外部からの脆弱(ぜいじゃく)性を認識してウイルスなどに備えることが注意点として紹介されました。

 ここからは、事前に募集した『劇場版 SAO』に関する質問に、川原さんたちが答えていくことに。最初の質問は『劇場版 SAO』の衣装について。《オーディナル・スケール》の衣装について。足立さんは、「伊藤監督たちが打ち合わせをして、その結果、制服(《アリシゼーション》編でキリトたちが着ていた)のような衣装をabec先生に発注しました」と答えていました。

 abec先生からは2パターンのデザインが提出され、アニメ化に適したものを採用したそうです。また私服については、足立さんがキャラクターたちに応じて考案したものだそうです。

“サイバー攻撃を目撃せよ!2017”
“サイバー攻撃を目撃せよ!2017”
▲こちらは『劇場版 SAO』の正式タイトル発表とともに公開されたabec先生によるキービジュアルと設定画。

 また伊藤監督からは、《オーディナル・スケール》のメインキャラクター以外について(動物やロボのキャラクター)は、セガゲームスの『ファンタシースターオンライン』のようなイメージでデザインしていったとの説明もありました。

 次の質問は「仮想世界と人工知能の可能性についてどう思いますか?」というもの。この質問に対して川原先生は「VRについてはどんどんと進歩を遂げています。各社から様々な製品も出ていますが、今後はいろんなメガネを着用していても問題なく遊べるようになってくれるとうれしいですね」とコメント。人工知能については囲碁ソフト『AlphaGo』を例に挙げ、「今はナローAIがとんでもなく進歩していますし、さらに進化していくでしょう。個人的には『SAO』のユイのような汎用人工知能の進歩に期待したいと思います」とコメント。

 最後の質問は「もしも仮想世界に行けるとしたらやってみたいことは?」というもの。足立さんは「『SAO』の世界だと男性は女性キャラクターになれないので、女性キャラクターになってみたいですね」と願望を述べていました。伊藤監督の望みは「現実世界では空を飛べないので、飛んでみたい」とのこと。《フェアリィ・ダンス》編を作るにあたっては、スタッフもスカイダイビングをしようという話もあったそうだが、実現しなかったことに足立さんはとても安堵したそうです。川原先生は「いろいろな場所で原稿を書いてみたい」だそうです。「担当編集のアバターを表示させたらよりはかどるかも?」と続けて、観客を笑わせていました。

 トークショーの最後には、今後の『SAO』について川原先生が言及。「今までは現実と仮想世界がテーマでしたが、今後はAIについても書いてみたいと思います……が、いつ頃始められるかは未定です」と話していました。伊藤監督と足立さんも『劇場版 SAO』のラストの部分に触れつつ、できれば作り続けていきたいとのことでした。土生さんも「すぐに死んじゃう役でもいいので出てみたいです!」とコメント。『SAO』の今後については、ここで語られた以上のことはまだ何も明らかになっていませんが、どうなっていくのか楽しみにしたいところです。

“サイバー攻撃を目撃せよ!2017”
▲「セイバーセキュリティは全員参加!」と全員で唱和してトークショーは終了しました。

『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』作品概要
【スタッフ(敬称略)】
・原作:川原礫(電撃文庫刊)
・原作イラスト、キャラクターデザイン原案:abec
・監督:伊藤智彦
・脚本:川原礫、伊藤智彦
・キャラクターデザイン、総作画監督:足立慎吾
・音楽:梶浦由記
・制作:A-1 Pictures
・配給:アニプレックス
・製作:SAO MOVIE Project
【キャスト(敬称略)】
・キリト(桐ヶ谷和人):松岡禎丞
・アスナ(結城明日奈):戸松遥
・ユイ:伊藤かな恵
・リーファ(桐ヶ谷直葉):竹達彩奈
・シリカ(綾野珪子):日高里菜
・リズベット(篠崎里香):高垣彩陽
・シノン(朝田詩乃):沢城みゆき
・クライン(壷井遼太郎):平田広明
・エギル(アンドリュー・ギルバート・ミルズ):安元洋貴
・茅場晶彦:山寺宏一
・ユナ:神田沙也加
・エイジ:井上芳雄
・重村:鹿賀丈史
【主題歌(敬称略)】
・LiSA『Catch the Moment』

数量あとわずか! 8大特典付き電撃屋限定版の3次受注開始

 電撃屋だけの8大特典が付属するPS4/PS Vita用ソフト『アクセル・ワールド VS ソードアート・オンライン 千年の黄昏(ミレニアム・トワイライト)』の電撃限定版が、通常版と同日の2017年3月16日に発売! 予約ページは下記バナーから。

 この限定版ではゲームソフトに加えて、abec先生&HIMA先生描き下ろし限定収納BOX、サウンドトラックCD、スペシャルコンテンツBlu-rayディスク、CD&BD収納用スペシャルケース、特別小冊子『電撃Nerve Gear VS』、ミニクリアポスター、描き下ろしSDキャラアクリルキーホルダー、ゲーム内で使用できる“情熱の装備 水着《ソレイユ》”の衣装がダウンロードできるプロダクトコードが付属。

 これら特典アイテムは、本限定版を購入することでしか入手できないものばかり。abec先生&HIMA先生ファンや、松岡禎丞さんをはじめとした出演声優のファンにとっては見逃せないアイテムとなっています。

▲ 画像をクリックすると特設ページに飛びます ▲

電撃限定版だけの声優陣座談会映像をチラ見せ!

 もちろん、通常版に付属する初回封入特典“プレイアブルキャラクター「サチALOver.」が使用できるダウンロードコンテンツ”と“プレイアブルキャラクター「ユナ」が使用できるダウンロードコンテンツ”、“ゲーム内で使用できる『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』の衣装”も付属します。

 1次受注は予約者全員が購入することができましたが、現時点では数量限定となっています。まだ予約していなかったという人は、早めに予約しておいてくださいね。

電撃限定版セット内容

・ゲームソフト本体(PS4版またはPS Vita版)
・abec先生&HIMA先生描き下ろし限定収納BOX
・サウンドトラックCD
・スペシャルコンテンツBlu-rayディスク
・CD&BD収納用スペシャルケース
・特別小冊子『電撃NerveGear VS』
・ミニクリアポスター
・描き下ろしSDキャラアクリルキーホルダー
・ゲーム内で使用できる「情熱の装備 水着《ソレイユ》」の衣装がダウンロードできるプロダクトコード
・初回封入特典 プレイアブルキャラクター「ユナ」が使用できるダウンロードコンテンツ
・初回封入特典 プレイアブルキャラクター「サチALOver.」が使用できるダウンロードコンテンツ
・初回封入特典 ゲーム内で使用できる『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』の衣装

(C)2014 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/SAOII Project
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