News

2017年9月24日(日)

ご当地をゲーム化する『舞台めぐり』の秘密とは。『新ガルパンうぉーく!』も配信決定【TGS2017】

文:電撃オンライン

 “東京ゲームショウ2017(TGS2017)”にて開催されているTGS FORUM2017“専門セッション”のプログラムから、ゲームビジネスセッション“ご当地をゲーム化する『舞台めぐり』の秘密”のレポートをお届けします。

『舞台めぐり』
『舞台めぐり』

 聖地巡礼をもっと楽しく! 街をもっと楽しく! をモットーとした、アニメ聖地巡礼アプリ『舞台めぐり』の開発者、安彦剛志氏が聖地巡礼の可能性と今後の展望を語っていました。

『舞台めぐり』
▲ソニー企業 コンテンツツーリズム室 コンテンツツーリズム課『舞台めぐり』チーム代表 シニアプロデューサー・安彦剛志氏

 『舞台めぐり』とは、スマホ片手に作品の舞台をめぐって共有しよう! をコンセプトに作られたアプリ。このアプリさえあれば、事前準備なしで作品の“聖地巡礼”が可能になります。2017年8月29日の時点で、『舞台めぐり』に登録されている作品は80作品もあります。

『舞台めぐり』

聖地巡礼を成功させる“2C”の法則

 安彦氏は、聖地巡礼は地域創生がカギであると述べました。人がその地域に行き、お金を落とし、繰り返し訪れてくれることにより地域経済が周るようになっていきます。

 ようするに、その地域のリピーターを生むことが聖地巡礼の成功と考えられます。ただ誘致するだけでは、リピート力につながりません。

『舞台めぐり』

 確かに、私もコンサートなどで地方に行くことがありますけど、その地方はそれっきりになってしまう事が多々ありました。しかも、コンサートなどのイベント誘致型は儲かるのが公共交通機関とイベント会社。

『舞台めぐり』

 これでは、せっかく数万人のお客さんを呼んでも、地域経済は回りません。

 リピートを生むにはどうすればいいのか? そこで登場するのが“2C”の法則。2Cとは“美味しい”と“優しい”といった“食と体験”のこと!

『舞台めぐり』

 この2Cの法則で成功した例として、安彦氏は日本一の星空 長野県阿智村とガルパンの茨城県大洗町をあげて説明していました。

 特に大洗に関しては、「最高のモデルケースは大洗にあり!」と安彦氏の太鼓判。大洗は町を歩いてるだけで、地元の方が「ここはアニメ版ガルパンの某シーンで使われた場所だよ」などと声をかけてくれるみたいです。

 安彦氏はファンと現地を結ぶ摩擦を大きくし、熱を発生させること。これが“聖地的リピーター作成”成功の道と述べました。

街をゲーム化する

 街をゲーム化することにより、地域の人は地元のよい所を紹介する手段、ユーザーはコンテンツをきっかけに楽しみたい! という双方の願いが叶うと述べました。

『舞台めぐり』
▲街をゲーム化する4つのポイント

 『舞台めぐり』は、この4つのポイントを解決する『ガルパンうぉーく!』というコンテンツを配信しました。

『舞台めぐり』
『舞台めぐり』

 このコンテンツから見るリピーター率が、なんと平均滞在日数2.28日! ちなみに『ガルパンうぉーく!』開始から300日程度経過した時点でトップの訪問日数は60日と発表。単純計算で5日に1回は大洗町に来ていることになります。

 『ガルパンうぉーく!』は、2017年9月30日にコンテンツ終了予定でしたが、大人気につき延長決定! すでに購入している方は、そのまま無料で来年以降も使用可能です。

 そして、『新ガルパンうぉーく!』のリリースが決定しました!! こちらは、今ある『ガルパンうぉーく!』とは違った仕組みや仕掛けを導入し、大洗町をテーマパーク化しよう!という活動のコンテンツになるそうです。

『舞台めぐり』

聖地巡礼のAR(拡張現実)

 舞台を訪問するユーザーは、なんらかの作品がきっかけで現地を訪れます。作品に登場する場所を目の前にした時に、AR(拡張現実)を使い、画像でキャラを表示させます。

 ですが、これでは没入感が足りません。そのまま写真は撮ることはできるが、それでは“記録”には残るが“記憶”には残らない。

 安彦氏は、没入感を増すためにには“音”がキーとなると述べました。街を歩いてる時に「ねぇ、ねぇ。こっちこっち!」という音声が流れると、そのキャラが「えっ? どっかにいるの?」と思えるので、これをARに組み込みたいとのことでした。

 最後に安彦氏は、「街をゲーム化するとは、その地域を“テーマパーク化”することである。」とまとめました。

 『舞台めぐり』を活用してもいいし、スタンプラリーのような、その地を“楽しむツール”を用意してください。そして、ゲーム化する以上、地域の魅力を伝え、体感してもらったり、配布物でコンプリートを促したりと、“リピートしたくなる仕掛け”をきちんと用意してください。コンテンツを活用し、ファンに楽しんでもらい、地域で遊んでもらう! そうすることで「地球上どこでもテーマパークになれるのです!」と締めました。

■東京ゲームショウ2017 開催概要
【開催期間】
 ビジネスデー……2017年9月21日~22日 各日10:00~17:00
 一般公開日……2017年9月23日~24日 各日10:00~17:00
【会場】幕張メッセ
【入場料】一般(中学生以上)1,200円(税込)/前売1,000円(税込)
※小学生以下は無料

関連サイト