2018年2月14日(水)
歴史シミュレーションゲーム『信長の野望』シリーズの15作目となる、PS4&PC用ソフト『信長の野望・大志』。本作では、30年以上にわたりつちかわれてきたシリーズの伝統を引き継ぎつつ、“さらなる進化と新たなる挑戦”というテーマが掲げられています。
この記事では、電撃PS編集部がオススメするタイトルをネタバレなしでレビューするという趣旨のもと、担当スタッフによる熱のこもった記事をお届けしていきます。
『信長の野望・全国版』のファミコン版から『信長の野望』シリーズにハマり、そこから歴史好きになったと言っても過言ではない編集Oです。今回レビューで取り上げるのは、昨年末に発売されたシリーズ15作目となる『信長の野望・大志』です。
現在、自分は5大名ほど全国統一するまでプレイしていますが(織田家で全国統一をして、あとは惣無事令でクリア)、本作ほど“国を切り取る”という言葉がピッタリな作品はないと感じています。
じつは、どちらかといえばじっくり領土経営で地盤を固め、そこから戦争を仕掛けるタイプの『信長の野望』が好きだった自分。ただ、『大志』の発売前に電撃PlayStationチャンネルの“うどんの野望”で『信長の野望・天翔記 with パワーアップキット HD Version』の配信を見て、外交や戦争重視の作品もいいなと再確認しまして。
で、そんな気持ちに変化があったなかで『大志』を遊んだわけですから、これがハマらないわけがないですよね! そこで今回は“いくさ”という視点から、自分がどっぷりハマっているポイントを語っていきたいと思います。
●“宣戦”による敵味方の判明が熱い!
本作のいくさの流れをカンタンに説明すると、まずいくさの前には他国に“宣戦”を行う必要があります。このとき、周囲の勢力がどちらの陣営につくかが判明するのですが、周囲の状況が戦場に影響するという点が『天翔記』に近いんです(『天翔記』は戦場に自勢力の城があると、参戦するかを選べた)。
味方についてくれると金や兵糧などの物資を支援してくれるのですが、その報告が多数あると否応にもテンションが上がるんですよ。よしよしって(笑)。
なお、このどちらにつくかの選択は、他勢力がいくさを起こしたときにも発生します。味方についた側の心証がよくなりますが、付かない方の心証がグッと下がり、その後の外交に影響を及ぼすので、いわゆる“日和見外交”は危険だったりします。そこもまた戦略の1つとして楽しいですね。
●同盟しているからといって安心はできない!
ただ、落とし穴なのが同盟していたからと油断していては痛い目をみるという点。たとえ同盟していても、攻める勢力が同盟国と婚姻関係にあったりすると、とたんに関係が悪化する場合もあるんです。
例えば序盤のシナリオでは武田、今川、北条が三国同盟を結んでいるわけですが、武田と同盟を結んだからと安心して今川を攻めると、武田の心証が下がり、最悪敵対関係になることも。当然といえば当然ですが、このあたりも踏まえながらどう国を切り取っていくかを試案するのが、腕の見せどころだったりします。
“宣戦”後は部隊を行軍させ、いよいよ国盗りのスタートとなるわけですが、今回は一度部隊が集結してから目的地に行軍するスタイルとなっています。このとき、自軍と敵軍の予測行軍ルートが表示され、どこでぶつかるのかが確認できるのですが、このぶつかる場所が大事だったりします。
じつは『大志』の領土は郡で区分されており、郡ごとに参加できる兵数上限が決まっているんですよ。そのため、こちらが大軍勢を率いて数で押したい場合は上限の多い場所を、逆に守備側で大軍を押し返したい場合は上限の低い場所で戦うなど、采配がとても重要になってくるのです。なお、先日のアップデートで敵側のAI思考が改善されて、この読み合いがより熱くなりました。
●気分は小田原城攻め!
なお、行軍できる部隊数に制限はないので、全国統一が近い後半になるほど、大部隊で多方面から攻めかかるようになります(1カ月で大勢力を滅ぼせることもある)。個人的には圧倒的な物量で攻め寄せるこの感覚がたまらないですね。
『大志』は滅ぼした勢力の大名武将も配下にできるので、指揮する部隊の武将もオールスター感満載ですし、きっと小田原攻めをした豊臣秀吉の気分ってこうなんだろうなと、天下人気分を味わっています(笑)。
●いくさの勝利の秘訣は“風林火山”!
序盤の弱小勢力を相手にする場合は、城を1つ落とせば国が滅びいくさが終わることも多いのですが、大国同士の戦いになるとそうはいきません。ですが、いくさが長引けば長引くほど、民忠が下がって一揆が起こる可能性が高まります。
そんな場合は“講和”で停戦を持ちかけるわけですが、停戦するとしばらくその勢力とは戦えなくなるんですよ。そうすると、相手の勢力の兵士数も回復してしまい、再戦に準備がかかってしまうんですね。だから『大志』のいくさは“戦いを始めたら徹底的に、そして迅速にやる!”がセオリーになるんです。まさに武田信玄の旗指物“風林火山”にある、“侵掠(しんりゃく)すること火の如く”でしょうか。
●領土拡大の心得は“火事場泥棒”にあり!?
ただし、大軍を動かす場合に注意すべきは兵糧。本作は過去シリーズでも類を見ないくらい、兵糧が重要となっています。「あと何日軍を動かせるから、どの城をどこまで落とせる」という、先の先を見通した戦絵図を描く楽しさは、シリーズでもトップクラスではないでしょうか。
ちなみに、自分は他勢力同士がいくさをはじめたときが、領土拡大のチャンスだと思っています。いくさを始めて敵勢力から部隊が出て行った城を、いわゆる“火事場泥棒”的にかすめ取るのがいい感じ(笑)。この他勢力と協力して“国を切り取る”のも、『大志』のだいご味の1つではないでしょうか。
今回は“いくさ”という視点で語らせていただきましたが、今後予定されているバージョンアップで、おもしろさが増すような仕掛けを予定しているとのことで、とても期待しています。シーズンパスを購入済みの自分としては、『大志』は2018年も遊び続ける1本となるのは間違いありませんね。(編集O)
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