2017年8月30日(水)
【ハード番長】新たな『リアルアーケードPro.』を評価。『サイレントHAYABUSA』と『Pro.N』の操作感は!?
押忍! 周辺機器や電子機器など、さまざまなものを雑多に紹介する【ハード番長】。今回はホリから発売中のPS4/PS3/PC用周辺機器『リアルアーケードPro.V サイレントHAYABUSA (2017年モデル) for PlayStation4/PlayStation3/PC』と、『リアルアーケードPro.N HAYABUSA for PlayStation4/PlayStation3/PC』について、お届けしていきます。押忍!!
『リアルアーケードPro.V サイレントHAYABUSA (2017年モデル)』は、『リアルアーケードPro.V HAYABUSA(2017年モデル)』の静音版。入力精度の向上、入力応答速度の向上は通常版そのままに、静音化を実現しています。
『リアルアーケードPro.N HAYABUSA』は、ワイド天板と重量級筐体で安定した操作を実現したアーケードスティックです。OPTIONSボタンの誤押しを防ぐ“スライド式ボタンカバー”を搭載。底面には、安定性の高い滑り止めマットが採用され、滑りにくいうえに、膝置きプレイ時の金属特有の冷たさを緩和しています。
今回、kbjと喜一、カズが2種類の『リアルアーケードPro.』をレポート。その特徴や魅力をレビューしていきます。押忍!!
下手の横好き kbj
『リアルアーケードPro.V サイレントHAYABUSA (2017年モデル)』はその名の通り、スティックとボタンの静音化が特徴。スティックのカチャカチャという音、ボタンを叩いた音がかなり小さくなっています。
周りの人や遊ぶ時間を気づかうことはアーケードスティックの“アルアルネタ”だと思いますが、そんな人にはうれしいかと。個人的にも、隣の人に気を使いながら遊んでいるのですが、今日からこちらにしたいと思います。
ボタンを押しても反応しない深さ、いわゆる“遊び”が少ないうえに、感触が独特なのは好みがわかれる部分かもしれませんが、しばらく操作するなかで慣れるかと。指とボタンが物理的に当たるうえに、ボタンが押されて入力されているため、音が完全になくなるわけではないのですが、うるさいとは思わないですね。
角が丸くなり、こすりしやすくなっていること、表面がマット調に加工され、ヨゴレに強くなっているのは家で遊ぶ際にはうれしいです。
スティックをさわった感じはやや軽め。操作しやすい面と、意図しない入力がありうるという2つの面があります。普段アーケードのスティックを操作している人からすると、すこし違和感があるかもしれません。なお、この部分については、後述するカズが的確なコメントをしているので、ぜひ参考にしていただければと。
ステレオヘッドホン/マイク端子が搭載されたのは、素直にいいところですね。格闘ゲームを身内でプレイする際には、ボイスチャットをしながら遊ぶケースもありそうですから。
『リアルアーケードPro.N HAYABUSA』は、見た目が大きいという印象を受けます。
●『リアルアーケードPro.V サイレントHAYABUSA (2017年モデル)』
【全長×奥行×高さ】約430mm×約240mm×約114mm
【質量】約2.2kg
●『リアルアーケードPro.N HAYABUSA』
【全長×奥行×高さ】約430mm×約270mm×約120mm
【質量】約2.9kg
数字上では、『サイレント』から奥行30mm、高さ6mm増えているだけなのですが、数値以上に大きいという印象があります。手首を天板にしっかり置いてプレイしたい人にはうれしい仕様かと。
そのうえで、横にくぼみがあるため、持ち運びに便利。アーケードスティックは友だちの家に持っていったり、撮影で移動したり(ゲーム編集部だけ?)が多いため、移動させるのが楽なのは地味にいいです。
『サイレント』と比べると、ボタン音が響くこと、スティックの入力がしっかり入る印象。“固いからしっかり入る”ととるのか、“固くて操作しにくい”となるのかは人に寄りそうです。ここについては店頭にあるサンプルを試していただくのがいいかと。
OPTIONSボタンにはスライド式のカバーがあります。これまでOPTIONSボタンの誤入力を経験したことはないのですが、カバーを閉じられるのは気になる人にとってはうれしい配慮かと。
重さは約2.9kg。これまでの『RAP』シリーズの2.2kgと比べるとやや重くなっています。もともと動きにくかったのですが、底面には滑り止めマットがあることでより安定するように。マットはかなり大きく張られていて、安定性はこれまで以上です。
これまでのレビューでも言ってきたのですが、周辺機器を購入する時に考慮するのは、予算と環境だと思います。小さいものを探しているのか、安いものなのか、中型でそこそこの価格のものを求めているのか、高くて扱いやすいものなのか、静音タイプなのか、アーケードに近い操作性なのか……。
今回紹介した『サイレント』は静音性が特徴です。『リアルアーケードPro.N HAYABUSA』はやや大きめながら、アーケードに近い操作性を実現しています。
ホリさんをふくめ、他社様からもさまざまな商品が販売されています。環境、予算にあわせて、チョイスしていただければと思います。
周辺機器と格闘ゲームを愛する男 喜一
『リアルアーケードPro.V サイレントHAYABUSA (2017年モデル)』は圧倒的にボタンを押した音が静かですね。集合住宅とか寮に住んでいて、周囲へ音の心配をしている方へオススメです。
ただ、僕もそうなんですが、格闘ゲームでコンボをいれる時にボタン音でリズムを取る人には、少しボタン音が静かすぎるかもしれません。少数派だとは思いますが、気にする方は気にする部分ですね。ここは慣れが解決してくれるので、そこまで気にする必要もないかと。
あとは、ボタンを押した感触は『サイレント』独自のものなのがよいですね。ボタンを押した際の反発が少ないので連打に向いているため、連打系の必殺技は出しやすいかもです。
スティックは、他のものに比べるとかなりアクションが軽いタイプになります。ただ、普段から『RAP』シリーズを使っている人ならそこまで違和感はないでしょう。
正直なところ、アーケードコントローラとしての完成度は、かなり極まってきていると思うので、次はメンテナンスを簡単にできるようになるとよいかなと。
手軽にアーケードコントローラでゲームを遊びたい人は、『サイレント』か通常のバージョンを購入すればよいかと。そういう意味では、アーケードコントローラの入門的製品だと言えます。
続いて『リアルアーケードPro.N HAYABUSA』です。
まず、高級感のあるデザインが素晴らしいですね。ここは個人の感覚になるのですが、見た目がすごくカッコいいのはうれしいポイントかと。
あと、奥行きがあるため、レバーを握ってボタンに指を置いた時にしっかり安定します。これはアーケードに近しい感覚かと思いました。
OPTIONボタンにカバーがついて、隠されているのもポイントですね。ゲーム中に間違えて押してしまう可能性が、極限までなくなっていますから。
加えて、上記の『リアルアーケードPro.V HAYABUSA(2017年モデル)』に比べると、スティックとボタンの間隔がやや広いのもありがたいところ。手が大きい人だと、間隔が近いと窮屈な感じがしてしまうんですよね。このボタン同士の間隔幅は、アーケードライクな気がします。
僕は家では膝の上にアーケードコントローラを置いてプレイするのですが、ガッチリとした作りなので膝置きでもしっかり安定しますね。素晴らしい……。
2つを比べると、僕はボタン音などを気にする環境ではないため『リアルアーケードPro.N HAYABUSA』がオススメかなと思いました。全体的にゴツい建てつけのものが好きなのですが、加えてスティック部分、重量、デザインともに心にささりました。
ただ、『サイレント』がダメというわけではありません。音への配慮が必要な環境でしたら、『サイレント』をイチ押しさせていただきます。
格闘ゲーム歴は20年以上! カズ
『リアルアーケードPro.N HAYABUSA』はさわった感じがアーケード筐体にとても近く、すごく扱いやすいです。レバーの感触もしっかりしていますし、入力の精度もいいです。
個人的には、OPTIONSボタンにフタをできるのが気に入りました。大会でもつい押されてしまうアクシデントがあるので。トレモなどでひんぱんにOPTIONSボタンを押す時はカバーを外せば問題ないですし、これは助かります。
あと、対戦中に使わないボタンも必要な時にすばやく押したいので、側面ではなくて上部についているのがベター。ここも個人の感覚になるのですが、そういう面でもうれしい配置です。
また、重量がしっかりしているので、膝に乗せてプレイした際にも安定して遊べます。
裏に滑り止めのマットが付いているのはすばらしいです。安定感はプレイスタイルに依存することで、プレイヤーの問題でもあると思うのですが、ニーズに応えようとするメーカーの姿勢がすごくうれしいです。
あと、個人的な話ですが、夏に短パンでプレイをしていると金属部分が冷たいですし、さらに汗で錆びることもあるので、この仕様はすごく助かります!
コメントに困るくらいに遊びやすく、全体的にいい仕様だと感じています。
『リアルアーケードPro.V サイレントHAYABUSA (2017年モデル)』は、操作音が圧倒的に小さいのが特徴。寮に住んでいた時、レバー音がうるさくて隣の人が音楽のボリュームを上げて対抗してくるということがあったのですが、これであればそういうことは少なそうです。
スティックレバーは少し軽めです。これは賛否が分かれそうです。
軽いのでグルッと回しやすく、半回転以上のコマンドが入れやすいです。レバーを斜めに入れた時の引っ掛かりが少ないので、初心者やコマンド投げが難しいと感じている人におすすめです。
一方で、一部のコマンド入力の難易度が高くなってしまうかも知れません。『鉄拳』シリーズの“山田ステップ(通称:山ステ)”を試したところ、正確に入力すればレバー入力は3つですが、4~5つ入力されてしまうことがしばしばありました。ニュートラルへ戻す(レバーを放す)時に、若干暴れやすいイメージでしょうか。
静音スティックと普通のスティックがまったく同じ性能だったら、すべて静音スティックでいい……という話になるので高望みしすぎかもしれませんが、シビアなレバー操作が求められるゲームやキャラにはちょっと慣れが必要です。
あと、ボタンの間隔が先ほど操作した『リアルアーケードPro.N HAYABUSA』より少し広いのと、左から3列目のボタンの位置が異なります。どちらも一長一短だと思いますが、薬指の操作が忙しいキャラには『サイレントHAYABUSA』が向いているかもしれません。
例えば、『ストリートファイターIV』のジュリの風破刃、『ギルティギア』のザトー=ONEの分身操作がそうです。薬指の根元で下のボタンを押しつつ、指先で上のボタンを押すのが特にきついのですが、距離や角度から、この『サイレントHAYABUSA』は押しやすいですね。マニアックなネタですみません。
格闘ゲームの練習をする場合、トレーニングモードにこもることが多いと思います。その際に、メニューを開くボタンを押しやすいことはとても重要。『サイレントHAYABUSA』はオプションボタンを押しやすい位置にあると感じました。
そもそもの企画を否定するような発言になってしまうのですが、実はアーケードスティックにはそこまでこだわりはないんです。アーケードは筺体ごとに、ボタン配置が違ったり、スティックやボタンの感覚が異なったりするのは当然。その違いを意識しながら入力するのはプレイヤーがやることだと思っています。
むしろ格闘ゲームの初心者は、少しの環境の違いでコマンド入力をミスしてしまうことがあると思うので、自分にあったものにするのか、アーケード環境に近い感覚のものをするのか、最初に選択したほうがわかりやすいかと。
ただ最近は、コンシューマで練習した成果をアーケードで発揮するというより、家庭用でそのままオンライン対戦で競い合うケースが多いので、前者だけを考慮するのでもいいのかもしれません。
アーケードスティックを選ぶ際には、目標や環境がどうなっているのかが大事かだと思います。家族や隣人に配慮する必要があるなら、静かに遊べる『リアルアーケードPro.V サイレントHAYABUSA (2017年モデル)』が選択肢にあがると思われます。
大会に出たいと思っている人や上位ランカーを狙っている人には、より正確に入力できる『リアルアーケードPro.N HAYABUSA』をオススメします。環境と予算を考えてチョイスしていただければと思います。
(C)HORI Co., Ltd.
※本品はPlayStation2、PlayStationおよびPS oneにはご使用になれません。
※本品はPlayStation2規格のソフトウェアでの動作保証はいたしません。
※PlayStation4、PlayStation3のシステムソフトウェアのバージョンによってはお使いいただけない場合があります。
※PlayStationは株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントの登録商標または商標です。
※リアルアーケードPro.は株式会社ホリの登録商標です。
※その他、記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
- 『リアルアーケードPro.V サイレントHAYABUSA (2017年モデル) for PlayStation4/PlayStation3/PC』紹介ページはこちら
- 『リアルアーケードPro.N HAYABUSA for PlayStation4/PlayStation3/PC』紹介ページはこちら
データ