News

2017年9月7日(木)

『グウェント』のストーリーキャンペーンや賞金制大会について本間覚氏にインタビュー!

文:電撃PlayStation

 CD PROJEKT REDより好評配信中のPS4/Xbox One/PC用オンラインカードゲーム『グウェント ウィッチャーカードゲーム』。今回はジャパン・カントリー・マネージャーの本間覚氏に本作の今後の展開などをお聞きしました!

『グウェント ウィッチャーカードゲーム』

 『グウェント』は基本プレイ無料のオンラインカードゲーム。3ラウンド制や、すべてのカードにコストの概念がない点など、既存のカードゲームとは一線を画す独特のルールが大きな魅力となっています。ゲーム内容の詳細はこちらの記事をご覧下さい。

『グウェント ウィッチャーカードゲーム』
▲チュートリアルにはゲラルトとシリが登場し、『グウェント』の基本的な遊び方を学ぶことができます。

 ドイツのケルンで、現地時間8月22日(火)~26日(土)に開催されたコンピュータゲームの見本市“gamescom(ゲームズコム) 2017”の会場では、『グウェント』の今後に関するさまざまな発表がありました。

『グウェント ウィッチャーカードゲーム』
▲ゲームズコム会場での『グウェント』ブース。
『グウェント ウィッチャーカードゲーム』
▲リアルグウェントの展示も。
『グウェント ウィッチャーカードゲーム』
▲多くのコスプレイヤーもブースを盛り上げました。

 今回のインタビューでは、その際に発表された1人用ストーリーキャンペーン『奪われし玉座』についてや、公式eスポーツシリーズ“GWENT Masters”。さらに8月29日(火)に配信されたばかりの大型アップデートなど、さまざまなことを本間氏に伺いました。

『グウェント ウィッチャーカードゲーム』
▲CD PROJEKT RED ジャパン・カントリー・マネージャーの本間覚氏。日本語翻訳や日本語音声収録など、ローカライズ業務から国内の販促展開まですべてを担当されています。

『奪われし玉座』はシングルプレイ専用のデッキを強化しながら物語を進める

本間覚氏(以下、敬称略):ゲームズコムに合わせて、1人用ストーリーキャンペーン『奪われし玉座』を発表させていただきました。価格は未定ですが有料で配信して、エンディングまでだけでも10~15時間ほどしっかりと遊べるキャンペーンになっています。年内に海外版と同時配信予定で、今期の下半期で最も注力しているコンテンツですね。

■グウェント 奪われし玉座 キャンペーンティザートレーラー

 ナレーションは屋良有作さんです。自分の中では“銀河英雄伝説”の“銀河の歴史がまた1ページ”というナレーションが印象的な方ですね。主人公のメーヴは朴ロ美さん(ロは王偏に路)に演じていただきます。なお音声はフルボイスです。

 トレーラーを見ていただければわかりますが、今回はウィッチャーたちの話ではなく、1人の女王にフォーカスを当てた新たな物語が展開します。メーヴは、テメリアやレダニアと同じ北方諸国の国であるライリアとリヴィアを統べる女王です。北方諸国はニルフガード帝国と頻繁に戦争をしてまして、『ウィッチャー3』で描かれたのは第3次ニルフガード戦争でした。今回舞台になるのは第2次ニルフガード戦争です。

 ニルフガードが突然、北方諸国に宣戦布告を行い、あっという間にライリアとリヴィアが攻め落とされてしまったのですが、それはメーヴがとある人物に裏切られてしまったからなんです。裏切られて国を失ったメーヴの復讐劇と、国を取り戻す物語が描かれます。

『グウェント ウィッチャーカードゲーム』
▲中央がメーヴ。左はレイナード、と右はガスコンというキャラクターとのこと。

 メーヴは原作から登場しているキャラクターで、8月に新装版が発売された小説“ウィッチャーI エルフの血脈(ハヤカワ文庫)”の終盤にもちょっとだけ出てきます。ほかの2人はCD PROJEKT REDが新たに生み出したキャラクターですね。

 原作ファンならわかるのですが、メーヴとゲラルトには接点があるんです。ゲラルトがリヴィアの兵士と共に戦ってメーヴを助けたことがありまして、それで彼は“リヴィアのゲラルト”と呼ばれることになりました。そのためゲラルトも『奪われし玉座』には登場します。が、主人公はあくまでもメーヴです。

 開発チームは常に新たな物語を描きたいと考えています。ですので今回は大筋こそ原作の史実に則ってはいるものの、既存キャラクターの話を拡張するのではなく、まだゲームの『ウィッチャー』シリーズには登場していなかったメーヴを筆頭に、多数の新キャラクターたちをメインにした物語が描かれます。

――第2次ニルフガード戦争というのは、『ウィッチャー3』からどれくらい過去の出来事なのでしょうか?

本間覚:『ウィッチャー3』が1272年の話で、『奪われし玉座』の話は1267年前後なので、それほど昔ではありませんが、『ウィッチャー』1作目よりは昔ですね。ゲラルトやおなじみのキャラクターが登場することもあるかもしれません。

――音声はフルボイスとのことですが、収録はこれから行うのでしょうか?

本間覚:はい。以前『ウィッチャー3』の拡張DLCである『無情なる心』の音声収録を行ったのですが、今回の『奪われし玉座』はそれと同じくらいのボリュームがあると思っていただいて間違いないかと思います。

『グウェント ウィッチャーカードゲーム』
▲会話シーンは、音声に合わせてキャラクターの口元が動くなど、細かい部分まで作りこまれています。

 ゲーム内容としては、実際にメーヴを動かして5つのマップを探索し、クエストやアイテムを探します。マップにはドワーフたちが住む山など、ゲーム化されるのが初めての場所も多数あります。そして敵とエンカウントしたらグウェントでのバトルが始まります。会話シーンでは多数の選択肢が登場し、選んだ内容によってクエストの結末は大きく変わります。

『グウェント ウィッチャーカードゲーム』
▲斜め見下ろし視点のマップを探索して物語を進めます。

――画面の右上に表示されている数値は何でしょうか?

本間覚:お金と徴兵ポイントです。キャンペーンで使用するデッキは、メーヴが率いる軍隊という位置付けになっています。デッキを強化するには、拠点でお金や徴兵ポイントを消費して新たな兵士を雇ったり、攻城兵器などを開発する必要があります。また拠点内の施設をアップグレードすることで、さらに強力なカードを作れるようにもなります。

 クエストを達成することでも新たなカードが手に入る場合があります。例えば民を助けるためにお金を渡すことで、民が仲間になって民衆のカードが使えるようになるみたいな。

――クエストの進め方によって、自分のデッキ内容も変わっていくのはおもしろいですね。

本間覚:プレイヤーの選択によってクエストの結末やデッキが変化するのと、仲間になるキャラクターも大きく変わりますので、何周でも遊べる作りになっていると思います。

――1周のボリュームが10~15時間とのことですが、隅々まで遊び尽くそうとするなら、その2、3倍は楽しめそうですね。

『グウェント ウィッチャーカードゲーム』
▲シングルプレイのバトルでは、マルチプレイにはなかった要素が多数盛り込まれます。

本間覚:バトルでは、物語を追体験するのに適している、シングルプレイ用に調整された専用のデッキで戦います。メーヴが自分の勢力のリーダーとして敵と戦うのですが、通常のグウェントで戦うこともあれば、決まった盤面からどうすれば勝てるのかを考える“詰将棋”のようなバトルもあります。

 マルチプレイに興味がなくて今まで『グウェント』で遊んでいなかった人でも、物語を十分に楽しめる内容になっていますので『ウィッチャー』ファンの方にはぜひ遊んでいただきたいですね。マルチプレイと比べても、ストーリーキャンペーンはよりライトに遊べるようになっていますので、是非改めて『ウィッチャー』の世界を冒険していただければと思います。

 なお『奪われし玉座』購入者には20枚のマルチプレイ用カードが即座に付与され、さらにキャンペーンをクリアすると20枚のプレミアムバージョンも付与されます。

――今回は北方諸国が舞台ですが、追加されるカードも北方諸国がメインになるのでしょうか?

本間覚:そこは偏らないように、各勢力バランスよく追加される予定ですね。

――残る4勢力のストーリーキャンペーンも配信されるのでしょうか?

本間覚:その予定です。各物語はすべて1人のナレーターが語っているのですが、実は彼は単なる語り部ではありません。その正体は果たして… といったところも語られますね。ただ、本気で開発しているキャンペーンなので、1本作るのに膨大な時間がかかります。全勢力分揃うのは結構先になりそうですが。それくらいの規模でやっていく気概があると受け取っていただければ幸いです。

本当の実力者たちが鎬を削る公式eスポーツシリーズ“GWENT Masters”

■グウェント ウィッチャーカードゲーム GWENT Masters

本間覚:“GWENT Masters”はグローバルなeスポーツの仕組みです。ゲームズコムで行われた第1回“GWENT OPEN”が、このシリーズの最初の大会でした。一番下のブロンズランクトーナメント“GWENT OPEN”は、2カ月に一度のペースで開催される賞金総額25,000ドルの大会です。

 その上のシルバーランクトーナメント“GWENT CHALLENGER”は4カ月に一度のペースで開催され、こちらは賞金総額100,000ドルになります。そして一番上のゴールドランクトーナメント“GWENT WORLD MASTERS”は世界一のプレイヤーを決める大会で、2019年1月に1回目の開催を予定しています。賞金総額は250,000ドルです。これらの大会をまとめて“GWENT Masters”と呼びます。

 eスポーツで良くあるのが、日本大会→アジア大会→世界大会のように地域別の大会を行うことなのですが、『グウェント』では実力さえあればどんな人でもすべての大会に参加できるのが大きな特徴です。

 まず“GWENT OPEN”へ参加するには、ゲーム内でプレイ可能なオンライン予選的なモードである“プロ・ラダー”で上位入賞する必要があります。

 2カ月毎に成績優秀者8名を選出し、CD PROJEKT REDの本社があるポーランドのワルシャワで“GWENT OPEN”を行います。なお“GWENT Masters”の公式大会ではすべて、旅費や宿泊費などの費用はCD PROJEKT REDがカバーしますので、本当にどこの国の人でも参加可能です。

――第1回“GWENT OPEN”では、ワイルドカードプレイヤーだった“Shaggy”氏が、全試合を通じて1敗だけという圧倒的強さで優勝しましたね。

『グウェント ウィッチャーカードゲーム』
▲第1回“GWENT OPEN”のトーナメント表。

本間覚:強かったですね。“Shaggy”氏はこれまで無名のプレイヤーだったのですが、これをキッカケに有名プレイヤーになってもらえると、絵に描いたようなサクセスストーリーでこちらとしても嬉しいです。ほかにも“Hanachann”氏という中国人プレイヤーの方が良いプレイをしていたので、同じアジア勢として応援していました。あの中に日本人プレイヤーが入る可能性も十分あると思います。目指している日本人プロゲーマーの方も何人か知っていますから。

 そして“GWENT OPEN”の決勝進出者は次に開催される“GWENT CHALLENGER”へ招待されます。残りの参加者はまた別の基準で優秀な方が選ばれ、8人で大会を行います。なお“GWENT CHALLENGER”の1回目と2回目はポーランドで開催されるのですが、3回目はアメリカ、4回目は中国、そして5回目は日本で開催予定です。だからと言って、開催地の人しか参加できないということはありません。また逆に、開催地の人が参加しやすくなるようなこともありません。

 なお現在調整中ですが、景品表示法などの関係で、日本では大会を開催できない可能性もあります。それでも日本での開催を予定しているのは、CD PROJEKT REDが日本を大きなマーケットとして期待しているからなんですね。4回目に開催予定の中国も大きなマーケットとして期待していて、8月下旬から始まったクローズドベータでは既に大勢のプレイヤーが『グウェント』を楽しんでいます。

 そして“GWENT CHALLENGER”の優勝者たち全員と、主に“プロ・ラダー”の成績に応じて獲得できる“クラウンポイント”の、全期間合計数が多かった上位数名が招待され、8人で“GWENT WORLD MASTERS”を行います。すべての大会の賞金を合わせると1億円程度になるので、1人で数千万円を稼ぐ人が現れるかもしれません。

『グウェント ウィッチャーカードゲーム』
▲最高峰の大会である“GWENT WORLD MASTERS”の直前には、日本で“GWENT CHALLENGER”が開催予定。果たして何人の日本人プレイヤーが参加できるのでしょうか?

――“GWENT OPEN”へ出場するための“プロ・ラダー”とはどんなモードなのでしょうか?

本間覚:eスポーツ専用モードという位置付けで、1シーズン(2カ月)での成績上位者が“GWENT OPEN”へ招待されるのですが、通常のランキングとは評価基準が異なります。

 通常のランキングモードはどの勢力のデッキを使っても良いのですが、それでは一番強いと言われるデッキを使って戦い続ければ上位入賞できてしまいます。“プロ・ラダー”では自分のランキングポイント(MMR)が勢力毎に集計され、4勢力のMMRを合計した総合MMRで順位を競います。そのため4勢力を使いこなさなければ上位入賞は難しいでしょう。

 さらに厳しいのは勢力毎のMMRは、その勢力で対戦した試合数分のパーセンテージしか総合MMRに反映されない点です。つまり1勢力につき最低100試合で、4勢力分では400試合をしなければ、総合MMRを最大化させることはできないのです。逆に言えば、それくらい『グウェント』に没頭できる、プロを目指す方向けのモードということですね。

『グウェント ウィッチャーカードゲーム』
▲上記の例では、ブルーの北方諸国は100回プレイ済みなのでMMR1500が100%総合MMRに加算されます。しかし50回しかプレイしていないニルフガードは、MMR1000のうち50%の500しか総合MMRに加算されません。

 また“プロ・ラダー”をプレイしても、カードタルやアバターなどのゲーム内報酬は手に入らないため、“GWENT OPEN”など公式大会を目指していない人が遊ぶ意味はあまりありません。そもそも通常のランクモードで好成績を残したごく一部の人しか参加できないモードですから。ただそこまで行けなくとも、2カ月に一度開催される大会の配信を見たり、有名プレイヤーの配信を見たりして、“GWENT Masters”を楽しんでいただければと思っています。

 これは“ガチな人だけのゲームにしたい”というわけではなく、“eスポーツとしてプレイする人”と“ゲームとしてカジュアルに楽しむ人”を明確に分けたいからこのようにしています。ですので“プロ・ラダー”とそれ以外のモードではマッチングも別になります。ランク報酬としてアバターやカードタルを手に入れたい方は通常のランクモードで遊んでいただくことをオススメします。

――プロとカジュアルを明確に分けることにはどのような理由があるのでしょうか?

本間覚:“プロ”というのはお金を稼げる人を指しますよね。CD PROJEKT REDは、『グウェント』の賞金だけで生活できるプロを育てたいと考えています。ですので“プロ・ラダー”も、プロゲーマーの方々の意見を取り入れた仕組みになっています。つまり片手間で遊んだ人が、運の良さだけで優勝して賞金を手に入れるような事態をなるべく避けるために、“プロ・ラダー”自体を狭き門にしているのです。

――つまり敷居が高いぶん、“プロ・ラダー”を本気で頑張った実力者が大会に出場しやすくなっているということですね。

本間覚:その通りです。2017年5月に開催された第1回“GWENT CHALLENGER”の優勝者であるLifecoachさんは、元々は他のデジタルカードゲームのプロプレイヤーでした。Lifecoachさんが『グウェント』に移って来た理由は、『グウェント』の競技性が高く、運よりも技術が重視されている点に魅力を感じたから、そしてCD PROJEKT REDの競技シーンに対する考え方に共感したからだそうです。そこで我々としても、しっかりと実力が反映されるような仕組みを構築しました。

 とはいえそこまでガチになってしまうと、日本のプレイヤーがついていけなくなってしまう可能性もあるため、日本国内向けの小規模な大会を毎月開催させていただきます。それが優勝賞金10万円の“DEKKI White Wolf Tournament”です。

『グウェント ウィッチャーカードゲーム』

 16名のPCプレイヤーと16名のPS4プレイヤーの合計32名で競うトーナメントになっていて、生放送も行う予定です。参加者の32名は応募者の中から抽選で選ばれるため、“プロ・ラダー”のような長い予選はありません。「“プロ・ラダー”はシンドイけど、大会には出たい」という方に向けた日本独自の大会なので、興味がある方はぜひ応募してみて下さい。9月の参加登録は14日(木)午前11:00~18日(月)午前11:00です。参加者には全カードが使用可能なアカウントをお貸しするので、カード資産がない方にもチャンスがあります。

――これから“プロ・ラダー”へ参加するためにはどうすればいいのでしょうか?

本間覚:通常のランクモードでランク21を達成すると、翌シーズンから“プロ・ラダー”に参加できます。ただランク21というのは最高ランクのことなので、なかなか厳しい条件だと思います。“プロ・ラダー”で遊ぶ人が増えると、そのぶん通常のランクモードから実力者が減るので、多少は勝ちやすくなるかもしれませんが。

――“プロ・ラダー”から降格することもあるのでしょうか?

本間覚:降格条件もあります。2カ月毎のシーズン終了時に、最低10試合プレイしていない人が降格となり、さらに総合MMRが下位10%のプレイヤーも降格になります。降格するとまたランク21を達成しなければ“プロ・ラダー”に復帰することができません。

――本間さんの予想としては、“プロ・ラダー”の参加人数はこれからどうなると思いますか?

本間覚:やってみなければわからない部分ですが、1stシーズンの“プロ・ラダー”だけは条件が少し簡単だったんですよ。8月に終了した前シーズンでMMR4200以上(ランク20相当)の方なら参加できたので。そのため1万人以上が参加していますが、ゲーム内報酬がなく全員が遊ぶとは思えないので、シーズンが進む度に少しずつ減っていくのではないかと予想しています。最終的には何百人や何千人に絞られたプロたちが、純粋に腕を競い合うモードになるのかなと。もちろんプレイ人口が増えれば、それだけ“プロ・ラダー”の参加者も増えると思いますが。

よりよいゲームを目指して根本のルールを破壊した大型アップデート

本間覚:8月29日に大型アップデートが配信されました。今回開発が注力したのは、ソーシャル機能の拡充です。PC版ですとゲーム内でのフレンドリスト機能に対応し、それを用いてフレンドマッチがしやすくなりました。またゲーム内でのテキストチャットに対応し、ゲーム内メニューからTwitterや公式コミュニティーなど各種SNSへ直接飛べるようにもなっています。今後は『グウェント』の最新情報がゲーム内からでもチェックできるようになります。

 そしてやっとPS4版とXbox One版でもフレンドマッチを実装できました(同じプラットフォームの相手のみ)。PC版で今回実装されたほかのソーシャル機能については、これから順次対応していきます。フレンドマッチを実装したことで、PS4版とXbox One版でもトーナメント戦が可能になりました。

『グウェント ウィッチャーカードゲーム』
▲プレイヤープロフィール機能も実装されました。他プレイヤーのカード所持状況や勢力毎の勝ち数などが確認できます。ユーザーの希望を反映し、今後もさまざまな情報が追加されていくようです。

 ゲームバランスに関しては、『ウィッチャー3 ワイルドハント』内でミニゲームの頃から無敵だったレジェンダリーに、ダメージや一部のアビリティが効くようになったのが非常に大きな仕様変更ですね。

――本当に驚きましたが、少し遊んだだけでもゲームがおもしろくなっているように感じました。

本間覚:賛否両論なのは理解していますが、私個人としてもおもしろくなっていると思いました。開発が仕様変更したかった一番の理由が、最終ラウンドにレジェンダリーしかない場合、カードをただ出すだけになってしまっていたからです。またその場合、相手にダメージを与えるカードが使えずにムダになってしまうんですよ。マリガンして引いてきたカードが使えない状況は、特にストレスを感じる瞬間だと思います。そういう状況を改善したかったので、大きな仕様変更を行ったようです。

 実際に状況は改善されたと思いますが、その代わりに今度はすべてのカードについて“レジェンダリーに干渉できるのかどうか”を決めなくてはいけなくなり、バランス調整はさらに大変になりました。またこれまでは、干渉されない前提でバランス調整をしていたレジェンダリー自体も、“破壊や封印の可能性がある”前提でバランス調整をしなければいけなくなりました。開発は地獄だと思いますが、地獄を通らないと創造はないという覚悟で臨んでいるみたいです。

『グウェント ウィッチャーカードゲーム』
▲毎ターン効果を発揮するタイプのレジェンダリーには、アーマーが付与されて倒されにくくなったり、破壊されたときにも効果が発動する“遺言”能力が付与されたりなどの調整が行われました。

 大型アップデートの少し前に“A ROUND OF GWENT エピソード1”という公式番組が配信されたのですが、番組の最後に学者風な人が出てきて「創造の前には必ず破壊が必要だ!」と言っていたのが、実は今回の大きな仕様変更の伏線だったんですね。

■A ROUND OF GWENT | エピソード 1

 『グウェント』は今までにない新しいルールのゲームであるため、まだ土台が固まっていません。ですので色々な調整を行って、土台を固めている段階です。ひょっとしたら今回みたいな大きな変更がまたあるかもしれません。もちろん個人的には、早くゲームの土台が固まって欲しいと思ってます。

――愛用していたカードが使いにくくなったり、変更されたカードの効果を覚え直さないといけないですからね。

本間覚:はい。もちろん開発もそれは理解しているのですが、2、3年後を考えるなら今のうちに大きな変更をしておいたほうがいいだろうという判断だったので、そこは尊重したいです。レジェンダリーに干渉できるようにするルールは、開発はかなり前から検討していました。実装に時間がかかった理由は、ゲームを根本から変えてしまう部分だったので、慎重にテストを重ねていたからのようです。

 クローズドベータからパブリックベータへ移行した際にも、勢力アビリティという『ウィッチャー3』の時から存在していたルールが廃止になりました。廃止になった理由は、勢力アビリティありきのデッキ構築になっていたためで、それを廃止することでさまざまなタイプのデッキが作りやすくなりました。そういった『ウィッチャー3』の頃からあったルールだとしても、ゲームのおもしろさを阻害するようなら破壊する方針なようです。

 それを繰り返してある程度土台が固まったら、今度は細かいバランス調整や、新カードの追加にシフトしていくと思います。

――ということは、まだまだパブリックベータは続きそうでしょうか?

本間覚:恐らくまだまだだと思います。PC版にはあって、家庭用ゲーム機版にはまだ実装されていない機能がありますし。それに観戦機能や、マルチプレイ対戦以外のコンテンツもありませんからね。それらがひと通り揃うまでは正式版とは謳えないと思います。ちなみに、年内にキャンペーンとは別に、さらなるゲームモードが実装されると既に発表されていたりもします。

――アップデート時は毎回、弱体化されたカードに対して補償がありますが、今回は根本から変わっていたので何をもって“弱体化”されたのか判断するのが難しかったように思います。

本間覚:難しかったですね。“これも弱体化してるんだから補償してほしい”という意見もあると思いますが、今回は公式サイトで発表させていただいたリストのカードに限らせていただきました。申し訳ありませんが、パブリックベータということでお許しいただければ幸いです。

――効果が変更されて、テキストがかなり長くなったカードもありましたね。

本間覚:そうなんですよ。これまでは自分の陣に出ているユニットは“味方”、相手の陣に出ているユニットは“敵”と記載していました。しかし今回から細かいタグが追加されて、“ブロンズのテメリアの味方”みたいな対象ができてしまったので、日本語としてわかりやすくするために“味方ユニット”“敵ユニット”という記載に変更しました。しかしそのぶんテキストが4文字ずつ長くなってしまったので、今後さらに長くなってしまわないかと心配しています。

――わかりやすさと文字数をちょうどよいバランスにするのは難しそうですね。

本間覚:難しいです。紙のカードゲームを作っている方たちを尊敬します。あちらは1度印刷したら簡単には修正できないわけですから。日本語で根本からテキストの書き方を変えてしまったほうがわかりやすくなるかなと思うのですが、そうした後にゲームのルールが大きく変わってしまったら収拾がつかなくなるので難しい所です。

――パブリックベータになったタイミングで、テキストの多くが“最弱”“継戦”などのキーワードで表記されるようになり、読みやすくなった印象がありました。

本間覚:クローズドベータのときはキーワード表記はなく、すべてテキストで記載していましたからかなり長文になっているカードがありました。でもまた長文のテキストが増えてしまったので悩ましいですね。ただ、色々な意見を見ていると、ややこしいゲームにもかかわらずそれなりの人がついてきてくれているので、カードゲームに慣れた人のリテラシーは高いのだなと感心しました。『ウィッチャー』ファンでカードゲームは初めてという人は大変だと思いますが。

――本間さんが、カードのテキストをすべて翻訳しているのでしょうか?

本間覚:はい、自分でやっています。毎週、カードのテキストが変更されたリストが次々と送られてくるため、外注に出すと余計に混乱しそうで。

『グウェント ウィッチャーカードゲーム』
▲今回のアップデートで、特にややこしくなったと本間さんが感じた“ディムン一族の海賊長”。

――仕様変更以外に、今回は新カード30枚も追加されました。

本間覚:パブリックベータに入ってからは初の新カード追加ですね。その多くは入手しやすいブロンズカードです。新たなゴールドカードはウィッチャー3人衆の“ヴェセミル”、“エスケル”、“ランバート”です。元々はシルバーカードとして存在していたのですが、3人が一斉に登場する効果であるにもかかわらず、3人とも無関係なアートワークでした。

 そこで、このアートワークを新たなアビリティを持たせたレジェンダリーの3人衆として再利用しました。そして既存の3人が一斉に登場する効果のシルバーカードには、『ウィッチャー3』のケィアモルヘンでワイルドハントたちと戦うシーンに基づいた、3人のアートワークを新たに用意させていただきました。3枚を横に並べることで1枚のアートワークとして完成するようになっています。

『グウェント ウィッチャーカードゲーム』
▲ウィッチャー3人衆の新たなアートワーク。

 ほかにもアートワークや名称が変更された既存のカードがあります。例えば、最弱ユニットをすべて破壊する“疫病”がネズミのイラストに変わりました。『ウィッチャー3』をプレイされた方にとっては、“疫病”と言えばネズミのイメージが強いですから。モンスターの“巨大カエル”は、『ウィッチャー』に存在する“カエルの王子様”という名称に変更されています。

『グウェント ウィッチャーカードゲーム』
▲ネズミが印象的な、新しい“疫病”のアートワーク。

――カード名称は結構変わっていましたね。“ウォーター・ハグ”が“アバヤ”になっていたり。

本間覚:“フィーンド”が“モルヴッド”、“火のエレメンタル”が“イフリット”のように、種族名だったカードのいくつかが、ボスクラスの強力な固体の名称に変わりました。なぜこのような変更をするのかと言えば、『ウィッチャー』シリーズは世界観重視のゲームなので、ユーザーからも“Lore(日本語では世界観という言葉に近い)”に合致した内容を求められるからなんです。既存のカードでも、より世界観に適した名称やアートワークがあるなら、そちらに変更されていくでしょう。

『グウェント ウィッチャーカードゲーム』
▲効果はそのままに、アートワークと名称が変更された“モルヴッド”。

――ゲームバランスの調整だけではなく、世界観に適合させるための調整があるのは『グウェント』ならではですね。

本間覚:そこはほかのゲームにはない大変な部分ですね。ビルナ・ブランという岩に磔にされているスケリッジの女王がいるのですが、背景の波が荒立っていたので“反対側の列にスケリッジの嵐を発生させる”という効果に変わりました。元々の効果はあまりイメージに合わなかったのですが、今回の調整でより世界観にマッチするようになったと思います。

――大きな仕様変更と新カード30枚について、プレイヤーたちがどのように受け止めるのかも気になる所です。

本間覚:開発も、プレイヤーたちの反応は細かくチェックしています。だから皆さんが思っている以上に、まだ“パブリックベータテスト期間”なのだなと感じますね。公式フォーラムやreddit、Twitterなどで物凄い数のフィードバックをいただいており、それらを参考にバランス調整や仕様変更を行っているので、これからもたくさんのフィードバックをいただけると嬉しいです。

 大掛かりなアップデートだったので、不自然な挙動のカードもいくつかあるのは申し訳ありません。それらを修正するホットフィックスをお待ちいただければと思います。

――では最後に読者へメッセージをお願いします。

本間覚:繰り返しになってしまいますが、CD PROJEKT REDとしては明確に2つの道を用意しています。1つはカジュアル向けの通常のゲームモード+1人用のストーリーキャンペーン。もう1つはeスポーツとして賞金を目指して戦っていただく“プロ・ラダー”と“GWENT Masters”です。さらに日本では2つの道の中間に位置する大会“DEKKI White Wolf Tournament”も毎月開催していきます。

 こういった形でカジュアルとプロの両プレイヤー層に訴えるゲーム作りをしていくつもりですが、なんだかんだ言ってもまだパブリックベータなのでご迷惑をおかけすることがあるかもしれません。しかしそれは正式サービスに向けて、ゲームをさらにおもしろくするために必要なことだとCD PROJEKT REDが考えてやっていることです。我々は 今まで“基本無料ゲームの運営”を行った経験がありませんので、この期間にさまざまなことを学びたいと考えています。

 デイリーボーナスやタルからカードを選べる仕組みなどからもわかるように、とても気前が良いのですが、それは“良いゲームが作りたい”ということしか考えていないからできるのだと思います。そう考えていなければ、このタイミングで根本のルールを変更するなんてできません。ユーザーから批判されることは火を見るよりも明らかですからね。

『グウェント ウィッチャーカードゲーム』
▲カードが手に入るタルの開封時、5枚目のカードは3枚の中から好きな1枚を選べるという非常に気前のよい仕様になっています。

 開発を続けるうえでユーザーの考えと異なる部分も出てくると思いますが、ユーザーと密にコミュニケーションすることでより良い選択を選び続けることができるはずです。しかしもし、ユーザーの希望とは異なる選択をしてユーザー数が一時的に減ったとしても、最終的によいゲームになって人が戻ってきてくれればそれで良い、という考え方を開発チームはしています。“よりよいゲームを作るために、破壊することを恐れない”スタンスを御理解いただけるとありがたいです。それと、今年中に日本で『グウェント』を含めた『ウィッチャー』のイベントを開催する予定なので、興味がある方は楽しみに待っていて下さい。

レジェンダリーが1枚必ず入手できる、非常にオトクなスターターパック販売開始!

 『グウェント』では、8月29日の大型アップデート後から、非常にオトクなスターターパックの販売が始まりました。

『グウェント ウィッチャーカードゲーム』

■スターターパック内容

・レジェンダリー1枚:3枚のレジェンダリー(プレミアムバージョン)がランダムに表示され、そのうち好きな1枚を選べる
・カードタル10個:各タルからは5枚のカードが手に入り、そのうち少なくとも1枚はレア以上確定
・星の粉400:所持するカードをプレミアムバージョンにアップグレードするために利用可能

(C) 2017 CD PROJEKT S.A. ALL RIGHTS RESERVED. CD PROJEKT(R), The Witcher(R), GWENT(R) are registered trademarks of CD PROJEKT Capital Group. GWENT game (C) CD PROJEKT S.A. All rights reserved. Developed by CD PROJEKT S.A. GWENT game is set in the universe created by Andrzej Sapkowski. All other copyrights and trademarks are the property of their respective owners.

データ

▼『グウェント ウィッチャーカードゲーム』
■メーカー:CD PROJEKT RED
■対応機種:PS4/Xbox One/PC
■ジャンル:カード
■発売日:2017年5月24日(パブリックベータ)価格
■価格:基本無料/アイテム課金
▼『グウェント ウィッチャーカードゲーム』
■メーカー:CD PROJEKT RED
■対応機種:Xbox One
■ジャンル:カード
■発売日:2017年5月24日(パブリックベータ)価格
■価格:基本無料/アイテム課金
▼『グウェント ウィッチャーカードゲーム』
■メーカー:CD PROJEKT RED
■対応機種:PC
■ジャンル:カード
■発売日:2017年5月24日(パブリックベータ)価格
■価格:基本無料/アイテム課金

関連サイト

電撃PlayStation

最新号紹介

  • 電撃PlayStation Vol.646

    電撃PlayStation Vol.646表紙画像

    2017年9月14日発売
    特別定価:694円+税

    【表紙&冊子16P】英雄伝説 閃の軌跡III
    【PS EXTRA】
     仮面ライダー クライマックスファイターズ
    【特集1】モンスターハンター:ワールド
    【特集2】塔亰Clanpool
    【特集3】CODE VEIN(コードヴェイン)
    【電撃特報】キャッスルパンツァーズ
     ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団
    【SUPER PUSH】真・三國無双8
     アンチャーテッド 古代神の秘宝
     龍が如く 極2 / 北斗が如く
     地球防衛軍5 / 地球防衛軍4.1 WTS
     CoD WWII / リトルウィッチアカデミア
     Destiny 2 / とある魔術の電脳戦機
     バレットガールズ ファンタジア
     KNACK ふたりの英雄と古代兵団
     聖剣伝説2 SoM / ウイイレ2018
     アサシン クリード オリジンズ
     ネプテューヌVIIR / よるのないくに2
     祝姫 -祀- / The Lost Child ほか
    【Online】ドラゴンクエストX オンライン
     FFXIV / PSO2 / DDON / FFXI
    【コード付録】よるのないくに2 / ネプVIIR
     旋光の輪舞2 / DDON / MHF-Z

    >> 詳細はこちら