2017年10月17日(火)
ステアーズが今冬配信予定のスマートフォン向け新作アプリ『デスティニーチャイルド』(以下、デスチャ)。本作のディレクター兼キャラクターデザインを担当するキム・ヒョンテさんのインタビューをお届けします。
▲『デスティニーチャイルド』でディレクター兼キャラクターデザインを担当するキム・ヒョンテさん。 |
9月に開催された東京ゲームショウ2017『デスティニーチャイルド』ステージイベントに登壇するために、本作のディレクター兼キャラクターデザインを担当するキム・ヒョンテさんが来日。そこで、本作に登場する魅力的なキャラクターなどの制作エピソードを中心に語っていただきましたので、美少女たちのイラスト満載でお届けします。
また、キムさんのサイン入り『デスチャ』アートブック(非売品)のプレゼントもあるので、最後までお見逃しなく!
――『デスティニーチャイルド』の制作経緯を教えてください。
5年前に、3DMMORPG『ブレイドアンドソウル』の開発に7年ほど携わりました。『ブレイドアンドソウル』はキャラクターが3Dなので、イラストを全面に出せるようなゲームを作りたいという気持ちが強くなりました。
そして、正直に申し上げまして、7年間も同じゲームを作っていると、燃え尽きてしまいました。疲れきったまま、日本で半年ほど過ごしながら、もっと短い期間でイラストを主役にしたゲームを作りたいと考えたとき、モバイルのゲームが最適だと思いました。あと、思いっきり絵を描いてみたい! という気持ちもありました。結果的にはもっと大変な道になってしまいましたが……(笑)。
『ブレイドアンドソウル』を開発しているときにも、かわいらしさやかっこよさといった、キャラクターが持つ魅力をストレートにユーザーさんに伝えられる方法はないかと、常に悩んでいました。そして作ったのが、『デスティニーチャイルド』です。高画質でキャラクターのイラストを楽しめるゲームだと思います。
▲ゲーム内でキャラクターイラストを拡大することが可能。クオリティの高いイラストを細部まで、じっくり眺められる! |
かわいいキャラクターが大勢いますし、Live2Dで動きまくるのでぜひ見ていただきたいです。
――主人公(プレイヤーキャラ)のキャラデザインをするうえで心がけたところを教えてください。
▲主人公(声優:米内佑希)は、魔界最弱の悪魔。魔界が嫌いで人間界でアルバイトをしながら暮らしている。魔王争奪戦にチャイルドを犠牲にする行いに疑問を持っている。 |
主人公は“悪魔”で、次期魔王の候補生です。ただ、主人公は悪魔の中でも珍しいほど悪魔らしさがなく、強くありません。最弱です(笑)。でも妙な正義感があり、親しみやすいキャラクターだと思います。他のキャラクターと比べて見た目が地味でちょっとダサいので、髪に赤色を入れました。
この赤色は、主人公のアイデンティティが“悪魔”なのですが、それを表すカラーです。悪魔を象徴する赤色と主人公の人柄が衝突しているような、矛盾している部分があります。
――魔王候補生を支える3人のサキュバス(モナ、リザ、ダビ)について、それぞれの性格や衣装デザインの特徴を教えてください。
サキュバスの中には魔王候補生をサポーターする集団がいます。その集団はひと目見てわかるように統一感がある衣装デザインにしました。具体的には、ミリタリーテイストを少し入れて、軍隊みたいな雰囲気を出しています。
こういったユニフォーム的なデザインに、キャラクターのアイデンティティを活かすカラーを取り入れるように、それぞれ工夫をしました。そして、見た目と性格が一致する、わかりやすいキャラクター作りを心がけました。
▲主人公をサポートするサキュバスの1人、モナ(声優:小清水亜美)。博学多識でサポーターとして、とても有能なサキュバス。好きな事は主人公を冷やかす事で、甘い言葉で主人公を手玉に取る。 |
モナは主人公のお姉さんみたいなキャラクターです、いろいろ小言を言うような(笑)。ストーリー前半は、主人公とモナを中心にストーリーが展開していきます。そういう部分では、主人公と距離が近いキャラクターですね。魔界でも有名な実力派のサポーターの彼女が、なぜ魔王争奪戦で一番弱い主人公のサポーターになったのか? ストーリーが進むにつれ、彼女の本当の目的がわかるようになります。
▲リザ(声優:飯田里穂)。冷徹で論理的な判断力の持ち主で、怠けて意欲のない主人公を働かせるのがうまい。 |
リザは、すごくまじめで厳しく、ストイックな性格です。こういう性格になったのは理由があるのですが……、ネタバレになるのでやめておきます(笑)。このへんはメインシナリオで明らかになりますので、お楽しみに!
▲ダビ(声優:黒沢ともよ)。大好きなモナの前では、まるで純真無垢な天使のような態度をとる。元気で積極的な性格だが、恋のライバル(!?)である主人公には冷たい。 |
▲サキュバスの戦闘服には、片翼になっているのが特徴。 |
ダビは、魔界の大先輩でお姉さん的な存在のモナに、すごく憧れています。そのモナが魔界最弱の主人公をサポートしているのが納得いかず、主人公とよくケンカしています(笑)。ケンカといっても、主人公とダビの漫才を見ているような、コミカルな感じですね。また、メインストーリーではシリアスな展開も待っています。
――たくさんのチャイルドが登場しますが、1キャラあたりの平均制作時間を教えてください。
基本的に、1キャラにつき契約前の人間の姿と、チャイルドの姿、覚醒後の姿の3パターンのイラストがあります。もっとパターンがあるキャラもいますが、基本的には3パターンです。イラストが完成したらLive2Dで動かすために、キャラをパーツ分けします。眉や瞳といった細かいパーツにわけていくので、200ピースぐらいのパーツが存在します。
装飾が多いキャラクターほど、パーツが多くなるので大変ですね……。制作スタッフのみなさんには、本当に頭が上がりません。じつは、最初は私自身がLive2Dを作成していたのですが、この作業量はさすがにやってられないと思いました(笑)。しかし、苦労してできあがったキャラを見たら、やっぱりLive2Dをやるしかないという気持ちになりました。
イラスト制作を含めてだいたい4週間から6週間くらいかけて1キャラのLive2Dを完成させます。現状、300キャラぐらい制作しています。
▲魅力的なチャイルドが大勢登場。 |
――とくに苦労したキャラクターがいたら教えてください。
刀や剣で戦うキャラは、武器を振り回すアクションがあるのでとくに苦労しました。銃を撃つアクションのほうが、まだラクでしたね。各キャラの体のバランスを崩さないようにアクションを作っていく作業が大変なので、そういった意味では苦労しなかったキャラはいなかったと思います(笑)。
――韓国で人気の高いキャラクターはどんな子ですか?
韓国ではゲーム的に強いキャラクターが人気ですね(笑)。中でも人気が高いのがモーガンです。スキルがSで、見た目もかわいいですね。ただ、見た目とは違って性格はあんまり優しくないです。ダビも人気ですね。ただ、ダビは主人公に結構ケンカ腰なので、「この子うるさい」と思っているユーザーもいます(笑)。ほかには、女神的な存在でタンカーのダナ、見た目がかわいくてスキルが強いキリヌスも人気ですね。
▲モーガン。 |
▲ダナ。 |
▲キリヌス。 |
女性キャラが多いですが、男性キャラも多数登場するので、人気が出るとうれしいですね。中でも主人公のライバルであるフレイは、独特な魅力を持ったキャラクターで悲惨な体験をすることになるので、注目していただければと思います。
▲フレイ。 |
ストーリーにも力を入れており、かなりのボリュームを用意しています。さらに、メインシナリオは100%フルボイスになっていますから、声優ファンにも楽しんでもらえると思います。
――フルボイスはすごいです。豪華な声優陣はキムさんが選考されたんですか?
声優陣については、日本で『デスチャ』を配信するステアーズさんと、本作のサウンドプロデューサーであるESTiさんにお任せしました。
※ESTi(エスティ)……韓国の作曲家、編曲家。『スカッとゴルフ パンヤ』シリーズや、『マグナカルタ』などを手掛けている。
――日本版と韓国版の変更はありますか?
キャラクターとメインストーリーは基本的に変わっていませんが、バトルシステムや難易度、セリフなどは作りなおしています。やはり、日韓ではプレイスタイルが違いますから、日本のユーザーさんが遊びやすくしています。
――絵を描き始めたのはいつ頃ですか?
絵が好きで描き始めたのは子どもの頃からですが、中学生の頃、『リネージュ2』のイラストレーターであるジョン・ジュノさんと出会って、絵を一生の仕事にしたいと思いました。じつは、ジョン・ジュノさんと同じ学校に通っていて、大学生の頃は一緒に住んでいました。私の師匠みたいな存在であり、ライバルでもありました。
韓国で『デスチャ』のイラストコンテストを開催したとき、ジョン・ジュノさんが審査員として参加してくれました。
――どれぐらいの応募がありましたか?
コンテストの賞金総額が1億ウォン(約1,000万円相当)ということもあり、1,800人ぐらいの方が応募してくれました! プロの方も参加されていて非常にクオリティの高いイラストが集まりました。日本でもイラストコンテストをやってみたいですね。受賞した作品は、ゲーム内にも導入したいと思います。
――イラストレーターの村田蓮爾さんに影響を受けたとお聞きしました。
村田蓮爾さんは、昔から好きですね。イラストはもちろんですが、表現方法や考え方、オブジェのデザインなど、ライフスタイルが感じられる部分にすごく影響をうけて、いろいろなことを学びました。本当に素晴らしい絵師さんだと思います。最近はワダアルコさんに注目しています。他にも好きな絵師さんは何百人もいます(笑)。
――キムさんの影響をうけている方も多いと思います。
そうおしゃっていただくとすごく光栄です。お互いに影響を受けたり与えたりしながら、好循環が生まれたらいいですね。
――イラストレーターになってよかったな、と実感する時はどんな時でしょうか?
ありきたりな答えかもしれませんが、絵を描いてるその瞬間すべてですね。そして、私がイラストレーターの方、ゲームクリエイターの方に出会って、その方々が私や私の絵を知っていることをわかった瞬間、絵を描いてきて良かったと感じます。恵まれていると思います。
――最後に、日本のファンの方にメッセージをお願いします。
これまでに、『マグナカルタ』や『ブレイドアンドソウル』で日本のみなさんと触れあう機会をいただきましたが、自分がディレクターを務める作品は今回が初めてです。何度も話をしましたが、私自身、配信が待ち遠しく、ドキドキワクワクが同時に入り混じっているような感じです。ディレクターとしては新米なので、まだまだ勉強不足な部分があると思いますが、みなさんのご期待に応えられるように、魅力的なキャラクターや物語になるようベストを尽くして開発しています。
ぜひぜひ愛情を持って配信日をお待ちいただきたいと思います。日本にもよく来る予定ですので、見かけたときはぜひ声をかけてください(笑)。今後ともよろしくお願いいたします。
今回のインタビューに応じていただいたキム・ヒョンテさんのサイン入りアートブックを、ご応募者の中から抽選で3名様にプレゼントいたします。応募締切りは10月31日23:59まで。みなさんのご応募をお待ちしております!
▲東京ゲームショウ2017会場の『デスティニーチャイルド』コーナーにて配布されていたアートブックと同じです。 |
▲A4サイズ28ページにわたって、キャラクターイラストやキービジュアル、貴重な線画が掲載されています。 |
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