2017年11月26日(日)
セガゲームスは、12月7日に発売されるPS4用ソフト『龍が如く 極2』のイベントを、大阪の道頓堀にある“角座広場”で11月25、26日に行っている。
このイベントは、ゲーム内の舞台のモデルとなった大阪・道頓堀にて、ゲーム内に登場する飲食店舗連動の大抽選会や、本作の試遊体験会、コラボフードの販売などを行うというもの。
大抽選会では、イベント参加店で飲食した際にもらえる参加券で豪華な景品が抽選で当たる。体験会に参加した人には、ボックスティッシュが贈られていた。
また、角座広場の“うん~ま”と“世界で2番めにおいしい焼きたてメロンパンアイス”ではコラボフードが販売。それぞれコラボフードを購入した人には、オリジナルポストカードがプレゼントされる。
“うん~ま”のコラボフード『桐生一馬のトルネードポテト』は、ポテトフライをコンソメガーリックで味付けしたもの。パンチがありつつ、コンソメのあとを引く味付けで食べる手が止まらなかった。ガッツリ食べ応えのあるところもポイントだ。
“世界で2番めにおいしい焼きたてメロンパンアイス”では『真島吾朗のメロンパンアイス』を提供。メロンパンにはさまったバニラアイスに、少しビターなチョコと甘いマンゴーソースがかかっていた。パンとアイスの甘さに、甘酸っぱさと苦味が加わり、やや寒いこの時期にもかかわらずペロリと食べてしまった。
▲他にもフォトスポットや物販コーナーが存在。11月26日に道頓堀に行く予定の人は立ち寄ってみては? |
イベントステージで行われたトークイベントには、50人近いファンが集まった。登壇した横山昌義チーフプロデューサー、佐藤大輔プロデューサー、島野光弘プロデューサー、阪本寛之ディレクターはファンにあいさつをした後、本作の魅力や開発秘話を明かしたので、その様子をレポートする。
▲左から佐藤プロデューサー、横山チーフプロデューサー。 |
▲左から阪本ディレクター、島野プロデューサー。 |
最初の話題は舞台となっている大阪について。オリジナル版の『龍が如く2』を作った際には、30人くらいで道頓堀を取材したという。横山さんは「人数が多かったため、取材費を経費で落とすのに苦労した」と笑いながら当時を語った後、集音マイクをこっそり回して参考のために音を撮ったり、街の様子をこっそり撮影したりしたことを明かした。当時は今ほど撮影しながら歩くことが一般的でなかったため、大変だったようだ。
佐藤さんは、大阪の街にエネルギッシュな印象を持っていることを告白。街の様子を再現するため、最後にライティングのエフェクトを入れる際には、オレンジ色を加えて絵作りをしたとのこと。
苦労しているところを聞かれたメンバー。プロデューサー陣からは「予算」という回答が上がるが、佐藤さんは取材で香港、台湾、韓国を回るため、「これからも大変」と加えた。実は横山さんが飛行機に乗れないため、佐藤さんが回っているということだが、各地を回ってプロモーションするのはやはり大変のようだ。
阪本さんは、街のスケール感を出すのに苦労しているとコメント。コラボしている店舗では、営業前に寸法を測ったり、写真を撮ったりする。これらの作業は最近のタイトルで人の大きさをリアルに描写しているため、街をしっかり描かないとごまかせなくなっているためにやっていることだという。
メンバーは笑いながら「建築士のような作業をしています」と語っていたが、膨大な資料によって作られた街だからこそ、ゲームの中で歩いた時に、現地を歩いているかのような臨場感を出せているとのこと。
『龍が如く』シリーズといえば豊富なミニゲームも欠かせない。『龍が如く 極2』に収録されている“新・水商売アイランド”は同じく大阪が舞台の『龍が如く0 誓いの場所』の“水商売アイランド”をパワーアップさせたもの。他にも、さまざまなミニゲームを収録しているので、物語とあわせて楽しんでみては?
「女性ファンが多いのは意識しているのか?」という質問に対して、横山さんは「意識していないし、これからもしない」とコメント。開発チームは男性が多いため、男心をくすぐるようなキャラを作ることしか考えていないそうだ。そもそも最初のコンセプトとして、“女性や子どもをターゲットから外して、大人の男性だけを狙う”というものがあった。その際に、意図としていなかった真島がなぜか人気が出てしまった。
「リアルに真島がいたら、危なくないですか?」と横山さんがコメントすると、集まったファンから笑いがあがった。ただ、真島の人気はとどまることを知らず、“『龍が如く』シリーズキャラクター総選挙”では1位を獲得。あまりの人気から『0』では主人公になった。
▲『龍が如く0』の真島。 |
続いてファンから「西谷誉の生まれた経緯を教えてほしい」という質問があがる。現在の真島のキャラを形成した人物を作るためにあがったのが、『0』に登場した佐川司と西谷誉という2人。『0』で真島を主人公にしたが、現在の性格では自分が操作する主人公にならないため、マジメなキャラにして、そこから変化する様子が描かれたのだという。「もったいないと思ったのですが、西谷を殺したのはそのためです」と横山さんは答えた。
▲『龍が如く0』に登場した、佐川司(左)と西谷誉(右)。 |
ヒートアクションの作り方を聞かれたのは阪本さん。開発チームにはバトル班が存在し、そのメンバーが出したネタと、モーションアクターが打ち合わせをしてヒートアクションを作っていくようだ。これまでに出てきた数は膨大な量で、好評だったものを残しつつ、新たなものを入れて作っているとのこと。ただ、ネタ切れで横山さんからダメ出しされたこともあるという。
本作ではこれまでにないような武器も多数収録されているという。阪本さんはフォトンブレードやアイロン、ロケットランチャーなどの武器を披露した。なお、ロケットランチャーはDLCで配信される予定だ。
「桐生を最初に作った時の苦労は?」という質問に、横山さんは「できあがって改めて見てからカッコよさを感じた」とコメント。もともとは別ジャンルのゲームを作っていたメンバーばかりで、イベントシーンの作り方、シナリオの書き方がわからなかったという。すべての要素をひたすら作り続けていき、キャラビジュアルに黒田崇矢さんのボイス、アクターのモーションが重なった時に、キャラとして完成したのがわかったことを明かした。
会場では新要素をプレイで紹介。シリーズおなじみの“闘技場”の要素から、8人同時にバトルする“大乱戦遊戯”が公開された。登場メンバーの中には、おなじみのキャラや人気プロレスラーもいて、かなり盛り上がりそうだ。バトル中は上から落ちてくる武器をうまく利用するのがカギになると、阪本さんは説明した。
イベント終了後、開発陣からコメントをいただいたので以下に掲載する。なお、コメント中は敬称略。
――ファンとの距離感が近いイベントでしたが、いかがでしたか?
横山:いつもは完成披露会をしているのですが、今回は8月26日に新作発表会を行い、プロジェクト全体が動き出しているため、いつもとは少し違います。『0』の時にも体験会をやったのですが、『極2』は大阪が舞台なのでこちらで大きいことをやりたいと思って開催しました。大阪を知っている方や関西のファンに感謝していることと、少しでも遊んでほしいという気持ちからです。
なるべくならファンの生の質問を聞きたいと思って、今日のような質問をしてもらう作りにしました。気温は寒かったのですが暖かいイベントとなったので、集まってくれた方に感謝しています。
佐藤:集まってもらえて本当によかったです。1人とかだったらどうしようとか思っていました(苦笑)。
阪本:ライブ感があってよかったと思いますね。普段のイベントは見せるところを段取りで決めているのですが、ファンから聞くのは新しかったです。
横山:それは『極』プロジェクトだからというのはありますね。そもそも新作だと、シーンを知らないので。
島野:オリジナル版でもあったのですが、タイアップの店舗が増えています。このイベントでは、シリーズの大きさを感じながらコラボ店舗と連動しながら展開できたのでうれしかったです。
――改めて『2』にふれられてみて、いかがでしたか?
横山:『2』は二度と作れないと思います。シナリオを含めて、狂気の沙汰だと思うほどの詰め込み方……やりたいことがあらぶって入っていたりする。この時、あの映画にはまっていたことや、やりたかったシーンを思い出しました。ただ、その時の自分にしかできないものを作るのはエンタメでは大事だと思っています。
そんな自分たちが作ったものを最新の技術で皆さんに遊んでもらえる。作品が受け入れられていないと、時間と労力をかけて作り直すのはできないので、改めて幸せな環境にいることを感じました。
阪本:『2』のころは皆の熱量がすごかったです。隅から隅まで遠慮しないで作っていました。
横山:監督の名越は当時、腹八分では許さなかったというのもありますね。
阪本:そのうえで、技術や我々のスキルが上がっているため、当時はよかったところも、よりよくしようして作りました。なつかしさを感じつつ、いい刺激を受けつつ挑みました。
佐藤:何より、皆が若かったよね。今より12歳くらい若かったので(笑)。ただ、PS2でよくあのボリュームを作れたと思います。開発期間は10カ月ですからね。
――最後にコメントをお願いします。
横山:見てほしいのは価格です。『6』と比べて安いのは、ボリュームが少ないからではありません。シリーズが続いているファンへの感謝への気持ちです。ぜひ年末年始にプレイして燃えてください!
阪本:『極2』プロジェクトでやれることは出し切りました。ただ、我々のスタジオは作品を作り続けていくので、引き続きタイトルにご注目いただければと思います。
佐藤:ドラゴンエンジンで2作目のタイトルになります。過去のシリーズのいいところと、ドラゴンエンジンの魅力が入った最高の『龍が如く』だと思います。ご期待ください。
島野:オリジナルの作品は最高傑作と言われていますが、追加された部分も本当にいい出来です。今後の評価がいいものになると思っています。まだ発表されていない要素があるのですが、ボリュームもあり、それだけで売りたいくらい自信があるのでそこにも期待してください!
――この後、皆さんでコラボ店を回られるのですか?
横山:タイアップ店舗に行きたいのですが混んでいるんですよ! 予約しないと無理ですね。11年前と比べて大阪の街の人の量がすごいことになっています。今、この街の人を、ゲームで再現しようとすると処理落ちします(笑)。
阪本:確かに多すぎて走れないですね。
佐藤:人の多さはすごいと思いました。
横山:リアルの街の熱気がゲームを越えているので、改めて頑張ろうと思いました。
(C)SEGA
データ