2018年3月20日(火)
KONAMIより発売中のPS4用ソフト『メタルギア サヴァイブ』。本作は、『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN(メタルギア ソリッド V ファントムペイン)』のアクション性をそのままに、サバイバルアクションとして再構築したスピンオフ作品です。
この記事では、電撃PS編集部がオススメするタイトルをネタバレなしでレビューするという趣旨のもと、担当スタッフによる熱のこもった記事をお届けしていきます。
『メタルギア』シリーズを、個人的にゲームの価値観を変えてくれた1本として愛してやまない編集Oです。これまで発売されたナンバリングはもちろん、『AC!D』シリーズや『PORTABLE OPS』、『メタルギア ライジング』のようなスピンオフタイトルまで、発売されるたびにドップリとハマってきました。そして今回取り上げる『メタルギア サヴァイブ』も、そんなスピンオフの1本となります。
じつは事前にβテスト版を体験できたのですが、こちらはオンラインマルチプレイ(CO-OPプレイ)だけだったので、どこまでSINGLEプレイでの遊びが楽しめるのか未知数だったんですよね。ですが製品版をプレイすると、これが想像以上に“ゲームだからこその体験”を提供してくれて、時間を忘れるほどハマっている自分がいるんですよ。
そこで今回のレビューでは、自分がいかにしてこの作品の虜になっていったのかを、ゲーム中の要素である“WAVE(波)”になぞらえながらお伝えしたいと思います。
プレイをスタートして自分を襲ったおもしろさの第1WAVEは、常に付きまとう空腹とノドの渇きを満たすための手段を探しながら、じっくりと活動範囲を広げていく手探り感でした。
プレイヤーが操作するキャラクターには、空腹とノドの渇きの2つのパラメータが用意されており、これが低下すると視界がブレたり、スタミナや体力の最大値が減るなど、さまざまなデメリットが生じるんです。ゲームのテーマの1つに、いかにこれらを満たす手段を手に入れていくかがあるのですが、これがまた絶妙な入手バランスで、毎日の綱渡り感はまさに“SURVIVAL”!
水に関しては最悪“汚れた水”でも飲めばOKですが(運が悪いと腹痛になりますが)、問題は食糧です。とにかく腹が減って減ってしょうがない(泣)。なので自分は“探索に出かけるときは必ず食糧を持ち帰る”を徹底し、とにかく何も収穫がない状況だけは避けようと決めていました。
まあ、それでも拠点となるベースキャンプが充実するまでは、たとえ食糧を多めに確保できていたとしても、2日後に食いつないでいられるかの保証がまったくなく……。ただ、そこがまた心地よい緊張感なんですよね。ちなみに、今は食糧事情はもう潤沢で、このとおり備蓄もバッチリです。増える数値をみながらニヤニヤしちゃうのは、自分だけでしょうか?(笑)。
で、そんな極限状態を綱渡りしながら行う、ディーテ世界と呼ばれるエリアの探索も、これがまた辛いのに楽しいんですよ。ベースキャンプの周辺は空気がきれいな“クリアゾーン”と呼ばれ、そこでの活動はとくに支障はありません。
ですが、霧のようなモヤがかかるエリアは“塵(ちり)の海”と呼ばれ、エアタンクという酸素マスクなしでは活動ができず、しかも視界不良でマップで現在位置を確認できないんですね。そのため、最初に足を踏み入れたときは目と耳をフル回転させて、まさに五里霧中な感じで目的地を目指さないといけません。
しかも、エアタンクには酸素量の限界もあり、塵の海での活動はスタミナの減少も早いと、とにかく不利なんです。それでもどうにか目印となる灯りを遠くに見つけ、押し寄せるワンダラー(敵)たちをかいくぐって目的地へとたどり着いたときの達成感はひとしおで、さらに調べたところのマップが徐々に解除されていくチマチマ感も、個人的にはツボでした。
ただし、目的地にたどり着いたからと安心するのはまだ早い。そのあとに待ち受ける、ワームホールの開通作業がまた熱いんです! この装置は再起動するとベースキャンプとの行き来が自由にできる、いわゆるファストトラベル地点になるのですが、再起動させるには一定時間、ワンダラーたちの攻撃から守り切る必要があるんです。
周囲にいるワンダラーたちが一斉に押し寄せるので、初見はとにかく恐怖のひと言。ですが、フェンスを立てて侵入経路をふさぎ、見事に守り切ったときの喜びは格別で、開通したワームホールでベースキャンプに戻ったときの「ああ、無事に生還できた……」という疲労感が、なぜか心地よかったりするんですね。
そしておもしろさの第2WAVEは、ベースキャンプに人が集まり出して、施設が充実し出してからの生活でした。
水を確保するタンクや、じゃがいもやたまねぎなどを育てる畑、さらには羊や馬などを飼う檻などが作れるようになると、とたんに“ホーム感”が増すんですよ。この厳しい環境でひと息つける場所が作れるのは、他社のゲームではありますが『Fallout 4』(ベセスダ・ソフトワークス)のクラフトに近い感覚で、素材を延々と集めてしまうのも含めてドハマりした理由の1つでした。
しかもこのベースキャンプは、単にホームとしての役割だけでなく、ワンダラーの襲撃から守る戦いも発生するんですね(基本3回のWAVEに分けて攻めてくる)。
どこに何の施設を配置して、ここからワンダラーが攻めてきそうだからその前に柵や銃器を置こうなど、そういった防衛を考えるのも、また楽しいんです。そして、被害を出さずにうまく全WAVEでの防衛に成功したときは、思わずガッツボーズしてしまうほど!
ちなみに、作物や水などは基本的にリアル時間の経過で収穫できるようになるのですが、仕事を終えてプレイをしたときにたわわに実った作物などを見ると、とにかくテンションが上がりますね(笑)。
なお、現在のベースキャンプは以下のとおりです。食糧のリソースが足りないのは、拠点防衛中にクマの檻が破壊されてしまったから。とほほ……。
今まさに自分を襲っているおもしろさの第3WAVEは、クリア後のやり込みです。クラスを極めたり、ボスクリーチャー撃破など、さまざまなやり込みがありますが、その最たるものがオンラインマルチプレイのCO-OPプレイミッション。
これの何がおもしろいのかというと、SINGLEプレイでは弾丸を節約して、ローコストでいかに探索を進めるかというプレイスタイルだったのに対し、CO-OPプレイはリソースを全開に使い、ワンダラーどもをガンガン倒していくプレイが楽しめるという点です。
とくに難易度がHARDでのワンダラーの波状攻撃はヤバく、それを乗り切ってS評価を取れたときはトリップしてしまうほどの快感に(笑)。コミュニケーションも、プリセット無線やジェスチャーだけで行えるので敷居は高くありませんし、ノリのいい返しをしてくれるメンバーと一緒に遊べると、本当に楽しいですよ。
まだ未挑戦の方は一緒にワンダラーを撃退して「ロックンロール!」と叫びましょう(プリセット無線のセリフで、終了時に使うのが定番)。
ちなみに、CO-OPプレイミッションでしか手に入らない設計図やレアな装備も多数あります。息がピッタリあった仲間たちとSランクをとって、レアリティの高いアイテムを多数ゲットできたときのうれしさは格別です。使わない武器は解体して修理に使うのと、だいぶ戦い安くなると思いますよ。
というわけで、サンプル版含めてゆうに100時間以上は堪能中なコアプレイヤーの目線で、いろいろと語らせていただきました。
気がついたらそこは“地獄”で、生き残りを率いるキャプテンだった……なんてことは現実にあったらイヤですが、ゲームだからこそ味わえるこの地獄に、アナタも飛び込んでみてはいかがでしょうか?(編集O)
(C)2018 Konami Digital Entertainment
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