2018年2月1日(木)
ロボットゲームに携わるゲームクリエイターが、ロボットゲームに対する熱い思いを語る“ロボットゲームクリエイター大座談会”を掲載する。
座談会には、『フロントミッション』、『LEFT ALIVE』、『電脳戦機バーチャロン』、『スーパーロボット大戦』、『ボーダーブレイク』と、業界を代表するロボットゲームを制作した著名なゲームクリエイターたちが集結。ゲーム内でロボットを表現するうえで重要だと考えていることやロボットに興味を抱いたきっかけ、さまざまなロボットの表現手法など、ロボットゲームファン必見の内容となっている。
こちらは、『電撃PlayStaton Vol.655』に掲載されたインタビューに載せきれなかったテキストを加えたもの。なお、インタビュー中は敬称略。
スクウェア・エニックス専務執行役員。『フロントミッション』シリーズや『FF』シリーズなど数多くの作品をプロデュース。『LEFT ALIVE』の制作にも携わる。
フロム・ソフトウェア在籍中には、『アーマード・コア』シリーズで企画やプロデューサーとして活動する。スクウェア・エニックス移籍後は、『LEFT ALIVE』を開発中。
第二研究開発本部・第一開発部プロデュースセクションマネージャー・プロデューサー。アーケード版&PS4版『ボーダーブレイク』のプロデューサーを務める。
セガゲームスのゲームクリエイターで、『電脳戦機バーチャロン』シリーズのプロデューサーを務める。現在は鎌池和馬先生の小説『とある魔術』シリーズとのタイアップ作品『電脳戦機バーチャロン×とある魔術の禁書目録(インデックス) とある魔術の電脳戦機(バーチャロン)』を鋭意開発中。
B.B.スタジオのゲームプロデューサー。『スーパーロボット大戦』シリーズのプロデュースや、一部作品のシナリオも担当。現在は『スーパーロボット大戦X』を制作中。
――まずは皆さんがこれまでかかわってきたロボットゲームと、今携わっている最新作を教えていただけますか。
青木:セガサターン(以下SS)のころから、ロボットゲームにはかかわっています。その時はまだ雑用係でしたが、それからいろいろ経て、現在は『ボーダーブレイク』のアーケード版と、先日発表させていただいきましたPS4版を開発しています。
亙:『電脳戦機バーチャロン』シリーズのアーケード版開発と、PS2版『マーズ』などの監修をやってきました。今はPS4/PS Vita『とある魔術の電脳戦機(バーチャロン)』の開発を進めています。なので、ロボゲー開発という面からみると、かなり『バーチャロン』にかたよっています(笑)。
寺田:25年近く『スーパーロボット大戦』シリーズのプロデューサーをしています。最新作は3月発売予定のPS4/PS Vitaの『スーパーロボット大戦X』になります。
橋本:さて、どこから話せばいいのか(笑)。僕は40年前からLSIゲーム(小型携帯型の液晶ゲーム)に始まり、MSXのソフトやらファミコンやらと、ロボット作品といいますか、いわゆるエンタメ全般にかかわってきました。ロボットゲームという括りでいうならば、『フロントミッション』から『LEFT ALIVE』まで、いろいろと手広く手掛けています。
鍋島:以前は『アーマード・コア』というアクションゲームに、プロデューサーやディレクターなどでかかわってきました。今は『LEFT ALIVE』という新作のディレクターを担当しています。
――今回ロボットゲームという括りでお集まりいただきましたが、もともとお互いに面識がある方もいらっしゃるとうかがっていますが?
亙:僕は橋本さんとは初対面ですけど、他の方とは面識がありますね。
青木:以前からロボットゲームの開発者が集まる飲み会“ロボゲー友の会”というのがあって、そこで初めてお会いした方々が多いですね。
亙:いつくらいから始まったんでしたっけ?
青木:2015年6月に新宿ですき鍋を食べたのが始まりだったと思います(笑)。少人数から始まって、だんだんと人が増えていってみたいな。
亙:ただ、飲み会では誰もあまりロボットの話はしないんですね。ずっとプラモの話をしている方とかもいますし(笑)。参加メンバーもその時その時で違います。
鍋島:わりと普通の飲み会的な感じです(笑)。僕は青木さんとそこで初めてお会いしました。
寺田:僕も一回だけ参加しました。
亙:前々回は『フィギュアヘッズ』(スクウェア・エニックス)のプロデューサーである織田英治さんもいらっしゃったりとか、すでに何回か続いてます。元をたどると、“亙の被害者の会”みたいな集まりだっのですが(苦笑)。
――ちなみにそれはここでお話できる内容でしょうか?
青木:僕の口からは言えないです(笑)。
亙:えーっとですね、釈明させていただきますと。僕が立ち上げようとしたプロジェクトはここ10年くらい、ある程度進むと即ペンディングになるという負のループに迷い込んでいたんです(苦笑)。僕自身はよかれと思ってお声がけしてご協力いただいたりするんですが、「すみません、なくなりました」というケースが非常に多くて。それでお詫び行脚をするのがここ何年か恒例となっていまして、その流れで縁のあるロボットゲームの開発者を集めた飲み会を企画したのが、そもそもの始まりの真実です(笑)。
青木:結果としては普通の飲み会にはなっていますが、それでも仕事の話や「コラボ企画をやりましょう!」みたいな、建設的な話もあるんですよ。ただ、残念なことに酒が入っている席だから、次の日にはお互いに忘れていることも(笑)。
亙:「自分たちのロボットを皆さんのゲームに出して」みたいな話も出たりはしているんですがね(笑)。
――確かにそうなるのもわかります(笑)。そんなロボ熱の熱い方たちにお集まりいただきましたが、そもそもみなさんがロボットに興味を持ったきっかけとは?
青木:僕はやはり小学校2年生くらいのときに見た『機動戦士ガンダム』です。その時は途中から見たのですが、最初から見てオモチャまで手を出したのが『伝説巨神イデオン』、『太陽の牙ダグラム』ですね。特に『ダグラム』は今見てもかっこいいです。
亙:小学生のころ、朝日小学生新聞に、国内で初めて二足で歩くWABOTの写真が載っていて、「スゲー」って感動したのが最初ですね。ただ、そのロボットはジャミラみたいな体をしていて、頭がなかったんです。それでなぜなのかと問い合わせをしてみたら、頭を乗せると、足が弱くて膝をついちゃうっていうんですよ(笑)。「自分は、いま発展途上の技術の流れを目の当たりにしているんだ!」とむしろシビれまして。それが最初にロボットを意識したきっかけだと思います。
青木:そもそも亙さんの興味はロボット自体ではなく、技術的なメカの部分なんですね。
亙:そうなんですよ。正直、子どものころはアニメ系のロボについてはあまり関心がありませんでした。もちろん例外もあって、ある時『超電磁ロボ コン・バトラーV』を見まして。「なんだ、アニメでも説得力のある造形デザインってあるじゃん」と感心した記憶があります。ただそうはいってもいまひとつハマることはなく(笑)。
ですから会社に入ってからですね、真面目にロボットアニメを見だしたのは。必要に迫られまして。メカ自体は好きだったので、リアルのロボットには興味がありつつ、アニメのロボットはほとんど意識していなかったところからの転身です。
寺田:僕の場合、最初は『マジンガーZ』を3~4歳で見て、そのあとポピーさんとバンダイさんの戦略にどっぷりハマって、現在にいたる感じです。いわゆる超合金世代で、そのまま卒業できなかった人です。特撮なども今でも見ていますし。ただ、アニメはロボットが出てないとあまり見ない傾向があったりします。よくも飽きずに……とは自分でも思いますけれども(笑)。
橋本:自分は皆さんよりも年齢が上なので、ロボットに触れたのは大学時代にアニメ誌でアルバイトしていた時ですね。『ガンダム』など富野由悠季さんの作品を中心に、取材などしていました。
――70~80年代の、ロボットアニメ全盛期ではすでに発信側の立場にいらしたんですね。
橋本:そうなんですよ。その延長からバンダイさんに入社して、小さな容量のLSIゲームのころからロボットを題材にしたゲームを担当しています。まさか今でも仕事でやっているとは思いませんでしたけど(笑)。
――当時、ロマンアルバム(徳間書店が手掛けたアニメのムックの名称)をよく買っていました。
橋本:昭和54年~58年くらいのアニメージュとかロマンアルバムには、けっこうかかわってました(笑)。
鍋島:僕は寺田さんとだいたい同じ超合金世代ですね。子どものころに同じように完全にハマって、「超合金のオモチャを買って」と泣きわめく子どもでした。当時は超合金の名作『コン・バトラーV』が欲しかったんですが、あれってバトルマシンを5機買わないとロボットが完成しないじゃないですか。でも、だいたい1機しか買ってもらえない子が多くて、僕もバトルジェットだけを買ってもらいました(笑)。
寺田:超合金世代のあるあるですね(笑)。
鍋島:でも、それ以降はアニメやロボットに接する機会もなかったんです。たまたま前の会社に入ったときに、最初に携わったのがロボットゲームだった感じですね。その時は自分がメカやロボットに造詣が深いとは思っていなくて。どちらかといえば必死に作っていて、気付いたらわりと長いことロボットゲームを手掛けていて、それに合わせて知識も興味もついてきた感じでしょうか。
――超合金がロボットにハマるきっかけだったという話はよく聞きますが、そもそも男の子がロボに興味を持つ理由って何だとお考えですか?
寺田:日本人は大仏や仏像など、巨大な人型を崇拝する傾向があるので、その延長線上なのかと思ったりもしましたが、それは単に僕が仏像好きなだけですかね(笑)。
青木:大きい人型のものに対するあこがれはあるかもしれませんね。
寺田:大仏とか見て「立ったらどれくらいの高さになるんだろう」なんて考えていたんで……あれ? これって僕だけですか?(笑)
――立ち上がったら、それこそ“スーパーロボット級”の迫力がありそうです(笑)。
亙:僕はやはり仕組みのおもしろさが最初にあります。このギミックがこうなって、動力系がこう、燃焼系がこう、伝導系がこう……みたいな技術的な部分を素通りすることができない。ゲームでは演出重視である程度は嘘をつきつつも、それっぽく見えるように動きを作ることに留意するというのが、たまらなくおもしろいです。まあ、女の子にこんな話をしても、あからさまに興味ない顔されて悲しいことになりがちですが(笑)。
――そういう機械というか、エンジンみたいなメカが興味の足がかりになる男の子も多いでしょうね。そこは車や戦車などにも通じるかもしれません。
青木:確かにロボット好きと車好き、メカ好きは重なる部分はありそうですね。
寺田:僕らの世代は幼少のころにミリタリーブームがあって、よくわからずにタミヤの1/35のフィギュアを買いまくっていた時期があるんです。「ドイツ軍って何?」みたいな状況で(笑)。なので惹かれるものはありましたよね。普通にアニメのプラモだけでなく、戦艦とか戦車のプラモも買っていましたから。
亙:あとはスーパーカーから入ってラジコンにいくとかね。実は僕はそっち派でした。ラジコンをいじくり倒しつつ、タミヤのスケールものを触りつつ、サスペンションの動きに心ときめかしたりしていました。トランスミッションの中をあけてベアリングとか見て「この精度じゃないと回らないのか~」とか感心したり(笑)。
寺田:高度成長期の後半のほうで生まれているので、車もバンバン走っていて、家電もいっぱいあるので、身近にメカは溢れていましたから。あと、昭和40年代は終戦からそんなに時間も経っていないので、1/35のミリタリー系フィギュアは今よりもだいぶ身近だったのかなと思います。
亙:たしか昭和49年から50年くらいに、アメリカ軍が撮影していた戦地の16ミリフィルムが放出されて、TVで放映されていた時期があったんですよ。
――最近では『ガールズ&パンツァー』のアニメを介して、戦車に興味を持つ人も多いですね。
寺田:そう、だから今の時代に戦艦や戦車のプラモが売れているのはすごいと思います。
孤独な戦場で生きるのか? それとも生かされるのか!?
世界観を『フロントミッション』シリーズと共有し、キャラクターデザインを新川洋司氏が手掛ける本作。“極限状態における人々の物語”を軸にしたTPSサバイバルアクションで、ステージごと入れ替わる3人の主人公を操作しつつ、“ヴァンツァー”が駆ける戦場を生き抜いていく。
――さきほどの『ガルパン』からミリタリーへといったように、ロボットへの興味の入口も時代によっていろいろとあると思います。年代が違うと、やはりユーザーの傾向に違を感じますか?
寺田:『スパロボ』の場合、ユーザーさんの高年齢化が進んでいますね。僕らが子どものころは戦隊ものとかロボットアニメとか、毎日のように放送していた時期がありました。
次のアニメ、次のアニメと継続的に見ることができていたのですが、今はまず『ポケットモンスター』など比較的柔らかい感じのものが登場する作品から入ることが多いので、そこからなかなか尖ったロボットものにいかないような気がするんですよね。小学校低学年の子どもたちが見られるロボットアニメが、今は少ないような感じもします。
亙:たしかに連続的に見るような機会がない。
鍋島:昔は必ずどこかでロボットアニメに触れていて、その後ハマるかハマらないかは人によって違いましたが、今はその触れる機会が少ないですね。
寺田:勇者シリーズとか、子ども向けのロボットアニメは昔ならいろいろと放送されていたんですけど。
橋本:昔は夕方に必ずロボットアニメをやっていましたが、今はそうでもないので、それはあるかもしれないですね。
亙:30~40代は『ガンダム』作品の洗礼を受けた人が多いと思うけど、それがもしかしたらロボットアニメ好きとして継続的な教育を受けた最後の世代かもしれません。
青木:でも、ここ最近は動画配信サイトで昔の作品を見ることができ、比較的若い人でも昔のロボットを知っていたりもしますね。
寺田:それもありますね。海外では「なぜそのアニメが今大人気なの!?」みたいなものもあって、時代が関係なくなってきているのはおもしろい傾向だなと思います。
亙:海外の20代の子で、昔の『ガンダム』作品をすごく好きという話もありましたね。意外な世代が意外な作品に触れている状況に驚きました。ただ、大きな流れにはならないですね。ピンポイントでそんな人たちが四方八方に散在しているみたいな。時代の流れのなかで共通体験として同じ作品にハマる、みたいなことはないですね。
青木:『ボーダーブレイク』の場合、サービス開始時のユーザー層は比較的若かったです。ただ、今年で9年目を迎えますので、しっかり一緒に歳をとっていますね。当時はほとんど高校生や大学生でしたが、今では「社会人になりました」という方も多いです。あとは、結婚して子どもができてプレイを卒業しちゃう、なんてプレイヤーさんも多いですね。なかには『ボーダーブレイク』がきっかけで結婚する方もいたりします(笑)。
橋本:今はゲームセンターに行くきっかけも少なくなっている感じはありますね。
青木:店舗数も減少傾向にありますし、今だと音ゲーとかプライズ系で若い子の来店はあるんですが、ビデオゲームへのハードルは高いと感じているプレイヤーさんは多いかもしれません。
橋本:ゲームセンターの3階に上がってくれないみたいな(笑)。
青木:そうなんですよ。1階は行くんだけれども2階や3階には行かないみたいな(苦笑)。
寺田:入口はあるのに、そこから先がうまくつながってない感じですよね。ただ、ひさびさにゲームセンターに行った時、子どもがこんなにたくさんいるとは思わなかったです。
青木:特にショッピングセンターなどに入っているゲームセンターでは、メダル系のゲームは子どもが多いです。親と一緒に来てメダルを渡されて、子どもはそれがなくなるまで遊ぶみたいなスタイルが多いと思います。メダルだけでなく100円玉で遊ぶゲームも楽しんでもらえるような作品を提供していくことが、我々の会社の役目だと思っています。
亙:『バーチャロン』が出たころは、ゲームセンターの客層でお金を使う割合がメダルが4割、プライズが3割、ビデオゲームが1割、あとはその他もろもろという感じでした。なのでビデオゲームはそう稼げる商材ではないけれど、若い子が来てくれるので力を入れなければならないと言われていました。
青木:たしかあのころは『ストリートファイターII』が全盛期でしたね。
亙:当時ゲームセンターはフロアが全部『ストII』で、「『ストII』センターかここは!」って状態だったんです(笑)。なので、うちのビデオゲーム開発者は「どうして『ストII』みたいなのを作れないんだ」ってよく小言を言われていました。
――でもその後『バーチャファイター』で、その牙城は崩せたと思います。『バーチャロン』が出た当時は、3Dポリゴンの表現がかなり衝撃的でした。
亙:じつは僕は『バーチャファイター』よりも前に出た『バーチャレーシング』で、「あ、今はもう3DCGもアリなんだ!」と気づかされたんですよ。昨日まで同じような環境で開発していた隣の部署の人が、ポリゴンボードを手にしてレーシングゲームの概念をくつがえしたのを傍で見ていると、「やばい、とうとうアーケードにもポリゴンの時代が来ちゃった!?」と。
青木:そこからすぐに『バーチャロン』の開発が始まったのですか?
亙:当時『バーチャファイター』の試作が社内ロケテストされたときに、キャラセレでブランクになっていた部分に暫定のキャラクターがいたんです。四角いキューブを人型に組み立てたやつで、じつは僕はそれが一番お気に入りでした(笑)。で、そのとき「ポリゴンで今何か表現するならば、むしろロボットが最適なんじゃないか」と考えまして。いまロボット路線が空いているならば、やらせてもらおうと思ったのが、『バーチャロン』の企画の立ち上がりでしたね。タイミング的にも、それがうまく時代にハマったんだと思います。
鍋島:当時はロボットゲームの表現も、2Dのドットから3Dポリゴンに変わりはじめた時期でしたからね。
寺田:3Dポリゴンによるロボットのアクションゲームは、オモチャで遊んでいたものが今度は自分で操作できる的な感覚が新鮮でした。自分視点で動かせるのはすごいなと。まあ、僕らは今でも2Dですけど(笑)。
――2Dのロボットゲームといえば『フロントミッション』の1作目ですが、当時はどんな印象でしたか?
寺田:「これはヤバい」と思っていました。リアル指向で凄くカッコよくて。『スパロボ』はSD路線でよかったなと(笑)。でも、ついに本格的なロボットのシミュレーションの大作が家庭用ゲーム機で登場したので、これでシミュレーションゲームがもっと広まればいいなとは思っていました。
――『フロントミッション』と『バーチャロン』は、登場したのが1995年と同じ年ですよね。ちなみに『フロントミッション』はリアルなロボットのヴァンツァーが人気ですが、こういったロボットでシミュレーションゲームを作ろうとしたきっかけは何だったのでしょうか?
橋本:当時、独立したてのジークラフトさんと大宮ソフトさんに「ロボットものがやりたい」という話をさせていただいていたんです。ジークラフトの土田俊郎さんにはシミュレーションゲームを担当していただいて、大宮ソフトさんには『重装機兵ヴァルケン』の流れでアクションゲームの『ガンハザード』の開発を同時に進めていました。
で、やはり他のロボットゲームとは違いを出したかったんですね。それで自分の趣味もありましたが、『ガンダム』とも違うミリタリー路線でやらせていただいて、結果的にわりと深いほうに潜っていく形にはなりました。当時は「オリジナルのメカものでシミュレーションゲームは売れない」と言われていました。それで天野喜孝先生のキャラクターデザイン、横山宏先生のフィギュアなどいろいろミックスして、ドラマチックな演出を入れる路線で作り込んでいきました。
――制作を進めるなかで同じシミュレーションゲームの『スパロボ』は意識されました?
橋本:はい。だから本作はいわゆる『ガンダム』的なカッコいいヒーローものとは違う、戦争ドラマのガジェットとしてヴァンツァーを捉えています。部品の交換やセットアップと、ストーリーで楽しんでもらうことを意識しました。
寺田:かなりストーリーは重たかったですよね。
橋本:そこは『スパロボ』とは違うタイプにしなくてはと意識していました。
ロボットチームバトルの戦場はついにPS4へ!
現在ゲームセンターで好評稼働中の『ボーダーブレイク』が、ついにPS4へ! 10対10で対戦するロボットチームバトルの本作は、使用武器が異なる4種の兵装や豊富なパーツ、武器などの多彩なカスタマイズが魅力だ。PS4版は1人プレイモードやCPU相手の演習面も充実している。
――初めて触れたロボットゲームは何だったか覚えていますか?
亙:僕はカプコンさんの『サイドアーム』ですね。ロボットがロボットらしく動いていたのを見たのはあれが最初だったと思います。あとは、ニチブツさんの『戦え!ビッグファイター』というゲームなんですが、あれもかなりの力作でした。あっという間にゲーセンから消えたのですが、基板を買ったくらい好きでした。あと、多少脱線しますが、アーケードの『スペースハリアー』で、●ムが出てきたときに「いいのか、これ?」って思ったのを覚えています(笑)。
青木:当時はゆるかったのかもしれませんが、それでも限りなく黒に近いグレーだなと思った記憶があります(苦笑)。
亙:あとは93年か94年ごろに、渋谷のドクタージーカンズに『バトルテック』があり、遊びにいったら1回千円だったんですよね。それで10分くらい遊んだんですが、ボタンとかスイッチとか一杯ありすぎて、何をどうすればいいのかわからずに終わっちゃって(笑)。それが印象に強く残っていますね。
――あの筐体はロボット好きにはグッとくるものがありました。難しかったですけど(笑)。
寺田:僕の場合、もっと古い話になるのですが、任天堂さんがファミコンで出していた『ファミリーコンピューター・ロボット』ってあったじゃないですか。あれが欲しくてしかたなかったですね。
――ありました。あのようなゲーム周辺機を出せるのが、あの時代だった気がしますね。
寺田:自分で買ったロボットゲームでいえば『機動戦士Zガンダム ホットスクランブル』で、そのあとにファミコン版の『テグザー』(旧スクウェア)ですね。『テグザー』には感動しました。今思うとファミコン時代は他にもロボットゲームがちょこちょこ出ていた気がします。
橋本:自分がロボットゲームに最初にかかわったのは、ファミコン版の『超時空要塞マクロス』になりますかね。もうすでに作り手側でした。
青木:自分が最初にロボットゲームに触れたのは、SSで開発にかかわった作品です。
鍋島:この質問で最初に思い出したゲームは『テグザー』でした。ただ、よくよく考えてみると昔PCでプレイした、タイトルも覚えてないゲームにロボットものがあった気がします。生まれが田舎なのでゲームセンターが近くになくて、近所にいたゲーム好きなおじさんの家に上がり込んで勝手に遊んでいたんです。まあ、当時はロボットものだろうが女の子向けだろうが、ゲームが遊べれば何でもよかった感じでしたが(笑)。
――『バーチャロン』が登場した時は、ロボットゲームは売れないというジンクスがあったと言われていましたが、現場では実際のところいかがでしたか?
寺田:『スーパーロボット大戦』を作ったときも「こんなマニアックなものが売れるわけないだろう」ってことを言われましたし、ロボットゲームがものすごく売れるということはなかったような気がします。
亙:結論からいえばそんな感じです(笑)。
寺田:もちろん『ガンダム』を題材にした作品は別格でしたが、僕はバンプレスト所属だったのでガンダムを単体で扱うケースがなかったんですよ。でも、ロボットゲームで最初にドンと売れたのは、たぶん『フロントミッション』ですよね?
橋本:当時はスーパーファミコンの末期で、『フロントミッション』も税別11,400円とか非常に高い時代でした。最初は「10万本いけばうれしいね」って話をしていたんですが、おかげさまで50万本売れてリピートもかかりましたからね。「ロボットゲームとしてはすごいね」って当時は言われていました。この作品でだいぶロボットゲームも市民権を得たといいますか、ユーザーさんの目が変わったという認識はありました。
――その後ポリゴンの時代に移りますが、97年に発売された『アーマード・コア』は3Dロボットゲームで1つのジャンルを確立したタイトルでした。発売した当時は、そのセンスに衝撃を受けたのを覚えています。
鍋島:ポリゴン技術の黎明期ということもあり、当時は似たようなロボットゲームがいくつかあった覚えがあります。ポリゴンは板の集合体なので、人間よりもロボットのほうが表現しやすいんですよ。関節がちゃんとつながっている必要もないですし。マシンスペックが低くて制約も多いなか、ポリゴンで作る題材としてはロボットゲームはやりやすかった部分はあったと思います。
寺田:『オメガブースト』(SIE)や『ガングリフォン』(ゲームアーツ)とか、プレイステーション、セガサターン時代にロボットゲームが増えたような印象があります。『カルネージハート』(アートディンク)もそうですし。
――その時代から数えると『ボーダーブレイク』のスタートはだいぶ後で、技術的にもだいぶ進歩している形ですが、こちらはいかがでしたか?
青木:2009年からの稼働ですが、開発は2006年くらいから始まっていました。当時は他社のロボットゲームがすごく人気で、セガも『バーチャロン』に続くロボットゲームを作って、対抗せねばみたいな感じで企画を上げていたんですが、なかなか通らなくて……。
最初なんとか通りそうになったときは、社内の審査で「条件付きの不合格」だったんですよ。不合格なのに条件がついてるんですよ!(笑) そこから何度もトライしながら、ようやくGOサインが出た感じで。
亙:ちなみにその条件って何だったの?
青木:ビジネス的なことだったと思います。しかも、できあがってもタイミングが合わないという理由で、稼働まで半年間くらい寝かされました。その間にコツコツと次のバージョンを作ることができたのでラッキーでしたが、当初は期待されていないタイトルでした。
亙:『バーチャロン』の時と変わらない。
青木:ただ、当時のAOUショウ(現ジャパンアミューズメントエキスポ)に出展したところ反響が大きくて、ロケテストも大盛況で「いけそう!」ってムードに一変したんです。さらに、社内では向かい風の中、「これはいける!」と推してくれたのが、現在のセガ・インタラクティブの杉野(行雄)社長だったんです。その推しがあってこそ今があるので、社長にはとても感謝しています。
鍋島:アーケードゲームは家庭用ゲームと違って筐体込みの話になるので、ロボットゲームで企画を通すのは余計に大変だったでしょうね。
青木:本当はコクピット型でやりたかったです。ただ、コクピットは設置面積が大きいといったデメリットもあると思うので、『ボーダーブレイク』はなるべく筐体をコンパクトに設計して、台数を多く置くことでシェアを取ろうという狙いでした。
――筐体の入力デバイスがマウス型というのも、PCゲームっぽくて斬新でした。あとはとにかくカスタマイズが楽しいので、その部分にハマった人も多かったのではと思います。
青木:最初に3Dでカスタマイズができるようにしたのは『アーマード・コア』じゃないですか?
鍋島:カスタマイズのアイデア自体は、昔のゲームでもありましたよ。3Dポリゴンのロボットゲームとしては比較的早かったとは思いますが、2Dではそれこそ『フロントミッション』があったわけですし。「カスタマイズという仕組み自体は別に新しい物でもなんでもないから、これがあるから大丈夫だと思っちゃダメだ」みたいなことを言われたのを覚えています。
――でも、カスタマイズも単にパーツだけでなくエンジンにもこだわれて、エネルギーの管理もできるのは本格的でロボ好きとしては感動しました。
鍋島:フロム・ソフトウェアはそのころはプログラマーの集団だったので、そういうのが好きだった部分はあると思います。
――アクション寄りのロボットゲームの操作系といえば、やはり『バーチャロン』のツインスティックが印象的ですが、他の作品でも特殊な操作の企画があがったりはしないのですか?
鍋島:専用コントローラってことですか? 何回かそういった話はありましたけど、お金がかかるので止めようと(笑)。
亙:専用コントローラは……実はあまり売れないんですこれが。移植をするたびに作ってほしいという声が上がるし我々も共感して作るんですけど、まったく数が出ないんです。セガサターン版の『バーチャロン』では、ソフトに対して売れたのは100分の1くらいでした。「どうすんのこんなに作って」って、在庫を前にして怒られてしまう(笑)。家庭用は「手持ちのもので遊べればいいや」ということで、コントローラで満足される人が多かったのかな、と痛感しました。
『電脳戦機バーチャロン』が15年ぶりに再始動!!
アーケードロボット対戦ゲームの金字塔『電脳戦機バーチャロン』と、多数のシリーズ展開で人気の『とある魔術の禁書目録』のコラボ作品。『バーチャロン』の基本となる対戦システムはそのままに、『禁書』を軸にした世界観やストーリー、そしてキャラと融合しているのが特徴だ。
――皆さんは長いことロボットゲームの制作に携わってきていますが、ロボットを表現するうえでこだわっている部分はありますか?
亙:私が肝に銘じているのは、アニメやゲームのロボットというのはリアルなメカと違って、キャラクターであるということです。個々のキャラのコンセプトをきちんと理解して、特徴を出してあげなくてはならない。そこは人間のキャラクター作りと同じですね。キャラクターが何をできるのか、したいのかをちゃんと作り手が理解しているかどうかで、ユーザーに快く受け入れられるかどうかが変わってくると思います。
例えば『バーチャロン』ですと、カトキ(ハジメ)さんの絵がまず上がってくるわけですけど、カトキさんが何を表現しようとしているのかを読み解き、それをユーザーさんにわかってもらうためには、どのような振り付けにすればいいのかを考え、キャラクター性を増幅させていきます。
さらにアクションゲームでは、操作で出力される動きの一つ一つが個々の攻撃に対応し、総じてトータルのレスポンスとしてプレイヤーにどう伝わるか、みたいな全体的なイメージをきちんと意識して作りこみ、表現したいキャラクター性とシンクロさせるのが大事だと思っています。
――2Dの『スーパーロボット大戦』は、戦闘シーンの演出へのこだわりが人気ですよね。
寺田:『スパロボ』はアクションゲームではなく、しかもそもそもSDの状態なので「リアルタイプのロボットと錯覚させるくらいのカッコよさをだそう」という想いはありました。あとは単純に見てカッコいいと言ってもらえる演出を心がけていますね。戦闘シーンは基本見ているだけなので、一回見たら飛ばす方もいると思いますが、それでも繰り返し見てもらえるようにがんばっています。
――同じシミュレーションゲームの『フロントミッション』ではいかがですか?
橋本:ヴァンツァーをロボットというより兵器に近いカテゴリーにしたのは、ドラマの演出上、必然性を強調したかったのがあります。そのため、人間型兵器と呼ばれているものが街の中に違和感なく溶け込める方法を模索するのに、理詰めで設定を考えましたね。まるでそこに実機があってもおかしくないような設定を作り込んだので、横山さんにジオラマを発注して立体的なシチュエーションで皆さんの想像をより広げていただこうという試みもしました。
――ヴァンツァーのデザインは、パーツメーカーごとに特徴があるのが印象的でした。
橋本:パーツのカスタマイズだけでなく、カラーリングや武器を変えることで、みなさんがオリジナルのヴァンツァーを作りたくなるはずだと思い、いろいろなバリエーションを用意したんです。さらに、単に数を用意するのではなく、架空の企業や架空の国家を設定して、そういった組織がらみのドロっとした暗い部分も演出しながら設定しました。大変でしたけど楽しかったですね。
――鍋島さんが過去に手がけた作品では、どんなこだわりがありましたか?
鍋島:当時というか、ここしばらく自分がテーマにしているのが“どれだけ細かい表現ができるか”ですかね。あまりゲーム本編とは関係ない部分ですが、キャラクターとしてのロボットというものがありつつ、世界の中では1つの機械なので、機械としての動きとか“らしさ”をどれだけちゃんと作り込めるかなどは、実際はまだ全然やりきれてないと感じています。
その理由は時間が足りないとか、技術的に難しいとかいろいろあるんですけど、そこを『LEFT ALIVE』を含めて、今後ロボットゲームを作っていくなかでどこまでやれるかというのが、自分的にはテーマになっています。
――同じ3Dロボットゲームの『ボーダーブレイク』はいかがでしょうか?
青木:ロボットゲームのこだわりは、操作性の部分でしょうか。思い通りに動かしたいという部分で、ストレスなく遊べることを前提にして、そのなかで表現できるとことはギリギリのところまで表現する、というスタンスです。個人的には泥臭いとか、重厚なロボットものもやってみたいんですが、最近はわりとスタイリッシュなロボットが人気の傾向なので、そのあたりもうまく織り交ぜながら作るようにしています。
――ゲームに出てくるようなロボットは現実にまだありませんが、フィクションをリアルに見せるための工夫などがあればぜひうかがいたいのですが。
亙:僕は、リアルというのは、ユーザーにおもしろいと思ってもらうための手段の1つとして使うツールだと考えているんです。なので、つねにリアルでないといけないとは考えていません。アクションゲームに限って言えば、自分がロボットを操作しているという実感を抱けるかどうかのほうが、ゲームとしての真価を問われるんじゃないかと思います。
入力してから画面上で行動が再現されるまでのタイミングなど、そのあたりをこだわって作り込んだ良質なものが、最終的に生き残っていくのかなと思います。
――とはいえ『バーチャロン』についてはかなり深い世界設定があることでも有名です。ここまで作られたのはゲームに説得力を持たせるためでしょうか?
亙:実はそういうわけではないんですよ。初代『バーチャロン』が出た当時、「僕だったら設定を完璧にできますよ」と、連日のように社外から売り込みがあったんです。ちょっと得体のしれない人も少なからずいたので危機感をあおられまして、自分たちでちゃんと作り上げておかないとまずいなと感じまして。また、ここでそれなりのものを作っておけば、のちにシリーズにかかわるスタッフも楽ができるんじゃないかなと(笑)。多分に自衛的、かつ内部リソース的な意味が大きかったですね。
――今後の作品のためという面が大きかったんですね。
亙:正直、設定を取りまとめていたときは孤独な戦いを強いられていたので「これって本当に何かの役に立つのかなと」と思っていましたが、今回の『とある魔術の電脳戦機』の制作ではとても役に立ちました。この作品は小説からスタートしましたが、原作者の鎌池和馬さんに「とりあえずこれを読んでください」って、設定をお渡ししたらしっかり読み込んでくださいまして。きちんと咀嚼したうえで小説に織り込んでいただけたので「おお、これまでの作業が役に立ったわ」って感動しちゃいました。オレの20年はムダじゃなかったって(笑)。
――設定といえば『フロントミッション』は当時、攻略本を見て愕然としました。ハフマン島にあるコンビニの設定まで書いてあって「攻略情報よりも設定情報のほうが多いのでは?」と(笑)。
橋本:そうですよね。理由としては話自体が戦争ドラマで、説得力があるシチュエーションというか話が必要だったので、そこにはこだわって作りたいという思いがありました。で、宣伝のほうでも手伝いをする形で、自分もつたない絵を描いたりして設定を肉付けしていました。そのあたりのこだわりは、今も『LEFT ALIVE』に引き継がれています。
鍋島:おかげで苦労をしています(笑)。僕もあんなに細部まで設定があるとは知らなかったので、最初は驚きました。もちろんこれらを無視するわけにはいかないですし、少なくとも整合性がとれるものを下敷きにしたうえでのクリエイトになるので、正直大変だなと。まあ、そのあたりも楽しいといえば楽しいんですが。
青木:今回は1日を舞台にした物語なんですよね?
橋本:わかりやすく例えるならば、海外ドラマの『24 -TWENTY FOUR-』です。ただ、舞台は冬のロシア圏で雪だからね。話も暗いし(苦笑)。
鍋島:まあ、明るくはないですね。
青木:そのなかで語られない設定もまた増えそうですね。
鍋島:そうですね、いろいろと考えてはいます。
橋本:シリーズのファンサイトなどでは、時系列が完璧にまとめられているんです。だから、今まで積み重ねてきたことに嘘はつけないんですよね。
鍋島:矛盾とかも指摘されているので、すごいプレッシャーで(笑)
橋本:もちろんありがたいことですし、いろいろと助けられる部分もあります。
――設定という部分では『スーパーロボット大戦』はいろいろな作品のクロスオーバーになるので、別の意味で苦労される点が多いのではないですか?
寺田:『スパロボ』の場合は原作ありきですから、オリジナル作品と違って一から世界観や設定を考えるという苦労はありません。複数の原作同士の設定の接点を見つけ、つないでいくので。どちらかいえば、大勢いる主役クラスのキャラクターたちに、いかに見せ場を与えて話を作るかという部分が大変ですね。
――お祭り的な世界観のなかで、各作品のいいとこ取りが楽しめるのが『スパロボ』のだいご味でもあります。
寺田:そうですね、お祭り的なゲームなので、その世界観に整合性はあまり求められてないのではないかと思います。もちろん、整合性を取る努力はしていますが、そもそも昭和40年代のロボットアニメと2000代年のロボットアニメでは、万人が納得いく形で世界観を完全に融合させることは非常に難しいです。
どうしても噛み合わない所が出てきますので。なるべく各原作間の整合性を取りつつ世界観を作ることもあれば、“オリジナルの異世界に原作ロボットが召喚される”みたいなゆるい感じにすることもありますね。
――確かに似たような運用形態のロボットが集まった世界ではわかりやすいですが、『スーパーロボット大戦X-Ω(クロスオメガ)』のカンタムロボ(『クレヨンしんちゃん』に登場)の例もありますからね(笑)。
寺田:参戦作品もいろいろな事情で決まるので、ストーリーや設定の整合性だけを重視したラインナップにはなりません。だから、世界観を深く考える時と考えない時がありますね。
――『ボーダーブレイク』もPS4版では設定を掘り下げるとお聞きしていますが?
青木:アーケード版に関しては、最初は詳細な設定を作る余裕がなかったというのが本音です。でも、デザイナーを含む制作者が「なぜここはこうなっているのか」と納得して作らないと、いいものができないと感じたんですね。このモーターはこう付いている、タイヤはこう動いているなど、いろいろと考えていった結果、設定ができあがってきました。だからアーケードのタイトルとしては、かなり設定が深い作品になっていると思います。
今回のPS4版ではストーリーモードという、1人で遊べるモードを用意しているので、そこでより世界観を深堀りして、『ボーダーブレイク』という作品を楽しんでもらいたいですね。
亙:最初は設定も少なくて、バージョンを重ねていくうちにだんだんと増えていったりしますよね。
青木:そこはプレイヤーさんに助けてもらった部分も多いです。例えば、最初はオペレーターの女の子には名前がなくて、みなさんに「オペ子」と呼ばれていました。でも「公式でその呼び方はどうなのよ」という話が出て、「フィオナ」という名前を付けました(笑)。
異世界で交差する数多のロボットたちの物語
新旧ロボットアニメ作品が多数登場する、不動の人気を誇るロボットシミュレーションゲームの最新作。『スパロボ』で人気の、圧倒的なクオリティの戦闘アニメは本作も健在だ。なお、本作のストーリーは単品で完結しており、シリーズを未プレイの人でも楽しめる内容となっている。
――3Dのロボットゲームは、スピード感と重厚感のどちらも表現できるのが魅力だと思いますが、そのあたりのバランスはどう決められるのでしょうか?
鍋島:最初にコンセプトというかテーマを決めてそれでどちらにいくのかを決めれば、基本的にはそのラインに沿って作ります。ディティールの表現についても、そことバッティングしちゃうのでやめたものもあるんです。アクションゲームなので、触った時のレスポンスとか、気持ちよく動かせるかどうかが先にありきですから。
なんでもかんでも細かくしてもいいんですけど、それのせいでアクションの反応が鈍くなるならば、本末転倒になるんです。違う言い方をすると、細かなディティールの表現を、いかにアクションのジャマをせずに入れられるかというのが、作る側の腕の見せどころだったりします。
――まず先に操作感があって、そのジャマをしない範囲でのカッコよさを入れていく感じですね。
鍋島:あとはそういう表現をゲーム的な要素として考えるというパターンもあります。例えば武器を持ち替えるというアクションがあるとして、まともに表現するとモタモタしてしまってレスポンスが悪いと感じられたりします。なので、どこからともなくパッと出てきたり、高速で持ち替えるようにアクションを工夫したりするんです。
それを「持ち替えると時間がかかるから、そこは隙になるよ」というようにルールに落とし込んで組み立ててあげて、ゲームの要素としても成立しつつ、リアルさとかカッコよさも出すようなやり方をすることもあります。そんな感じでうまく落とし込めると、作っている側としては気持ちがいいです。
橋本:『フロントミッション』は『2』と『フロントミッション オルタナティヴ』からポリゴンになって、いろいろな角度からヴァンツァーを見られるようになりました。モデルもこだわってカッコよかったのですが、いざバトルになるとポリゴンデータが重く、読み込みが長くなってしまいまして……。そこは改善しないといけないなと思いました。
あと『オルタナティヴ』ではAIの部隊に命令して進ませるシステムが当時は画期的でしたが、そこがもっさりしていると指摘されましたね。新しいことにチャレンジすると、やはり新しい関門が出てくるものだと思ったのをよく覚えています。
青木:『ボーダーブレイク』のコンセプトは“ハイスピードロボットチームバトル”です。さきほどもお話した通り、スピード重視で、触って思いどおりに動かせるというロボットの表現が第一で、そこを主軸に考えています。そのなかで、どれだけロボットらしさを盛り込んでいけるかというのが、作り手側のだいご味だと思います。
ロボットが主体のゲームは、プレイヤーが目にしているのはだいたいがロボットの背中なんです。だから背中で何か語りたいということがまずあり、『ボーダーブレイク』では武器を背中に背負う仕様にしています。あとは発進シーンや勝利シーンなど、ロボットらしい大見得をきったような演出も意識して用意してあります。
――最近は海外マーケットも視野に入れたゲーム作りが主流ですが、ロボットゲームについてはいかがでしょうか? 日本以上に難しいマーケットだと思いますが、最近は『タイタンフォール』のようなゲームが話題になり、少し市場的にも変わってきた印象ですが。
鍋島:僕はそんなに変わっているとは思っていません。映画の『パシフック・リム』や『タイタンフォール』が話題になったのは驚きましたが。これだけロボットアニメが一般化している日本ですらちょっと偏ったジャンルなので、海外でドカンとメジャーになる夢は見ていませんが、好きな人はいるんだなということが再確認できたっていう意味ではおもしろかったです。
橋本:海外では主役よりも、ゲームの1つの材料としてロボットが使われることが多いです。例えば未来が舞台の『コール オブ デューティ ブラックオプス 3』とかね。『LEFT ALIVE』は新川洋司さんにキャラクターデザインをお願いしていますが、発表時は海外の反響のほうが強かったんですよ。だからおそらくロボットゲームだから遊ばないではなく、ユーザーさんの心に刺さる何かの材料が必要なのだと痛感しました。そういう意味では、新川さんというキーワードは凄かったです。
寺田:『スーパーロボット大戦』は最近ローカライズを始めたばかりですが、東南アジアや台湾、香港、韓国あたりでの反響の大きさに驚いています。東南アジアのユーザーさんは日本と同じか、それ以上の熱量を持っているのを感じますね。
――北米や欧州については厳しい感じでしょうか?
寺田:やはり日本のロボットアニメがあまり見られていないので、なかなか厳しいですね。それでも映画の『トランスフォーマー』の新作は作られていますし、コミックやアニメが原作のマーブルヒーローも映画化されていますよね。だからそこに何かヒントがあるのかなと考えています。ですからもう少しアジア以外に向けたコンテンツも作りつつ、様子を見ていきたいですね。
国内だと、子ども向けのロボットアニメが増えてくれればうれしいなと思います。完全に子ども向けではなく『銀河漂流バイファム』のようにメインキャラクターは少年少女だけれども、じつは本格的なSFものだったりするような感じの。あのような“子どもが背伸びをして見てくれるロボットアニメ”が、今の時代には必要なんじゃないかなと思っています。そうしてロボット好きの子どもを育てていかないと、先々につながりませんからね。
青木:『ボーダーブレイク』は今のところ日本語でのサービスのみですが、アーケード版は香港と台湾でも好評稼働中です。ある程度は、アジア圏においてもロボットゲームの需要があるのかなと思います。北米や欧州はどうしても人型ロボットがあまり受け入れられないようでして。
ただ、北米ではまったく稼働していないのに、なぜか北米の出版社から設定資料集を翻訳したいという依頼がありまして、なぜかよくわからないけどOKを出させていただきました。ゲームが稼働していないのに誰に向けてなのか不明ですが、単純に日本のロボットが好きという需要もあるんだろうなと感じました。売れたかどうかはわかりませんけど(苦笑)。
――今回参加いただいた方が手がけたタイトルについて、お互いに第一印象や魅力をクリエイター目線で語っていただきたいと思います。まずは『電脳戦機バーチャロン』からお願いします。
鍋島:リリースされた95年は、まだ普通にプレイヤーとして遊んでいました。思い出すとちょっと異様でしたね。操作がツインスティックなのも異様だし、ロボットしか登場しない世界というのも僕には異様に映りました。作った亙さんの前で言うのも失礼ですが、「変なゲームが出てきたな」というのが第一印象でしょうか(笑)。でも、ロボットものでかなり盛り上がっていたので、そこに需要があったんだというのがわかったことも、見ていておもしろかったです。
橋本:『バーチャレーシング』から『バーチャファイター』、そして『バーチャロン』と立て続けに登場して、ポリゴンの技術がスゴイと実感したのと、これは技術的にすぐ追いつけないなと思ったのを覚えています。そのころ、旧スクウェアは『ファイナルファンタジーVII』の企画が出たころで、ポリゴンを研究しようという段階だったんですよ。だから、セガさんのアーケードゲームで、だいぶ研究をさせていただきました。とにかく当時は最先端をいっていましたね。
寺田:僕は当時カトキさんと仕事をしていて、話の流れで「何か別の仕事もやっているな」って感じがあったんです。そのあと『バーチャロン』をゲームセンターで見て、「あ、カトキさんが手掛けていた仕事はこれだ」とピンときました(笑)。その当時のセガさんはクールなイメージがありましたが、『電脳戦機バーチャロン』というタイトルは『電脳戦機』という言葉を付けた点が一風変わっているなと思いました。
後で亙さんとお会いして、なるほどと納得しました。ああ、この方だからこそだなと(笑)。カトキさんに『スーパーロボット大戦』のオリジナルロボットを何体もデザインしてもらっていることもあり、バーチャロイドには親近感がありますね。
青木:『バーチャロン』を最初に見たころはデザイナーでしたが、すごくカラフルなメカだなって印象がありました。ちなみにタイトルに『電脳戦機』とあるじゃないですか。僕はロボットゲームは漢字4文字を頭に付けて、下はカタカナで作らなければヒットしないのかなと勝手に思っていました。なので『ボーダーブレイク』も最初は漢字4文字とカタカナの組み合わせで、『装甲騎兵ブリゲイド』ってタイトルの予定だったんです。結局は合わなかったので採用しませんでしたが(笑)。あとこれは余談ですが、僕はドリームキャスト版『オラトリオ・タングラム』の移植にもタッチしていました。
亙:その節はお世話になりました(笑)。
――次は『アーマード・コア』についてお願いします。
亙:『アーマード・コア』は『バーチャロン』と同じようなタイミングで登場して、方向性は違っていても海外の『メックウォリアー』のようなスタイルから始まり、どういう風にジャパナイズして独自の個性を出していったのかという道筋が見える感じでおもしろかったですね。
橋本:サクサクのアクションゲームで無限にミサイルが撃てたり、ロボットに特化して爽快感があったりしましたね。いわゆる人物表現がほとんどなくてミッションの部分だけだったので、潔くスッキリ切り取ったゲームだなと思いました。あとはロボットの造形美というか、バトルの造形美をたん能させていただいた気がします。ちなみにフロム・ソフトウェアさんは『アーマード・コア』以外にも、ロボットゲームを出されていましたよね?
鍋島:いろいろありますね。『メタルウルフカオス』に『フレームグライド』、セガさんと一緒にやらせていただいた『クロムハウンズ』もありました。
寺田:同じような意見ですが、加えて操作性がすごく細かくて驚きました。あとデザインですね。いわゆるリアルロボット系なんですが、ヒーロー性の高い機体もいて、さらにナインボールみたいな機体も出てくるのがおもしろいと思いました。けっしてヒロイックな話ではありませんが、ヒーロー性が高い機体のプラモデルを買っていました(笑)。
――確かに『バーチャロン』のデザインはスポーティなのに対し、『アーマード・コア』の機体デザインはどこか鋭角なイメージです。
青木:デザイン的に固いイメージというか、ソリッドな印象はありました。それはすごくカッコいいと思っていましたし、自分たちも参考にさせていただいた部分でもあります。たしか『アーマード・コアV』あたりでチームバトルができるようになって、ちょっと『ボーダーブレイク』に近いゲーム性になったこともありコラボ企画を検討していたのを思い出します。
――『フロントミッション』についてはいかがでしょうか?
亙:『バーチャロン』の開発が佳境な時に1作目が発売されて、スタッフが遊びたくてさっさと帰るようになったのを覚えていますね。「ロムを焼いてから帰ってくれ~」みたいな(笑)。チームの定例ミーティングでも若いのがすぐに『フロントミッション』の話をするので、ゲームの内容も含めて非常に気になった思い出深いタイトルですね。
寺田:僕は『ガンハザード』をよくプレイしていましたね。『ヴァルケン』のノリで作られていたので、アクションが得意ではないのに遊んでいました。
橋本:大宮ソフトさんには『ヴァルケン』より易しくしてもらいました。なのでアクションが苦手な方でもプレイできるチューニングにはなっていたと思います。
寺田:あとは『3』も好きでした。『LEFT ALIVE』はもう1回『フロントミッション』シリーズに飛び込むいいチャンスだと思って楽しみにしています。
青木:僕は初期のシリーズはプレイしていませんが、『ボーダーブレイク』を作るにあたり、他のロボット作品の資料を読み込んでいた時期があったんです。その時、動画などで一番よく見ていたのが『フロントミッション』シリーズでした。企画を立ち上げた時がちょうど『フロントミッション エボルヴ』のころで、機体のカスタマイズについてはすごく参考にしましたね。あとはロボットメーカーの設定などを見て「我々もこういう設定を作らなければいけないのかな」と愕然としたり(笑)。
鍋島:設定量がとにかく多いシリーズですからね。でも、それらを下敷きにしてどうやって新しいものにしていくかを考えるのは楽しいです。
橋本:拡大解釈できるアイデアはたくさんあるので、『LEFT ALIVE』では好きに使っていいよって言っているんですけどね。
鍋島:好きに使っていいよって言われつつ、いざやってみるとこちらの設定とぶつかる……みたいな(苦笑)。そこはパズルみたいなところがありますが、それはそれでおもしろいですね。
――『スーパーロボット大戦』についてはいかがでしょうか?
亙:『スーパーロボット大戦』は初代からプレイさせていただいています。最近の作品は遊べていないところもありますが、やはり破天荒な世界が作品の魅力だと思っています。先ほど寺田さんが世界観はゆるいと話されていましたが、そこがいいんじゃないですか。ダンバインが機械獣と戦ったりって、どう考えてもロマンですよね。これアリなんだっていう、おおらかさが一番の魅力だと思っています。「これができるのって最高だよなー」って、今はなくなってしまった大鳥居の某から揚げ店で一人興奮していました(笑)。
鍋島:僕は自分の作ったロボットを登場させてくれないかなと(笑)。『スパロボ』に登場できたら、ロボットとして一人前みたいなところも自分のなかであるので。
寺田:“ゲームロボット大戦”はすごくやってみたいんですよ。それこそ『テグザー』からはじまって『高機動戦闘メカ ヴォルガード』(ネットファーム・コミュニケーションズ)、『スプリガン mark2 Re-Terraform Project』(ナグザット)、『ヴァルケン』とかね。実は企画書も作ったことがあるのですが、通りませんでした(苦笑)。でも夢は捨てていないです。
――それはロボットゲームファンとしてぜひプレイしてみたいです!
寺田:まあ、冷静に考えるとものすごくニッチな内容なんですけど、周りのロボット好きに話すと盛り上がってもらえる内容なので、いつかは何らかの形で実現したいと思っています。『フロントミッション』を出すとなると世界観が緻密で大変だと思いますけど。
あと「アクションゲームのほうがいいのでは?」とも言われるのですが、それは難しいと思います。そもそも操作性が違う作品を一緒にしたときに、『アーマード・コア』のファンの人は『バーチャロン』の操作方法になったら「これは違うだろ」と思いますよね。だからシミュレーションゲームのように、他のジャンルで制作しないとまとまらないのではないかと思います。
橋本:私はロボットアニメが大好きだったので、それこそ夢の共演ということで本当に楽しませていただきました。なおかつ自分がそれとは方向性を変え、リアル路線でゲームを作れたというのもうれしかったです。
青木:僕も鍋島さんと同じですね。『スーパーロボット大戦』に自分のロボットが登場して、ようやく一人前だなって。だからスマホ版の『スーパーロボット大戦X-Ω』に『ボーダーブレイク』のロボットを入れていただいた時には、とりあえずは半人前にはなれたのかなと(笑)。いつかは本家のほうにも登場できたらうれしいですね。
――たしかにスマホ版の『スパロボ』は、家庭用機よりもかなり幅広く作品が参戦していますね。
青木:監修させていただいた時も、『スパロボ』ではこんな感じになるんだって新鮮でしたね。ちゃんと『ボーダーブレイク』しているのがすごいなと感動しました。
――最後は『ボーダーブレイク』についてお願いします。
亙:ロボットゲームをやるということで相談を受けたりしましたが、『バーチャロン』とは方向性が違ったので、あまり踏み込んで相談に乗れなかったのが残念でしたね。ただ、8年も運営しているのはうちの会社としては大変なことなので、すごくがんばっているなと思います。
橋本:ゲームセンターでお見かけした時、筐体も含めて、技術とビジュアル表現が素晴らしかったので、そこはとても参考になるな、と思いました。ゲームセンターではやり込めなかったのですが、PS4版が出るということで、ぜひプレイして、研究させていただければと思いますね。
寺田:このなかのタイトルでは後発のゲームで、作品性やキャラクター性を打ち出すのは難しかったのではないかと思いますが、デザインが特徴的でスゴイと感じました。僕が最初に『ボーダーブレイク』の存在を知ったのはデザイン画で、クーガーI型を見てカッコいいと思い、興味を持ちました。
鍋島:『ボーダーブレイク』は、最初に話したロボットゲーム開発者の飲み会で「コンシューマ版を作ってください」と、ずっと青木さんに言っていたんですよ(笑)。だからコンシューマ版が発表されてうれしいですね。単純に自分が家で遊びたいからというのも理由ですが、ロボットゲームを遊んでくれる方がもっと増えてほしいという想いもあります。
青木:最初にお会いしたときから言われていました(笑)。その時はまだPS4版が決まっていませんでしたが、鍋島さんの言葉に背中を押された感もありましたね。
――では最後にそれぞれご担当されている作品についてアピールをお願いします。
青木:『ボーダーブレイク』は今年で9年を迎えようとしていますが、まだまだ知名度は高くないと思っています。ですが、長期運営していることもあり、ゲームには自信を持っています。だからPS4版は、より多くのユーザーさんに遊んでもらうために、基本無料でサービスを提供させていただくことにしました。これはマッチングがしやすい、人がそろいやすいという環境を第一に考えてのことです。ただし、もちろん完全に無料というわけにはいかないので、違う方法でビジネスモデルを作りながら展開させていただく予定です。
ゲームは移植に見えますが、ほとんど新作なくらいにすべてに手を入れて作り直しています。2月からはPS4版のオープンベータテスト(無料)も始まりますので、いち早く『ボーダーブレイク』の世界をぜひ体験していただければと思います。アーケード版のユーザーさんにも楽しんでいただけるよう作っているのはもちろんですが、今回PS4版から新たに遊ばれる新規の方々にも十分に遊んでいただける仕掛けを作っています。じっくり腰を据えて遊びたい人も、カジュアルに遊びたい人もそれぞれが楽しめるように鋭意開発中です。新生『ボーダーブレイク』にご期待ください。
寺田:2018年は複数のロボットゲームが発売されるので、これが何か大きなきっかけになって「“ゲームロボット大戦”をやってみていいんじゃない?」って時代が来るといいなと思います。
あとは3月29日に新作の『スーパーロボット大戦X』が発売されます。今までとはちょっと変わった内容の『スパロボ』になっているので、よければ遊んでみてください。一作完結の物語なので、初『スパロボ』の方にもオススメです。まだシリーズに触れたことがない方は、ぜひプレイしてほしいですね。そして他のロボットゲームも遊んでいただくと、結果的に業界で盛り上がれるのでぜひお願いします。
鍋島:『LEFT ALIVE』については、まだあまり言えることはないのですが、ちゃんと作っています(笑)。みんなが思っているよりは発売は早いと思います。あと少しすれば新しい情報が出せるといいなという感じです。今回はヴァンツァーが主体の作品ではありませんが、ヴァンツァーも含めてちゃんと『フロントミッション』らしい作品になるようにしているつもりなので、よろしくお願いします。
亙:最新作の『とある魔術の電脳戦機』は『バーチャロン』目線ですと15年ぶりの新作ということもあり、まずは本当にお待たせしました。本作はアクションそのものがリブートされているので、今までの『バーチャロン』とは違う手触り、違う遊び応え、遊び甲斐を実現しつつ、それでいてスピーディなバトルアクションとしての魅力は損なわないという点にかなりこだわりました。
そして『とある魔術の禁書目録』さんとのコラボという面では、今まで『バーチャロン』になかったキャラクター性がどっと入ってきて、新しい作品に昇華されたなという手応えを感じています。『禁書』ファンの方でロボットアクションになじみがない人も少なくないと思いますが、本作のストーリーモードはストレスなく鎌池さんの物語を楽しめるように難度を低くしてありますので、ぜひとも触っていただきたいです。
もちろん、『バーチャロン』ファンで「俺はガチで対戦したいんだ!」という人のためのモードもあります。ぜひとも触っていただいて、亙の言っていることが実際どれほどのものなのかを確認していただければ光栄です。よろしくお願いします。
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