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2017年6月15日(木)

『FF14』吉田直樹P/Dメディア合同インタビュー! オメガ“デルタ編”の難度はどのくらい?【E3 2017】

文:電撃オンライン

 6月16日(金)からのアーリーアクセス、そして6月20日(火)の発売が目前に迫った『ファイナルファンタジーXIV』最新拡張パッケージ『紅蓮のリベレーター』。今回はE3 2017会場での吉田P/Dのメディア合同インタビューをお届けします。

『ファイナルファンタジーXIV』

――まずは『紅蓮のリベレーター』直前の現状の手ごたえといいますか、世界での反響も含めておうかがいしたいと思います。

吉田:マーケティングPRも開発チームも一丸となって頑張ってきた成果なのか、今のユーザーベースは数字的にびっくりするくらいいい状態です。

 とくに今は拡張パッケージが出る直前ですけど、復帰も新規も含めて一番いい状態なのかなと言う感じですね。

 この後は拡張パッケージが出て、新規の方に向けての施策もたくさん入っていきますし、ここから先がさらに『FFXIV』が発展するための大きなタイミングになるのかなと感じています。

――ある意味『紅蓮のリベレーター』の発売が新たなスタートラインになるということでしょうか?

吉田:そうですね。逆に「ゴールが見えなくなるからどこまで走ればいいんだろう」ということも若干なくはないのですが。

 ただやっぱりE3会場でも4時間待ちで盛り上がってくれているユーザーの方を見ると、励みにはなりますね。

――16日からついにアーリーアクセスが始まり20日には正式にリリースされるわけですが、今の率直な感想をお聞かせください。

吉田:ちょっと休みたいです(笑)。なんというか、気持ちを切る間がないんですよ。

 開発と進行と調整とさらにチェックをやりながらメディアの皆さんに説明するために世界中を回って、気が付いたら“E3”にいて明後日にはサーバーが開くって。

 どこかで落ち着くタイミングがほしかったですね。ただここまで来たからには勢いで行きますよ。

 横浜のプロジェクトマッピングもそうですけど、すごい大きな仕掛けをずっとやってきたので。

――フリートライアルが始まって、実際に新規の方は増えましたか?

吉田:フリートライアル自体はすごい前からやっていて、今回時間が無制限となりました。実際、フリートライアルでプレイを始められる方というのは、宣伝をすればするほど一瞬増えるんですね。ただ今回の場合は、どちらかというと長くフリートライアルを遊んでくれる方の比率がものすごい上がりました。

 それにともない課金変換率もよくなっているので、確実に定着してくれる新規の方というのが今まで以上に増えているのは間違いないですね。やっぱり現代の皆さんはどうしても忙しいので、14日間遊べると聞くと長いように感じるんですけど、2週間しか遊べないととらえることもできるんですよ。

 そこがなくなったことによって、1カ月かけて35レベルまで遊んでみて満足して、「これなら自分にもできそうだ」とパッケージを買っていただけるというパターンがすごい増えました。

 とくに日本に関しては、ドラマ“光のお父さん”や、先日の横浜のプロジェクションマッピングを含めて、新規の方へ向けたPRを積極的にやってきたので、4年続いているゲームとは思えないくらいすごい盛り上がりです。

『ファイナルファンタジーXIV』

――今、E3会場では“豪神スサノオ討滅戦”のバトルチャレンジが開催されていますが、参加者の反応はいかがでしょうか?

吉田:バトルチャレンジについては、昨日の朝一番に、かつて“機工城アレキサンダー零式:起動編”などでワールドファーストをとったElysiumというチームが来ていたんですけど、彼らが「絶対Tシャツを取って帰る」「スサノオでもファーストを取るぞ」という意気込みで来たせいで、ガチンコすぎて(笑)。本当は2タンクでやってほしいのに1タンクで突っ込んで勝ったらしいんですよ。

 それがまた動画で出たせいで、1タンクでチャレンジするチームが多くなり、その結果かえってタンクが沈んで全滅してしまうチームが多くて……。ただそれだけ真剣になってくれてうれしいです。本当に長時間並んだのに負けてしまうとしんどいとは思うんですけど、そのぶん今回は勝ったときのハイタッチと歓声がすさまじくて。ここでインタビューをしていても、ドバーって歓声が聞こえるので“あっ勝ったな”ってわかりますね。

――先ほど近くで見ていましたが、叫びながらプレイされている方がいて、本当に全身を使ってプレイされていてすごいなと思いました。

吉田:今ちょうど日本でもそういうCMを流そうとしていて、まさにそれと同様にエキサイトしてくれているのがわかると、やっぱりうれしいですよね。

――E3会場でのプロデューサーレターライブ(PLL)では、次回7月15日のPLLで“次元の狭間オメガ零式:デルタ編”の情報を公開するというお話がありましたが、その前の7月4日に実装予定の“次元の狭間オメガ:デルタ編(ノーマル)”の情報公開については、事前にどこかで予定されていますか?

吉田:じつはいろいろ考えているうちにどこにもタイミングがなくなってしまいまして……せっかくだからここまで来たら(実際のプレイで)驚いてもらったほうがいいかなと思っています。ですからパッチ4.0でみんながワーッと盛り上がって、メインシナリオがひと段落したあたりでオメガの話題で盛り上がっていただければと。

 じつは出てくるボスや世界観など、本当は事前にアピールしたほうが売りになりそうなネタがあるのですが、今情報を出してしまうと4.0の話題に巻き込まれてしまう気がするんですよね。

 ここまできたらあえて“チョコボがカギを握っています”以外のことは言わないでいいのかなと思っています。

――既存プレイヤーとしては難易度も気になるところですが、調整としてはこれまでのレイドと比べていかがでしょうか?

吉田:前回の“アレキサンダー零式:天道編”と今回の“オメガ零式:デルタ編1、2、3層”の難易度はほぼ変わらないとおもいます。ただ4層だけ天動編より難しくしてあります。もうすこし手ごたえあってもいいんじゃないかという声があったので。そのかわり零式4層にしかない特別な演出が入っているので、零式4層に行った人はそれをモチベーションにしていただけたらなと思います。

――クラフターが製作できる新式装備の実装は、“オメガ”のタイミングとだいたい同じとみてよいのでしょうか?

吉田:同じです。パッチ4.05で“オメガ零式”などと同タイミングでの実装になります。ですので、それまでにクラフターのレベルを70にしておくといいのかなと思います。

――4人用の高難度コンテンツ、ダンジョンコンテンツの可能性が話題になっていますが、実際に実装に関して前向きなのでしょうか?

吉田:そもそもそれを考えだしたのが1カ月前に全世界のメディアツアーに出たときに、北米や欧州のメディアの方々にすごく聞かれたからなんですよね。4人用のハードコアコンテンツを実走する予定はありませんかって。

 話を聞いてみると“ディープダンジョン 死者の宮殿”のB180~B200のコンテンツ内容がすごく気に入ったという人たちが多くて。あのぐらいリトライ性があって、かつ難しくてランダム性があり、しかも4人だから小さなコミュニティでも行けて、極端なボスバトルじゃないから今までと違う感覚でジョブの構成も変えたりできるという、ああいった形のコンテンツの需要があるということをすごく感じとりました。

 それでいったん日本に戻って考えたときに、ちょっと前向きに考えてみようかということを開発チームと話して、そこからまだ半月くらいなので、じゃあ今から絶対これを作っていこうという方向に話が進んでいるかというとそうではないです。

 また、パッチ4.1はもう作業を行っているので、どうしてもそのあとになりますけど、4.0のリリースが進んで僕も日本に帰ったら、そろそろ4.Xシリーズのなかのどこかでそれについて検討してもいいかなと思っています。

――今回のベンチマークの映像では水中にクラーケンやクラブがいたりしましたが、水中でそれらに襲われるなどのハプニングの可能性はあるのでしょうか?

吉田:空中もそうなのですが、水中でそのまま地上と同じバトルをしてもまったくおもしろくないのは間違いなくて、やるとしたら専用のものを用意するべきだということは日本の開発チームに話しました。

 こういうのは誰かが作りたいと思わないとおもしろいものにはなりませんので、やりたいならこういう基礎ルールは守って作ってとほしいという話はしてあります。

 日本に帰ったあとはそういうコンテンツを作るチームとのミーティングを設けていますので、そこで4.Xシリーズで何を作りたいという話を……大体作るものはいったん決めてはあるんですけど、それ以外でやりたいことがないかというミーティングをやるので、そのなかで何か出てきたらいいなと思っています。

――コスタ・デル・ソルの海で泳げるようになりますが、例えば毎年夏にあるイベント“紅蓮祭”にあわせて水中内での特別なアクションなどが実装される可能性はありますか?

吉田:水中での動きと言いますか、泳いでるときのアクションはかなり用意しているので、まずはいろいろ試してもらえればと思います。

 紅蓮祭では新しいタイプの耐熱装備(※)も用意しているので、夏はぜひコスタデルソルで盛り上がっていただければと思います。

※いわゆる水着コスチューム

――既存エリアでコスタ・デル・ソル以外に泳げるようになる場所はありますか?

吉田:新生エリアはコスタ・デル・ソルのみですね。4.0エリアはかなりの場所で泳げますけど。

――水中関連でもう1つ質問させてください。先日配信されたプロデューサーレターライブで水中に入った際、その段階で連れていたミニオンが消えたように見えたのですが、ミニオンと一緒に泳いだりすることはできないのでしょうか?

吉田:できないですね。地上は経路探索ができるので追従がうまくいくんですけど、水中や空中って、経路というか網の目がひかれていないんです。技術的な話で申し訳ないんですが、ミニオンが綺麗について来られないんですよ。

 MMORPGでミニオンのためだけに“3次元でどうキャラクターを追従させるか”という複雑な計算を入れるわけにもいかないので、消してしまっています。ミニオンを“浮かせて遊ぶ”的なことはいずれ実装したいんですが、まずは安全性を優先してます。

――蛮神スサノオやラクシュミについてお聞かせください。通常の蛮神戦はおそらくストーリーに組み込まれるのではと思っていますが、両者の極蛮神戦の実装タイミングはいかがでしょう。オメガよりも前に挑めるのでしょうか?

吉田:前ですね。4.0の時点で既に入っているので、完走したらすぐ戦えます。とはいえ、焦らないでも大丈夫です。メインストーリーが終わって一番最初に攻略を目指すのがこの極蛮神戦になるかなと思います。

 それが落ち着いたらオメガのノーマルがオープンして、さらにそれが落ち着いたころに零式がオープンっていう感じになります。

――プレイヤーも休む暇がないですね(笑)。

吉田:自分で言っててげっそりしてきた(笑)。ぜひ楽しんでください。

――先日、ストーリーショートカットアイテムとジョブレベルブーストアイテムの発表がありました。たとえば『World of Warcraft』などではレベルジャンプのあとにジョブの基本を学べるようなステージに飛ばされますが、本作でもそういう仕様はあるのでしょうか?

吉田:初心者の館に行くように指示するウィンドウが出て、そこをクリックすると即移動する形になっています。『World of Warcraft』は自分もいろいろ試したんですけど、結局5アクションしか教えておらず、あれはどちらかというとコミュニティ向けに作ったのではないかと思いました。

 僕らはどちらかというと“今使っているジョブがどの役割なのか”というのを学んでもらいたい。もしくは“タンクはヘイトを集めてから攻撃しよう”ということなどを教えていくことが大事だと思ったので、ロールを学べる初心者の館に誘導することを第1条件としました。

――先ほどもお話があったように、“光のお父さん”やそのほかのPRの影響で新規プレイヤーが増えているということですが、『紅蓮のリベレーター』の発売後も、新規の方へのフォローというのは継続・強化して行っていくのでしょうか?

吉田:そうですね。とくに日本市場に関しては、今もしかしたら一番オンラインゲームが充実している時期なのかなと思っています。

 昔は『ファンタシースターオンライン』や『ファイナルファンタジーXI』しかなくって。しかも『FFXI』がTime to Win型で強烈な思い出を与えたなかで、時間がすごくかかったりパーティが組めないと何もできないという印象を与えてしまい、かつ日本はPCでゲームをプレイする市場ではなかったので、MMOは広がりにくかったんです。

 ただ、今は『ファンタシースターオンライン2』や『ドラゴンクエストX』があって、『FFXIV』のほかに『FFXI』も15年に突入して、たくさんの巨大なオンラインゲームがあるんです。

 ただある意味、オンラインゲームを(積極的に)やろうとする人たちのシェアをそれで全部取れてしまっていて。ここから先はソーシャルゲームからゲームに入った人たちや、今までオンラインゲームに抵抗があったけどソーシャルゲームをプレイすることで抵抗が薄れてきた人たちを、どんどんオンラインゲームに導いて遊んでもらわないと、市場が拡大しないところまできていると思うんです。

 これまでオンラインゲームをやろうかやらないかギリギリ迷っていた人たちをどんどん積極的にお迎えしていくことをやっていかないと、また閉じちゃうと思っているので、日本市場はそういう面でこれからが最も大事な時期だと思います。ですからこれからも新規さんへのアピールは引き続き力を入れていきます。

――来年で“新生”から5周年の節目の年になると思うんですけど、何か大きなイベントの企画や仕込みなどは行っているのでしょうか?

吉田:いやー、今は考えたくないなぁ(笑)。5周年なんで、感謝祭はやったほうがいいなと思うんですけど、僕らまだファンフェス終わったばっかりの気分なんですよね。

 これまでの経験から逆算して考えると、ファンフェスをやるなら今年の秋から年末くらいまでには会場押さえくらいはやらないといけないのはわかっているんですけど……ちょっと今はあまり考えたくないです(笑)。

 ちらっと今回日本から出るときにファンフェスの会場の話を宣伝が言いかけたので、帰ってからで勘弁してって言ってきました。

 まずは4.0の発売を優先したいです。というのも4.0のボリュームがすごくて押し込みに苦労したので。ぼくも4.0を実際に遊んでから考えます。

――最後に、これから始めてみたいと思っている方、もしくは復帰したいと思っている方に向けてぜひメッセージをいただければと!

吉田:今現在、新規の人たちがものすごく増えていて、以前にプレイされていた方が復帰しているケースも多いんです。パッチ3.4からは“リターナー”という施策も入り、復帰した方が一目でそうとわかる仕組みになっているので、今は本当に、光の戦士たちはみんな新規さんや復帰した方々にとても優しいです。

 ビギナーチャンネルにも復帰者さんたちが入れるようになっているので、「復帰でいまいちよくわからない」って言えば、みなさんものすごく優しく教えてくれるはずです。「ちょっとコンテンツ行きたいので付き合ってもらえませんか」って誘うとみんな競って手を挙げてくれますし、そうなればマッチングを待つ必要もありません。

 また、『紅蓮のリベレーター』のタイミングで変わることも多く、既存のプレイヤーさんもある意味横並びでのスタートになるタイミングでもありますので、やはり今が一番新規や復帰に優しいタイミングだと思います。

 もちろん落ち着いたらまたほかのゲームに行っても構わないですし、ぜひ新しいRPGを1本プレイするつもりで、メインストーリーだけでも遊んでもらえるとうれしいです。当然拡張で払っていただいたぶんだけ満足いただけるボリュームになっていますので、ぜひお願いします。

 新規の方は、今までMMORPGをやったことがない方だとどうしても「怖い」とか「面倒くさそう」というイメージがあると思うんです。けれど、……これは新生からずっと言い続けてることではありますが、本作はネットワークケーブルが刺さっているだけで基本は『ファイナルファンタジー』なので、まずは気兼ねなく始めていただければと。

 『FFXIV』は35レベルまでではありますがほとんど制限なく無料で遊べる状態になっていますし、何も最初からお金を払う必要はないと思います。

 オンラインゲームの世界は、「現実世界のどこかからゲームにログインしている自分以外のプレイヤーがいて、自分たちの意思で動いている」というだけでけっこう衝撃です。

 ちょうど今はたくさんのプレイヤーさんが始めている時期でもありますので、ぜひその波に乗り、フリートライアル版でいいのでちょっと触ってもらって、MMORPGのすごさを感じてもらえればと思います。

『ファイナルファンタジーXIV』

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