2017年8月28日(月)
現在、数多くのプレイヤーを楽しませているスクウェア・エニックスのiOS/Android用アプリ『スターオーシャン:アナムネシス(SOA)』。
今回は、この人気作を世に送り出したスクウェア・エニックス、そして開発を手がけるトライエースの主要スタッフにお集まりいただき、これまでの苦労話や開発エピソード、未来の展望からファンの願いに対する取り組み方までを、3時間にもわたる超ロングインタビューでアツく語っていただいた。
前編では、本作がヒットに至った理由を分析しつつ、キャラクターの実装秘話や開発スタッフのこだわりポイントなどをお聞きする。
――本日は、お忙しいなかお集まりいただきありがとうございます。まずは皆さんの自己紹介を兼ねて、各自がどのようなお仕事を担当されているのかを教えてください。
小島創さん(以下、小島):トライエースで開発プロデューサーとディレクターをやっております。戦闘システムやキャラクターのステータス、スキル、タレントなど、バトルの大枠の調整を担当しています。
山本拓生さん(以下、山本):トライエースの山本です。このプロジェクトにはディレクターとして途中から参加させていただき、小島とともにゲームシステムやバランスなどを見ています。
小島:わたしは現在、おもに開発プロデューサーとしての動きがメインになっているので、現状でのディレクションは山本に動いてもらっている側面が大きいです。また、彼には今後の『SOA』をゲームとしてどのようにして発展させていけばいいのかも考えてもらっています。
――山本さんはかつて『Heaven×Inferno』というトライエースのタイトルでディレクターを担当されていたということで、その経験を買われてのプロジェクト参加になるのでしょうか?
山本:そうですね。現場では、今後のロードマップやスケジュール周りの管理を担当しています。
甲斐聖現さん(以下、甲斐):運営プロデューサーを担当しているスクウェア・エニックスの甲斐です。プロジェクトの運営方針を決定するのが主な仕事です。本日はよろしくお願いします。
小林秀一さん(以下、小林):スクウェア・エニックスの小林です。一応、肩書きは“プロデューサー”になっているものの、実際は宣伝や予算の決定などもすべて担当しています。
今は別の担当者に任せていますが、サービス開始時期までは生放送の台本なども自分で書いていましたし、いうなれば“なんでも屋”に近いですね。逆にゲームの内容に関してはほぼ甲斐に任せています。
僕が口を出すのは『SO』らしいかどうか、ってことくらいですね。
▲写真左から甲斐さん、山本さん、小島さん、小林さん。 |
――配信から約8カ月が経過した『SOA』ですが、先日の公式生放送“STAR OCEAN PROGRAM 14.5”では、今後のロードマップの詳細や2年目以降の方針についてお話されていました。CMも流れたりしましたし、イチファンとして『SOA』がいよいよ軌道に乗ってきたことを実感しているのですが、スタッフのみなさんの手ごたえとしてはいかがですか?
小林:先日の生放送でもお話ししたとおり、おかげさまで本作の未来像として、今後のロードマップをお伝えできるところまでやってこられました。これもひとえに、支えてくださるファンの皆さんのおかげです。
正直なところ、企画を立ち上げた当初は、いつ終わってもおかしくない市場なので覚悟を決めて臨んでいた側面もありつつ、その一方で、支えてくださるファンの皆さんのために少しでも長くサービスを続けられるよう、スタッフ一同がむしゃらに頑張ってきた8カ月でした。
――これほどのヒットに辿り着くまで、さまざまな苦労があったのでは?
小林:開発を手掛けるトライエースのスタッフには頭が上がりません。苦労が絶えない現場だと思うのですが、さまざまな部分に情熱を持って取り組んでいただけているからこそ、現在のクオリティを維持できているのかな、と。
メンテナンスの前々日くらいまで、キャラクターのタレントやステータスといった重要な部分の数字をいじっていますし、とにかく妥協がないんですよ。
小島:たしかに直前までいじっています。いじっていますが! あれは甲斐さんが提唱する「一度出したキャラクターや武器などは安易に下方修正しない」という方針を貫くための措置なんですよね。
甲斐:苦労をかけていてすみません……。でも、ユーザーさんが愛着を持って育ててくれるわけですから、やっぱり安易な下方修正はしたくないんですよ。
ある程度“ならす”必要はあるとして、それをやるなら出る杭を叩くのではなく、引っ込んでいる部分を押し上げることで対処していきたいんです。
――そこはとてもユーザーフレンドリーですよね。ファンからネットに「運営は石を配らなければ死んでしまう病にかかっているのではないか」と書き込まれるくらい、紋章石を配られたりもしていますし(笑)。
山本:たしかに。今まで生放送のチャレンジ企画で配られる石は500個でしたが、“#13”からいきなり1,000個になり、本当にびっくりしました。あれは開発スタッフであるトライエースサイドは事前に聞かされていなかったので、本当にビックリしました(笑)。
ただ、紋章石を配布する方針には大賛成なので、石を配らなければ死んでしまう病気は治療する必要はないと思いますよ!
――あの「トライエースに怒られるかも~」ってやり取りは、演出的なものではないんですか? 本当にご存じなかったとは(汗)。
小林:売上について考えなければならない私としては、甲斐に何度も言ったんですよ。「一度やってしまったらもう後には引けないよ? これからずっと1,000個配ることになると思うけど、それでいいの?」って。
それでも甲斐が「いいんです」というので、それなら仕方ないな……と。それこそ、ユーザーさんから「そんなに配ってしまって大丈夫?」と心配すらされたりもしましたが、結果的には皆さんに喜んでいただけているようで、よかったと思います。
――しかし、そんな台本にないようなドラマもあるとは。
小林:いやいや。基本的には台本にあるとおりですよ? 先日の放送では、“台本どおりに”とあるキャラクターの露出などについていじったら、ユーザーさんから「運営が悪ノリしすぎだ!」という指摘を受け、反省したりもしましたけど(苦笑)。
生放送はシリーズのファンだけでなく、新規で見てくれる方もいらっしゃるので、バラエティ色強めにしているんです。僕自身のキャラクターもかなり脚色していますよ。
電撃さんが知っている、いつもの厳しい僕とは違うでしょ?(笑)
――そこはノーコメントで(笑)。エンターテイメントとしてのノリを重視しての台本だったんでしょうけど、そういったノリを喜ぶユーザーさんばかりではないでしょうし、なかなか難しいですね。でも、情報の発信源としてはもちろん、ユーザーさんとのコミュニケーションの場として、あの生放送はとても貴重だと思いますので、ぜひ今後も続けてもらいたいです。
小林:皆さんに楽しんでいただけているのであれば……でも、お手柔らかにお願いします(笑)。先ほど台本がしっかり用意されているとはいいましたが、ウェルチ役で出演してくれている半場友恵さんは、最近かなりアドリブを入れてきてくれたりもするので、ライブ感がありますよね。
――では、ここからいろいろとゲームの内容についてお聞きします。まずは開発、運営サイドが考えるユーザーの意識について。現在、ユーザーの中で一番盛り上がっている部分はどこだとお考えですか? キャラの魅力が人気なのか、それともアクションの楽しさが人気なのか、その要因をどう分析されているのか気になります。
甲斐:やっぱり新キャラクターの発表や実装時に一番盛り上がっていることを考えると、『SO』シリーズのキャラが今なお多くのファンの方に愛されていることは実感しますね。
そうして瞬間風速がグッと高まったあと、実際に手に入れてから使っていく過程の中で、ステータスやスキル、タレントといったバトル性能についての議論が広がっていくイメージです。
どちらかだけというわけではなく、キャラが好きな人もバトルが好きな人も、それぞれをしっかりと楽しんでくださっているという印象です。
――ユーザーからのキャラ人気もさておき、開発側からのキャラ愛もものすごいですよね。なんといっても初期に配信されたキャラ……例えばクリフなどは、今でも見せ場があって活躍できる。オールマイティに活躍というわけにはいきませんが、最適解に近いクエストもあったりして、侮れないじゃないですか。
小島:新キャラが続々と追加されていくわけですが、だからといってあまりインフレしないようにしたいとは思っているんですよ。時折、こちらも予想していないキャラが息を吹き返すこともあって、それはそれで楽しいです(笑)。
――キャスターが強化されたことで、フェイズにフィニッシャーとしての需要が出てきたのは、おもしろかったですね。元々、イベントでもらえる武器としては破格の性能といわれていたエルダーロードレイピアとの相性もあって、フェイズは非エースとは思えないほどの火力になったわけですが、そもそもエースと非エースの差異というのはどのようにお考えなのでしょう?
小島:エースキャラについては、基本的に強くてみんなが欲しがるキャラになるようなバランスを考えています。一方、非エースキャラは育成や限界突破がしやすいというメリットがあります。
そのうえで、非エースキャラは特定のシチュエーションで役に立ったり、状態異常の耐性に優れていたりと、どこかに立ち位置が生まれるようなバランスを考えています。また、非エースでも強いキャラは育てやすさによってゲームを初めて間がない方でも難しい場所に行きやすいようにしたいと思っています。
――ある程度バランスに優れていて、シチュエーションを限定することなく戦えるエースキャラと、育成しやすいうえにツボにハマるととても役立つ非エースキャラがいる……。そういうことですね。ちなみに、一時期“シューターオーシャン”と言われるほど、シューターの需要が高まっていた時期がありましたが、いわゆる“ロール”の性能については、どうお考えですか?
小島:ロールについては、ある程度トレンドの波を作りたいと考えて設計している部分はあります。レナやディアス、クロードたちが実装された時期はアタッカーが強かったです。
その後、花嫁マリアがくるタイミングでは、『エンド オブ エタニティ(EoE)』のリーンベル人気もあって、シューターが戦いやすい環境を作りました。
キャスターが強化されるというタイミングで花嫁リーシュを実装したりと、これからも多少の波を作りながらやっていきたいと思っています。
――シューターはある程度離れた距離からでも火力を出せるため、敵の攻撃を回避しやすいぶん、使い勝手がいいんですよね。とくに最近のボスは、とても強力な攻撃を仕掛けてくる相手も多いので、アタッカーの事故死はどうしても増えている印象です。
小島:正直なところ、ステータスやタレントについては、アタッカーは秀でているものが多いんですよ。
ただ、ボスの攻撃が強力なうえに近距離では回避しづらいものが多かったり、攻撃頻度が高くてそもそも射程距離内に近づきづらかったりといった側面で、アタッカーが立ち回りにくい状況が増えていることも自覚はしています。今後、ボスの攻撃であまりにもアタッカーいじめになってしまうような状況はなくしたいと思っています。
山本:ボスによって近距離が強い、遠距離が強いといった個性はあっていいと思っているので、さじ加減は難しいんですけどね……。
――クロックハンズエッジや時空銃D・スライサーなど、特定のキャラを大幅に強化する、いわゆる“救済武器”みたいなものも出てきていますが、これの狙いは?
甲斐:主だった狙いは、仰っている通りの救済なのですが、武器を選ぶ楽しみもあるゲームなので、キャラ自身の能力だけではなく、武器を選ぶことで攻略が楽になるようなバランスを目指しての調整です。
小林:新キャラを実装するにあたり、運営側としては当然、ガチャを回してもらいたいんですよ。正直に言いますけど、売り上げが伸びないことにはこの規模のゲームを作り続けていくことはできませんからね。
なので、新キャラを実装する際はそれに連動して、そのキャラが活躍できるイベントや、そのキャラに適した武器なども実装することになります。新キャラを追いかけていけば、それだけでも戦いは楽になるつくりになっているんです。
――昨今のソーシャルゲームではいたって一般的というか、すでに当たり前と言ってもいい仕組みですね。
小林:ただ、本作においては「自分はこのキャラを操作してイベントをクリアしたいんだ」という、強いこだわりを持ったユーザーさんも一定数おられます。
極端な話、「あっちのキャラのほうが有利になるのはわかっているんだけど、それでもこっちのキャラで勝ちたい」という、キャラへの愛着がものすごく深いユーザーさんは思っていた以上に多くて。
これはキャラが深く愛されている『スターオーシャン』というコンテンツならではなのかもしれません。ですので、そういったユーザーさんが置いてきぼりになることがないよう、武器である程度までは補正できるようにしたいとは考えています。
――武器ガチャが武器種ごとに分かれているというのも、ユーザー寄りな処置だとは思いますよ。あれが実装されたことで、お気に入りのキャラの武器が格段に入手しやすくなりましたから。あれは開発側からのアイデアなんですかね?
山本:いえ、あれは甲斐さんから「欲しい武器が出づらい状態になっているから、引きやすい状態にしてほしい!」とのリクエストを受けて実装した機能です。
小林:当然ながらガチャの頻度は落ちるわけですから、プロデューサーとしてはダメ出しすべきところなのかもしれませんが。甲斐が「必要なんです」というから、「じゃあ、やろう」って即決しました。
――イチユーザーとしては、とても助かっています。まぁ、それでもなかなか狙った武器が引けないのもまた一興なんですけどね(苦笑)。ちなみに、キャラの限界突破におけるリミットブレイカーのように、武器のレベル上限解放に使えるアイテムを実装してくれたりはしませんでしょうか?
小島:武器をそろえようとしたら、現状ではなかなか大変ですからね……(苦笑)。
山本:リミットブレイカーとはちょっと違った仕様になるとは思いますけど、じつは、武器の上限解放に関しては、なんらかの救済措置を考えています。
小林:本当に、ソーシャルゲームのプロデューサーとしては失格なのかもしれませんが、武器ガチャがたくさん回ることは、それだけユーザーの皆さんに負担を強いているわけでもあって。今より少しでも快適になるよう、なんらかの処置は盛り込みたいと思っています。
――それはとても楽しみです。リミットブレイカーほど気軽に手に入るものでなくても結構ですので、なんらか実装してください。よろしくお願いします!
小林:そのぶん、お気に入りの新キャラが実装された際は、ピックアップガチャを回していただきたいんですけどね(笑)。そこは応援ということで、どうかひとつ……。
――ゲームの運営は慈善事業ではないわけですし、それはプロデューサーとして当然のお気持ちですよね。
小島:実際、我々開発スタッフとしても、できるだけたくさんのキャラに触ってみていただき、育てていってほしいという思いはありますよ。
その一方で、バランスの調整はいろいろなやり方があっていいとも思っています。武器を作ったり、パラメータを調整したり、タレントを調整したり……。
――それこそ、“ロールの進化”や“レア度7の実装”といったアイデアもあったりするのではないですか?
甲斐:そういった類のアイデアもトライエースさんと議論しています。ただ、全体のバランス調整は非常に難しくなると思いますし、今のバランスでお楽しみいただいている間は、直近ですぐに実装ということはありません。
本作は『SO』である以上、バトルのおもしろさは常に担保し続けないとならないと思うので、そのバランスを著しく壊すようなことはなかなかできないんですよね。新しい武器種を1つ増やすだけでも、ものすごくナイーヴですし。
小林:こういうアイデアが挙がっても、必ずやるというわけではありませんね。いくら画期的なアイデアでも、ユーザーに求められていないものを実装しても仕方がないですし。
というか、ぶっちゃけ現状では無理でしょう。まだまだ実装できていないキャラがたくさん控えているというのに(笑)。
小島:それはそのとおりですね(苦笑)。ただ、トレンドを外れてしまったキャラに関しても、少なからず救済しようという意思や動きがあるということだけはお伝えしておきたいです。
正直、過度な期待はしないでほしいんですけど、悲観もしないでもらいたいな、と。
山本:開発側としては、いろんなキャラクターが活躍の場を持てるようになって欲しいので、構造的な問題が見つかれば手を入れることもあります。
特定のロールが死んでしまっている状態とか作りたくはないですから、まだまだバトルについては変化していくと思いますよ。
小林:キャラをとことん愛してくださる皆さんのために、お金にならない調整だってやりますよ。モーションを変更したり、ビューモードを進化させたり……。
そもそも、最初はビューモードでまばたきなんてしていなかったのに、いつの間にか実装されていましたよね。アレにはちょっと呆れましたよ(苦笑)。
――たしかに、お金に直結しなさそうな仕様変更ですもんね(笑)。
山本:現場から「もっとゲームをよくしたい!」と声があがって、どんどん仕様が実装されていたり、細かい変更が入っていたりしている状況で、きちんと小林さんと甲斐さんにご連絡できずに公開してしまったものもいくつかあったりします……。
小林:全体のスケジュールに変更がなければ問題はありませんけど、せめて修正が入ったら報告してもらいたいですね。突然細かいところが変わっていたりすると、こちらもビックリしちゃうので(笑)。
――さすがはトライエースってところですかね。キャラへの愛情がブレていないというか、キャラのモデリングとかモーションとか、力の入れようがハンパじゃない。
小島:ぶっちゃけ、このクオリティでキャラを作り、それを継続的に出しているゲームというのは他にないと思っています。
小林:こうなったらもう正直に言っちゃいますけど、新キャラを1人実装するにあたって、とにかく膨大な時間と予算がかかるんですよ。はっきり言って他のスマホゲームの常識では考えられないレベルです。
コンシューマーゲームと比較しても遜色のないキャラを作って、それを途中から増やすっていうのは本当に大変なことなんです。そこだけは皆さんにどうかご理解いただきたい……。
――それを月に4体くらい出しているんだから、現場への負担はとんでもないことになっていそうですね。なんでしょう、安易に「あのキャラも増やしてください。このキャラの実装はどうなっているんですか?」って聞きづらい雰囲気……。ただ、ファンとしては新キャラの実装がどんな判断基準で選ばれているのか、やっぱり気になってしまうわけで。
甲斐:日々、ユーザーの皆さんからご要望をいただいていて、それらを参考にしたり、あとはイベントやアップデートの内容によって決めたりと、チョイスの理由はさまざまです。
当然、皆さんからの声が大きいキャラはどんどん追加していきたいと思っています。
小林:6~7月はウェディングや水着などの季節もの……もっというと、どうしても女の子キャラに偏ってしまいました。ユーザーさんの中には、「男性キャラは冷遇するの?」という不安の声も挙がっていたようですが、けっしてそんなことはありませんのでご安心ください。
イベントの内容的にたまたま女性キャラが続いてしまっただけですので。ちゃんと男性キャラでもいろいろ進めていますよ。とはいえ、WEB広告からの流入では女性キャラのほうが圧倒的、という実績もあるのでその点はご理解いただきたいです。
――最終的には、シリーズの全キャラが出ることを期待しちゃっていいですよね?
小林:目標としては当然そうです。むしろ、僕が企画の際に掲げたテーマは“トライエースのオールスター大戦”なので、『SO』だけに留めるつもりもないんですけど。
小島:こちらとしても、たくさんのキャラを早く出したいんですが、先ほど小林さんがおっしゃっていたように、かかる時間も予算も膨大なもので、なかなか……。
『SO1』の頃とか、ソシャゲのことや立体になることをまったく想定していないキャラづくりをしていたこともあって、とくに苦労しています。
小林:小島さんから本音が(苦笑)。まぁ、『SO1』や『SO2』のキャラは、なんだか特殊な武器種が多いから、それを使いまわせるのかって問題もありますよ。
――たしかに。僕は『SO2』のオペラの実装を心待ちにしている勢なんですけど、いざ実装されるとなると、今の銃ではどうしようもないですもんね。どうしたってライフルの実装が必要になってしまいます。
小林:そうなんですよ。そうなると新しい武器種を実装せざるをえなくなるんですが、ひと筋縄ではいかない。
――ビジュアル、攻撃パターンの制作、バランス調整……やらなければならないことはいっぱいありそうですね。でも、たとえば『SO4』のエイルマットには大鎌を振り回してもらいたいし、『SO2』のプリシスにはあの無人くんで殴ってほしいからナックルで代用とかしてほしくないし……あああ。
山本:武器種を1つ追加するだけで、ものすごくコストがかかりますし、頻繁に追加するのもなかなか難しいんです……。オーブの時は本当にキツかったので……。
――それだけ苦労して武器種を増やしたとなると、それを使うキャラを実装したくなるでしょうけど……ライフルや大鎌を使うキャラなんて唯一無二ですよね。
甲斐:そんな悩みを解消できるのが、じつは季節キャラだったりするんですけど(笑)。
――なるほど! たしかに、季節ガチャで実装するキャラについては、ある程度遊ぶことができますね。個人的に、常夏のソフィアがオーブをビーチバレーボール扱いして、敵に思いっきりスパイクを決めるラッシュコンボにはめちゃくちゃ笑わせてもらいました(笑)。
小林:とはいえ、そこらへんの線引きも簡単ではありません。まだ実装できていないキャラがたくさんいるのに、やれ季節キャラだ、やれコラボキャラだって、それらを優先してしまうのもなんだか違うじゃないですか。
もちろん、遊んでくださるユーザー層を広げるため、今後も季節キャラや他のタイトルとのコラボは行っていきますが、あくまでも軸足は『SO』に置いて、シリーズキャラを着々と実装していきたいと思っています。
しつこいようですが、どうしたって時間はかかってしまうので、そこはどうかご理解いただければ幸いです。
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