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2017年6月15日(木)

『アライアンス・アライブ』プレイレポート。協力してくれるNPCや選択肢で変わる分岐の多さにワクワク!

文:まさん

 フリューが6月22日に発売予定の3DS用RPG『アライアンス・アライブ』。“取り返しのつかない要素”や“攻略の仕方が変わる分岐”など、遊んでみてわかった本作の魅力を村山吉隆さんファンのライター・まさんが語ります!

『アライアンス・アライブ』

 『アライアンス・アライブ』は、種族や性別、年齢、立場が異なる9人の主人公たちを操作し、視点を変えながら物語を進めるファンタジー群像劇RPGです。シナリオを村山吉隆さん、ゲームデザインを小泉今日治さんが手掛けています。

『アライアンス・アライブ』

 今回は、製品版に相当するサンプルROMを担当ライターのまさんがプレイ。本作のプロデューサー&ディレクターを務める松浦正尭さんのインタビューで発覚した“攻略の仕方が変わる分岐”などを中心に、ネタバレにならない範囲で本作のプレイインプレッションをお届けしていきます。ぜひ、ご覧ください!

序盤からいろいろなNPCが登場。これは本当に村山シナリオの群像劇です!

 皆さん、まず謝っておきます。先にボクだけ遊んじゃってごめんなさい! いやあ、本当に待ち望んでいただけにうれしいんですよ。現在、絶賛プレイ中で、今は公開されている主人公全員が揃った辺りですが、物語が本当に自分がやりたかった“村山シナリオの冒険活劇”なんです。

 発売前に公開されている情報は一部だったんだなと驚くことも多く、言いたいことが山積み……なのですが、あまり語るとネタバレになるのでもどかしい!

 『レジェンド オブ レガシー』のようなシビアすぎるガチ難易度ではなく、それでいてぬるすぎるわけではない調整のバトルバランスも見事。フィールドのザコは弱くてサクサク進み、なかなか戻れないダンジョンではザコが強い。

 たまに強い特別なザコに倒され、分割パーティの編成で頭を悩ませ、ボスとの戦いではイグニッションが決め手になって……と、『アラアラ』は戦闘自体もかなり気を使ってバランス調整をしていると感じました。

 しかし、そこら辺のバランスは人によって感じ方が違いますし、実際に遊んでみないとわからないと思うので今回は割愛。今まで公開されていなかった多岐にわたる分岐などの情報を中心に、プレイした感想をお届けしていきたいと思います。

『アライアンス・アライブ』
『アライアンス・アライブ』
▲ちゃんと事前に準備を整えろという警告が入ったり、ボスを倒したあとは“すぐに戻る”選択肢を選ぶと一瞬で町に戻れたりと、細かいところで親切です。

 というわけで、遊んでいてまず驚いたのが名前付きのNPCの数。とにかく序盤からガンガン出てきます。しかも、キャラがちゃんと立っていてイベントに絡んでくる。NPCたちがどんどん出てきて、ダンジョンでショップを開いてくれたり、ギルド員としてサポートしてくれたりするわけです。こんなのワクワクするに決まってるでしょ?

 松浦さんのインタビューで、ギルドにはNPCが150人くらいいて集めていく要素があると教えてもらいましたが、この仲間集め要素が本当に「あー、ボクらが遊びたかったRPGはコレだ!」ってなります。今回のレポートではまだ詳しく言えませんが、もう、遊んでみれば絶対わかります! 発売日以降にぜひ、うなずいていただきたい。

『アライアンス・アライブ』
▲いろいろなキャラクターがワンサカ登場し、主人公たちに協力してくれます。次の町ではどんな味方が出てくるのかなって思う感覚。次々と仲間たちが集まって会話する感覚。すごく、懐かしい。コレですよ、コレ。
『アライアンス・アライブ』
▲町の人やNPCのバリエーションも多く感じました。ただの色違いではなく、髪や服の色が違っていることが多いので印象は別物。さらに、仲間になるモブNPCやモンスターですら、村山さんのテキストでそれぞれキャラ立てされているので、ちゃんと別キャラに見えます。

 もちろん、メインキャラクターの掛け合いもキャラが立っていて楽しいです。ボス戦前にキャラがしゃべったり、軽いノリで漫才を繰り広げたりとシナリオ的な魅せ方はさすがで、先が気になりまくり。

 貧乏くさい服を着た少年が山賊退治に行くような初期の村山シナリオと、同じ事件を違う視点から描く群像劇的な村山シナリオのノリと言うか……たぶん、自分と同じ村山さんフリークな人は遊んでみると「そうそう、こういうノリだった!」ってなると思います。

 あまり語るとネタバレになるので言いませんが、新しい町で仲間(ギルド員)になりそうな人を見つけてニヤニヤしていくのも、メインシナリオの展開でグイグイ引き付けられるのも、本当に懐かしくて泣きそうになりました。基本は冒険活劇で村山さんシナリオの新境地という感じなのです。ボクはコレを待っていたんだ。

序盤から選択肢による分岐だらけで悩みまくり!

 さて、ここからはいわゆる“分岐”について、いくつか例を挙げていきたいと思います。インタビューでもメインシナリオ自体は変わらない代わりに、途中の分岐で攻略の仕方が変わるという話を松浦さんがしていましたが、遊んでみてその意味がわかりました。

 序盤から選択肢を選ぶ場面が多いです。さらに言えば、それが“正しい選択だったのか”はすぐにわからないんですよ。あとで影響してくるだろう、ということはわかるのですが、どちらが正しかったかのはわからない。

 イチイチ気にしていたら1周目を全然進められなくなるので、これは松浦さんの言葉通りに“取り返しがつかないことを気にしていてもしょうがない”と思いました。というわけで、いくつか抜粋して紹介していきたいと思います。

シーン1:手ごわい謎解きはお金で解決! ダンジョンの攻略も人それぞれ

 『アラアラ』ではダンジョンもしっかり作られていて、パズル的なダンジョンが出てくるところがあります。よくあるブロックを押して引いて……というやつですね。普通のRPGではクリアしないと進めないことも多く、苦手だという人もいるのではないでしょうか。

『アライアンス・アライブ』
▲ブロックを押して引いて収めて……と、意外と頭を使うタイプのパズル。ダンジョンには、こういう仕掛けがいっぱいあるんです。

 しかし、本作ではなんとこのギミックを“お金で解決”できます。ぶっちゃけると、マジメに解いてもいいですし、ゲーム内でお金を払って解いてもらうこともできるのです。パズルが苦手じゃなくても、時間がない人はサクッと解いてもらうのもアリ。こんなの、今までのRPGじゃ考えられなかった!

『アライアンス・アライブ』
『アライアンス・アライブ』
▲お金を払って即解決! ボス戦の場所まで、全部解いてもらっちゃいました。ズル? いいえ、これもまた正攻法なんですよ。

シーン2:モンスターにトドメを刺すべきか? 刺さない選択も……

 とある依頼を受けて戦うボス戦では、倒したあとに仲間たちの間で“トドメを刺すか、刺さないか”という意見の違いが出てきます。当然、依頼はボスを倒すことなのでトドメを刺さなければ失敗になるのですが……。どちらが正しいのか、それはプレイヤーの判断次第なのです。

『アライアンス・アライブ』
▲トドメを刺した時と、刺さなかった時で依頼に対する結果も変わってきます。しかも、さらにゲームを進めていくと……!?

シーン3:閉鎖美術館でアイテムを持ち出す? それとも持ち出さない?

 ゲーム序盤、体験版でも発生する閉鎖美術館のイベント。ここでは、美術館の奥へ進むために必要な杖以外のアイテムを持ち出すこともできるのですが、持ち出そうとすると“美術館警備員”と戦闘になってしまいます。

『アライアンス・アライブ』

 おそらくですが、RPG好きな人は警備員と戦いアイテムを手にしたのではないでしょうか? でも、実はゲームを進めると、美術館警備員を“倒した場合”と“倒さなかった場合”で、まったく違う展開になるのです。

『アライアンス・アライブ』
『アライアンス・アライブ』
▲持ち出そうとしたアイテムを返せば、警備員は襲ってきません。倒してアイテムを手に入れるか、後で倒さなかったイベントを見るか……。

 倒した場合に手に入る壊れた装備は、鍛冶ギルドで修理して使えるようになります。本作では、強い武器は目に見えてダメージが変わるので、序盤で強い装備が手に入るのはありがたいです。

 倒さなかった場合は後で戻ってくると、とあるイベントが起こります。ちなみに、戻ってくるタイミングは、美術館をくまなく調べればヒントがありますよ。

 本作は、序盤からこんな感じです。選択肢でどちらかを決めたり、無視して進むことも可能なイベントが出てきますが、どちらが正解なのかは明言されません。ゲームをよりラクに進めるためにお礼が多いほうを選ぶのもよし、自分の良心に従って選ぶもよし、仲間(ギルド員)が増えそうな選択を狙うのもよし。どれを選んでも物語は進んでいきます。

 分岐により大きくストーリーが変わるということではなく、メインシナリオという大枠の中に、細かい分岐が発生していく感じです。しかも、メインストーリーを進めるだけなら、立ち寄らなくてもいい場所や倒さなくていい敵もいます。とはいえ、用意されている分岐やサブイベントが、村山さんのシナリオらしさや遊び心があって見逃せなくて、ついつい寄り道が多くなってしまいます。

 これまでに公開されていた情報ではわからなかったのですが、いろいろとガチで作られているのは間違いないと確信しました。町ごとに、あまり意味はないけど特色を表す料理アイテムが売っているとか、世界観を表現するための仕掛けがなかなか細かいのも好きです。

『アライアンス・アライブ』
▲ボス戦の入り方も好きです。戦闘画面でちょっとした掛け合いがあったり、燃える場面でイベント中からボス戦曲が流れ、そのまま戦闘に突入するなど、演出も最高です。

 発売まであと少しですが、レビューを書いている時間があるなら続きを遊びたいと思うくらい、どっぷりハマってしまいました。正直、予想していたよりもガッツリとしたRPGだったので、もっとしっかりとプレイしないと下手なことは言えないなと感じました。

 というわけで、個人的にもガンガン推していきたいのですが……今回はここまで。発売まで、まだまだ『アライアンス・アライブ』の魅力を紹介する記事は続きますので、次の記事をお楽しみに!

まさんのオマケコラム

 皆さん、『アラアラ』をプレイする時に先頭に立たせるキャラクターは誰にするか、もう決めていますか? 本作は、先頭のキャラクターがかなりしゃべるので、好きな主人公を先頭にするのがオススメです。

 しかも、先頭にするキャラクターは“バトルメンバーに参加していなくてもOK”。バトルメンバーとは別に設定が可能です。好きなキャラはいるけど、バトルではいろいろなキャラをバランスよく使いたい……なんて人は、バトルから外したままでも先頭に置いて主人公として操作できます。これはうれしい仕様ですね。

 というわけで、自分は王道な主人公としてガリル……にするつもりだったのですが、今はティギーが先頭です。……というか、たぶん1周目はずっとティギー。

 なんていうか、この子、事前情報だと完全にスルーしていたのですが、実際にゲームをプレイするとキャラクターの印象って変わるものですよね。ビビアン、イグナス、ティギーのシナリオを遊んだら、すごく気に入ってしまいました!

『アライアンス・アライブ』
▲この3人の珍道中、ボス戦前の掛け合いなどもおもしろく、終始ニヤニヤしっぱなしでした。のほほんとしたビビアン、ティギーと、ビビアンには強いことが言えないイグナス。ツッコミ不在なまま突き進んでいく感じです。
『アライアンス・アライブ』
▲ノリがよく、いい意味で適当なゆるーい会話が終始楽しめて、ガリルたちのシナリオと全然印象が違いました。序盤の各主人公パートの中でも息抜きになります。この適当さ、好き。
『アライアンス・アライブ』
▲ビビアンに振り回されまくるイグナスは、見ていてちょっぴりかわいそうに思えることも。でも、ついつい笑ってしまう関係です。なるべく、おもしろい会話は載せたくないというか、実際に見てほしいのでこのシーンで勘弁してください!

 ティギーだけでなく、レイチェルとジーンのコンビも素晴らしい組み合わせでした。すごい好きなので、最後に彼女たちの勝利ポーズを載せて記事を締めたいと思います。すみません、ここ、完全にボクの趣味です!

『アライアンス・アライブ』
『アライアンス・アライブ』
▲見てください。このレイチェルの勝利ポーズと、呆れるように横を向いているジーン! この2人、本当にニヤニヤする関係で好きなので、製品版でもメインで使いたいです。今でもセットで使ってるけど!

※画面は開発中のものです。
(C)FURYU Corporation.

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