『DQ』と『FF』のキャラが登場する『いたスト』最新作レビュー。シリーズファンもキャラ好きも満足

文：梅津爆発、カワチ

　スクウェア・エニックスが10月19日に発売するPS4/PS Vita用ソフト『いただきストリート　ドラゴンクエスト＆ファイナルファンタジー　30th ANNIVERSARY（以下、いたスト DQ＆FF 30th）』のレビューをお届けします。

　『いたスト DQ＆FF 30th』は、『ドラゴンクエスト』シリーズの生みの親である堀井雄二さんのデザインしたボードゲーム『いただきストリート』シリーズの最新作です。2016年5月27日に30周年を迎えた『ドラゴンクエスト』シリーズと、2017年12月18日に30周年を迎える『ファイナルファンタジー』シリーズがコラボしたタイトルになっています。

　本記事では『いたスト』ファンと、『DQ』＆『FF』ファンが、それぞれの視点から本作の魅力を語ります。

運とテクニックのバランスが絶妙！　（『いたスト』ファンの梅津爆発）

何度遊んでも飽きないシステム

　『いたスト』は「いただき♪いただき♪いただき♪いただき♪」のCMソングにひかれ、スーパーファミコンで発売された『2』からプレイしている梅津爆発（身体はひろゆき、心はなつひこ）です。本作の魅力は、誰もが知っているスゴロク遊びをベースに、お店や株などの要素が盛り込まれて“大儲け”の気持ちよさを体験できることでしょう。

▲ダイスを振ってマスを進み、お店を買ったり、4つのマークを集めて賞金をもらったりします。

▲買ったお店を増資して大きくすれば、マスに止まったキャラクターから多額の買い物料をもらえます。

　最初は小さかったお店が、エリアの独占や増資によってどんどん大きくなるのは達成感がありますし、そこに止まった人から多額の買い物料をもらえるのは気分爽快！　プレイヤー間でお店の売買や交換もできるため、誰と、どのタイミングで協力するのかなど、駆け引きも熱いです。

▲ぎんこう城では株の購入が可能。どのエリアの株を買うかが勝負の行方を大きく左右します。

　“株”と聞くと難しそうに思えるかもしれませんが、『いたスト』の株は現実世界よりもわかりやすいですし、基本的には買えば買うほど儲かるようになっています。

　株で儲けるために重要な“株価”を、プレイヤー自らが能動的に操作できる点も本作のポイントです。そのため、運も大事ですがテクニックも同じくらい大事になっているので、勝った時に大きな達成感を得られます。逆に負けた時は運のせいにもできます！

▲株をたくさん買ったエリアにあるお店を増資すれば株価が上がるので、大儲けできます。本作で勝つための重要なテクニックです。

　株が存在しないイージーモードも用意されています。こちらは、初心者はもちろん、経験者が遊んでもなかなかおもしろいモードになっています。主に買い物料と賞金で稼ぐことになるため、他のプレイヤーが入りやすいお店を見極めて増資するセンスが問われるのです。また手持ち資金が増えにくいため、競売で店を売るタイミングも重要だと感じました。

▲ほとんどのマップは、イージーモードでも遊ぶことができます。

▲目標金額がスタンダードモードよりも低いため、短い時間で遊びたい時にもオススメです。

1人で遊んでも、みんなと遊んでも大盛り上がり

　1人専用の“1人で挑戦”モードでは、複数のマップで構成されたさまざまなコースのクリアを目指します。各マップには“2位以上”などのクリア条件が設定されていて、条件を満たすと次のマップへ。そうして最後のマップをクリアできればコースのクリアとなり、新たなコースやキャラクターが出現します。

▲さまざまなコースをクリアして、使用可能なキャラクターやマップを増やしていきましょう。

　最初に挑戦できるコースはマップがシンプルで対戦相手もそれほど強くありませんが、だんだんと手強いマップや対戦相手が登場するようになるため腕試しに最適。また対戦相手の『いたスト』のプレイスタイルが、そのキャラクターらしくなっているのもおもしろいですね。

　具体的には、ケフカは5倍買いで容赦なくこちらのお店を奪っていくし、リッカは商売人らしくお金儲けが得意です。

▲複雑なマップになると、好きな施設を建てられる空き地マスが存在する場合もあります。

　また設定からゲームスピードを調整したり、演出を一部カットしたりが可能。プレイヤーが参加していないカジノ演出がカットされたり、休日マスやラッキーマスの演出が簡略化されたりなど、繰り返しプレイ時にも非常にテンポよく快適に遊ぶことができます。

　1人プレイだけではなく、マルチプレイがさまざまな方法で楽しめる点も素晴らしいですね。オフラインでもソフトが1本あれば、PS4とPS Vitaどちらでも最大4人で一緒に遊べますし、オンラインならいつでも気軽に他のプレイヤーとマルチプレイが楽しめます。

　しかもPS4とPS Vita間でも対戦できるうえに、マップとキャラクターは限定されますが体験版と製品版間で通信対戦することもできます。

▲マルチプレイでは細かなルール設定が可能です。条件を満たすと、目標金額の半分のお金を持っている状態から始まるクイックルールなども選択できるように。

　なお、1人プレイでもマルチプレイでも、1ゲームが終わる度にゲームの結果が発表され、順位や特別賞に応じていただきコインを獲得。いただきコインは景品交換所で新たなキャラクターやマップ、『DQ』＆『FF』の名場面を集めた美術品などと交換するために使います。

▲いただきコインを大量に獲得したい場合は、ただ勝つだけではなく、三賞や特別賞を意識してプレイしたほうがいいかもしれません。

▲いただきコインで交換可能なキャラクターは、“1人で挑戦”モードを進めることで増えていきます。

▲ゲーム終了時、新要素の“ハイライト”を保存しておけば、試合の決め手になったシーンを振り返ることができます。

▲プレイヤーやキャラクターの成績が記録されるのもうれしいですね。また“株下げ名人賞”など、受賞した三賞や特別賞の回数も記録されます。

　『いたスト』の完成されたゲーム内容はそのままに、多数のキャラクターやマップが収録された、『DQ』＆『FF』の30周年をお祝いするのにふさわしい作品になっています。シリーズのファンとしては、早期購入特典やPS Store特典として、海底都市やクローバーランドといった懐かしのマップで遊べるのも嬉しいところ。

　1人プレイはもちろん、オンライン対戦も気軽にできますし、ダウンロードコンテンツも予定されているので、かなり長く遊べる1本になりそうです。久しぶりに遊ぶ方も、『いたスト』初めての方も、まずは体験版を遊んでみてください！

キャラクターたちが「いいですとも！」　（『DQ』＆『FF』ファンのカワチ）

　どうも、生まれた時からのゲーム大好き、ライターのカワチです。当然、レジェンド級のRPGである『ドラゴンクエスト』シリーズと『ファイナルファンタジー』シリーズもガッツリとプレイしており、本タイトルもすごく楽しみにしていました！

　東京ゲームショウ2017の試遊ではゲーム内容は確認できたものの、キャラクターのセリフなどはチェックできなかったので、今回はそこを重点的にプレイしてみました！

▲多彩なキャラクターも魅力的な本作！

　新キャラクターを中心にプレイしてみましたが、『ファイナルファンタジー XV』のノクティスなら「今日はここで野宿だ」、『ドラゴンクエストIX』のリッカなら「旅芸人さんと冒険した時のことを思い出す」といったような原作を彷彿とさせるセリフを言うため、ファンなら毎回ニヤリとしてしまいます。

▲しっかり元のキャラクターの個性が反映されています！

▲たまにキャラクターがはっちゃけることもありますが、それはそれでおもしろい！

　例えば1回休みのマスに止まった時でもノクトならやる気がなさそうに「休みか。寝る」と言うように、それぞれの個性が出ていておもしろいですね。

　今回はゴルべーザやギルガメッシュ、ケフカといったキャラクターも新規で追加されていますが、彼らのセリフもしっかり個性が再現されていてイイ感じです。ゴルべーザなどは仰々しすぎて笑ってしまいますが！

▲いちいち言うことが大げさなゴルべーザに笑ってしまいます。

▲ちなみにゴルべーザで1位を取れば、みんなが大好きな「いいですとも！」を言ってくれます。

　『いたスト』シリーズらしく、悪のキャラクターにも愛嬌がありますし、逆に性格のいいキャラクターが無自覚にあおってくることもあります（笑）。

　自分が買ったお店をリッカに「小さくてかわいらしいお店ですね」と言われた時はちょっとカチンときましたよ！　まぁ、かわいいからいいんですけど（笑）。

▲キャラクターたちが表情豊かで、負けている時も楽しいです（笑）。

　ちなみに自分は『ドラゴンクエストX オンライン』や『ファイナルファンタジーXIV』をプレイしていないので、アンルシアやネルゲル、ミンフィリアといったキャラクターに関しては詳しくないのですが、使用しているとどんどん愛着が沸いてきて原作をプレイしたくなります。“コレクション”からキャラクターの情報を見れば、どんな人物なのかわかるのもうれしいです。

▲原作を知らないタイトルのキャラでも、プレイしているうちに愛着を持てるので大丈夫！

　また、忘れてはいけないのがナビゲートキャラクターのホミロンですね。今回は『ドラゴンクエストヒーローズII』に登場した軍曹キャラですごくカワイイです。釘宮理恵さんボイスは反則ですよ！　くぎゅう。

▲ホミロンかわいすぎ！

　キャラクターだけでなく、マップもシリーズファンならうれしいものばかり。魔列車であればマップが列車の形をしていたり、ゴールドソーサーならジェットコースターで移動できたりと、それぞれマップの形なども凝っていておもしろいです。

　あとはなんと言ってもBGM！　原作でおなじみの音楽で対戦できるのは本当にうれしい限り。『サンレス水郷』はプレイを忘れて曲を聴いてしまいます！　まぁ、他のプレイヤーから「早くプレイしろ」って怒られちゃうんですけどね（苦笑）。

▲マップごとに多彩なギミックが用意されています。

▲レベルアップ時のファンファーレが『ドラゴンクエスト』のキャラクターと『ファイナルファンタジー』のキャラクターで異なるなど、細かいところの作り込みもうれしい！

　また、『いたスト』でおなじみのチャンスカードの絵柄が『ドラゴンクエスト』と『ファイナルファンタジー』に登場するモンスターになっていたり、シリーズの感動の名場面を振り返る「ミュージアム」が搭載されていたりとファンならワクワクする要素がたくさん用意されています。

▲なつかしいモンスターやキャラクターは、解説付きなのもうれしいです。チョコボは『II』から登場したんですね！

▲キャラクターと一緒に思い出を振り返れるミュージアムも楽しいです。

　他にも通信プレイ中はキャラクターアイコンの“スタンプ”で交流できるなど、多彩な要素がまだまだあり、シリーズファンでプレイすれば盛り上がること間違いなし。ぜひプレイしてみてください！

※通信対戦をするにはインターネット接続が必須となります。
また、通信対戦には、以下が必要です。
・PlayStation4の場合、PlayStation Plus（PS Plus）への加入（有料）。
・PlayStation Vitaの場合、PlayStation Networkへの接続。
※画面はPS4版のもの。
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DRAGON QUEST characters: (C) ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX
FINAL FANTASY characters: (C) SQUARE ENIX
CHARACTER ILLUSTRATION:SHIRO AMANO

• 『いただきストリート ドラゴンクエスト＆ファイナルファンタジー 30th ANNIVERSARY』公式サイトはこちら

データ

関連サイト

• 『いただきストリート ドラゴンクエスト＆ファイナルファンタジー 30th ANNIVERSARY』公式サイト