2018年2月7日(水)
『真・三國無双8』でオープンワールドになった中国大陸を体験。システムや新キャラをレビュー
コーエーテクモゲームスが2月8日発売するPS4用ソフト『真・三國無双8』のレビューをお届けします。
本作は、コーエーテクモゲームスの開発チーム“ω-Force(オメガフォース)”20周年の節目の作品となるシリーズ最新作で、これまでのシリーズタイトルから大幅なゲーム内容の刷新が行われています。
オープンワールド、新バトルシステムなど、さまざまな新要素がある本作のレビューをお届けします。
『真・三國無双』の世界が、遂にオープンワールドに!
本作の最大の特徴は、オープンワールドになったことです。中国大陸というひとつの広大なフィールドで、三国志の一武将として一騎当千の爽快アクションが楽しむことができます。
黄巾の乱からスタートする王道ルート
ストーリーモードは、“魏”、“呉”、“蜀”、“晋”、“その他”の武将ごとに別れて進行します。ストーリーは章ごとに別れており、第1章は三国志の始まりである“黄巾の乱”からスタートします。
プレイする章とプレイキャラクターを選ぶと、ストーリーがスタート! 開始当初は魏の曹操、呉の孫堅、蜀の劉備しか選べませんが、ストーリーを進行していくことで、プレイできるキャラクターが追加されていきます。晋と他のキャラクターは、ストーリーが進むと解放されます。
ストーリーモードでは、三国志演義の話にもとづいた物語を楽しめるので、三国志をまったく知らない方でも、メインストーリーを追いながら遊べるのでオススメです! オープンワールドと相まってさまざまな武将を操作でき、臨場感のある三国志を体感できるのも魅力的だと思います。
ただ、個人的にプレイしていて気になった要素が2つあります。
1つ目は、追加されたキャラクターを選択する時です。本作では、キャラクターが追加されても、ゲーム内で切り替えることはできません。もし、追加キャラクターでプレイしたい場合は、ストーリー選択から、プレイキャラクターを選び直し、その章の始めからやり直さなくてはならないため、少し遊びにくい印象を受けました。
やはりシリーズを遊んでいる人は、新キャラを使いたいので、ここは少し残念でした。一方で全キャラにエンディングが用意されているため、仕方ない部分でもあります。キャラごとのエンディングは武将ごとにファンがいるため、うれしい仕様だと思います。
もう1つは、キャラクターの寿命です。三国志の時系列に沿って章が進んでいるので、キャラクターによっては短命のため、育成しても次の章で選択できない可能性があります。ストーリークリアを優先したい場合は、育成の効率なども考えて複数の章で選択できる長命なキャラクターを選んだ方がいいかもしれません。参考までに各勢力で比較的長命なキャラクターは魏は夏侯惇と曹仁、呉は孫権と韓当、蜀は劉備と諸葛亮となっています。
自由で新しい三国志の世界で戦え!
本作は、今までのシリーズより自由度とアクション要素が高いシステムが搭載されています。自由な戦略と状況に応じたアクションを組み合わせて、戦乱の世を生き抜いて行きましょう!
自由な戦略で“主要任務”をクリアしよう
各章では、特定の武将を撃破するなどの“主要任務”が設けられており、これをすべて達成することで次の章へ進むことができます。主要任務は画面右側に表示されているので、つねに確認可能です。
ゲーム内ではクリアすると攻略しやすくなる任務が提案されますが、そこはオープンワールド! 高難度でも構わなければ、直接ターゲットとなる武将のところに乗り込むこともできます。
この自分で選択できる自由度が、本作最大の魅力です。兵糧攻めや周りの街を掌握するなどしながらジワジワと倒していくのか、夜の闇に紛れて奇襲をかけて一気に攻略するのか、プレイヤー自身が自由に戦略を立てて遊べるので、自分が武将兼軍師になった気分を味わえてかなり楽しいです。
“ステートコンボシステム”でアクション要素がアップ!
『無双』シリーズと言えば、簡単操作で手軽に一騎当千できるイメージですが、それだけではない多彩なアクションを組み立て可能な新システム“ステートコンボシステム”が搭載されています。□ボタンの“フロー攻撃”や△ボタンの“リアクト攻撃”は、敵の状況やタイミング次第で攻撃が変化するので、連続入力するだけでカッコイイうえに状況に応じた攻撃ができるので、初心者でも安心して楽しめます。△ボタンは画面に出たらとりあえず押しておくのがいいかと。
もっとアクションを楽しみたい中級ユーザー、上級ユーザーにオススメなのが“トリガー攻撃”です。R1ボタンと組み合わせることで、打上攻撃、気絶攻撃、転倒攻撃を出すことができるので、状況に応じて自分で使い分け、戦況を有利に導くことができます。
このトリガー攻撃を使ってみたのですが、とにかく打上攻撃が非常に優秀です! 簡単に空中コンボに繋げることができるので、相手を空中で動けなくしつつ、確実にダメージも与えることができます。トリガー攻撃から□ボタン連打でも、カッコいいアクションが見られます。もし困った時は、打ち上げ攻撃を起点にした空中コンボで乗り切りましょう。
本作で追加された新武将の一部をプレイ!
本作では、プレイアブルキャラクターが7人追加されています。そのうち各勢力1人ずつプレイしてみたので紹介します。
魏 曹休
曹操から息子同然に育てられた、曹操の縁者。得意武器のリーチは短いですが、なぎ払いや武器投げ、氷攻撃があるので、意外と広範囲を攻撃できます。武器の振りも早いので、初心者でも扱いやすいキャラクターです。
呉 程普
孫家三代を支えた宿将。得意のリーチが長く、攻撃速度も早いので敵に攻撃を当てやすいのが魅力です。前方向への攻撃が多いので、囲まれないように注意が必要。孫堅で開始すると、第一章の途中から使用できるようになるので、呉の序盤攻略にもオススメのキャラクターです。
蜀 周倉
元山賊という関羽の従者。威力の高い攻撃が魅力のパワータイプです。攻撃の振りが遅めで、攻撃範囲は少し狭いので、敵の位置に気をつけつつ、反撃される前に高火力で倒してしまいましょう。
晋 辛憲英
魏の将・辛ピの娘。カワイらしい見た目とは裏腹に、大鉞を振り回すパワータイプです。得意武器は攻撃力が高いですが、大振りなので当てるには慣れがいるかも。特にトリガー攻撃の打ち上げが、前方に回転しながら攻撃するので、敵グループを飛び越えてしまうこともあります。リーチは長めなので、距離を取りながら攻撃しましょう。
ストーリークリア後にオープンワールドの醍醐味を味わえる
『無双』シリーズの一騎当千感は本作でも変わっていないのですが、広大なマップを駆け回りながら、拠点を制圧したりリアルタイムに戦況が変わっていったりすることが、むしろ同メーカーでおなじみの『三國志』シリーズのようなシミュレーションゲームを彷彿とさせました。武将としてリアルタイムに戦っていると考えると、オープンワールドということもあり、非常に没入感が高い作品となっていると思います。
一方で、マップ内の移動に移動時間がかかるところは遊んでいて少し気になりました。進軍時は主に馬で移動することになり、馬にはオートラン設定があるのですが、ゲーム内で提案されるオススメルートをたどると、やや時間がかかります。各章のイベントも多くあり、ボリュームはしっかりあるのですが、やや長いと感じてしまう可能性があります。
そのためにも各地にある“見張り台”には立ち寄っておくのがいいかと。一度使った見張り台はいわゆる“ファストトラベル”のように一瞬で移動できるようになります。
また、ストーリーを進めていかないとプレイアブルキャラクターは増えません。上記の移動時間やボリュームを考えると、オープンワールドの魅力の1つである、自由にあちこち歩き回って探索するより、まずはストーリーを先へ進めていく方が、メリットが多いように思えました。
特に序盤はやれることが限られるので、オープンワールドを楽しむよりは、淡々と移動しながら進めることになり、オープンワールド感はやや薄いと感じました。狩猟や強敵との戦い、隠れ処などオープンワールド要素を本格的に味わうのは、ストーリーの中盤以降やフリープレイの方がいいかもしれません。
オープンワールドの気になる点も上げましたが、アクション、バトルシステムの自由度が高く、プレイアブルキャラクターも90人と多い本作。アクションゲームが好きなユーザーや『無双』が好きなユーザーには非常に楽しめる作品になっていると思います。探索や狩り、釣りと気が付いたら長い時間プレイしていました。新たな『無双』で武将の1人として、三国志の世界を体感してみてください!
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