2017年3月25日(土)
赤壁の関羽ロボはトランスフォームできる!? PR大使に訊く“三国志の史跡を巡る旅”
“シブサワ・コウ”ブランド35周年を記念して開催された“『三國志』PR大使”募集企画。実際にPR大使として“三国志の史跡を巡る旅(企画:日本春秋旅行)”に参加したお2人に、旅行の模様や三国志への熱い思いを語ってもらいました。
●『三國志』PR大使
・呉好きさん
好きな武将は周瑜。
・傘重ねさん
好きな武将は姜維と張嶷。
――お2人とも『三国志』は好きだと思うのですが、まずは好きな武将を教えてください。
呉好き:僕は周瑜です。子どものころ、最初は太史慈が好きだったんですが、当時『三國志II』を孫権軍でプレイした時、すごくかっこよくて強い奴がいるぞ……って周瑜の存在を知ったんです。それから横山光輝『三国志』を読んで、一気に周瑜が好きになって(笑)。
――横山『三国志』の周瑜って、孔明の噛ませ犬のようなポジションでしたよね……?
呉好き:そうですね。孔明にあしらわれてばかりで、一生懸命がまるで報われない人で。でも、その横山『三国志』に1コマだけ、周瑜と孫策が義兄弟だってセリフがあるんですよ。そのセリフを見た瞬間、周瑜がなんでこんなに頑張ってるのか一気に頭のなかで繋がって。孫策が死んだあと、1人でがんばってる彼にものすごく哀愁を感じてしまったんです。
そこからはずっと周瑜のことばかり調べていました。当時はインターネットなんてなかったですから、古本屋で周瑜に関する本をどんどん買い漁って(笑)。正史を知ってからは、さらに周瑜のことが好きになりましたね。
傘重ね:僕は姜維と張嶷です。僕が初めて三国志に触れたのは、『三國志DS3』だったんですよ。小学生のころなんですが、そのころはまだ全然『三国志』の知識なんてなくて。好きな色というだけで、緑の劉備軍を選んでいたんです。
話も各シナリオのオープニングストーリーくらいでしかわかってなかったんですが、孔明が死んだあとに姜維って人が1人でがんばってるぞ……と、知って。そこで姜維が好きになって、ネットで蜀のことを色々調べてるうちに張嶷も好きになったんです。
――張嶷はけっこう渋いところですね……。
傘重ね:そうかもしれませんね(笑)。
呉好き:今回のツアーではいろんな『三国志』好きの人と話す機会があったんですが、張嶷を好きだっていうのは傘重ねさんだけでしたね(笑)。
傘重ね:横山『三国志』だと省かれていますが、南方の異民族の平定に尽力した人なんですよね。軍人としても為政者としても優れた人です。そんな張嶷を好きになったころ、ちょうど『三國志IX』を手に入れて、改めて能力を見たらすべてが70台という使いやすい武将で感動した記憶があります。似たような能力の馬忠も、張嶷とセットで好きになりました(笑)。
▲初日に訪れたという荊州の巨大関羽像。中国の関羽人気を象徴するモニュメントだ。 |
▲中には関羽を祭るさまざまな施設も……。 |
▲初日にお2人が訪問した荊州城。三国時代的には、江陵城にあたるという。 |
▲なかなか立派な城壁。ちなみに(なぜか)姜維の像があったとか。 |
――今回のツアーは“三顧の礼”で知られる古隆中や赤壁などを回られたそうですが、お2人が一番感動した場所はどこでしたか?
呉好き:僕はやっぱり赤壁です。赤壁に行ったのは最終日だったんですが、広いテーマパークになっていたんですよ。周瑜の像や周瑜の生い立ちを描いた絵なんかがあって、もうそれだけで感動でした。
それと、周瑜が書いたと伝わる“赤壁”の文字が残っていたんですが……これは同行されていた渡邊義浩先生(中国史研究家/三国志学会事務局長)が苦笑されていました(笑)。
――うさんくさいと(笑)。
呉好き:あとは感動したとはちょっと違うんですが、『三国志』を題材にしたテーマパークなので、いろんな変なものもあったんですよ。関羽のロボットとか。
――?????
呉好き:足に車輪がついていて、車に変形するって設定なんですよ。『トランスフォーマー』的に(笑)。
――さすが中国ですね……。
▲赤壁は巨大なテーマパークに! |
▲園内では赤壁の戦いに限らず、三国志のさまざまな名場面が再現される。 |
▲全中国少年たち(たぶん)大興奮の関羽ロボ! 青龍偃月刀を持って髭が生えていれば、誰がなんと言おうと関羽なのだ! |
傘重ね:僕は古隆中ですね。劉備が孔明に会うために渡った橋などが残っていて。いやこれも眉唾なんですが、それでも「ああ、この橋を劉備が渡ったんだ……」と、思いに浸ることができました。
それと、横山『三国志』で雪の日に劉備が孔明を訪れるシーンがありましたよね。当日はものすごく寒くて大変だったんですが、逆にその追体験が出来たなあと(笑)。
――お2人ともお土産は買われたんですが?
呉好き:赤壁で周瑜像なんかを買ったんですが……じつは、どこに行っても『三国志』関係のお土産って扱いが雑なんですよ(笑)。日本だと『三国志』ってすごい人気ですが、中国だとそこまで凄いわけじゃなく。もちろん人気はあるんですが、学者さんの研究なんかは日本の方が進んでるくらいだそうです。
傘重ね:だからお土産屋でも、『三国志』のグッズは扱いが悪い(笑)。古隆中では孔明の扇子が売ってたんですが、すごく端っこの方においやられてて、動物のキャラクターグッズがメインになっていたくらいです。
――それは意外ですね。
呉好き:でも関羽だけは別格で。向こうではすごく人気のある神様で、どこに行っても関羽のグッズは売ってるんですよ。先ほどの赤壁テーマパークでもやっぱり関羽でしたし。
傘重ね:ガイドさんがおっしゃってましたけど、関羽は中国全土で人気で、荊州だけは例外的に関羽と一緒に孔明人気もあるそうです。
――荊州が孔明人気の本場なんですね。
傘重ね:荊州の学校だと、「君も勉強して孔明になろう!」みたいなキャッチがあったり(笑)。
▲“三顧の礼”の舞台となった古隆中。 |
▲荊州で人気の孔明の像。 |
――ツアーでは渡邊義浩先生の特別講座もあったそうですね。
呉好き:そうですね。先生の話は主に曹操と孔明の2人をテーマにしたものでしたが、興味深く楽しい話ばかりでしたよ。
――どんな話があったか、ぜひ教えてください!
呉好き:曹操の話だと、屯田制や唯才令など、彼の革新性を説かれていました。官渡の戦いの勝因、赤壁の戦いの敗因などほかにもいろんなことをお話されていましたよ。
傘重ね:それと曹操が孫子の兵法の注釈をつけたのは有名な話ですが、その記述についても語られていました。孫子の一節に「10倍の兵があれば城攻めのような包囲戦ができる」というものがあるんですが、曹操は「将兵の指揮、兵器の技術、武器の性能が優勢なら10倍は不要。実際、私はたった2倍の兵で下ヒ城を囲み、呂布を捕らえた」と記してるそうなんです。
――自慢風ですね(笑)。
呉好き:孔明の話だと、実像と虚像の双方を比較しつつ、演義で描かれた奇門遁甲陣の正体について語っていましたね。渡邊先生は『レッドクリフ』の考証も務めたそうなんですが、孔明役の金城武に実際の儀式の手順をレクチャーされたそうです。
傘重ね:北斗七星を意味するステップや、ポーズ、歯の鳴らし方などですね。
呉好き:質疑応答の時間もありましたし、『三国志』のいろんな話を面白おかしく語ってくれましたよ。
▲近年発見された曹操の陵墓の話などもあり、『三国志』ファンにとって非常に有意義な講義となった様子! |
――もし次の機会があれば、行ってみたい場所はどこですか?
呉好き:今回のツアーで、死ぬまでに一度は訪れたかった赤壁に行けたので本当に満足しているのですが、あえて言うなら上海にある『三国志』のテーマパーク(無錫三国城)です。あとは成都ですね。
傘重ね:僕も一番は成都です。剣閣は行ってみたいですし、実際に歩いて当時の人たちの大変さを肌で感じてみたいです。群雄全員が好きなので、それぞれの君主に関わるものなら北は公孫サンから南は士燮までなんでも見てみたいですけどね(笑)。
――では最後に一言。
呉好き:ツアー自体もよかったんですが、同行した皆さんも当たり前のように『三国志』が好きで、ファン同士の語らいがすごく楽しかったです。これまで自分以外の『三国志』ファンと実際に会う機会がなくて、そういう人たちとの一期一会も旅のいい思い出となりました。PR大使という大任を全うできたかわかりませんが、こういう機会を作っていただいて本当に感謝しています。
傘重ね:歴史って、当たり前ですけど実際にあった出来事ですよね。実際にそういう人が存在して、その場所にいた。その縁の地に行って過去に思いを馳せるって、歴史ものの醍醐味だと思うんですよ。それを体験できたことが何より感動しました。
――ありがとうございました。
▲海と見まがうばかりの長江。 |
▲岳陽には小喬の墓も。現地の人曰く、『三国志』ファンしか訪れないそうですが! |
▲赤壁テーマパークにて。密会中の呂布と貂蝉と――。 |
▲それをしめしめと(?)のぞき見する王允おじいちゃん。 |
▲旅の楽しみといえば食事! 本場の中華料理です。 |
▲すごく辛かったり、すごく甘かったり、味つけはなかなかピーキーだったそうですが(笑)。 |
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