2017年11月8日(水)
さまざまなゲームを遊び、愛するゲーマー女優である綾那さんのゲームコラム“綾那のゲームに夢中”。連載第3回では、忍者を操作するACT『忍道 戒』をお届けします。
昔からインドア派で、体を動かすのが好きじゃない。遠足や運動会、そういう行事が億劫で仕方がなかった学生時代。そんな私・綾那が憧れていたもの……“忍者”。
前回の『アサシン クリード』の際にも書かせていただいたのですが、私は“忍者”が大好きなのです!!
なので忍者が主人公のステルスゲームを好きになるのは当たり前でございました。忍者ゲームといってもいろいろなタイトルがあります。その中でも、お笑い要素や、やり込み要素がある『忍道』シリーズの『忍道 戒』について話そうと思います。
タイトルでピンときた方もいると思いますが、このゲームは『侍道』シリーズの姉妹作です! 侍道を知っている方は、なんとなく雰囲気を察知できると思います。
▲懐かしのPS2ソフト『忍道 戒』です。 |
ゲームについて軽く紹介すると、記憶喪失の主人公“ゴウ”が己の記憶を取り戻しつつ、3人の雇い主を上手に転がしつつ、アジトで爆発する鮨を握りながら猫と戯れる。
そういう感じです! 間違っていません、大体あっています!
そう、主人公のゴウくんは記憶喪失なのです! 河原で倒れているゴウくんの前に、謎の猫が現れます。その猫についていくと、拠点となる隠れ家が。そこで初めて、最初の記憶の欠片を手にし、この記憶の欠片を集めながら自分の謎に迫っていくこととなります。
矢文で飛んでくるミッションの中から自分で選んでいくことになるのですが、任務を与えてくれる大名は3人いまして、どの大名の任務をこなすかが後々のエンディングにかかわってきます。
争いはそんなに好まず、趣味は川柳(ただしお世辞にもうまくはない)という一条信輝。豪胆でお金持ち、気に入られると謎の赤目汁を送ってくる赤目影虎。阿無璃他教という宗教の女教祖でお色気担当の貞女。この3人の大名が、ゴウにいろいろな任務を依頼をしてきます。
▲弓設計図を奪えば、届けた軍の兵が弓を持ち始めるのです。 |
私的に本作でおもしろいと思っている要素その1がこのミッションのシステムです。例えば一条方が食糧難のため、赤目から米を奪ってきてほしいという任務がくるとします。
この時、任務は一条だけではなく、赤目からも貞女からも来ています。対する赤目からの任務には、一条方の侍大将を倒せと書いてあり、任務の報酬金もいい。さらに一条軍は食糧難で弱っているので、いろいろと有利なわけです。
▲強奪任務の様子。後ろから仕留めていくのが無難です。 |
その中でも! こういう食糧難の時にめちゃくちゃ有効な忍具があるのです! 『忍道』オリジナルの忍具といっても過言ではない最強の忍具……その名も!
“寿司爆弾”
こちらは、食べると爆発します。ちなみに正式名称は“武士騙し”というもので、自分で調合してその爆発の大きさなどを調整します。
寿司爆弾とか、そんなの絶対にやりたいじゃないですか! この忍具はお腹が空いていないと、懐に仕舞われて不発になってしまいます。
が! 空腹の兵士は地面に落ちている寿司を貪り食べるのです!
「うおおおお! 飯じゃああ!!」
となった次の瞬間、燃え尽きる命。さすが忍者……恐るべし。この爆弾や薬作りはちょっとしたやり込み要素の1つですね。ただしやりすぎると、自分まで爆風に巻き込まれて死にます。なお、寿司ではなく、玉にすれば直接投げて当てて攻撃できるのでご安心を。
調合のレシピはおっちょこちょいなクノイチなどが、ゴウの隠れ家にたまに矢文で送ってきてくれます。調合の素材は任務中に拾うことができるので、より殺傷能力の高い兵器を作るため、落ちているアイテムはなるべく拾っていきましょう。
ミッションを進めていく際に、どこかの大名に肩入れしすぎて他の勢力の任務をないがしろにしていると、めっちゃ不貞腐れたビデオレターが送られてくるのも必見です。この時代なのにビデオレター……ツッコミ所満載です(笑)。
そういう時は、贈り物をあげてご機嫌をとっておけばいいのですが、不機嫌になると裏庭から敵が攻めてくることが多々あります。はい。“多々”あります!
『忍道』の魅力その2がここです! 裏庭システム!
ゴウが拠点としてる隠れ家には裏庭があるのですが、そこから敵が攻めてきます。撃退できずに家まで入られるとアイテムなど持っていかれてしまうのでイラっとします。
しかし! この裏庭には多種多様な罠を仕掛けることができるのです。この要素がまたおもしろく、好きな人はずっとやってるだろうなって思います。ちなみに私はここで3時間以上、費やしたことがあります……おそるべし、裏庭!
なお、『忍道 匠』という、裏庭モードの任務のみを収録した“極まったソフト”も発売されました。おそるべし、裏庭!!
ミッションを送ってくる大名たちですが、途中で暗殺することができます。影武者のこともあるのですが、本人だった場合はその勢力が消えるので、任務の数が少なくなります。
大名と戦える数少ないチャンスなので、2週目以降で挑んでみてもおもしろいかと!
物語を進めていくと、金糸雀のキヌというクノイチが仲間に加わります。そして……プレイヤーキャラクターにもなり、ゴウとキヌ、どちらでも遊べるようになります。
▲見よ、素晴らしい太ももを。 |
必殺の“血祀殺法(ちまつりさっぽう)”の仕方ももちろん違うし、太ももでの圧死はむしろご褒美の類かと。
ゴウの任務完了セリフである「戒めろ! お前のすべてを……」
キヌの任務完了セリフである「心に刃、鎖に未練……それがあたしの忍道」
2人分をあわせて『忍道 戒』。この完了セリフが私は好きです。
あともう1人、“黒鷹のザジ”というゴウを憎んでいる同郷の忍が出てくるのですが、こちらは本編をやってどんな人物かを知ってください。私が語るとポロっとネタバレになりそうなので割愛しますが、PS Vitaで発売された『忍道2 散華』では主人公の協力者となって登場しております。なお、イケメンです。
▲画面は『忍道2 散華』のもの。はい、イケメンです! |
大名のユニークさだけでなく、敵キャラのユニークさもかなりのものです。ゴウの記憶の欠片を横取りしてこようとしてくる忍者軍団が敵忍者になるのですが、冑(かぶと)率いるカブトムシのような鎧を身に纏った屈強な多羅場忍軍(たらばにんぐん)。関西弁の双子クノイチ揚羽(あげは)と薄羽(うすば)率いるクノイチ集団の喪巣忍者(もすにんじゃ)。凸凹コンビな蛇蜻蛉(へびとんぼ)と渦虫(うずむし)が率いる毛伸衆(けのびしゅう)という、こちらも3勢力になっています。
毎回「コントかな?」っていうやり取りで笑わせてくれるので、憎めない敵キャラですね。私的に一番好きな敵忍者は喪巣忍者です。双子の淡白なやりとりがクセになります! ただ、最強の敵は熊だったりするのですが……。
あまり忍者らしいことを書かなかった気がしますが、ゲーム中ではしっかり忍者してます! あとはずっとジャンプしている蛮族とか、強敵すぎる熊とか、きのこ手裏剣を投げてくる町娘に変装したクノイチとか、真正面から挑むと手ごわい用心棒の先生とか……いろいろな敵を相手にできるのもおもしろいです!
ゴウの歩むルートによってエンディングが変わってくるので、何度もプレイして全エンディングを見てほしいです。
そしてぜひ! 続編の『忍道2 散華』もやっていただけたらと思います! こちらでは高い所からムササビダイブする“風黒羽”という技ができて爽快です。もちろん一撃必殺の爆弾も引き続き作れますので、どうぞ自爆しないようにうまいこと調合してください。あー、忍者になりたい人生だったー!
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