2017年12月19日(火)
セガゲームスが運営する、PS Vita/PC用オンラインゲーム『ファンタシースターオンライン2』開発者へのインタビューを実施したので掲載する。
『ファンタシースターオンライン2』は、ネットワークゲームの楽しさや驚き、冒険を再び感じられるゲームとして開発された。PC版とPS4版、PS Vita版がサービス中で、iOS/Android向けサービス『ファンタシースターオンライン2 es』も行われている。
お話を伺ったのは、シリーズプロデューサー・酒井智史さんとEP5ディレクターの濱崎大輝さん。12月16日に行われたイベント“アークスX’masパーティ2017”で発表された『PSO2 クラウド』の内容や今後の展開についてお聞きした。
▲左から濱崎さん、酒井さん。 |
なお、インタビュー中は敬称略。
――まずクラウドについてお聞きします。こちらは、どのようにしてプレイするのでしょうか?
酒井:プレイ自体は、基本的にこれまでと変わらずに遊べます。SEGA IDをお持ちでない場合は取得いただき、最初に数十メガ程度のクラウドアプリをNintendo Switchにダウンロード。それを起動してもらえれば、すぐ始められます。
利点としては、『PSO2』のゲームデータをアップデートしなくていいところですね。プレイを始めたら、それ以降はアップデートがあってもクラウドサーバー側で自動的にアップデートされます。
――よくあるクラウドサービスと同様に、サーバ上にクライアントがあって、そこに毎回アクセスするイメージでしょうか?
酒井:そうですね。サーバから映像が落ちてきて、その映像に対してボタンを押すと、またその反応が映像で返ってくる。これの繰り返しです。
――オンラインゲームということでレスポンスが気になるのですが、そこはいかがでしょう?
酒井:もちろん、PC版やPS4版よりは、少しレスポンスは悪くなると思っていた方がいいかと思います。ただ、環境にもよりますが、初めて『PSO2 クラウド』で『PSO2』を遊ばれる方には、実はあまり気にならない程度かもしれません。
――操作の遅延はどれくらいでしょう。例えば少し遅延するテレビでゲームをやっている感覚くらいですか?
濱﨑:プレイする方の環境にもよるのですが、いい環境だとわずかに遅延するくらいの感覚でプレイできると思います。ルーター性能などのWi-Fi環境や、電波状況によってはもう少し遅れてしまうかもしれませんね。
酒井:現在、ハイスペックな機種の有線環境でプレイされている方は少し違和感があるかもしれません。
――Switchは無線でつながれている方が多いと思うのですが、今の開発環境下では有線と無線のどちらでテストされているのでしょうか?
濱﨑:今は無線ですね。有線にしていただくと、より安定すると思います。
――シップの作りはどうなるのですか?
酒井:現状と同じ10シップ構成です。各シップ内に、クラウドとPCだけが入れる専用のブロックができます。このブロックでは、PS4とPS Vitaは遊べないようになっています。新規ユーザーも多いことと、クラウドサービスという事でどうしても操作感の違いが発生してしまうこともあり、マルチプラットフォーム展開をする上でブロック分けした方が得策と思い、このようにさせていただきました。ただプレイデータはすべてのプラットフォームで共有なので、いまPS4で遊ばれている方がそのままSwitchで続きを遊ぶことも、プレイした後にPS4に戻ることも可能です。
――PCの人だけが全プレイヤーと遊べる形になるわけですね。
酒井:そうです。
――新しいシップを作ることは考えなかったのでしょうか?
酒井:それは考えていませんでした。ゆくゆく全プラットフォームが同じブロックでプレイができる可能性も残したかったので。
――Switch専用の衣装だったりイベントだったりはあるのでしょうか?
酒井:何らかのものを考えています。例えば、Switchでプレイした時にのみ手に入るアイテムとかは考えられますね。ただし、その場合も一度手に入れたアイテムはPS4でプレイしても、PCでプレイしても同じように使うことが可能になっています。
逆にPS4やPS Vitaだけで手に入るトロ、クロのアイテムなどもSwitchで問題なく使えるようにしています。
――課金まわりは、基本PC版と同じになるのでしょうか?
酒井:そうですね。ニンテンドーeショップではなく、SEGA IDを取っていただいて、ISAOからACを購入していただくことになります。
――将来的に例えばPS4やPS Vitaをクラウド化することは可能なのでしょうか?
酒井:技術的には可能です。ただ、PS4だとあまり意味はないですね。PS Vitaであれば意味があるかもしれないですが。
クラウドはハードに依存しないのが利点です。アップデートに時間がかかる環境や、スペック不足を解消する手段として適しています。例えば低スペックPCだったり、もしくはスマホだったり……まあスマホはあくまで例で、かなり厳しいと思いますが。
――現状、PS Vitaのユーザー数はどれくらいの割合になるのでしょう?
酒井:全盛期と比べたらさすがに減っています。減っているのですが、運営として外せないくらいのユーザー数はまだまだ残っています。
濱﨑:PS Vitaオンリーで遊ばれている方もある程度いらっしゃいますし、併用して遊ばれている方もいらっしゃいます。そういう意味だと結構なユーザーさんがまだ遊んでいる状態ですね。
酒井:ややザックリの比率ですが、PC、PS4、PS Vitaで3:2:1くらいですね。
――予想していたより遊ばれていますね。
▲PS Vita版のゲーム画面。 |
酒井:ただ、今回のSwitchがPS Vitaに完全に代わるデバイスになるとは考えていません。家でプレイする場合、より高画質でプレイできるのですが、ケースバイケースです。
――通信量という意味では、どれくらい必要なのでしょうか。
酒井:基本的には映像ストリーミングとほぼ同じ通信量だと思っていただければいいです。たとえば2時間プレイしたら、2時間の映画をそれなりの画面サイズで見たのと同じことになるので、ポケットWi-Fiとか通信制限が入るようなものだと、けっこうきついと思います。
――PS Vita版は、テザリングでプレイしていても、そこまでいかないと感じているのですが……。
酒井:PS Vita版は映像ストリーミングではなく、パケット通信だからですね。それより確実に通信量は大きくなるので、ポケットWi-Fiやテザリングで遊ぶのには向いていないんでしょうね。そのため、外で遊ぶのはPS Vitaのほうが優れていると思います。
濱﨑:住み分けという意味では大事なところです。帰省先で遊ぶならPS Vita、家ならSwitchがいいと思います。
酒井:家で寝転んで遊んだり、TVの前にしばられずに遊んだりするのに向いていますね。
――サービス時期はおおよそどれくらいですか?
酒井:2018年春です。
――大型アップデートと一緒でしょうか? それともPS4版のようにアップデートが始まってしばらくしてからサービスインというイメージでしょうか?
酒井:大きなアップデートと一緒になるのは避けてるのですが、ほぼ一緒ですね。
――先日のインタビューでもお聞きしていますが、2017年の1年間を振り返ってみていかがでしたか。
酒井:前半と後半で温度がぜんぜん違いました。前半はEP4の終わりであったり、感謝祭をずっと行っていたりと、すごく盛り上がっていることを感じられました。後半は逆にEP5の問題が重くのしかかるようになって、正直つらいことが多かったですね。やることなすこと、マイナスに響いてしまって、ここに関しては未だにうまい解決ができていなくて、模索しながらやっています。
――オープニングムービーについても、賛否出ていましたね。
酒井:活躍するであろうというヒーロー中心の構成にはなっているので、反発は起きるだろうと思っていたところ、やはりけっこうな反発意見がありました。半年以上前から作り続けていたので、なかなかそれを変えるわけにいかないんです。ただ、カッコいいと言ってくださる方もいらっしゃいました。
――アッシュなどはなぜ出てこなかったのでしょう?
濱﨑:こちらの事情ですが、予算やスケジュールの問題もあって、12人を出すことができず、あの2人をメインで動かすことになりました。ただ、キャラクターの顔のカッコよさでは今までで一番よくできているかと思っています。
酒井:今回はヒーローとエリュトロン・ドラゴンの戦いがメインだったので、アッシュが出てくるとどうしても画面を食ってしまう部分があり、アッシュに代わるキャラとしてヒーロー男性を出した、という感じでした。とは言え、現在の反応を見ると、もう少しやりようがあったのかもしれないと申し訳なく思っています。
――そのエリュトロン・ドラゴン戦は、どのようなクエストになっているのでしょうか?
濱﨑:『PSO2』史上最大のドラゴンとの戦闘が楽しめるクエストになっています。今まで配信したドラゴンの中では類を見ない、スケール感のある戦闘になっています。クエストは橋の上で魔物と戦うところからスタートし、徐々に本丸に向けてエリュトロン・ドラゴンを追い詰めていくという流れですね。
その中で、大きいドラゴンとの地上戦はもちろん、空中に飛んでいるドラゴンを撃ち落としたり、特別な武器を使って弱点を露出させたりといった、多数の王道シチュエーションが凝縮されたクエストになっていますので、そういったところを楽しんでいただければと思っていますね。
――難易度的にはどれくらいになっていますか?
濱﨑:難度としては、デウスエスカくらいをイメージしています。毛色は各レイドボスごとに少し違うので、一概には言えませんが、幻創戦艦・大和ほど簡単なクエストではなく、油断しているとやられるバランスで作っています。
――デウスエスカはクリア率が低かったため、難易度の調整が入りました。調整を入れる前の難易度ということですか? それとも入れた後?
濱﨑:調整を入れる前と入れた後の間くらいだと思います。デウスエスカの場合は失敗条件があったので難しかったのですが、今回は失敗しないので、戦いごたえの部分で少し難易度を感じるイメージですね。先日まで行っていた「電撃!ポリタンランド!」で入手できたバジリスシリーズや、ネメシス-NTシリーズを持っているとダメージを軽減できるので、有利に立ち回れるようには作っていますね。
――そのあたりはエリュトロン・ドラゴン戦を見越した上での潜在能力を付けていたのですか?
濱﨑:そうですね、バジリスシリーズについてはそうさせていただきまいた。
▲バジリスリオード(★13ツインマシンガン) |
――先日発表された★14武器が4種あったのですが、どんな武器なのでしょう。
濱﨑:潜在能力に関しては、後日の公開をお待ちください。ただ全部ユニークな効果になっています。ツインマシンガンに関しても、ヒーロー、ガンナー両方が使えるので、ぜひ取っていただきたいです。
――パルチザンやナックルがあったのが意外でしたが、通常クラスが好きな人にとってはうれしい要素ですね。
濱﨑:そうですね。人気のあるカテゴリに加え、ヒーロー向けのカテゴリ、4種で構成させてもらっています。パルチザンは戦い方が結構変わるというところと、ナックルはユニークというかおもしろい効果になっているので、ぜひそのあたりを楽しんでいただけると。
――ただユニークな武器はそこまで人気がないイメージですが(笑)。
濱﨑:そういう傾向はありますね(苦笑)。ただ、どれも強い武器になっています。
――いま実装されている★14武器ですと、どのあたりがいちばん装備されているのでしょう?
濱﨑:ダブルセイバーのクヴェレスカーレットが排出数、装備数ともに一番多いですね。また、通常クラスだとファイターが一番人気があるという側面もあり、あのあたりは人気ですね。
――クーナライブがクリスマス仕様になるということですが、どのようなものですか?
酒井:基本的にはこれまでと同じですが、演出が違います。
濱﨑:コスチュームとかがクリスマス仕様になっているっていうところが異なっていますね。あとは、演出周り全般が変わっています。
――今回のクリスマス衣装は控えめな露出でした。「今回の衣装はあまり肌が出ていなくてカワイイ!」という意見がユーザーから上がっていました。特に女性ユーザーの意見が目立ったように感じたのですが、幅を出すためにこのようなデザインにされたのでしょうか?
濱﨑:クーナが着ますし、露出が多いのを好まれない方もいらっしゃるので、そういったところも含めたデザインにしているというのはあります。また、既存のNPCキャラクターが着ていてもそのキャラクター性を壊さないという意識もあり、このような衣装になっています。
酒井:わりと女性は「露出しすぎないでほしい」という意見の方が多いですね。
――年末年始にはどのようなイベントを行われる予定でしょうか。
濱﨑:年末年始に関しては、毎年恒例の年末年始のブーストイベントを行ったりですとか、“電撃!ポリタンカーニバル”の報酬期間が開催されたりします。
あとはダークファルス・エルダーとダークファルス・ルーサーの連戦イベントだったりとか、アルティメットのイベントだったりとかも、年末年始にあわせてスポット的にやっていく予定があるので、エリュトロン・ドラゴンとあわせて遊んでいただければと思っております。
――“電撃!ポリタンカーニバル”の強化期間が遅い時期に配信になるのですが、どういう理由で1月にされたのですか?
濱﨑:報酬期間が強い武器が入る直前に来ると、「あれ、このタイミングかー」という不満に繋がるので、今回は皆さんが強化しやすいタイミング、したいタイミングに合わせて少し趣向を変えさせていただきました。
酒井:エリュトロン・ドラゴン戦で手に入ったものをそこで強化できる流れにしています。
――新マップについてご説明いただけますか?
濱﨑:“幻惑の森”は、EP5の西洋のファンタジーという王道のテーマにそって、雰囲気を重視して作りました。今回配信するクエストはフリーフィールドタイプではなく、期間限定の一本道タイプの進行型クエストになっているのですが、少しルートが変わる部分を用意したり、専用の天候も用意したりしています。クエストのプレイだけでなく、そういう世界観でスクリーンショットを撮りたい人も使える作りになっています。
――期間限定の配信になるのでしょうか?
濱﨑:そうですね。今回は新春のイベントとあわせて配信する予定なんですが、せっかく作ったマップでもあるので、後で何らかの方法で遊べるようにはしたいとは思っています。
――“電撃!ポリタンカーニバル”は先日終わってしまったのですが、いつかリバイバルされるのですか?
濱﨑:それは予定されていないですね。
――してください!
濱﨑:アハハハ(笑)。ただ、あのタイプのクエストの配信は予定しています。今後も使うことを見越して作っているところはあるので……。
――例えば、今回は市街地のマップでしたが、別のフィールドになるとか?
濱﨑:そうですね。別のフィールドに置き換える形で今は考えています。今のクエストのテンポ感は好評で、様々なクラスで遊びやすいクエストなので、そこのテンポ感は守りつつアップデートする感じですね。
――ユーザーがいちばん気にしているのは、★14シリーズ、アトラシリーズが映像で公開されました。その交換条件が見えて、熱心なユーザーはアイテムを集め始めていると思うのですが、必要素材はあそこで紹介されたままですか?
濱﨑:あのままですね。今回★14武器が、アカウントで1本確実に手に入るようにしています。ドロップで手に入れるよりは簡単になるので、ある程度頑張っていただく要素として作っています。
あとは、★13武器が余っているという意見もいただいていますので、余っている★13武器を素材にしていただいて、★14武器を作る過程にしていただければと思います。
――★13武器を分解すると集めやすい素材になっているのですか?
濱﨑:集めやすくなっています。そのため、いらないと思っているコレクトシートの武器でも集めて素材にしていただけます。あとはエルダー&ルーサー連戦のようにレイシリーズが落ちやすかったりするクエストもありますので、そういったものも素材にしていただければ入手しやすくなると思います。
――不要なものの処分ができるということですね。
濱﨑:そういうことですね。
――あと、バルシリーズはトレード可能と放送で見たのですが、それはマイショップに置けるということでしょうか?
濱﨑:はい。マイショップに出品が可能です。強化値上限を上げるために、購入することもできますし、S級特殊能力がついているものを出品して一部の金策にしてもらうっていうことも含めて、このような仕様にしています。
――バルシリーズ自体は、エリュトロン・ドラゴンのドロップのみだと思うのですが、どのくらいの確率になっているのでしょう?
濱﨑:今だと、1週間足繁く緊急クエストに通っていただければ1本は落ちるかなというドロップ率にはなっています。
――そこまで低いわけではないと。
濱﨑:そうですね。比較的手に入ると考えていますね。
――今回コレクトシートをなくした理由を教えてください。
濱﨑:今回マイショップに対応したことが大きいです。S級特殊能力がついているものを出品してもらうことが目的としてはあるのですが、コレクトシートも残した場合にS級特殊能力がついていないものだったり、流通量的にすごくあふれてしまってマイショップの価格が落ちてしまったりした場合に、金策としても扱いにくくなります。今回は比較的入手をしやすくするかわりに、コレクトシートをなくしてバランスを取ろうとしています。
――バレットクナイと同じようなドロップ率くらいでしょうか?
濱﨑:バレットクナイよりは高い確率で入手できると思います。ただ、バレットクナイが1種類だったのに対して、今回は種類が多い。そのため、自分が好きなものを狙うとなるとちょっと取りにくくなると思いますね。
――自分の目的のものでなければショップで売って、それを元にして買うこともあると……。
濱﨑:売ったり、購入したりという流れですね。まあ人気カテゴリの武器は高くなると思うんですが……。
――補助需要のアトラシリーズで交換するのに必要なアイテムが、先ほどうかがった分解で手に入る素材と、あと石の“時還石クロノス”は称号報酬というものだったのですが、こちらはどういう称号の報酬ですか?
濱﨑:バルシリーズの武器を強化していただくことで取れる称号です。
――ゆるめの条件になりますね。
濱﨑:はい(笑)。強化値上限を最大まで強化してもらえればと思います。★14武器がなかなか入手できないという方でも、今回はアカウントに1本限定で手に入ります。
ただ、さらにS級特殊能力をつけることでより強くなりますので、そこからはプレイヤー次第ですね。
――今回は★14のアトラシリーズはタクトはないのでしょうか?
濱﨑:タクトはないです。特殊能力の扱いがキャンディーとかに置き換わっているとこもあるので少し違います。サモナーについては★14武器に相当するものを別の方法で今後考えています。
――ペットが現状13が最高ですが、その上を出すということですか?
濱﨑:まだ先の話になりますが……まあ、そういうことになると思います(笑)。
――現状のサモナーですが、調整がまだ追いついていないというか、ゲーム速度とあっていないところが若干ある気がしています。そのあたりがどうなっていくのかなってユーザーも気にしているかと。
濱﨑:少し総合的な火力の底上げを含めて、上方修正していければと思っています。置いていかれやすいことは認識していますので、早めに何らかの方法で改善していきたいとは考えています。
――バスタークエストですが、120回行けるようになったので、あまりフリーをやる必要がなくなってきている印象があります。ただ、フリーでないとメダルが入手できない状況でもあります。そのあたりについて入手方法の緩和や変更は考えていらっしゃるのでしょうか。
濱﨑:そうですね。メダルの入手先についてはいま考えているところなので、ここについては調整が入ります。あとはフリーの魅力をアップさせることもあわせて行う予定です。
――それは近い将来ですか? もうちょっと先ですか?
濱﨑:申し訳ないのですが、少し先にはなります。新春クエストのタイミングは、バスタークエストを遊ばれる方はそこまで多くないと思うので、新春クエストが一段落してからというタイミングになるかなと思っています。
――Switchが加わるということで、初心者施策などはあるのでしょうか? レベルを上げた後、いい流れでエクストラハード帯の人と混ざれるようなゲーム内の仕組みなどの予定はありますか?
濱﨑:クラウド版に限らない施策ではあるのですが、詰まった時、どのように進めていいかわからない、強化したらいいかわからないという意見があります。
そこでゲーム内で、「こういう風にすると経験値が入るよ」や「このボーナスクエストをやると経験値がたくさん入るよ」とか、「強化はこういうふうにやると効率的だよ」みたいにガイドできるような機能を実装しようと考えています。
――アークスロードのような形なのか、それともNPCのクライアントオーダーをこなすと自然にできるようになるとか、いろいろなやり方があるのかなと思うのですが、いかがでしょう。
濱﨑:いまは、NPCに対して教えてほしい項目を選ぶとガイドしてくれる機能を想定しています。
――難しいですよね。本当にそこを必要としているような人はそこに気付かないことが往々にしてあるので……。
濱﨑:そうですね。いま、作ろうとしているガイド用の新しいキャラは、他のキャラクターよりもアピールするようにしています。
――アスタルテに役割を増やすことは考えませんでしたか?
濱﨑:アスタルテはアークスロードを持っていて、2つの機能を持たせてしまうとゴチャゴチャしてしまうため、あえて分けています。
――ローラが不在となりましたが、ロビーにいるNPCの数は現状で限界に近いのでしょうか?
濱﨑:そうですね。今はエピソードが追加されることによって、クラスNPCが増えたりしているので、ロビーの上限数をずっと行き来している状態です。そういう側面もあり、役割が薄い人はいなくなることがあります。
――“フランカ’s カフェ”だったら可能なイメージですが、あちらはまだ人数に余裕があるのですか?
酒井:あちらはまだ余裕があります。なので、“フランカ’s カフェ”でローラさんが白衣を脱いで休んでいるというのはアリだと思っています。
――そういうのは楽しいため、ぜひやっていただきたいです。2018年にやってみようと思っていることや、目標があればお話しいただけますか?
酒井:まずは現状の失った信頼をできるだけ回復して、離れてしまったユーザーさんに戻っていただくことが重要だと思っています。もうひとつはSwitchでのサービスに向けて、新しいユーザーさんへの導線をしっかりして、新たに入ってきた方にいい環境で遊んでいただくことが当面の目標です。
濱﨑:より多くの方に『PSO2』を遊んでいただくことが一番の目標だと考えています。新しいアップデートで戻ってこられる方のきっかけを作りつつ、新しい方が楽しめるコンテンツ作りをする。作るものはクオリティを高く提供する。基本ではありますが、今まで十分にできていなかったことですので、しっかりやっていこうと思っています。
そして、戻ってきてくださった方が、「以前とあまり変わっていない」と感じられないような、地盤固めとしてバランス調整や問題点の改善を同時に行っていくつもりです。
――『PSO』というシリーズを考えるとそれこそ15年以上、サービスを行ってきていますが、『PSO』や『PSU』の時と比べるとユーザーの動向や考え方はかなり変わってきているのでしょうか?
酒井:かなり変わっていると思います。ユーザー数的にも確実に10倍以上に増えているので、まったく違うんですね。分母が多いことや、オンラインゲームを主にやってきた人、家庭用ゲームを主にやってきた人、スマホゲームを主にやってきた人など、ゲームやプレイに対するスタンスや考え方がかなり違うなとは感じています。
また、『PSO』や『PSU』は遊びに大きな変化があるゲームではありませんでした。『PSO2』はつねにゲームが変化している状況なので、ユーザー反応も全方位に気を配らないと難しいということはすごく感じています。
――クエストを楽しんでいる人でもタイムアタックを楽しむ人もいれば、アクションゲームのように楽しむ人もいれば、ライトにボタン押すだけの人もいる。さまざまな人がいますからね。
酒井:100%のユーザーを満足させるのは難しいとは思うんですけど、せめて最大公約数を狙っていく必要があります。ただ、EP5のアップデートでは狙いが外れ、失敗してしまった点は反省しています。まずは立て直した上で、ユーザーさんの希望や要求されるレベルはつねにあがっていくので、そこにできるだけこたえていけるサービス展開をしていきたいと思っています。
(C)SEGA
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