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2017年9月23日(土)

『ファイアーエムブレム無双』で苦労したのはSLGとACTのバランス。システムや監修時の思い出を開発者が語る

文:kbj

 コーエーテクモゲームスから9月28日に発売されるNintendo Switch/Newニンテンドー3DS用ソフト『ファイアーエムブレム無双』。本作を手がけた開発者へのインタビューを掲載する。

 本作は、任天堂のロールプレイングシミュレーションゲーム『ファイアーエムブレム』シリーズとタクティカルアクションゲーム『無双』シリーズのコラボレーションタイトル。

『ファイアーエムブレム無双』

 早矢仕洋介プロデューサー、臼田浩也ディレクターには、さまざまな質問にお答えいただいた。開発の経緯や発表後の反響、開発中のエピソードやアクションへのこだわりなど、さまざまな話題が飛び出した。

『ファイアーエムブレム無双』
▲左が早矢仕プロデューサーで、右が臼田ディレクター。

 なお、インタビュー中は敬称略。

会社よりも先に版元の許可が出た!? SLGをACTにする際にこだわったところに迫る

――臼田さんはこれまでどのようなタイトルにかかわってこられたのでしょうか?

早矢仕:3DS『ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ』でディレクターをやっていて、その前のWii U『ゼルダ無双』の時もメインプログラマーをやってもらいました。

臼田:その前になると、『ニンジャガイデン3 レイザーズエッジ』にたずさわっていました。

――本作のメンバーは、『ゼルダ無双』チームから引き継がれている人が多いのですか?

臼田:全員ではないのですが、基本的な中心メンバーは一緒です。

早矢仕:さらに「『ファイアーエムブレム』が好きな人、集まれーーー!」と号令をかけて、その他のスタッフも集まってもらいました(笑)。

――『ファイアーエムブレム』はもともとSLG。なぜ『無双』とのコラボを行おうと思われたのですか?

『ファイアーエムブレム無双』

早矢仕:そもそもの話なのですが、“『無双』にしてほしいゲーム”として『ファイアーエムブレム』はずっと言われていました。『ゼルダ無双』が出た時に「いよいよ、次は『ファイアーエムブレム無双』だろう」という流れがあり、我々もぜひやりたいと思い、プロジェクトが動きました。

――版元である任天堂さん、インテリジェントシステムズさんの反応はいかがでしたか?

早矢仕:『ハイラルオールスターズ』を作っている初期段階のころに「任天堂さん、このような企画を次にやりませんか?」とお伺いしたところ、両社から「OKです! すぐにやりましょう!」というお答えをいただきました。

 ただ、その時点ではまだ社内に話を通していなかったので、まずは臼田に「今の作品ができあがったら、次はこちらをやらない?」と企画書を見せました。

(一同笑)

早矢仕:その後会社には「『ゼルダ無双』に続いてこちらも盛り上がります!」と『ハイラルオールスターズ』後に動き出しました。

――発表された際には、大きな反響があったのを覚えています。

早矢仕:こちらも想定以上の反響でした。『ゼルダの伝説』に続いて巨大なIPの次の取り組みでしたので不安もあったのですが、途中のプロモーションを含めて、予想以上に盛り上がっていただいている印象です。

――海外での反響もすごかったですね。

『ファイアーエムブレム無双』

早矢仕:タイトル発表をした時、当社のロゴを見た瞬間から海外のファンの皆様からは「『Fire Emblem Warriors(海外名)』であってくれ!」と言われ、出た瞬間に「やったーーー!」という声があがりました。

臼田:発表時に実況されている映像を見させていただいたのですが、本当に喜んでいただいているのが伝わってきて……ああいうストレートな反応を見られるのはうれしかったです。

――『ゼルダの伝説』はもとがアクションアドベンチャーなので、『無双』シリーズに落としやすいと思うのですが、SLGをACTにするのは難しいのでは?

早矢仕:「『FE』を『無双』で出してほしい!」というリクエストは沢山いただきましたが、実際、具体的なゲームシステムのイメージされている方はそこまで多くはなかったと思います。そのため、開発初期はどのようなゲームにするのか、というところからかなり試行錯誤しましたね。

 もちろんキャラクターを魅力的に描く、一騎当千を体感できるのはあったうえで、SLGの要素をしっかり入れようと話をしていました。

――ディレクターとしてはどのようなことを心がけたのでしょうか?

『ファイアーエムブレム無双』

臼田:戦略性は必ず入れようと思っていました。もともと『無双』にもミニマップがあり、そこでユニットが動きまわり、攻めていく。『FE』で皆さんがやっていたような、マップをどのように攻略するかという遊びと深みは必ず用意する必要があるなと。アクションの爽快感だけでなく、戦略性を練れる要素をどんどん混ぜていきました。

――『ゼルダ無双』との差別化は意識されましたか?

臼田:『ゼルダ無双』との差別化というよりは、『無双』シリーズという枠組みと『FE』を組み合わせた時に、人気IPの『FE』がより魅力的に見えるタイトルを作ることを第一に考えました。

 そういう意味では、新しい『無双』としてより遊びやすく、より爽快感が得られるタイトルを目指したこと自体が、『ゼルダ無双』との差別化と言えるかもしれません。

――具体的にどのようなことを意識して、アクションを作られましたか?

『ファイアーエムブレム無双』

臼田:1つは“3すくみ”ですね。『ゼルダ無双』は特定の攻撃の後“ウィークポイントゲージ”が表示され、削りきると大ダメージが入るアクションシステムを採用しましたが、敵が隙を見せるまでは待つ必要がありました。

 本作では原作にもあった“3すくみ”を取り入れ、相性の有利な武器で戦うとスタンゲージが出て、さらに強い攻撃につながる。自分から攻め動くことで有利に立ち回れるので、より爽快感が増していると思います。

――原作では3すくみはプレイヤーが意識して動くと手助けになるのですが、ACTだとデメリットにもなりかねない。そこについてはどのようにして、システムに落とし込んだのでしょう?

臼田:これは……ひたすらにバランスをとりました(苦笑)。

早矢仕:最初のころ、まずは有利と不利のシステムを入れてテストをしてみたこともあるのですが、その時は武器が不利の時にはいっさい敵にダメージが入らないアクションゲームになっていました(失笑)。

 「これはないだろう」と話して、3すくみを生かしたうえで爽快感が得られることを心がけました。ただ、すべてを気持ちよくしてしまうとバランスがとれないので、序盤は試行錯誤しました。

―― “gamescom(ゲームズコム) 2017” の会場で遊ばせていただいたのですが、味方のペガサスナイトやドラゴンナイトは弓に不利になるのでしょうか?

臼田:味方に弓を使うタクミがいて、敵にドラゴンナイトはいたのですが、実はゲームズコムのバージョンでは敵に弓兵を配置しませんでした。味方にカミラやヒノカがいるので、初めて遊んだ人がいきなり弓に射落とされてしまうのは、会場で遊ぶものとしては流石に適さないかなと(笑)。

――そうだったんですね。敵の弓兵に気をつけながら動いていました!

『ファイアーエムブレム無双』

臼田:ただ、製品版での特効は原作の特効同様に“かなりとがった調整”を行っています。弓兵に囲まれた状態でペガサスナイトを放置しているとあっという間にそのユニットは負傷してしまいます。

早矢仕:「弓兵がここにいるから、このユニットにはここで戦ってもらおう」というように、SLG的にキャラを指示して遊ぶこともできるようにしました。

――他に、アクションではどのようなところを心がけましたか?

『ファイアーエムブレム無双』

臼田:本作では馬やペガサスなどに騎乗した英雄がいるのですが、つねに騎乗したままで戦います。乗り降り可能にすると、馬やペガサスなどがどうしても移動用になってしまって、肝心の騎乗中アクションがおまけのようになってしまう。なので、そこは最初に決めていました。

 チームとしては『ゼルダ無双』でエポナを作った経験があったので、騎乗したままでさまざまなアクションをしっかり作ることを最初に考えてアクションを制作しました。馬に乗っているからこそ楽しいアクション、ドラゴンやペガサスではさらに違うアクションになることには、こだわっています。

――騎乗キャラは移動が早いですし、アクションも攻撃範囲が広いものが多く、全体的に使いやすくて強いという印象を受けました。

臼田:爽快感があり強いのですが、特効が設定されているので、弓兵や騎馬特効のある兵がいれば、苦戦します。何も考えずに攻撃だけをしていればいいわけではないキャラに仕上がっていると思います。

どの要素でもキャラクターをしっかり描くゲームを目指す

――『FE』にある“ロスト”を入れた理由を教えてください。

『ファイアーエムブレム無双』

臼田:『FE』シリーズファンの方々のためのタイトルであることを考えると、ロストがないことは考えられませんでした。

早矢仕:開発の『FE』が好きなメンバーからも「ロストは入れたい」という声が多かったです。ただ、最近の『FE』シリーズにもあるように、ロストしない“カジュアル”も入れることは最初から決めていました。

 とはいえ、『無双』シリーズはキャラクターを成長させるゲーム。そのゲームでキャラをロストした時の喪失感たるや……そのため、ここについてはかなり気を使いながら調整しました。

臼田:また、ロストはいわゆる“死亡ロスト”ではないので、キャラクターが死ぬことはありません。負傷していてバトルには出られないのですが、ストーリーにはもちろん参加します。

――オリジナル主人公を起用することは、当初から考えていたのでしょうか?

『ファイアーエムブレム無双』

臼田:そうですね。開発序盤にオリジナルキャラを主人公にすることは決まりました。

早矢仕:ある原作シリーズの英雄を主人公にする可能性も想定しましたが、やはりキャラクター間に扱いの差が出てしまうので……。そこで物語を推し進めていくキーキャラが必要だと考えました。

 物語ではキャラが集まって軍になるので、オリジナルの主人公に英雄たちが集まっていく展開がより燃えるだろうと。そのため、必要以上に主人公が前に出るのではなく、皆に助けてもらいつつ、進めていく物語にしました。

――キャラクターを見た時に剣を使うキャラが多数いますが、同じ武器を使ううえでどのような差別化を考えましたか?

『ファイアーエムブレム無双』

臼田:例えば、剣を武器として扱うロードであれば、モーションを作る前の段階から英雄ごとにアクションの仕様を細かく検討し、差別化できるようにしています。アクションの動き出しがこうだから、このようなアクションにすることで、似ないようにしようと細かな部分まで調整しています。

――苦労したキャラは?

臼田:それぞれにキャラのイメージがあるので、モーションを作る段階で苦労した記憶はありません。どちらかというと、キャラを選ぶ段階で、剣のキャラが多いことはずっとついて回りました。

――『FE』はそこまでモーションが多いわけではないと思うのですが、どのようにしてイメージを膨らませて個性を付けたのか、教えてください。

臼田:例えばクロムであれば、パッケージのような構えをさせてみたり、見た目のイメージからモーションを用意したりしました。あとは、クロムであれば原作で槍を使えたので、そういう要素を覚醒乱舞に詰め込んでいます。剣技として作るのではなく、キャラからイメージできる画を詰め込むことを意識しましたね。

 他にも先日公開した映像で、カムイが無双乱舞で竜の形態になっていたのは評判でした。本作ではカムイの武器は剣だけですが、カムイを使い、“竜石”の要素が出てこないのはありえないなと。そこで攻撃中に変化して攻撃する要素を入れました。

『ファイアーエムブレム無双』

――無双乱舞の前にカットインが入ります。これはどなたのアイデアなのでしょうか?

早矢仕:イメージとして、カットインを入れる前提で動いていました。

臼田:カットインをどういう表現にして、どこに入れるのかはいろいろと意見が割れました。『覚醒』であれば、最初に“シュピーン”とサウンドエフェクトとともに、カットインが出て攻撃を繰り出します。それを『無双』に落とし込むなら、どうするのか、いろいろと開発スタッフ間で話し合いました。

 また原作であれば2Dイラストが出るところを、本作でどう表現するのかは、わりと開発の中盤から終盤まで議論を重ねて調整しました。本作はキャラクターをしっかり描くことを重要視していますので、カットイン以外でもキャラをしっかり見せるように、カメラを動かしてカッコよく見せることは意識しました。

――カミラのカットシーンで“ある部分”が大きく揺れていたのですが、これはモーションチームのこだわりでしょうか?

『ファイアーエムブレム無双』

臼田:ふふふふ(笑)。我々としては「揺れるべくして揺れている」と言いながら作っていました。

早矢仕:皆さんの中で「このキャラを入れたら、こう動くんだろうな」と期待されているところは、しっかり入れています(笑)。

――キャラクターの選定はどのようにして決められたのでしょうか?

早矢仕:開発と版元さんの考えをベースに、ファンの皆さまからの人気なども考慮して選定しています。

――海外のファンの人気も考慮されているのでしょうか?

『ファイアーエムブレム無双』

早矢仕:もちろん考えています。最近のタイトルは発売されているのですが、実は海外では発売されていないタイトルもあるんですね。FC『暗黒竜と光の剣』とSFC『紋章の謎』は海外では未発売ということもあり、マルスのクレジットはDS『新・暗黒竜と光の剣』にしています。

 社内でも、どのタイトルに思い入れがあるのかは人によりました。それこそマルスであれば、移植版なのか、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズなのか。

――システムの話になるのですが、“ダブル”を入れた経緯は?

『ファイアーエムブレム無双』

臼田:本作ではいろいろなシリーズのキャラが出ているので、キャラのかけあいや絆を見せたいと思いました。そこでバトル中に、ダブルを出来るようにして、仲間と“絆”を深めて戦う遊びを楽しんでいただけるようにしました。ともに戦うことで絆を深めていくことができるので、そういった点でダブルは重要な要素でした。

『ファイアーエムブレム無双』

 また、デュアルアタックやデュアルガードといった原作にもあったシステムを使って、アクションの深みを出せるということでも必要でした。個人的には絆が深まったメンバーが3人集まれば、誰とでもトライアングルアタックをできるようにしたいと思っていたのですが(笑)、こちらは組み合わせが多すぎたために見送ることになりました。

――調べるだけでも大変そうですね(笑)。

臼田:原作とアクションの2つの方向性から相性はよかったののですが、ただアクションゲームとして成立させるのは簡単ではありませんでした。システム的にとっつきにくいと感じられてしまう可能性もありましたが、最終的にはわかりやすく、それでいて爽快感のあるシステムに仕上げられたかなと感じています。

――本作でも武器集めは楽しそうだと感じました。

『ファイアーエムブレム無双』

臼田:そうですね、本作では武器特性をカスタマイズできます。特効を好きにカスタマイズできるのは、『FE』を遊んでいた人からするとかなりの衝撃ではないでしょうか。

 例えばアーマーキラーにあるアーマー特効を好きな武器に移せますし、それこそ特効を重ねるという夢のような武器も作れます。さらに“3すくみ反転”や“物理魔法攻撃ができるようになる”など、特殊なスキルもカスタマイズできるので、自分の目指す最強武器を作る楽しみを満喫していただけるかと。

タイトル通りの遊びが詰まった作品に!

――飛行ユニットは特別な通路を通れるということですが、マップデザインで苦労したところはありますか?

『ファイアーエムブレム無双』

臼田:飛行ユニットだけが通れる道を用意した後で、それをどうシナリオに組みこむか、意識しました。デザインや物語も考慮する必要があるので、その点は苦労しました。

 あとは、川があれば通常のユニットは通れませんが、飛行ユニットは通行することができます。一見して、通れるのか通れないのかが分かりにくくならないように気にしながら背景を作りました。

――ステージは原作ゲームを参考にしているのでしょうか?

臼田:基本は原作を参考にしています。暗夜城や白夜城など、わかりやすくモチーフにしているところもあれば、市街地や草原など、シリーズでよくありそうなものを持ってきている場所もあります。

――本作を通して、監修ではどのようなやり取りがありましたか?

『ファイアーエムブレム無双』

臼田:アクション部分については、基本的には任せていただきました。ただ、英雄たちの見た目を始めとしたキャラ性を担保する部分では、顔の表情からパーツにいたるまでインテリジェントシステムズさんにしっかり見ていただきました。

 さらに本作では、フレデリクやカミラなどもとから上級職のキャラにもさらなる上級職を作っています。そういったデザインからオリジナルで起こしている場合は、、キャラのイメージから外れないように設定画を描く段階から監修に入っていただきました。

――セリフや物語ではどうでしょう。

臼田:大筋のストーリーラインはこちらで決めたのですが、セリフ回りについては全面的に監修していただきました。それこそムービーからバトル中のセリフ、絆会話まで全セリフをチェックしていただきました。「このキャラはこういう言い方はしません」や「この語尾がおかしい」など。

 さらに、最近の『FE』ではユーザーさんによってどのキャラを結婚させたかも異なります。そのため「このキャラはこのキャラと結婚していたら、呼び方が変わるのでこの表現はよくないです」といった点もユーザーさんそれぞれのイメージを壊さないように監修していただきました。

早矢仕:これまでもメーカーさんに監修していただくことはありましたが、本作は特に多かったです。臼田とインテリジェントシステムズさんは、グラフィック、セリフなど1日何十通とメールのやりとりしていました。

 ただ、インテリジェントシステムズさんがしっかり見てくださり、IPとキャラを本当に大事にされていることを感じましたし、我々もそれにこたえようと思いました。

――好きなキャラについて教えていただけますか?

『ファイアーエムブレム無双』

 個人的には『if』のマークスが好きです。暗夜王国という厳しい世界で生きているということに加えて、ガロンとの関係ですね。彼も父親が変貌していることに気付いていると思うのですが、平和のために猜疑心などの邪念は捨てて国のために動くという決意の強さは、遊んでいた時から心揺さぶられるものがありました。

『ファイアーエムブレム無双』

早矢仕:私はマルスですね。『ゼルダ無双』の時もそうだったのですが、「自分が好きだった作品を作るんだ」と改めて感慨深かったです。

 開発の中にも、他社様のIPを自分が使うことに新鮮に感じているメンバーはいたようです。『FE』については子どもの時からふれていたので、私を含めいろいろな想いが出ているのをつねに感じていました。

――『FE』ファンであまりアクションが得意でない人にオススメのキャラはありますか?

『ファイアーエムブレム無双』

臼田:『覚醒』のクロムはベーシックな剣技のキャラで、使いやすいと思います。

 ただ、アクションゲームが得意ではない人も、『無双』シリーズは攻撃ボタンを押しているだけでも、攻撃がつながりますので、まずは自分のお気に入りのキャラを使っていただければアクション的なことは気にすることなく楽しんでいただけるかなと思います。

 むしろ、アクション一本で勝負するのではなく、特効を活用したり、3すくみの相性を考えて指示を出しながら進軍したりといった『FE』的なアプローチをしていただけるとより攻略しやすくなると思います。そのうえで、少しずつアクションのシステムに慣れていっていただければと思います。

――どちらのタイトルも難易度を上げる楽しみがあると思うのですが、本作ではどのようなものが変更されるのでしょうか?

臼田:『FE』なので難易度にあわせて敵のレベルがあがります。同じレベル20で戦っていたところが、難易度“ルナティック”にすると敵のレベルが20くらい高いといった形です。

 ただ、どうやっても太刀打ちできないものではなく、キャラのレベルをあげれば、高難易度でも戦えるようなデザインになっています。

――各キャラごとにセリフが多かったとTwitterでも公開されていましたが、アフレコ時の思い出は?

臼田:絆会話をふくめフルボイスなので、どの声優さんの台本も厚かったです。それこそ、インテリジェントシステムズさんとのやり取りの固まりですね。

 主人公のリアン、シオンを演じていただいた内田真礼さん、内田雄馬さんは特にセリフが多かったです。全部で3日~4日ほど収録に付き合っていただいたかと。そのため、最終日には映画のクランクアップのように現場は盛り上がりがありました(笑)。

『ファイアーエムブレム無双』 『ファイアーエムブレム無双』
▲左が内田雄馬さんの演じたシオンで、右が内田真礼さんの演じたリアン。

――その他の声優さんはいかがですか?

臼田:もともと原作『FE』を遊ばれていた声優さんが多く、キャラのことを理解されているんですね。こちらの説明がなくても、こちらの意図をわかっていただけるくらいに把握されていたので、そこは本当にうれしかったです。

 ボイスにも、声優さんの愛が詰っているので期待していただければと思います。

――開発と版元、そして声優のトライアングルアタックであるわけですね。

臼田:そう思っていただければと!(笑) 例えば緑川光さんであれば、長年マルスを演じられているので、「いまのはちょっと違ったな」とご自身でダメ出しをされてやり直されることもありました。

――御社として、移植タイトル以外ではNintendo Switchの初タイトルだと思うのですが、開発された印象はいかがでしたか?

『ファイアーエムブレム無双』

臼田:持ち出せるHD機というところで、バランスのとれたマシーンという感触がありました。ただ、我々もまだこのハードに慣れていません。表現をしっかり考えていったり、ゲーム開発を重ねていったりすれば、皆さまにより楽しんでいただけるソフトを出せると感じました。

早矢仕:Switchの持ち運べる遊びと『無双』シリーズの相性はいいですね。現状、1人でじっくり遊べるタイトルはまだ少ないと思っているので、そういう方にも選択肢に入れてもらえるような出来になりました。

――Nintendo Switch版とNewニンテンドー3DS版とで違いはあるのですか?

早矢仕:キャラモデルやグラフィック面での違いはあるのですが、遊びについては同じものにしようと、最初から考えていました。基本はすべて遊べます。

臼田:Nintendo Switchはハードの仕組みとして“おすそわけプレイ”がありますので、画面分割での2人プレイに対応しています。また、Newニンテンドー3DSでは、バトル中に下画面に戦場のマップが表示されていますので、仲間の英雄にルート指示をより出しやすいかと思います。

――開発するうえで特にこだわったのは?

『ファイアーエムブレム無双』

臼田:行動を設定できる“おまかせ”です。ACT好きの人は、ポーズをかけて指示を出さないとクリアできないのは面倒という意見もあると思うのですが、指示を出さないとこのタイトルらしさがなくなる。そんな中で指示を出さなくてもある程度動いてくれる“おまかせ”を入れて、アクションに集中できるようにしました。

 例えば本作には、杖で回復可能なユニットがいます。自分の傷薬がなくなって苦戦している時に、向こうから“おまかせ”に設定しておいたリズが走ってきてこちらを回復してくれたりするんですね。実際テストプレイ中に助けてもらえた時は「リズ、ありがとう!」って叫んじゃいました(笑)。

早矢仕:任天堂さんからは「『FE』が好きでアクションが得意ではない人でも楽しめるものにしてほしい」というオーダーと、「『無双』ファンが遊んだ時にしっかり楽しめるタイトルであってほしい」というオーダーがありました。

――2つの異なるターゲット層が満足するタイトルを作るのは、言うほど簡単ではないのでは?

『ファイアーエムブレム無双』

早矢仕:その通りです(笑)。バランスの話になるのですが、入っている要素をすべて駆使しないと遊べない難易度ではダメなんです。

 さらに、弊社はもともとSLGの会社なので、そちらのチームからの意見もありました。SLGチームから「物足りない」とか「もっと一手に重みが欲しい」という意見がありつつ、アクションを作っているチームからは「画面を止めて、細かく設定させるのはACTとして爽快感を損ねる」という意見もあり……。

――どちらも間違っていないからこそ、悩みそうですね。

早矢仕:開発としては、どちらかに振るのではなく、両者がちょうどいいと感じるバランスをずっと試行錯誤していました。最終的にはいいところに落とせたと思うので、『FE』ファンの方にはぜひ遊んでいただきたいですし、『無双』としても今らしい爽快アクションが楽しめるタイトルになっていると思います。

――これまでとかぶってしまうかもしれませんが、改めてそれぞれが思う、本作の魅力を教えていただけますか?

『ファイアーエムブレム無双』

臼田:今回はACTとSLGの両立をコンセプトに作りました。ACTだけで遊ぶこともできますし、指示を出したりキャラチェンジをしたりしてSLGらしく遊ぶことも可能です。

 特に私としては戦略性にこだわって作っています。アクションとしてももちろん遊べるのですが、戦略はこだわれば深みが出るのでそこはぜひ味わっていただきたいです。『FE』要素がとにかく詰め込まれているので、ファンには楽しんでいただけるものになっていると思います。

早矢仕:『ファイアーエムブレム無双』というタイトルをファンが望んでいることは、弊社や任天堂さん、インテリジェントシステムズさんもわかっていたため、やりましょうとなった時に一斉に「やりましょう」となりました。そして開発では声を上げてくれた人が欲するタイトルは何なのかを考えて挑みました。

 もちろん100人いたら、100通りの意見はあるのですが、できあがったタイトルはどこから見ても『FE無双』という作品になりました。人気キャラがグリグリ動く様子は、皆さんの思い描いていた夢が叶った瞬間だと思うので、ぜひ遊んでください。

※”Nintendo Switch”、”New ニンテンドー3DS”は任天堂株式会社の登録商標です。
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