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2017年9月22日(金)

パンダの近くにはいいものが!? 『真・三國無双8』の鈴木プロデューサーにインタビュー【TGS2017】

文:電撃PlayStation

 東京ゲームショウ2017のビジネスディ初日である9月21日の13時より、『真・三國無双8』のステージイベントが行われた。

 そのステージ終了後に、登壇した鈴木亮浩プロデューサーに突撃インタビュー。直前に体験版プレイ&ステージ観覧をした目線で、さまざまなお話を聞いたので、お届けしていく。

『東京ゲームショウ2017』
▲鈴木亮浩プロデューサー。場所は、コーエーテクモゲームスブースの『真・三國無双8』体験会場前。

――『真・三國無双8』をオープンワールド化しようと思ったきっかけや、そこに至るまでの経緯などを教えてください。

鈴木亮浩氏(以下、敬称略):『真・三國無双7』まで作ってきましたが、やはりマンネリ感を感じてきたというのが正直なところです。それは開発だけでなく、ユーザーさんからも指摘されていたので「このままじゃダメ!」と強く思いました。

 そして、変えるのであれば大きくシステムを変えたかった。今のプレイヤーさんは、人によって大きく遊び方が異なると感じます。攻略を集中してやる人もいれば、毎日ちょっとだけ遊べればいいという人もいます。

 オープンワールドにすれば、それらのプレイスタイルをすべて受け入れられると考え、オープンワールド化を決断しました。もちろん企画当初は、コスト面や作りきれるのかという心配は社内からあがっていましたが……まぁ、今もですが(笑)。情熱のほうが勝ったという感じで突き抜ける形になりましたね。

『東京ゲームショウ2017』
▲オープンワールドへと変化した新時代の『無双』が幕を開ける!

――体験版は従来のアクションよりエフェクトが抑えめな感じでしたが、これは意図的なものなのでしょうか?

鈴木:技によりますが、基本は少し抑え目に作ってあります。今回はステージを過去作より現実的に作っているので、アクション面もそれに合わせた感じです。

 本作は武将ごとの武器も一新してあるのですが、それも戦場のリアル化に影響を受けています。従来のシリーズでは、マンネリを打破するために新アクションやオモシロ武器などを追加してきましたが、その方向性はオープンワールドでリアルな表現をするコンセプトに合わないと結論を出しました。

 結果「ヘンな武器はやめよう!」と武器を一新した運びです。なので、鍾会の浮いている剣とか、黄蓋の船とかは、ほかの武器に変更されています。基本的にはオーソドックスな武器を多めにして、アクション面でキャラクターの個性を出すようにしています。

『東京ゲームショウ2017』
▲アクション面でも大きな進化を果たしている。

――となると、既存キャラクターの操作感は大きく変わっていそうですね。

鈴木:そうですね。さらに今回はアクションシステムそのものを変更しているので、新鮮な操作が楽しめると思います。

 昔は出す技を自分で考えて、自分の出したい技を出すという感じでしたが、今回は空中に浮かせたから□ボタン連打で追撃したりなど、敵の状況を見ながら技を出す……、そういう動きの組み合わせを考えながら戦うアクションシステムになっています。

 ただ、それだけだとライトユーザーの方がついてこれなくなるので、それをフォローするために△ボタンの“リアクト攻撃”を用意しました。周囲の状況に応じて、自身を有利にできる多彩な攻撃を繰り出せるのでドンドン使ってみてください! もちろんそれを出さないという選択肢もあるので、人によって多彩な戦術が生まれると思いますよ。

――本作は武将ごとに得意武器があるとのことですが、得意武器にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

鈴木:本作にはトリガー攻撃、フロー攻撃、リアクト攻撃のアクションがありますが、得意武器の場合は、どれか特定の攻撃に専用のアクションが追加されます。『真・三國無双7』にあったEX攻撃に近い感じですね。

『東京ゲームショウ2017』
▲変幻自在なアクションを楽しめる“ステートコンボ”に注目!

――体験版の操作に“納刀or帯刀”がありましたが、これらの効果を教えてください

鈴木:戦場のリアルさを追求したとき、何もないところで武器を構えているのは変かなと思ったので、それらのアクションを追加しました。

 戦闘がないときは自動的に帯刀状態になりますが、任意に帯刀して武器を振り回すことも可能です。街中の民を攻撃したりはできませんが、武器を振り回すと怯えて逃げる仕草を見せてくれます。別に民を脅したからといって、ペナルティがあるわけではないのでご安心を(笑)。

――今回のステージイベントで“平服”という新衣装が発表されましたが、デザインのコンセプトや注目ポイントなどを教えてください。

鈴木:オープンワールド化ということで、平時の街にも行けるようになりました。そこに住んでいる民や無双武将たちとの会話も楽しめるようになっているので、平和な雰囲気を出すために「戦闘服だけじゃなく、平時の服も用意しよう」と。

 一応、時代考証をして過去にあったであろう中国らしい衣装を選んで、キャラクターにあったデザインを考えました。ただ、平服なので“地味でいい”いう方向性にはしてあります。君主系など、位の高い人はちょっと豪華なデザインにはなるかな? 模様や色使いには気を使っていますね。

 個人的に注目してほしいのは髪型ですね。普段は兜をかぶっていてわからならい武将の髪型もバッチリ確認できます! もちろん平服は全員に用意されているのでご安心を。甘寧や典韋など、普段肌を露出している武将たちの平服姿は、新鮮に感じるかもしれませんね(笑)。

『東京ゲームショウ2017』
▲兜をかぶり続けていた馬超の髪型が判明! また大喬は、戦闘着と平服時で髪型が変わるようだ。

――PVの映像で髭のある劉備と髭のない劉備が見受けられましたが、ほかにも見た目が変わる武将はいるんでしょうか?

鈴木:基本的にビジュアルは変わりませんが、劉備に関してだけは時代で少し見た目が変わるようになっています。どの時代で変化するか、ぜひ注目してください。

――オープンワールド化のより平時の街が追加されたとのことですが、街の中はどのような雰囲気になっているのでしょうか?

鈴木:しっかりと生活感が感じられるような作りなっています。そこで暮らしている人々は各々が思考パターンを持っているので、彼らの生活に注目してみるのも楽しいかと。また、街には鍛冶屋や工場や料理屋など、さまざまな施設が存在します。武器や軍馬の購入はもちろん可能で、肉まんなどの料理を作ったりもできますよ。

――本作はオープンワールドを1枚のMAPで再現しているとおっしゃっていましたが、実際にどのくらいの広さになるのでしょうか?

鈴木:中国大陸のすべての地域をデータとして再現していますので、とんでもなく広いです。例えば端から端まで行くとしたら、リアルタイムで3時間はかかると思います。

――砂漠やジャングルなどの地域が紹介されましたが、地域ごとにプレイヤーに与える影響などはありますか?

鈴木:ジャングルに毒沼などはあったりしますが、プレイヤーに与える影響が大きすぎると気軽に地形を散策できなくなるので、まだ検討中のところが多いですね。

『東京ゲームショウ2017』
▲ステージで発表された数々の地域。広大な中国大陸には、さまざまな特色がある。

――体験版で野生の動物に遭遇したのですが、動物たちにはどのような役割があるのでしょうか?

鈴木:狼や熊などの猛獣系は狩ることでき、肉や毛皮などの素材を入手できます。パンダにも出会えるのですが、パンダには攻撃できないし、攻撃されることはありません。癒し系の動物です(笑)。パンダを発見した場所には何かいいものが落ちているかもしれませんので、周囲をよく探してみてください。

――戦闘が起こっている最中でも大陸を散策することができるのでしょうか? また、離脱した場合は戦況がどうなるかも気になります。

鈴木:プレイヤーが戦場から離脱した場合、離脱しても戦況には影響ありません。基本的に戦況を進行させるようなイベントはプレイヤーが行うことになるので、自分の好きなタイミングでゲームを進ませることができます。

 例えば“虎牢関の戦い”の呂布に勝てないから、一旦街に戻って武器を強化するなどもありですね。そこで何日経過しても戦況は動かず、呂布は最初に同じ場所で待っています(笑)。時間制限はないので、戦闘が苦手な人はじっくり育成してから戦場に向かうというプレイも可能です。

――本作は時代ごとのストーリーが用意されていますが、各地に住む人々も変化するのでしょうか?

鈴木:もちろん、その時代背景の武将が各地に登場します。体験版でプレイしていただいた“官渡の戦い”では、袁紹軍と曹操軍の戦いを試遊できましたが、戦いを無視して荊州方面に行けば劉表軍が存在します。話しかけると“官渡の戦い”の戦いに関する噂話を聞けます。

 各地に住む人々に時代背景に沿った会話パターンを用意したので、物量がとんでもないことになりました! 武将の生き死にも物語に沿っているので、時代が進むといなくなる武将も存在します。

――ストーリーの流れはどの武将を選んでも同じなのでしょうか?

鈴木:時代背景は決まっていますが、物語の内容はキャラクターごとに異なります。三国志という時代の流れを追うのではなく、武将の生き方を楽しむイメージです。

 武将の人生をプレイをするという感覚なので、短命なキャラ……例えば孫策や孫堅などを選ぶと、早い時代でエンディングを迎えることになりますね。ただ、クリアまでの行動はプレイヤーの自由なので、プレイ時間は人によって異なると思います。

――本作はオンライン要素などはあるのでしょうか?

鈴木:検討はしているのですが、あまりオンライン要素は入らないと思います。オンラインを絡めると、どうしても時間の経過を考える必要がありまして、導入するとゲーム内容に多くの影響が出てきてしまいます。そのため本作はソロでじっくりプレイできる方向性を目指しております。

――ズバリ、現在の完成度は何パーセントぐらいでしょうか?

鈴木:うーん、開発段階でいえば85%ぐらいには来ています。基本的な部分はほぼ完成しているのですが、ここからの調整がどれくらいかかるというところでしょうか。そう遅くない時期には発売日を発表したいと思っているので、もうしばらくお待ちください!

――ありがとうございます。最後に本作を楽しみにしている人たちへのメッセージをお願いいたします。

鈴木:今回の『真・三國無双8』は“新生。オープンワールド一騎当千!”というコンセプトで、システムを大きく変更してオープンワールドに挑戦しました。

 オープンワールドの利点である、攻略の多彩性、遊び方の多様性を実現したとともに、アクションも一新して、戦闘の方面でも新しい楽しみ方ができるゲームになっております。発売日の発表はもう少し先ですが、続報を楽しみにしていただければと思います。

『東京ゲームショウ2017』
▲ω-Force20周年記念グッズとして制作中の『真・三國無双』ロゴ立体ダイキャストとともに。

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