2018年3月20日(火)
3月17日、東京都・渋谷区のライブハウス“shibuya duo MUSIC EXCHANGE”で、ライブイベント“STAROCEAN Live Collection 2018”が行われました。
スクウェア・エニックスより配信中のiOS/Android用アプリ『スターオーシャン:アナムネシス』1周年イベントの一環で開催された本イベント。『スターオーシャン(SO)』のライブとしては、じつに15年ぶりとなります。
▲コロも艦長さんたちをお出迎えです! |
▲リーシュさんも来てましたよ! |
そんなミカエル的に言うと熱っちぃライブの模様を紹介しつつ、記事の後半ではステージで素晴らしい演奏を披露してくれた桜庭統さん(Key)、長谷川淳さん(Ba)、今井義頼さん(Dr)へのインタビューをお届けします。
ライブの構成は、『SO』シリーズでおなじみの宇宙暦に沿った構成になっていました。
ウェルチのナレーションによって、まずはメインテーマの『STAR OCEAN forever』が演奏されます。少し目を瞑れば、さまざまな星で経験してきた冒険の数々が思い出されるかのようでした。
続いては『SO4』から『BLOOD ON THE KEYS』が演奏陣の手によって響きます。2曲目からかなり激しい楽曲で、桜庭さんの指が20本くらいに見えてきます。
「おいおい、まだ2曲目だぜ。飛ばしすぎだ!」と、心の中で謎のキャラクターを作りながら、ライブの熱狂に巻き込まれていました。
その後は『Cosmic Voyagers』、ボスバトル曲の『The Elevens Hour』が演奏され、『SO4』パートは終了しました。なんだか最近聞いたような感じがしたのは、昨年末に『SO4』が4K&Full HDでリマスターされたからですね!
▲ステージ上の画面にはゲーム映像が流れる演出が! |
続いて会場を包んだのは『SO1』から『For Achieve』! 往年のファンはもちろん大興奮だったのではないでしょうか。シリーズでも登場頻度の高い名曲に私も大興奮でしたよ!
そんな私の気持ちを見透かすように流れ出すのは『MISSION TO THE DEEP SPACE』。トライエース作品では、もはや常連とも言える名曲でしょう。『SO』シリーズでは、『セカンドストーリー(2)』と『Till the End of Time(3)』で使用されていることでもおなじみです。
▲ベースを担当したのは長谷川淳さん。踊るような指さばきで桜庭サウンドを奏でてくれました。 |
往年の名曲たちが生演奏で聞けるなんて、贅沢すぎないかっ! と、感動に打ちひしがれていた私ですが、ここで『Stab the sword of justice』ですよ、奥さん! 許されるんでしょうか、こんな展開が!?(何が!?)
『SO2』の通常バトル楽曲ですが、本当に色あせないなぁ、と感動。クロードの「鏡面刹!」という声が聞こえてきそうです。あとはレナの「フェアリーヒール」とか(笑)。よく助けてもらいました。
『SO2』の思い出に浸りながら、次はどの曲なんだろうと期待をしていると、ルシフェル戦でおなじみの『The incarnation of devil』じゃないですか。
「そこでじっとしていろ!」と言われても、断らざるを得ないこの名曲は、『アナムネシス』内のイベント“十賢者ルシフェル降臨”で皆さまもよく耳にしているのではないでしょうか?
▲ドラムを担当したのは今井義頼さん。パワフルかつ繊細なドラミングでバンドを支えます。 |
さて、ルシフェル戦で亡びている場合ではないですよ。ここでナレーションが入ります。「宇宙暦368年、『スターオーシャン ブルースフィア』」と会場に響いた途端、そこらかしこから絶叫が。わかる、わかりますとも。
激しく打ち付けられたハイハットをカウントにして、『ブルースフィア』のバトル曲である『HAND TO HAND』が紡がれます。アガりますね!
続くのは『SO5』の楽曲たち。『Irrepressible Dignity』を皮切りに、『Face Off』とシリーズ内では新しい楽曲たちが次々と披露されていきます。ここら辺は記憶に新しいので、『SO5』の思い出がかなり鮮明に頭に浮かびました。
このコーナーの最後の曲となったのは『SO3』の『Influence of Truth Appearance』。個人的にかなり好きな曲で、『アナムネシス』のイベント“エスクキューショナー襲来”でも流れています。気持ちを奮い立たせてくれる壮大な楽曲です。
お次は全艦長待望の『スターオーシャン:アナムネシス』の楽曲! 通常バトル曲『Bright All-Stars』とボスバトル曲『Barbed Fields』の2曲が演奏されました。こちらは皆さん毎日聞いておられると思いますが、やはり生演奏で聞くと印象が変わりますね。
ライブもいよいよ終盤。宇宙暦では『SO3』の時代に差しかかります。楽曲も、もちろん『SO3』がメインになっていきます。『The Dawn of Wisdom』が広大な宇宙を思い起こさせ、『Confidence in domination』のイントロが鋭く会場の空気に斬り込みます。
そしてトドメをさすかのように『HIGH BLOW』のイントロが流れ始めます。『スターオーシャン』だけに限らず、ゲーム音楽の中でも屈指の長尺な楽曲をここに持ってきたことに驚きました(笑)。
恐らくディレクターズカット版で使用されたBand Recordingのほうが演奏されましたが、それでも7分超えの大ボリューム。演奏陣にただただ感動しつつ、聞き惚れるのでした。
ここで桜庭さんからは「最後の曲です」とアナウンスが。会場からは「嫌だ~!」と声が上がりますが、桜庭さんは優しく「すみません……」のひと言。先ほどまで激しく演奏されていた方とは思えないと考えていると、ラスト曲の『Cutting Edge of Notion』が耳に激しく襲いかかってきます。
終わってしまった……と思っていると、アンコールが始まりました。やった! まだ聞けると思った方も多いのではないでしょうか。私もそんな1人でした。
アンコールが明けると、暗い会場にいきなり“あのBGM”が流れ始めます。そうです、『ヴァルキリープロファイル』でおなじみの『聖なる死への叙事詩』!
レナスのナレーションが入り、「死の先を往く者たちよ!」の言葉を合図に『The true nature of all』がたたみ掛けてきます! 「う、うわぁ!」と小声で漏らした私を置いてけぼりにするかのようなハイテンポな曲展開に、もう変な脳内物質が出まくりです。
アンコール明けの1曲目が終わっても休息はありません。『TANGENCY』が怒涛の勢いで演奏陣の指や腕から解き放たれます。トリップです。もう桜庭サウンドの世界にトリップしていました。
▲もう私の視界はこんな感じでした(※あくまでイメージです)。 |
「さ、最高だぜ」
その時、私にそれ以外の言葉が浮かんでいたのか……わかりません。
本当に最後を飾ってくれたのは、『未確認神闘シンドローム』! 『ヴァルキリープロファイル』を遊んだことがない方でも、耳にしているであろう有名な楽曲であります。
まさかこれが聞けるなんて……! と感動を覚えていましたが、私以外にも同様のことを思っていた方はたくさんいたはず。会場の皆さんの笑顔を見て、そう感じたのでした。
▲最高! |
超絶技巧を見せてくださった桜庭統さん(Key)、長谷川淳さん(Ba)、今井義頼さん(Dr)に終演後、ライブの感想などをうかがいました。
▲左から今井さん、桜庭さん、長谷川さん。 |
――素晴らしい演奏をありがとうございました。『スターオーシャン』の楽曲がライブで披露されるのは、実に15年ぶりとなりますが、久々にお客さんの前で演奏された感想をお聞かせください。
桜庭さん:とっても緊張しました。昔はけっこう難しいことやってたんだなぁって、改めて思いましたね(笑)。
▲手のみならず、脚部まで使う桜庭さん。圧巻です。 |
――長谷川さんと今井さんはいかがでしょうか?
長谷川さん:僕は15年前のライブも一緒にステージに立たせてもらっていました。やはり15年も経つと自身も成長しますので、楽曲への解釈も変わって、昔とはまた違う部分に力を入れたパフォーマンスをお見せできたのかなと。
今井さん:僕は『スターオーシャン』のライブに参加するのは初めてだったのですが……緊張しましたね!(笑) 『スターオーシャン』に初めてかかわったのがレコーディングでして、すごい曲ばかりだなという印象を受けました。
実はレコーディングで一番難しいと感じた2曲が今回のライブで披露することになりまして、「これやるんだぁ……」と思いましたね(笑)。でも緊張よりかは、楽しみだなって奮い立ちました。
――ちなみに難しかったのはどの楽曲ですか?
今井さん:『Irrepressible Dignity』と『Influence of Truth Appearance』ですね。でも、演奏はとても楽しくできました。
――長谷川さんと桜庭さんは、苦労された楽曲はありましたか?
長谷川さん:ん~、やっぱり『Irrepressible Dignity』ですかね。構成が複雑で、変拍子がずっと続くんですよ。同じ変拍子でも違うフレーズがあって、リハーサルでは苦戦させられましたね。
桜庭さん:1曲1曲演奏すると普通なんですけど、続けてやると全部難しかったです。編成もトリオ(3人編成)だったので、メロディとバッキング(伴奏)部分をほぼ自分でやらなくてはいけなかったので、つねに手が塞がっていて段々といっぱいいっぱいになってくるんですよ(笑)。
やっぱり、結論としてはとにかく全部難しいですね。
▲桜庭さんは、これらの数の楽器を1人で操ります。 |
――もう1本手が生えてきてもおかしくないような演奏でしたので、納得です(笑)。
桜庭さん:あと2本くらい腕が欲しかったですね。
――今回はアンコールを含めると21曲の大ボリュームでして。
全員:多い(笑)。
――あの密度の曲を演奏すると考えると多いですよね(笑)。今回のライブにあたり、桜庭さんはたくさん楽器をご用意されておりましたが、全部でどれくらいの音色を使ったのでしょうか?
桜庭さん:じつはそんなに多くなくて、同時に使うのは6個くらいですかね。あとはほとんどオルガンになるので、オルガン中心で考えて音色はそんなに細かく変えませんでした。
――思っているより少なくて驚きました。ちなみに、どうしても気になっているのですが、ライブTシャツのデザインについてお聞きしてもよいでしょうか?
長谷川・今井:あ、気になります(笑)。
桜庭さん:これは小林さんに聞いていただいたほうがいいですかね。
小林秀一P(※):ご本人に確認していただき、OKをいただいています。勝手にやったわけじゃないですよ!
※小林秀一P:『スターオーシャン:アナムネシス』のプロデューサーを担当。
▲こちらがライブTシャツ。 |
桜庭さん:自分がデザインされているって、なんか不思議な感じですね。
今井さん:本人に着てほしかったなぁ~!
桜庭さん:いやいや(笑)。
――残念です(笑)。今回演奏された楽曲にはすべて原曲がありますが、ライブで披露するにあたって、どのようなアレンジをしたのかお聞かせください。
桜庭さん:なるべく原曲に近い形で、元々持っているノリを損なわないようにアレンジしています。原曲が1分や1分30秒のものなどは、合間をどう埋めてちゃんとした1曲に仕上げるのかに注意しました。
――ありがとうございます。セットリストは『スターオーシャン』の宇宙暦に沿って構成されていましたが、こちらは桜庭さんが考えられたのでしょうか? 曲も激しいものが多かったと思うのですが。
桜庭さん:いえ、順番などは小林さんと相談しつつ、決めさせていただきました。
小林P:はい。何度か打ち合わせさせていただきました。でも、最終的に曲を決めたのは桜庭さんですよ。
桜庭さん:それはスミマセン(笑)。
――そうだったんですね。最後に『スターオーシャン』の音楽を楽しんでいる方々に向けてメッセージをお願いします。
長谷川さん:僕はレコーディングやライブで、また参加させていただくと思います。新しいシリーズが出るたびに新しいものが出てくると思いますので、そちらを楽しみにしていただければ!
今井さん:楽曲の中に桜庭さんのいろいろな思いが詰まっているので、ぜひ“心”で聞いてください!
桜庭さん:これからも『スターオーシャン』シリーズは続いていくと思うので、昔の曲とともに新しい曲も楽しんでいただきたいです。実は5月20日の“スターオーシャンフェス”にて、またライブがあるので、そちらもお越しいただけるとうれしいです。今回とは少し違った形になると思っています。
――それは期待大ですね! ありがとうございました。
No. | 曲名 |
1 | STAR OCEAN forever |
2 | BLOOD ON THE KEYS |
3 | Cosmic Voyagers |
4 | The Eleventh Hour |
5 | For Achieve |
6 | MISSION TO THE DEEP SPACE |
7 | Stab the sword justice |
8 | The incarnation of devil |
9 | HAND TO HAND |
10 | Irrepressible Dignity |
11 | Face Off |
12 | Influence of Truth Appearance |
13 | Bright All-Stars |
14 | Barbed Fields |
15 | The Dawn of Wisdom |
16 | Confidence in domination |
17 | HIGH BLOW |
18 | Cutting Edge of Notion |
EC1 | The true nature of all |
EC2 | TANGENCY |
EC3 | 未確認神闘シンドローム |
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